宍戸丈の奇天烈遊戯王   作:ドナルド

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第129話  1/1ギャンブル

宍戸丈  LP1100 手札3枚

場  冥府の使者ゴーズ、カイエントークン

伏せ 無し

 

 

明弩瑠璃 LP4000 手札2枚

場 ホルスの黒炎竜LV6

伏せ 一枚

罠 王宮のお触れ

 

 

 

 

「俺のターン」

 

 前のターンで召喚したゴーズのお蔭でライフは兎も角、フィールドアドバンテージは巻き返してきている。

 しかし時間をかければ時間をかけるだけ瑠璃のフィールドは万全の布陣が整い、強力無比なモンスターたちが並んでいくだろう。

 

(これまでの戦いぶりから察するに彼女のデッキはホルスの黒炎竜と王宮のお触れを中心にしたロックに、汎用性の高い帝モンスターを混ぜたもの)

 

 魔法をロックするホルスも強力だが、生け贄召喚するごとにアドバンテージを稼ぐ帝モンスターも厄介極まりないモンスターだ。

 丈とてただいいようにやられているわけではない。

 三十秒で構築したデッキだが、明弩瑠璃を倒せるだけのとっておきを仕込ませている。だがそのとっておきのためには幾らかの準備……というより全てのキーカードを揃える必要があった。

 果たしてこの即席デッキの防御力でキーカードが揃うまで保てるのか、それが勝敗を分ける鍵となるだろう。

 

「ドロー」

 

 幸いというべきか丈の場には攻撃力2700の冥府の使者ゴーズがいる。LV6のホルスの黒炎竜なら倒せるだけの力はあった。

 気にかかるのは彼女の伏せたリバースカード。『王宮のお触れ』が発動中の今、使用できない罠カードを伏せるとは思えない。それに王宮のお触れを投入するデッキである以上、罠カードは少な目に調整しているはずだ。

 だとすればあの伏せカードは相手ターンでも発動を可能とする速攻魔法の可能性が高い。もしくはそうと見せかけたフェイクか。

 

「決めた。虎穴に入らずんば虎子を得ず。バトルフェイズ、冥府の使者ゴーズでホルスの黒炎竜を攻撃。ソード・ブラッシュ!」

 

 ゴーズがホルスの黒炎竜に斬りかかる。ゴーズの攻撃力は2700、この攻撃が通ればホルスを進化させる前に倒すことができるだろう。

 けれどゴーズの刃はホルスを守る様な闇の障壁に阻まれた。

 

「墓地よりネクロ・ガードナーを除外し、その効果を発動させて頂きました。ゴーズの攻撃は無効です。カイエントークンで攻撃なさいますか?」

 

「…………」

 

 カイエントークンの攻撃力は2300だ。相打ち覚悟で特攻させればホルスの黒炎竜を倒すことはできるだろう。

 しかしそう簡単にいくと思わせてくれないのがあのリバースカード。

 虎穴に入る勇気も必要だが、時には危険を避ける判断もまた必要。

 

「バトルを終了。カイエントークンを守備表示に変更、更にモンスターをセットしてターンエンドだ」

 

「私のターン。選択を誤りましたね宍戸丈様。私はこのターンでホルスを進化させて頂きます」

 

「!」

 

「先ずはホルスのレベルを一つ下げレベル・スティーラーを特殊召喚。レベル・スティーラーを生け贄に邪帝ガイウスを召喚します」

 

 

【邪帝ガイウス】

闇属性 ☆6 悪魔族

攻撃力2400

守備力1000

このカードの生け贄召喚に成功した時、フィールド上に存在するカード1枚を除外する。

除外したカードが闇属性モンスターカードだった場合、

相手ライフに1000ポイントダメージを与える。

 

 

 風帝ライザーと並び帝モンスターでも最強とされる一枚、邪悪なる帝王――――ガイウスが闇を引き連れて降臨する。

 丈は顔を歪めた。丈のフィールドにいるゴーズは闇属性、そして相手が闇属性の場合、ガイウスはその邪悪な力を100%解放するのだ。

 

「ガイウスのモンスター効果。このカードの生け贄召喚に成功した時、フィールドに存在するカード一枚を除外する。更に除外したカードが闇属性モンスターだった場合、相手ライフに1000ポイントのダメージを与える。

 宍戸様。私は貴方のゴーズを対象として選び、ゴーズを抹消する。闇の波動!」

 

 ガイウスが手から放った漆黒の球体に呑み込まれると、ゴーズは断末魔の叫びをあげながら消滅する。

 消滅、だ。破壊ではない。そしてゴーズを倒したことによる闇の残滓がダメージとなって丈を襲う。

 

「追い込まれたな」

 

 

 宍戸丈LP1100→100

 

