貞操観念が逆転したキヴォトスでの生き方   作:オレ

2 / 3



この話からオリ主視点になります。


ep1.こっちもプロローグ

 

 

 この世界に転生してきて、十数年が経った頃。何気なく、ふと思ったのだ。

 

 なんか変だな、と。

 

 そこから、そのなんかを探すのに、多分数分かけて、気がついた。

 周りをみても女性しか居ない。いや、男性が全く居ないという訳では無い。チラホラと見かけるが、それでもごく少数だ。

 圧倒的と言っていい程に、女性が多い。気づくのが遅いって? うるせぇ。転生でテンション上がってたんだよ。周りのことに気ぃ配れるかってんだ。

 

 まあだから、気になって母親に聞いてみた。なんでこんなにも男が居ないのかと。そして、その比率はどの程度なのかとも。

 

 母親は

 

「あー、考えたことも無かったわね。そういうものだと思ってたし。ただ、そうねぇ。確か、男性が1に対して女性が40? とか、その位だったと思うわよ。ただ、未だに減っていっているらしいから、今はよく分からないわね」

 

 と、俺に聞かせてくれた。俺の知っている限りでは、男女の比率はおおよそ1対1だったはずだ。それが、なんだ。圧倒的に女性の方が多い。

 

 これはつまりあれか。あれなのか? 世の男児が夢見る、貞操逆転世界というやつなのか? 

 

 生きてるだけで女性の方から寄ってくる、あの世界という訳か!? 

 

「うおっしゃァァァァァァ!!!!!」

「どうしたの急に!? ユウナ! トウカが壊れたわよ!」

「お兄ちゃんがどうしたって!?」

「やっべ。待て! 大丈夫! まだ壊れてない! 落ち着け!」

 

 くそ、興奮して我を忘れて叫んでしまった。家族からの心配そうな目が痛い……。

 

 とりあえずなんとか誤魔化して、自分の部屋へと戻ってはきたが。まだ興奮は収まらない。いやだって、夢にまで見たあの世界だぞ? 興奮するなって方が無理だ。

 

「へへっ、じゃあ後はグーダラ過ごしてれば玉の輿にでも乗れるかな〜。男女比1対40だろ? よゆーよゆー……」

 

 そこまで口にして、ふと思った。

 

 1対40ってそこそこ見るくね? と。

 

 学校のクラスが大体40人だとして、その中に一人は男子が混ざっているわけだ。つまり、学年や学校全体でみたら、まあ数十人はいるワケで。だったら、他の女の子もその中で良い男の方へ向かうわけだ。

 

 ……え、キツくね? 

 

 なんせ、俺は前世でも女性経験が全く無かった。そのため、何をどうすればモテる、等も分かっていない。そんな奴に、世の女性達は寄ってきてくれるだろうか? 

 

 否、断じて否だ。

 

 どうする? 俺はぶっちゃけ今後働きたくない。だって辛いから。だから、できれば玉の輿に乗りたい。だって楽だから。だが、今のままではその可能性も限りなく低い……。

 

 くそ、こうなったら仕方ない。

 

 思い立ったが吉日。俺は先程戻ってきたばかりのドアを開け、妹の部屋に向かった。

 

「少し良いか妹よ!」

「うわっ! ちょ、急にドア開けないでよ!」

「あ、すまん」

 

 確かに、ノックもせずにドアを開けるのは人間として良くなかった。これは女性にモテるか以前の問題だ。反省しよう。

 

「悪かった、入り直す」

「え? あ、うん」

 

 一度部屋から出て、扉を閉めてから、ノックを数回。

 

「入っていいか?」

「はぁ……。どうぞ」

 

 今度はしっかり了承の意を聞いてから中に入る。先程までベッドに居た妹は、椅子に座り直しており、呆れた様な顔でこちらを見ていた。

 

「で、何の用?」

「ああ、実は一つ聞きたいことがあってな」

「うん? 何かあった?」

「そうだな、何かあったかと聞かれれば、まああった。だが、そんなものは些細なことだ」

「はぁ、で何が聞きたいの?」

「俺が聞きたいのは、ズバリ」

「どんな男がタイプだ?」

「はぁ?」

 

 俺がそう問いかければ、本気で何を言ってるんだという目に変わってしまった。そんな目で見ないで欲しい。お兄ちゃん泣いちゃう。

 

