元Sランク冒険者、弟子を取る〜引退後の生活は、おしかけ弟子のせいで滅茶苦茶です〜   作:サラダよりは肉が好き

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最近時間が取れない……( ˘ω˘ )


第24話 元Sランク冒険者と、攻略開始。

 翌日。俺、ミャゲル、タビト、スーザンの4人はダンジョンへと向かうことに。

 街から徒歩で2時間程の道のりなのだが……

 

「……えーっと、何コレ」

 

「ワタシが開発した魔道具です~。馬車より何倍も速く走れるんですよ~」

 

 それは、金属の箱に車輪がついたシロモノだ。前方にはハンドルらしき何かがついており、後ろにはブースターのようなものがついている。……おおよそファンタジー世界に似つかわしくないモノがそこにあった。

 

「こ、こんな魔道具、見たことないです……!」

 

「後ろから魔力を放出して、爆発的に加速するんです~。大体馬の2倍くらいの速度がでますよ~」

 

「は、速い……!」

 

 そういえば、スーザンは魔道具開発ができるって言ってたな。というかこれほぼ車だし。

 まぁ、この世界は転移者はそれなりに存在するから、車の存在が知られていてもおかしくはないが……。

 

「えぇ……これに乗るの?」

 

「……タビト、コレに乗ったことがあるのか?」

 

「うん……その、確かに徒歩で移動するよりは速いけど……乗り心地が、ね?」

 

「じゃあ行きましょう~」

 

「はい!」

 

 ……ミャゲル、俺におぶられた時にグロッキーになってたような気がするが……乗り物は平気なのか?

 

 

 ……ダンジョンに到着後。

 

「お゛ぇ゛………」

 

「ミ、ミャゲルちゃん……!」

 

「う゛っ゛……」

 

「タビト……お前乗り物弱かったっけ?」

 

「別にそんなことはないけどさ……馬車より酷い……だから乗りたくなかったんだ」

 

 結論から言うと、時間の短縮にはなった。なったが……御覧の通りの阿鼻叫喚だ。

 現代の車は、揺れにも配慮して現代の技術を結集して作られているわけだ。その配慮がされていない状態で速度を出せば……まぁ揺れは酷いよな。

 ……だが、スーザンの魔道具作りの腕は確かなようだ。

 車の魔道具は、主に風属性の魔法を応用して作られていた。魔力を込めることで、風を噴射する魔道具をブースターとして活用し、空気抵抗を抑えるため、風の流れを操作する魔道具を仕込んでいたようだ。

 口で言えば簡単だが、まともに走る車を作るには細かい調整が必要だ。……まぁ乗り心地は最悪だったが。

 

「……で、ここがダンジョンか」

 

「……うん」

 

 ダンジョンは、ダンジョンコアという生物が創り出す亜空間だ。亜空間に生物を誘い込み、殺して魔力へ変換する。

 入り口は、両開きの扉のようになっている。大自然の中に、突然扉をみかけることがあれば、それはダンジョンだ。

 今回のダンジョンもその例に漏れずに、扉の形をしていた。……黒い靄は、ない。普通のダンジョンだ。

 

「……仕方ない、さっさと攻略するぞ、ミャゲル」

 

「は、はい!初ダンジョン……頑張ります!」

 

「スーザン、油断はしないようにね」

 

「もちろんです~」

 

 ……さて、鬼が出るか、蛇がでるか。

 

 

 ダンジョンの中は、鍾乳洞の中のようだった。天井には先端が尖った鍾乳石がびっしりと見受けられ、光に当たると淡く青色に光る。

 横道は無く、基本的には一本道で迷うことはなく、順調に先へと進んでいけた。

 ダンジョンなので、もちろん魔物が出現する。酒場で冒険者が話していたように、そこそこ強い魔物が、時々現れた。

 主に現れたのは、Cランクの魚人型の魔物マーマンや、Bランクのサンゴゴーレムといった奴らだ。海が近いからか、水場に生息する魔物が多い。

 一般的に、出来立てのダンジョンに出現する魔物は、普通はEランク。ボスクラスでDランクくらいだ。……Cランク以上の魔物しか出現しないのは不自然だな。

 しかし……この程度であれば弟子たちで対処が可能だ。

 

「邪魔ですよ~?」

 

「ギギギ……!」

 

 スーザンは、ドワーフ由来の怪力を活かした前衛タイプだな。両手斧を軽々と振り回す。加えて……

 

「ここで爆破です~」

 

 ボン!と、小さな爆発と共にモンスターのバランスが崩れる。接近している間に、小型の魔道具を魔物に仕込んでいたようだ。

 小型爆弾型魔道具も、スーザンが開発したらしい。……昨日、ミャゲルがアフロになっていたのはあの爆弾のせいか……。

 接近戦に、魔道具による攻撃。1人でもバランスが取れた戦い方をするようだ。優秀だな……。本人の才覚もあるが、魔道具の使い方はタビトがしっかりと教え込んだらしい。

 一方、うちの弟子は……

 

「……そこです!」

 

「ギッ!?」

 

 ……ほう。動きに迷いがないな。マーマンには堅牢なウロコがあるのだが、ウロコとウロコの間にダガーを差し込んで攻撃を届かせている。

 サンゴゴーレムに関しては、ダコテ山での特訓が役に立ったらしい。脆い部分を見抜き、魔力で強化した身体能力で撃破していた。

 ミャゲル……出会った頃はBランクのグランドグリズリーにも震えていたのにな。成長速度が凄まじい。

 基本的には、戦闘は弟子に任せるというのはタビトと話して決めていた。

 このレベルなら、俺とタビトが本気を出せばすぐにでもダンジョンの最奥には行けるだろうが……今回の目的は、攻略と、調査だ。

 俺が過去に捕らえられたダンジョン、マグナアビスと同様に、出現したてでも強力な魔物が出るダンジョンだ。少しでも情報は持ち帰らないとな。弟子の修行にもなるし、見守るとしよう。

 

「……テツロウ」

 

「どうした?」

 

「……なんだか、嬉しいよ。君とこうやって、また冒険できてるなんて」

 

「……そうかよ」

 

 ……あの頃は、楽しかった。確かに苦労ばかりだったが、異世界での冒険というのは、心躍ったものだ。

 異世界の方が日常になった今、あの頃の高揚感はもう感じられないけどな。

 

「ねぇ、テツロウ。良かったら、この依頼が終わった後も……」

 

「それは無理だ。……俺はもう、冒険者に戻る気はねぇよ」

 

「……そっか」

 

 俺はもう、冒険者になるつもりはない。俺の冒険は……マスターアーツを抜けた時に終わったんだ。

 




爆発するとアフロってテンプレ、どこから生まれたんでしょうね。
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