 闇のゲームの〝苦痛〟に身を焼かれながら、舌打ちしたいのを堪える。

 ガイウスのバーンダメージにより丈のライフはたったの100。あと一撃の攻撃で吹き飛ぶ文字通りの風前の灯というやつだ。

 

「まだです。私は邪帝ガイウスで守備表示のカイエントークンを攻撃、そしてホルスの黒炎竜で裏側守備モンスターを攻撃します」

 

 邪帝の前に冥府の使者の片割れたるカイエンは為す術なく破壊される。続いてホルスの黒炎がセットされたモンスターに襲い掛かった。

 

「リバースモンスターはマシュマロンだ。こいつは戦闘では破壊されない……」

 

「逃がしません。速攻魔法、禁じられた聖杯を発動。マシュマロンの効果をこのターンまで無効にします」

 

 破壊耐性のあるマシュマロンも効果そのものが無効にされては意味を為さない。

 ホルスの黒い炎に為す術もなくマシュマロンは撃破された。カイエンもマシュマロンも守備表示であったためダメージは受けなかったが、これでホルスの進化条件が整ってしまった。

 

「このターンのエンドフェイズ、ホルスの黒炎竜はLV8に進化します。飛び立ちなさい、ホルスの黒炎竜」

 

 

【ホルスの黒炎竜 LV8】

炎属性 ☆8 ドラゴン族

攻撃力3000

守備力1800

このカードは通常召喚できない。

「ホルスの黒炎竜 LV6」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。

このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、

魔法カードの発動を無効にし破壊する事ができる。

 

 

 遂に現れるホルスの黒炎竜の最終進化形態。

 これで丈はもう魔法カードを発動することもできず、罠カードも使えなくなった。しかしホルスの黒炎竜が厄介なのはそこではなく、相手に一方的に魔法をロックするだけで自分は魔法カードを使い放題というところだろう。

 ホルスと王宮のお触れをどうにかするにはホルスの魔法効果無効を無視できる特殊な魔法カードを使うか、もしくはモンスター効果に頼る他ない。

 だがこのフィールドを単独で塗り替えるほどの効果モンスターなどそうはいないだろう。

 

(カオス・ソルジャーなら……いやライフ差はどうにもできないか。逆転の切欠にはなってもこれ一枚で逆転は出来ない)

 

 デッキごと奪われた今、自分の手元にはない魂のカードを思い浮かべ自嘲する。

 三邪神のことといいどうにも自分はカードを盗まれることに縁があるようだ。今後はカードの管理をより厳重にしなければならないだろう。

 

「サレンダーなさいますか?」

 

「……サレンダー?」

 

「主の命で宍戸様とこうして敵対しておりますが、私も貴方ほどのデュエリストをこのような卑劣な手段で終わらせてしまうことに――――いえ、言い訳ですね。

 ですが私が貴方をこの飛行機諸共海の藻屑にしてしまうのは本意ではありません。サレンダーなさり、三幻魔解放の邪魔をしないと約束して下さるのであれば、必ず主に申しあげデッキをお返しします。ですからどうか」

 

「サレンダーしてくれ、か」

 

「はい」

 

 三幻魔など丈にとっては何のかかわりもないことだ。

 自分のデッキを取り戻すため、自分の命のためここでサレンダーするのは恥ではない。なにせ丈のデッキは三十秒で構築した即席。

 はっきりいってしまえば負けて当然という状況だ。

 

「残念だがそれは出来ない」

 

「何故です? デュエル・アカデミアへの義理立てですか?」

 

「いや立場の違いだ。貴女も貴女なりに理由があって、本意ではないデッキを盗むなんてことをして俺を倒しに来たんだろう。もしかしたら立場が違えば俺も同じようなことをやったかもしれない。

 ただ俺と貴女は立場が違う。俺は三幻魔を守る鍵の守護者に校長に頼まれているし、三幻魔が解放されたら俺と俺の友人も困る。だから貴女の理由がどうあれ俺は敵対するし、勝負を捨てることもない。

 もしも貴女の戦う理由が校長や亮たちのためになることなら、俺も提案を受けた可能性もあるが……そうじゃないんだろう?」

 

「――――はい」

 

「だったらやはり俺と貴女は敵同士のままというわけだ。それにサレンダーを勧めているところ悪いが、別に俺はまだ負けが確定したわけじゃない。

 確かに俺の手札にこの状況を打開するカードはないが、次にドローするカードによってはここを引っ繰り返せる」

 

「ホルスの黒炎竜と王宮のお触れ。この二枚に制圧されたフィールドを引っ繰り返すと? そんなことが出来る訳ありません」

 

「それは……ドローをしてみなければ分からない! 俺のターン、ドロー!」

 

 運命を分けるラストドロー。丈の手札に来たのは何の変哲もない効果モンスターだった。

 これ一枚で戦況を引っ繰り返すスペックがあるわけでもなければ、特にレアカードというわけでもない。カードショップで余り物の束に混ざっていることもあるカードだ。

 だがそれは丈が待ち望んでいたカードだ。

 

