宍戸丈の奇天烈遊戯王   作:ドナルド

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第九章 シンクロ覚醒編
第174話  決闘革新


『ナショナル・デュエル・リーグも新シーズンが始まって二か月! 彼の決闘王の故郷ジャパンから海を越えてやってきた…………もとい侵略してきた我等が〝魔王〟と対峙するは、FA権を行使してSリーグからNDLに電撃移籍してきたインセクター羽蛾さん!!

 ジョウ・シシドとはI2カップで死闘を繰り広げたこともある因縁の対決だァーーーーーッ!』

 

 血が熱くなる実況と、周りからの大歓声。最初は環境の変化に戸惑いはしたが、宍戸丈にとってそれはもう慣れ親しんだものだ。

 ドームの巨大モニターがランダムに先攻後攻を決定する。結果、先攻は宍戸丈。先攻が欲しかったらしいインセクター羽蛾は僅かに顔をしかめたが、彼もプロデュエリストだ。観客たちの手前、直ぐに元の余裕綽々な笑みを貼りつかせる。

 

「ひょひょひょひょ。ま、後攻なら後攻でもいいさ。俺の新しい昆虫デッキからすれば、先攻のアドバンテージなんて些細なものだからねぇ。

 宍戸丈くん。君は随分と活躍しているようだけど、快進撃もこれにて終了。I2カップで掠め取っていった勝利は、ここで耳を揃えて返済して貰うよ。人から借りたものは、ちゃんと元の持ち主に返さないとダメだろう?」

 

「……どうも」

 

 見え透いた挑発に丈がのることはなかった。

 I2社がスポンサーについているといっても、丈はこの国からすれば外国の人間で、しかも二十歳にも満たぬ若造でしかない。今は実績を出したことで殆どなくなったが、二年ほど前はこの手の挑発は毎日のようにされていた。羽蛾のそれは嘗てのものに比べればまだましな部類である。

 そう、挑発に挑発を返したとしても意味などはない。

 こうしてプロとして活動している以上、未成年だろうと宍戸丈は一人前の大人だ。挑発には粛々と実績を出すことで応えるのが、大人の対応というものだろう。

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

 

「モンスターと共に地も蹴らないし宙を舞わないしフィールド内を駆け巡らない!」

 

「見よ! これぞデュエルの原点!」

 

「スタンディング!」

 

「「デュエル!!」」

 

 人の目とカメラの目。人機入り混じる数万以上の視線を感じながら、丈はいつも通りのコンディションで最高のデュエルをする。

 

「俺のターン、ドロー! 終末の騎士を召喚、効果により暗黒界の龍神グラファを墓地へ送る。リバースカードを二枚場に出しターンエンドだ」

 

『墓地へ送られたモンスターは何度ぶっ倒してもぶっ倒しても蘇る不死身龍神グラファ!! ということは今回魔王のデッキは皆のトラウマこと暗黒界かァーーーーーッ!

 これまで数多くのデュエリストに再起不能クラスのトラウマを刻み付けてきた最凶デッキ! 元全日本チャンプであるインセクター羽蛾はどうやって攻略するのか!!』

 

 まだ終末の騎士を出してターンエンドしたばかりだというのに、MCの声には興奮の色がある。

 宍戸丈が所有する三つのデッキ。そのうち最凶の名を欲しいままにする暗黒界は、プロでのデュエルでも使用頻度は一番低いのでそれが原因だろう。

 

「ひょひょひょひょ。先攻1ターン目からグラファを墓地へ送るなんて恐い恐い。だけど勘違いしちゃいけないなぁ。墓地へ送ることで恐ろしいことになるのはグラファだけじゃないんだぜぇ」

 

「…………」

 

「いくぜ、俺のターン! おろかな埋葬を発動だ。この効果でデッキから俺の好きなモンスターを一体墓地へ送る。俺が墓地へ送るのはこいつだ! 甲虫装機ホーネット!」

 

「甲虫装機!?」

 

 

【甲虫装機 ホーネット】

闇属性 ☆3 昆虫族

攻撃力500

守備力200

1ターンに1度、自分の手札・墓地から「甲虫装機」と名のついた

モンスター1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。

このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、

装備モンスターのレベルは3つ上がり、

攻撃力・守備力はこのカードのそれぞれの数値分アップする。

また、装備カード扱いとして装備されているこのカードを墓地へ送る事で、

フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。

 

 

 羽蛾の言葉は単なるハッタリでも自画自賛ではなかった。甲虫装機といえばI2社が新たに送り出した昆虫族の新カテゴリーの一つである。

 まだ発売されたばかりだけあって、専用デッキを組めるほど所持しているデュエリストは稀だが、インセクター羽蛾は最も古くからの昆虫使いのデュエリスト。独自のルートで既に甲虫装機を入手していたのである。

 

