元Sランク冒険者、弟子を取る〜引退後の生活は、おしかけ弟子のせいで滅茶苦茶です〜   作:サラダよりは肉が好き

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うおぉぉぉぉ!!!書くぞぉぉぉ!


第17話 元Sランク冒険者と、ダンジョンの噂。

 だいたい1時間後。ミャゲルは見事ゴーレム達の討伐をやり遂げた。地面に埋まっていったゴーレムは10体くらい居たんだけどな。その中で色々なものを見に付けたらしい。

 例えば、魔力をダガーに集約させて強度と威力を限界まで高め、ゴーレムの土塊の体ごとコアを貫通してみせた。身体強化にムラが無いように使っていた魔力をダガーに集中させたわけだから防御面はご察しだが……。

 あとは、ゴーレム2体の行動を誘導して相打ちをさせていたりもした。ある意味一番効率が良いやり方だな。

 そんなこんなで……

 

「も、もう無理です……体につけてる重りを外させてください師匠〜……」

 

「あ、うん。却下で」

 

「そんなぁ〜……」

 

 地面に倒れ込むミャゲルを余所に、俺はゴーレム達の残骸をかき集めてアイテム袋へ閉まっていく。この土が金になるんだよ……!

 ちなみにトムラ山に住んでいたドワーフ達の子孫は、これから行くダコテの街に移住して生活しているらしい。陶芸も盛んだそうだ。だからこその、魔力が込められた土だったりする。

 ……流石にこれだけで土地の購入資金には届かないだろうけどな。

 

「ほら、寝てないで次の場所行くぞ。修行はまだ始まったばかりだ」

 

「え!?」

 

 この厳しさに恐れおののいて逃げ出すが良い……!

 

 

 ゴーレムの土を大量に集め、道中の魔物をミャゲルに討伐させて素材を集めながら数日が経過した。

 ミャゲルは毎日ボロボロで、俺のことを鬼だの悪魔だのと罵ってはいたが……相変わらず逃げる素振りは見せない。本当に良く耐えるなコイツ。

 

「……!師匠!潮の匂いです!」

 

「流石獣人……お、だんだん見えてきたな」

 

「はい!あの街が、ダコテの街なんですね……!」

 

 まず目に入ったのは、空とは違う色をした青々と広がる海だ。そして次に、海沿いに広がっている規模が大きい港町。

 遠目で見ているだけだっていうのに、賑やかな様子を想像してしまう。そういや、日本だと港町とかそれだけで観光地な地域もあったよな……。そのイメージのせいかもしれない。

 街の入口まで近づき、そのまま入ると、ただのイメージではなく実際に喧騒が街を行き交っていることを実感する。

 例えば、宿屋を探して街を散策していると……

 

「そこの猫獣人のお嬢さん!今日捕れたての刃ビレサーモンなんかどうだい!」

「いやいや!ウチのジャイアントマグロの方が新鮮で美味いに決まってらぁ!朝イチで俺が1本釣りしてきたんだぜ!?」

 

「お魚!……どっちも買います!」

 

「待て馬鹿。ナマモノ買ってどこでどうやって食べるんだよ。……まずは腹ごしらえか」

 

 こんな具合で、好きあらば店を開いている人々に声をかけられたりする。俺達が冒険者だから、というわけではなく、通りがかった人々の大体にこうして声をかけている。

 

「何がマグロだ、こっちのサーモンは今が旬なんだよ!今のマグロなんて脂がノッてないんじゃねぇのか!?」

 

「バカいうな!この丸々超えたマグロの土手っ腹が見えねぇのかよ!」

 

 客に声をかけるだけではなく、このような店同士の口喧嘩のようなものも見られた。だが険悪という雰囲気もないし、他の人々も別に止めない。いつものことなんだろうな。この下町のノリというかなんというか。

 魚の誘惑に負けそうなミャゲルの首根っこを掴み、なんとか酒場を見つけて無理やり昼食にありついた。

 猫の獣人らしさなのか、どうやらミャゲルは本当に魚に目がないらしい。元々住んでいた場所は山で、食事は山に住む魔物の肉が主だったしな。……今思い返せば、当時の食事が川魚だった時は、目を輝かせていたような気がしないでもないが。

 

「はふっ、はふっ……ん〜♪」

 

 こうして焼き魚を食べて幸せそうにしているところを見ると、まだまだガキだなと思いつつも、どこか微笑ましい気持ちになる。別段子供好きというわけでもないんだがな……。

 それにしても……

 

「……」

 

「はふっ……ほーひはんへふはひひょー(どうしたんですか師匠)?」

 

「飲み込んでから話せよ……」

 

 酒場には、当然他の客も居るわけなんだが……どうにも、ボロボロだったり殺気立っている連中が何人か居る。近くのテーブルに座ってる2人組に聞き耳を立ててみるか。

 

「……クソ!なんだよあのダンジョン……!突然出現した癖に、この周辺に出てくる魔物より段違いに強いじゃねぇか」

 

「そう腐るなよ。……ただまぁ、確かに強い。ギルドも依頼を出してるのは良いが……いまこの街に居る冒険者じゃ、太刀打ちできないよ」

 

「じゃあ諦めるしか無いってのか!?Bランクに上がって、これからって時に!」

 

「落ち着けって……生きて帰っただけマシだろ」

 

 ダンジョンが出現……Bランクに手が負えないレベルのものが突然発生するのは不可解だ。

 ダンジョンは、ダンジョンコアと呼ばれる魔法生物が発生させる特殊な空間のことを指す。ダンジョンコアは自身を護るための魔物を生み出し、時間をかけて、空間を拡張しつつ、より強力な魔物を生み出していく。

 その筈なのに、発生してから時間が経っていないダンジョンが力を持っているのはおかしい。

 どうやら厄介な時にこの街へ来てしまったらしい。……修行に、もとい金儲けに使えるか?ダンジョン内の魔物は、発生した周囲の地域のものを反映させるし、もちろん素材も取れる。その上、ダンジョンを攻略すればギルドから報奨金も出るしな。

 詳しく聞いてみるか……

 

「……あの、師匠」

 

「なんだよ……」

 

「あそこにいる人……師匠と同じローブ着てますけど、お知り合いですか?」

 

「!?」

 

 慌てて、ミャゲルが見ている方向を見る。……確かに、入口から俺と同じローブを羽織っている奴が1人入って、席について注文している様子が見えた。

 俺と同じローブ……この認識阻害のローブは、ミランダが作ったもの。つまり……マスターアーツの誰かということになるわけで……

 

「あ!も、もしかしてマスターアーツの誰k……って師匠!?」

 

 代金だけを置いて、全力でその場を後にする。ミランダと再会した時のようには行くか!

 クソッ!せっかく新天地に来たっていうのに、また厄介事の気配がするぞ!

 




できれば毎日か2日に1回は更新したいところ。
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