「――――瑠璃、貴女は選択を誤った」

 

「私が、誤った?」

 

「禁じられた聖杯を使うタイミング。マシュマロンを破壊するのにあれを使うべきじゃなかった。そうでなければ俺も危なかっただろうに」

 

「危ない? まさかなんらかの効果モンスターで突破をするつもり……。ですが私のライフは4000、デュエルが始まって無傷。1ターンでこれをどうにかすることなど」

 

「それはどうかな。俺はコアキメイル・デビルを攻撃表示で召喚」

 

 

【コアキメイル・デビル】

風属性 ☆3 悪魔族

攻撃力1700

守備力800

このカードのコントローラーは自分のエンドフェイズ毎に、

手札から「コアキメイルの鋼核」1枚を墓地へ送るか、

手札の悪魔族モンスター1体を相手に見せる。

または、どちらも行わずにこのカードを破壊する。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

メインフェイズ時に発動する光属性及び闇属性モンスターの効果は無効化される。

 

 

 フィールドに現れたのは特に何の変哲もない、強いていえばそれなりに面倒なロック効果をもつだけのモンスター。

 瑠璃は丈がどうしてこのタイミングにこんなモンスターを、しかも攻撃表示で召喚したのかが分からずに目を見開く。

 

「コアキメイル・デビルのモンスター効果。このカードがフィールド上に存在する限り、メインフェイズに発動する光属性及び闇属性モンスターの効果を無効にする」

 

「ですがコアキメイル・デビルはエンドフェイズ毎に『コアキメイルの鋼殻』を一枚墓地へ送るか、手札の悪魔族モンスター1体を見せなければ破壊されます」

 

「そんなことは関係ない。何故なら……貴女に次のターンは回ってこない!」

 

「なんですって!?」

 

「俺は手札の星見獣ガリスの効果発動! 自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送り、そのカードがモンスターカードならば、そのモンスターのレベル×200ポイントのダメージを相手に与えこのカードを特殊召喚する! 

 ただしモンスターでなければこのカードは破壊される。俺はデッキからモンスターを墓地へ送る! 俺が墓地へ送ったのはレベル1、エフェクト・ヴェーラーだ! よって200ダメージを与え、このカードを特殊召喚!」

 

 

 明弩瑠璃LP4000→3800

 

【星見獣ガリス】

地属性 ☆3 獣族

攻撃力800

守備力800

手札にあるこのカードを相手に見せて発動する。

自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送り、

そのカードがモンスターだった場合、

そのモンスターのレベル×200ポイントダメージを相手ライフに与え

このカードを特殊召喚する。

そのカードがモンスター以外だった場合、このカードを破壊する。

 

 

 星のように青い胴体の獣が手札より飛び出し、その効果により瑠璃のライフが初めて削られる。

 ダメージを与えられた瑠璃だったが依然として表情には余裕があった。それはそうだろう。受けた効果ダメージはたったの200。4000のライフからすれば微々たるものだ。

 

「三分の一のギャンブルに勝って、私にダメージを与えつつモンスターを召喚したのは良いでしょう。しかしこれから一体どうするのです?」

 

「決まっている。このデュエルに勝つ! 更に手札よりA・ジェネクス・バードマンの効果! 自分フィールドのモンスターを一体手札に戻し発動。このカードを手札から特殊召喚する! 俺は星見獣ガリスを手札に戻す!」

 

 

【A・ジェネクス・バードマン】

闇属性 ☆3 機械族 チューナー

攻撃力1400

守備力400

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を手札に戻して発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

この効果を発動するために手札に戻したモンスターが風属性モンスターだった場合、

このカードの攻撃力は500ポイントアップする。

この効果で特殊召喚したこのカードは、

フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。

 

 

 星見獣ガリスが丈の手札へと戻った。

 瑠璃は「だからどうした」と言いたげな目で丈を見つめ、暫くしてから異常に気付いた。

 

「どうして……? 星見獣ガリスが手札に戻されたのに、何故A・ジェネクス・バードマンが召喚されていないんですか?」

 

「俺の場にあるコアキメイル・デビルの効果を忘れたか。こいつはメインフェイズに発動する光属性・闇属性モンスターの効果を無効にする。A・ジェネックス・バードマンは闇属性、よって無効だ!」

 

「だったらどうして星見獣ガリスは―――――はっ! まさか……コスト!?」

 

「その通り! A・ジェネクス・バードマンのモンスターを手札に戻すのは〝効果〟ではなく効果を発動するための〝コスト〟だ! 