「お前も甲虫装機の……いいや、ホーネットの恐さは知ってるよなぁ。こいつが墓地にいれば、お前がどれだけグラファを蘇らせようと何度だって撃破できる」

 

「果たしてそう上手く事が運ぶかな。おろかな埋葬の発動にチェーンして速攻魔法発動! マスク・チェンジ・セカンド!」

 

「マスク・チェンジ・セカンド?」

 

 

【マスク・チェンジ・セカンド】

速攻魔法カード

「マスク・チェンジ・セカンド」は1ターンに1枚しか発動できない。

(1):手札を1枚捨て、自分フィールドの

表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを墓地へ送り、

そのモンスターよりレベルが高く同じ属性の「M・HERO」モンスター1体を、

「マスク・チェンジ」による特殊召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

 終末の騎士を薄い光が包んでいき、その体をまったく別のモンスターへと変容させていった。

 仮面を被ることで、終末の騎士は仮面の英雄として再誕する。

 

「馬鹿な! マスク・チェンジはHERO専用のカード! どうしてHEROとはなんの関係もない終末の騎士がその対象に……?」

 

「マスク・チェンジ・セカンドは手札を一枚捨て、自分フィールドのモンスターを墓地へ送ることで、そのモンスターよりレベルの高い同属性のM・HEROを特殊召喚する。マスク・チェンジと違い条件さえ合致すれば、どんなモンスターだろうと関係なく!」

 

「なっ! まさか……そこまで考えて……!」

 

「現れ出でよ、万象を奈落へと葬りし仮面の英傑。M・HEROダーク・ロウを変身召喚ッ!」

 

 

【M・HEROダーク・ロウ】

闇属性 ☆6 戦士族

攻撃力2400

守備力1800

このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

相手の墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。

(2):1ターンに1度、相手がドローフェイズ以外で

デッキからカードを手札に加えた場合に発動できる。

相手の手札をランダムに1枚選んで除外する。

 

 

 終末の騎士と同じ闇属性のM・HEROがフィールド上に降り立つ。獅子や虎を思わせる仮面を被ったHEROは、殺気をありありと立ち昇らせながら羽蛾を見据える。

 

「俺のターンにモンスターを変身召喚してきたのは驚いたけど、どんなモンスターを出そうが無駄無駄ぁ~。直ぐにそんな雑魚HEROは、ホーネットの熱く滾った針で串刺しさ」

 

「それはどうかな」

 

「ひょ?」

 

「M・HEROダーク・ロウの特殊能力。こいつがモンスターゾーンに存在する限り、相手の墓地へ送られるカードは、墓地へは行かずに除外される」

 

「……………………ひょ? お、俺のホーネットが~~!」

 

 おろかな埋葬で墓地へ行くはずだったホーネットが、墓地よりも遥かに遠い除外ゾーンへと消えていく。

 暗黒界や甲虫装機など墓地が肥えることで真価を発揮するデッキの永遠の天敵。その一つが除外だ。マクロコスモスなどとは違い、相手のみに除外を強要させるダーク・ロウは最悪の敵と言っても過言ではない。

 

「ええぃ、まだだ! 闇の誘惑で二枚ドローして、手札の闇属性モンスターを除外! よし、これなら――――」

 

「ダーク・ロウの更なる効果。相手がドローフェイズ以外でデッキからカードを加えた場合、手札のカードをランダムに一枚除外する。俺は一番左のカードを選択」

 

「ぎゃぁああああ! ホーネットに続いてダンセルがぁ~~! インチキ効果もいい加減にしろ!」

 

「ダンセルの方が十分インチキだと思うが……」

 

「五月蠅い! インセクター改めインゼクター羽蛾の再出発を台無しにしてくれた礼は後でたっぷりしてやる。だが今は守りを固めさせて貰うよ。モンスターをセット、リバースカードを場に出しターンエンド」

 

「エンドフェイズ時、サイクロンを発動。伏せカードを破壊」

 

「この人でなしぃぃぃいいいいいいいいいい!!」

 

 羽蛾の防御の切り札、ミラーフォースが今日も仕事をしないまま退場していく。ダーク・ロウの効果があるので行き先は墓地ではなく除外ゾーンだ。

 

「俺のターン。暗黒界の雷を発動、裏守備モンスターを破壊する」

 

 羽蛾にとっては生命線である裏守備モンスターに、無慈悲な稲妻が落ちてくる。

 かつて武藤遊戯との戦いでも色んな意味で活躍したゴキボールも、これには成す術なくやられるだけだった。

 

「暗黒界の雷の効果で手札からカードを一枚墓地へ送る。墓地へ送った狩人ブラウの効果で一枚ドロー。尖兵ベージを召喚し、これを手札に戻すことでグラファを蘇生。

 バトルだ! 暗黒界の龍神グラファとM・HEROダーク・ロウで相手プレイヤーを直接攻撃。ツイン・ダーク・ディトネイション!」

 

