エロRPG世界のED男とドスケベボディ女勇者   作:社畜だったきなこ餅

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Q.最近ハマったエロいRPGは?
A.BlackS〇uls2

Q.好きなゲームの覚醒展開は?
A.魔王物語物語の運命の打破


ハッピーエンド至上主義者

 

その少年は、自身が産まれた時に母親を亡くした。

そして唯一残った肉親である父親もまた、少年が独り立ちする年齢になる前に狩人の仕事中の事故で命を落とした。

 

だがそれでも少年は独りではなかった。

村に唯一存在した雑貨屋の娘が、何かにつけて彼を気にかけていたのだから。

 

 

そして、そんな少女に片想いを寄せる少年がいた。

しかし少年はその想いを伝えられなかった、それが何故かと言えば……見識が驚くほど広い兄貴分と雑貨屋の娘は見ればわかる程に相思相愛だったのだ。

想いを素直に伝えられない雑貨屋の娘と、気持ちを分かっているそぶりを見せながらもはぐらかす態度を取るクソボケ。

 

だが結論から言えば雑貨屋の娘は、村長の欲望の牙によって穢され……その心を壊し。

雑貨屋の娘を救えなかった自責と逃避から、狩人の青年は憎悪と狂気の全てを村長へ向けた。

そして、村長の息子は快楽で壊された雑貨屋の娘の為と自分に嘘をつきながら、蓋をしていた想いと欲望を向けてしまった。

 

そんな、この世界でも滅多に見られないほどに酷い話。

だからこそ、村長の息子であり……現在の村長となった青年、コープは帰って来た兄貴分である狩人の青年が自身を罰する救い主だと感じていた。

 

 

 

少し太陽が傾きかけた時間帯、辺境の田舎村の中で一際大きい村長の屋敷の広間。

その場所で、頬がこけ痩せ細った姿の現村長コープは……帰って来た狩人の青年シルクスと彼の旅の仲間である狐獣人忍者のタマモと机を挟んで相対していた。

 

驚くほどに静かで生活感のない屋敷の中を探るようにシルクスは視線を巡らせながら、フードを下ろしてその口を開く。

 

 

「……俺が村を離れている間に何があった」

 

 

シルクスの言葉に対してコープは何から話そうかと一瞬だけ逡巡しながらも、全てを話す事を決める。

もはや余命いくばくもないのだから。

 

 

「……行商人がやってきましてね、黒い宝石がはめこまれたペンダントを売りに来たんです。『願いを叶えるペンダント』だと」

 

 

シルクスは自身もその目で見た彼女の胸元で輝いていたペンダントを思い出しながら、コープに先を促す。

一方でタマモは何で自分は、勇者や聖女と違ってここに連れて来られたのか内心で首を傾げていた。

 

 

「偶然その時話を聞いていたリリィさんが、その言葉に反応を示したんです。僕は彼女が喜ぶのならと思って、それを行商人から買いました」

 

 

コープは時折言葉を閊えさせながら言葉を紡ぐ。

自身が欲望に抗えなかった事で産ませてしまった子供、それでも子供への愛情を示していたリリィの姿を思い出し……そして。

 

 

「そして、リリィにペンダントをプレゼントした次の日です」

 

 

コープの言葉が震える。

シルクスは静かに、言葉の先を促す。

 

 

「村の風景は豊かだった昔の頃に戻っていて、僕とリリィの子供は痕跡も何もかもが無くなって」

 

「そして、リリィは僕にあの頃の笑顔でこう言ったんです。『シルクスも酷いよね、私と結婚したばかりなのに出かけるなんて』と」

 

 

コープの言葉を聞いたシルクスは音を立てて席を立つとテーブルを回り込み、項垂れる彼の胸元をつかんで引き上げる。

その目には筆舌に尽くしがたい感情が塗りこめられていた。

 

そして感情のまま言葉をぶつけようとした次の瞬間、音もなく彼の背中に近寄っていたタマモによって制される。

 

 

「ストップでござる狩人殿、下手するとその御人死んじゃうでござる」

 

 

タマモの言葉に少しだけ冷静になった狩人はその時になって漸く気付く。

今自分が胸元を掴んで引き上げた弟分は、やつれているというだけではありえない程軽かったことに。

 

 

「お前、もしかして……」

 

「……はい、何となくだけど。僕の臓腑も幾つか無くなりました」

 

「じゃあ、何か……? 彼女が……」

 

 

コープの言葉に狩人は胸元から手を放し、力なく崩れ落ちそうになって踏み止まり片手で自身の顔を抑えながらブツブツと呟く。

その様子にコープは自身の至らなさと無力さを痛感し、タマモはなんて言葉をかければいいか戸惑いオロオロとし…………。

 

