ジェイ・ソーティー 自衛隊異世界任務記録 指令は「冒険」、派遣先は幻想的なファンタジー世界! 作:えぴっくにごつ
少し時系列は戻り、場所は大きく移る。
そこはドゥリオルン幻龍帝国の近隣に領地を持つ国、その国の一つの街。
その国は帝国が拡大政策を公言し乗り出した際に、早くに帝国に恭順する姿勢を示した国の一つ。
それ故、帝国からいくらかの権利に扱いを約束はされたが。しかしその対価として拡大政策への参加を求められ、街々からは徴兵が行われ、戦時下制限などが敷かれたため。
その街の空気はどこか重く、心地の悪いものが漂っていた。
その街のある建物施設。
上品な屋敷であるそこは、帝国より一種の食客扱いを受けている「ある者たち」が、逗留のために提供されている場所。
その屋敷の一室、また品の良い造りの寝室に。一組の男と女が共に一糸纏わぬ姿となり、『絡み合う』時を過ごす姿がある。
いや、厳密に言えばそれは。男「が」女に、好き放題に抱かれ楽しまれている光景であった。
「……っ」
「ちぅ……ふふ、美味でたまらないな」
男の方は、先日にリュシテの王国王都の攻略戦に敗れて落ち延びた、レヒュツという名の帝国の将軍。
そして女の方は、白銀の髪が特徴の可憐な美少女。それはレヒュツを見つけ拾った「大尉」と呼ばれていた女。
ここで明かせば、その名はエレーナと言った。
そのエレーナは、ベッドの上で膝を付く姿勢にさせたレヒュツに。彼のその狼の如き鋭く鍛えられた体に背後から抱き着き捕まえ。
そしてレヒュツのその体を『好き放題』に堪能していた。
「……好き者な小娘め」
「くすす、その気丈な様がまたそそる……ぺろ」
レヒュツは己の体を堪能するエレーナを、次には少しの困惑を見せつつも罵るが。
対するエレーナは妖しい笑みで、その可憐な顔に似合わない悪漢のような台詞を宣いながら。レヒュツの後ろ首に己の可愛らしい舌を、しかし陰湿な動きで這わせて舐める。
落ち延び拾われた将軍レヒュツは、この好き者美少女であるエレーナの『蒐集品』とされていた。
与えられた使命、リュシテの王国王都の陥落に失敗し、最早帝国に帰ろうとも処分される末路が待っているのみであったレヒュツ。
しかしそんなレヒュツを見つけ拾ったエレーナは、一体何者なのか、その帝国に要求できる立場にあるらしく。レヒュツの処分を免除させ、己の庇護下に置いた。
だがしかしその代わりと言うように、エレーナはレヒュツに己の『蒐集品』になれなどと言う要求を突きつけて来た。
戸惑い疑いを覚えつつも、己が命はエレーナの匙加減となったレヒュツに拒否権は無く。最悪手酷い扱いも承知の上でそれを飲んだレヒュツだったが。
そんな彼に待っていたのは、今にあるようにエレーナに『食われる』毎日であった。
要求を呑んで以来のこの数日でレヒュツに見えて来たのは、このエレーナという少女が、可憐な見た目に反して飛んだ好色家だということ。
そしてどうにもレヒュツの例のように、己の好みの人間を『蒐集品』として囲い入れ、『遊び喰らっている』らしい。
そのことは本人が、何の悪びれも無く明かして見せた。
「プライドが、小娘に好きにされるのは許さないか?でも、ふふ……『男』は正直だ」
「っ……」
そんなエレーナはまたまるで悪漢のように、揶揄い嘲る言葉を加虐的に紡ぎながら。
その舌をレヒュツの首に背に這わせて舐め。そして両腕のレヒュツの体の前に回し、そのあちこちに手先を侵略させて『堪能』を始める。
そんなように、エレーナは新しい玩具に夢中の子供のように。しばらくレヒュツで楽しみ堪能する時間を過ごした。
その歪な関係の時間は、エレーナが満足感に満たされた頃にようやく終了。
「くすっ、堪能させてもらったぞ」
「……」
エレーナは先んじて服を、彼女の日常的な服装である「軍服」を着て整えながら。そんな品の無い感想を背後に向ける。