「なんで急にそんなことを?」

「いや何。ぶっちゃけ俺も女の子にモテたくてな」

「は? 何? 好きな女子でも出来た?」

「いや、そういう訳でもないが。で、どうなんだ?」

「急に言われてもなぁ。う〜ん、やっぱり優しい人が良いよね。あとは、怒鳴らない人とか?」

「そんなもんか?」

「そんなもんって、じゃあそうだな。こっちのことを気にかけてくれて、危ない時は守ってくれる人、とか?」

「ふむ、なるほど」

 

 守ってくれる人か。確かに、一緒にいて安心感があるというのは大事か。それでいて優しければ、ふむ、確かに。俺が女の子だったら惚れるな。よし。

 

「ま、そんな男の人居ないと思うけどね。そんなの物語の中とかでしか」

「助かった、ユウナ。俺もなるべく頑張ってみることにする!」

「え? いや、お兄ちゃん本気?」

「そうと決まれば早速準備だ。また明日、ユウナ。あんま夜更かしするなよ」

「う、うん。おやすみ……」

 

 いざという時に守れる……。つまり、ある程度の腕っ節は必要だ。筋トレ等のトレーニングは必須だろう。それに加えこの世界、少なくとも俺が住んでいるところは銃撃戦の発生が珍しくない。そんな所で人を守るということは、銃器の扱いも学ばなくてはならないだろう。

 

 それに、俺の目的はあくまで玉の輿だ。つまり、良いとこのお嬢様とかとお付き合いさせて頂きたい。そのためには、学力もそれなりに必要だ。

 

 くそ、やる事が山積みだな。だが、やってみせる。今後あの苦労しないためなら、今努力することも苦ではない! 

 

「うおおお! 俺はやるぞー!!!」

「お兄ちゃんうるさい!」

「……ごめんなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ってのが、大体3年前だったかな。現在、俺高校1年生。これから入学式ってところ。

 

 あれからマジで大変だった。急に筋トレ器具とかを親に強請ったから、マジでイカレたんじゃないかと心配されたし、なにより、銃器の扱いがマジでむずい。

 

 そりゃ、勉強とか筋トレとかは、しんどいけど多少の知識はあったから、効率良く行うことができた。だが、銃なんて前世含め一回も使ったことなんて無かった訳だから、そりゃあもう大変だった。

 

 そんな甲斐あってか、俺が知ってる中で一番のお嬢様校に入学することができた。トリニティ総合学園ってとこ。

 

 いやー、まーじで大変でしたよ。何が大変かって、妹と母さんを落ち着かせることがよ。俺がいざ家から出て寮で暮らすぞってなった時

 

「寮生活!? 聞いてないんだけど!?」

「私も初耳よ!? どうなるか分からないんだし、家から通える所にしなさい!」

 

 ってな感じで、ガチで止められてた。まあ、こうなるって分かってたから黙ってたんだし。母さんや妹には悪いが、俺は友達を部屋に呼んで夜通しパーティとかしたいタイプの男子なんだ。家だったら家族の迷惑気にして出来ないし、どうか許してくれ。

 

 てなワケで、今日から寮生活&学園生活が始まるってワケよ。中学の知り合いとかいるかなぁ。俺がここ行くっていうのは、まあ親しいやつには言ってるけど、そいつらがどこ行くとかは聞いてなかったし。

 

 中学では彼女も出来なかったしモテすらしなかったが、高校ではやってやる! 夢の玉の輿を目指して!! 

 

 ───そう決意して、早一週間。俺は机に突っ伏して絶望していた。何故かって? 

 

 一週間経ってもモテるどころか友達すらできてないからだよ!! 

 

 言わせんなよこんな事、恥ずかしい……(泣)

 

 いやおかしい! だって俺ちゃんと接してるぞ!? 話しかけられたら笑顔で対応してるし、困っている子がいたら積極的に助ける様にしている。頼み事とかも大体聞いてるし、どうして!!!! 

 

 いややほんとになんでよ。俺結構頑張ってるよ? なのになんか、話しかけたら目ぇ逸らされるし、教科書忘れた時、机くっ付けて見せてもらうことになったけど、そのうち教科書だけ渡されて机離されたり。え俺嫌われてる? ま、まさかそんなワケ。

 

 ……まずい、こわい。ワンチャンマジで嫌われてるんじゃないのか俺。ちょっと不安になってきた。

 

「くそ、こうなったら」

 

 マジで不安なので、このクラスの中だったら一番話す人である、聖園さんに話を聞いてみたいと思う。まあ、話すっていってもあっちが話しかけてくれるからなんだけど……。

 