 

 

 

 

 

「やってられるかクソがぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「「?!?!」」

 

 

狩人、シルクスが屋敷全体を震わせるかのような咆哮を上げた。

 

 

「あ、あの狩人どの……?」

 

「シルクスさん……?」

 

 

恐る恐る声をかけるコープとタマモ。

一方で心中に溜まったむしゃくしゃを怒りの咆哮で解き放った狩人は、表情筋が死んでいると評されるその顔に怒りとやけくそ感情を張り付けながらコープと視線を合わせる。

 

 

「すまなかったコープ! 俺がリリィから逃げたのが全部悪かった! その上、お前の気持ちを利用して……俺が逃げる為にお前がリリィとなし崩し的に寝たっていう事実を利用した!」

 

「でも、僕が我慢しておさえていればここまでひどくはならなかった!」

 

「確かにアソコで俺は一発お前を全力で殴ってやるべきだった!すまん!」

 

 

狩人は心の中にあったわだかまりと後悔をただ感情のままにぶつけ、混乱するコープに叩きつける。

一方で初めてかもしれないシルクスが露わにする感情の発露に呼応するかのように、コープもまた声を掠れさせながら叫び……ソレもまた事実ではある以上シルクスはケジメを付けるべきだったと喋る。

下手にかっこつけて逃げた事がすべての惨劇を招いた、その事実を狩人は全部受け入れた。

 

その上で。

 

 

「だけどお前もあのクソボケ村長の陰謀に繋がる動きを少しは知らせろよ! 前もって知ってたらリリィが酷い事になる前に俺が全部何とかしたわ!!」

 

「ソレは本当にごめんなさい!」

 

 

ついでにずっと抱えていた不満も叩きつけた、それについては全面的に首をつってでもコープ自身が謝りたい事だったので謝罪した。

 

 

「あ、あの……狩人、どの?」

 

 

一方でタマモは絶賛置いてけぼりである、つい先ほどまでの陰鬱でどうしようもない空気は何処へ行ったのだとその目が問いかけている。

そして同時に凄まじく面倒な事に巻き込まれる予感がしていた。

 

 

「忍者、いやタマモ!」

 

「あ、初めて名前呼ばれたでござる……勇者殿にバレたら後が怖いでござるな、ともあれどうしたでござるか?」

 

「お前さんが取り戻した家宝の巻物に確か、魂とか蘇生に関する邪法載ってたよな」

 

 

ずっと忍者呼びしてきていた狩人からの名前呼びに思ったより悪くないでござるな、などと考えていた忍者の笑顔が凍り付く。

何故門外不出の秘術の存在を知っているのか、巻物は直接自分が回収したしずっと自分が隠し持っているから狩人が知っているはずがないとかそう言う事よりも、彼女は心配することがあった。

 

 

「何をするつもりでござるか?! というかダメでござるちょっとでも使うとマジでヤバイ秘術なのでござる!!」

 

「大丈夫大丈夫ちょっとだけだから、先っちょだけだから!!」

 

「そもそも無からホイホイ蘇生とか反魂とかできる代物じゃないでござる!」

 

「大丈夫大丈夫、代価の当てならあるから信じて」

 

 

ぎゃーぎゃー言い合う二人を見てコープは咳き込みながらゆっくりと椅子に座り直す。

自分は成す事やる事全部が裏目になり空回りし、それでもリリィが幸せならそれでもいいと思って死ぬ気だったというのに。

 

 

「なんで、シルクスさんは……」

 

「あん? 決まってるだろが」

 

 

自分自身の情けなさに涙が滲むコープに対し、シルクスは昔のようにその頭をぺしーんと軽く音を立てて叩きながら言葉を続ける。

 

 

「ここは俺の故郷でアイツは俺が好きだった女でお前は大事な弟分だ、そしてだな」

 

 

シルクスは強張った表情筋に慣れない不敵な笑みを浮かべながら宣言する。

 

 

「俺はハッピーエンド至上主義者で純愛主義者なんだよ」

 

 

淫欲と欲望が先行しがちなこの世界に対する宣戦布告を。

 

 

 

 

「ところでシルクスさん、他のお仲間はどこに……?」

 

「ああ、勇者と自称聖女ならリリィとお茶会してもらってる」

 

「対応をいきなり押し付けられたリリィ殿も、ついでに勇者殿も凄い顔してたでござる」

 

 

 




と言うワケで鬱展開終了の御報せ、次から狩人君は自分のツケを支払いつつきっちりケジメつけます。
ほらそこに、便利な道具(魔石ペンダント)があるじゃろ?

そう言う事じゃ。
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