その方や、まだ一糸纏わぬ体でベッドに腰掛けているレヒュツは。掛けられたエレーナからのその声に、少し恨めしそうな顔で彼女を見返す。
「そんな生意気そうな顔で睨んでくれるな。これから「役目」に戻らねばならないというのに……また虐めたくなってしまうじゃないか」
そんなレヒュツの向ける表情に、しかしエレーナはまた加虐的に揶揄うように返す。
「その「役目」、あんた達の正体とやら。それくらいは教えてくれると言ったよな?」
そのエレーナの反応に、レヒュツは少し背筋が寒くなるものを覚えながらも。そう要求の意味も含めた尋ねる言葉を返す。
レヒュツはエレーナに見つけ拾われてから今まで、半分軟禁状態であり。彼女たちが「何者」なのか、そういった部分をまだまるで知らされていなかった。
「ふふ、分かっている。そう焦らずとも、これから私たちの「姿」を披露しようとしていたところだ」
そんなレヒュツの要求の言葉に、しかしエレーナはまた遠回しにして揶揄うような言葉で返す。
「――エレーナぁ?」
そんな所へ、部屋の扉の外からのノック音と併せて、透る声でのエレーナを呼ぶ声が伽には聞こえる。
そしてしかしその彼女の返事を待つことも無く、次には部屋の扉が開かれた。
「そろそろ時間だよー?」
「チュウイがまた怒ってるよ?」
開かれた扉の立っていて姿を見せたのは、二つの人影……いや、厳密にはそれぞれ「人間」とは違った。
それは一人は美少女と……見紛う可憐なダークエルフの美少年。
そしてもう一人は、長身、いや巨体で気丈そうな顔立ちの。しかしその内にどこかあどけなさを漂い見せる竜人の美女。
そんな現れた二人は登場と併せてそれぞれ、エレーナを迎えに来たのだろう事を明かす言葉を寄越した。
「分かっているさ。少し、新しいコレクションに夢中になってしまってね」
そんな二人にエレーナは承知している旨を返すと併せて、また少し妖しい言葉で表しながら、レヒュツを視線で示して見せた。
「あ、聞いてた新入りさんだねっ。ふふ、はじめましてっ」
「へぇ!なんだい、今度はなんかカッコイイ人間なんだなっ」
「……!」
次にはダークエルフの少年と竜人の美女の二人は、示されたレヒュツに興味を示す色を見せ。
そしてエレーナとは少し違うが、面白そうな玩具を見つけた子供のような様で。それぞれレヒュツに近寄り、そして体を寄せて囲い挟む。
二人のそれにはあからさまに『お近づき』を、『関係』を期待する色が見えた。
「こいつらは……?」
「君と同じ、私の『コレクション』さっ。たまたま見つけ拾った君と違って、二人は『手懐けた』という違いはあるがね」
レヒュツはそんな二人に囲い挟まれて戸惑いながらもエレーナ尋ね。
それにエレーナはそれにそんな回答を、また何か含みのある妖しい笑みを伴って返す。
「ねぇねぇ、僕たちもお兄さんと『遊んで』いいー?」
「なかなかに『美味そう』な男じゃないかっ」
「……」
次にはその二人は期待を込めた色での尋ねる言葉をエレーナに紡ぐ。それは今に垣間見せたレヒュツとの『関係』を企む意思を、しかし隠そうともせずに明かすもの。
それに最早レヒュツは、少しの困惑こそあれど驚きは無かった。
「気持ちは分かるが後にお預けだ。これから私たちの「姿」を、披露して彼にも見せてあげる約束だからな」
「ちぇっ」
「なんだい、つまんない」
しかし二人の問いにエレーナは却下の旨を、説明を付け加えて返す。
それを受けた二人は口を尖らせ不服を漏らしたが。しかしそれだけで大人しくレヒュツから離れて引き下がった。
「……どこまでも好き者だな」
「ふふ」
そんな様から、エレーナの『好き者』っぷりをまた垣間見てレヒュツは軽蔑の目を彼女に向けるが。
対するエレーナはまた妖しい微笑で返すだけ。
「君も服を着て支度をするんだ。気がかりで仕方がないだろう、私たちの「姿」を見せてあげよう」
そして次にはまたも含みのある言葉で、エレーナはレヒュツにそう促した。