「聖園さん、ちょっといいか?」

「うん? え、く、紅内くん!? ど、どうしたの?」

「いや、ちょっと気になってることがあって。今時間大丈夫?」

「う、うん! 大丈夫だけど」

「助かる。じゃあ、着いてきてくれ」

「う、うん。うわ〜、あっちから話しかけられちゃった。これ夢じゃないよね? うぅ、緊張する……

 

 そう言い、聖園さんの前を歩く。……少し顔が赤いな、聖園さん。体調が悪いのか? だったら付き合わせるのも悪いよな。

 

「あーっと、大丈夫か? 少し顔色が気になって」

「え!? いや! 全然大丈夫だよ! ほんと気にしないで!」

「そうか? ならいいんだけど……」

 

 そうは言われても、やはり心配なものは心配だ。あまり歩かせるものでもないか。人も居ないし、この辺りで良いだろう。歩を止めて、後ろを歩いていた聖園さんに向き直る。

 

「それで、話なんだけど」

「う、うん」

 

 くそっ、これ人に聞くの緊張するな。頼むから間違っててほしい。

 

「その、俺って。みんなからあんまり好かれてない感じ、なのか?」

「……え?」

「いや、答えづらいものなのは分かってる。けどその、気になって。何か悪いところがあるなら直したいと思って」

 

 俺がそう問いかけると、聖園さんはぽかんとした表情を浮かべながら

 

「えっと、ほんとにそれだけ?」

「あ、ああ」

 

 それだけってなんだそれだけって! こちとらガチで悩んでるんだぞ! 人に嫌われるってキツイんだからな!! 

 

「ふふっ、あははは!」

「笑うことないだろ……」

 

 くそ、なんか恥ずかしくなってきた……。てかなんでそんな笑ってんだ? そんなことにも気づかないなんてお前ほんとバカだなってこと??? 

 

「いやー、面白くてさ。紅内くんを嫌ってる? ナイナイ」

「え、あ、そうなのか?」

「うん、100%ないよ」

「? どうして言い切れるんだ?」

「え、えーっと、それは……。ひ、秘密かな! でも、嫌われてるってことは絶対ないから、安心して!」

「そ、そうか? まあ、それなら良かった」

 

 そこまで言うってことはマジなのか……。いやー! 良かった! マジで安心した! 100%って言ってた理由は気になるけど、とりあえず安心! 

 

「けど、紅内くんそういうの気にするんだね。今まで会った男の人って、あっちが気をつかって当然、みたいな感じしてたから、ちょっと意外かも」

「ん、そうか? まあ、俺は女の子には好かれたいからな。なるべく気をつけてるんだ」

「え!? そ、そうなの!?」

「ああ。……あっ! しまった。これ秘密にしといてくれ! 頼む!」

「う、うん。別にいいけど……」

 

 危ねぇ〜。好かれたいから普段からああいうことしてるなんて知られたら、結構キツイぜ……。くそ、安心して気が緩んでたな。

 

「あ、じゃあそうだ。秘密にする代わりにさ、私の事、名前で呼んでくれない?」

「ん、ああ。そのくらいならいいぞ」

「やった! 私の下の名前はね」

「いや、知ってる。ミカだろ? 聖園ミカ。流石にクラスメイトの名前くらい分かる」

「え、わ、えっと。し、知ってたんだ……」

「ん? ああ。じゃ、よろしくな、ミカ」

「う、うん。よろしく」

「……やっぱり顔色が良くないな。保健室に行った方がいいんじゃないか?」

「そう、かもね。ちょっと行ってこようかな」

「一人で行けるか?」

「えーっと。うん、大丈夫。ありがとうね」

「そうか。じゃ、気をつけて」

 

 そう言って、保健室へと向かう聖園さん、じゃなくて、ミカを見送る。

 

 いやーマジで嫌われてなくて良かった。最後に気が緩んでミスしたけど、まあ大丈夫だろ! 多分! 

 

(よし! 明日からも玉の輿狙って頑張るぞ!!)

 

 そんな決意を抱いて、チャイムが鳴ったことに焦りを感じながら、教室へと戻っていった。

 






・紅内トウカ(くれない とうか)
オリ主。健全といえば健全な男子高校生。モテたい。

・聖園ミカ(みその みか)
最初のメインはこの人。なぜなら私が好きだから。可愛い。この後保健室で多分悶える。名前覚えてもらえてるとは思ってなかった。

実は感想とか待ってます。あと、オリ主の見た目って要ります?要るならてけとーに描くんですけども
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。