 効果を無効にされてもコストが無効になるわけじゃない。よって星見獣ガリスは手札に戻されるが、A・ジェネクス・バードマンは特殊召喚はされないのさ。

 そして俺は手札に戻した星見獣ガリスの効果を再び発動! デッキトップを墓地へ送り、それがモンスターならば相手ライフにレベル×200のダメージを与え特殊召喚する!」

 

「三分の一のギャンブルがそう何度も通じるとお思いですか!」

 

「通じるさ。何故ならば俺のデッキには全てモンスターカードしかない! よって星見獣ガリスの効果は100%成功する!」

 

「ば、馬鹿な!?」

 

 本来ならばデッキはモンスター・魔法・罠の三種類で構成される。

 三種類の用途の異なるカードを如何にバランスよく無理なく組み合わせるか、それがデッキ構築の基本とすらいっていい。

 その基本に真っ向から逆らうフルモンスターという暴挙。素人がやればただの紙束にしかならないが、玄人が構築すれば通常のデッキとは一味違う力をもつようになる。

 

「俺が墓地へ送ったカードはダイヤモンド・ドラゴン! レベル7×200、1400のダメージを与え星見獣ガリスを特殊召喚! そしてA・ジェネクス・バードマンの効果、星見獣ガリスを手札に戻しこのカードを特殊召喚! だがA・ジェネクス・バードマンの効果はコアキメイル・デビルによって無効となる!」

 

「この流れはまさか……無限ループ!」

 

 デッキが全てモンスターのためガリスの効果が100%成功し、ダメージを与えつつガリスが特殊召喚され、A・ジェネクス・バードマンがガリスを手札に戻す。コアキメイル・デビルがフィールドにいるため、ガリスは手札に戻されるがA・ジェネクス・バードマンは特殊召喚されない。

 そして手札に戻ったガリスの効果が再び発動しガリスが召喚され、更にA・ジェネクス・バードマンで手札に戻される。

 相手にダメージを与えつつデッキがある限り永久に回り続ける無限ループが丈のフィールドに成立していた。

 

「星見獣ガリスの効果、デッキの一番上のモンスターを墓地へ送り特殊召喚。墓地へ送ったモンスターはレベル3、六武衆―ヤリザ。よって相手ライフに600ポイントのダメージ。

 A・ジェネクス・バードマンの効果で手札に戻しガリスの効果を発動。墓地へ送ったモンスターはレベル5、モリンフェン! よって1000のダメージだ。A・ジェネクス・バードマンで星見獣ガリスを手札に戻し効果発動。墓地へ送ったのはレベル3、青眼の銀ゾンビ。相手ライフに600ダメージ。

 これがラストだ。A・ジェネクス・バードマンで手札に戻し星見獣ガリスの効果発動! 墓地へ送ったのはレベル1、千眼の邪教神! 相手ライフに200ダメージ!」

 

「こんな……こんなことがっ!」

 

 明弩瑠璃LP3800→0

 

 たった1ターン。ホルスの黒炎竜と王宮のお触れによってロックされた圧倒的フィールドをもち、無傷のライフを誇っていた明弩瑠璃。

 それがたったの1ターンで完全に逆転されライフを奪い尽された。余りのことに瑠璃は膝をつく。

 

「どうにか勝てたか」

 

 三十秒で構築するという無理難題をふっかけられた丈が思いついた勝つためのアイディアがこの無限ループだった。

 たった三十秒じゃどうしたって普通に強いデッキなど組めるはずがない。だから星見獣ガリスを使った無限ループコンボだけを確保して後は適当にモンスターカードだけを突っ込んだ。

 

「約束だ。俺のデッキがどこにあるか教えて――――」

 

 瞬間、機内に轟音が響き渡った。嘗てない程に飛行機が大きく揺れる。

 

「っ! これは……」

 

「どうやら私のライフが0になったら、飛行機に仕掛けられた爆弾が作動するようセットしてあったようですね」

 

 他人事のように瑠璃は呟く。

 

「宍戸様。そこにパラシュートが入っております。貴方ならばあれがあれば必ず生きて生還できるでしょう。

 そしてお約束通りデッキの在り処をお教えします。私が貴方から盗んだデッキは私の主の下へ送らせて頂きました。今頃は主のもとに」

 

「なんだって? いや今はそれより、助かることが先決か。貴女も――――」

 

 手を伸ばすが、瑠璃は無表情で首を横に振る。

 

「私は良いのです。主がここで私諸共に爆破させようというのならば、私は用済みなのでしょう。なら私はもうなにもしない。宍戸様もお好きなよう行動なされるよう」

 

「俺の好きなように? なら」

 

 強引に瑠璃の腕を掴む。

 

「俺の寝覚めを良くするために助かって貰う」

 

 そして二人のデュエリストを乗せた飛行機は上空で爆発する。

 ここではない遠くで一人の老人が嗤ったことに、老人の友人の錬金術師だけが気付いた。

 


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