 響き渡るインセクター羽蛾の絶叫。MCの興奮する声。この日、NDLのデュエリストに新しいトラウマが刻み込まれた。

 宍戸丈、これで今シーズン23試合め。未だに黒星はついていない。

 

 

 

 アメリカにあるインダストリアル・イリュージョン社の本社を、一人のデュエリストが黒服の執事に連れられて歩いていた。

 闇色のコートに鎖や髑髏を模した銀色のアクセサリ。NDLにおいて〝魔王〟という二つ名で畏怖されるデュエリスト、宍戸丈だ。

 キースや孔雀舞などの極一部の例外を除けば、日米問わずプロリーグに所属するプロデュエリストたちはスポンサーをもっている。

 そして丈のスポンサーとなっている企業こそが他ならぬI2社であり、ペガサス会長の呼び出しに応じる義務が丈にはあった。

 会長室の扉の前に着いた丈は、コホンと咳払いして喉の調子を確認する。そして扉をゆっくりと開けた。

 

「よく来てくれました、宍戸ボーイ。NDLの試合で忙しい中、突然呼び出して申し訳ありまセーン」

 

 いつものワザとらしい似非外国人喋りでペガサス会長が出迎える。

 経営の第一線を退いたとはいえ、未だにカードゲーム界に大きな影響力をもつVIPだけあって、その周囲には屈強なボディーガードが固めていた。

 

「いえ。会長にはお世話になっていますから。どのような御用件でしょうか?」

 

 ペガサス会長は胡散臭いところはあるが、忙しい人間を戯れで呼び出すほど意地の悪い人ではない。

 態々丈を呼び出したということは、それなりに重要な要件あってのことだろう。

 もしかしたらバクラの足取りが掴めたのかもしれない。丈はそんな期待を抱くが、残念ながらペガサス会長の要件はバクラとはまったく関係のないものだった。

 

「単刀直入に聞きましょう。ユーは〝シンクロ召喚〟について知っていますね」

 

「……ええ。I2カップのオリジナルパックで関連カードを入手しているので名前だけは」

 

「遠慮は不要デース。私も遊戯ボーイから九年前の『パラドックス』という者が引き起こした事件については知らされていマース」

 

「!」

 

「時空を超えた舞台でユーは未来のデュエリストが操るシンクロ召喚を目撃した。間違いありませんね?」

 

 パラドックスのことについて知っているのならば隠す必要もないだろう。

 丈は暫し迷ってからコクリと首を縦に振った。

 

「はい。既存の融合召喚とは全く異なるチューナーとそれ以外のモンスターのレベルをプラスするシンクロ召喚。確かにこの目で見ました」

 

 遊星がスターダスト・ドラゴンをシンクロ召喚した光景が、丈の脳裏に蘇って来る。

 あらゆる歴史から最強デュエリストたちが集った夢の共演。あの時のデュエルは一生忘れることはないだろう。

 あのデュエルではシンクロ召喚のみならず『エクシーズ』という更なる召喚法も行われたのだが、そのことは話すと長くなるのでここは黙っておいた。

 

「オー。それはグッド、これで話を進められそうデース」

 

「話とは?」

 

「ユーには海馬コーポレーションから出張してきた社員たちと共に、新たなる召喚システムの開発に加わって欲しいのデース」

 

「俺が、開発に? しかし俺はカードデザイナーではありませんが」

 

「ノープロブレム、問題ありまセーン。実際に開発に加わるのではなく、テストプレイヤーとしてシンクロ召喚を行うデッキとデュエルをして、意見を提出してくれれば良いのデース。

 シンクロ召喚は既存のルールの枠にはない未知なるシステム。これが導入されれば現在の環境は大きく変わることになるでしょう。

 新しいモノが増え、戦略の幅が広がるのはベリーグッド。バット、だからといって昔からある戦略を潰すようなことになってはいけまセーン。

 だからこそ『生け贄』というスタンダードな戦略を駆使し、尚且つシンクロ召喚を知るユーに、シンクロ召喚のことを見極めて欲しいのデース。勿論これは正式な依頼なので特別ボーナスも支払ましょう」

 

「…………」

 

 悪くない話だ。

 これから導入されるであろうシンクロ召喚と一足早く実戦経験をつめるというのは、プロとしては美味しい話である。

 それに気前のよいペガサス会長のことだ。特別ボーナスにも期待がもてる。なにより恩義のある会長の頼みを断ることは、丈には出来ないことだった。

 

「分かりました。俺で良ければ協力します」

 

 

 

 

 I2社内にあるデュエルスペースに通された丈は、余りの衝撃に固まってしまった。

 丈を出迎えたのは科学者らしい白衣を羽織った男性だったのだが、その男性というのが問題だったのである。

 蟹のような髪型、意志の強い瞳、静観な顔立ち。それはどこからどう見てもパラドックスとの戦いで邂逅した不動遊星そのものだったのだ。

 

「私の顔になにか?」

 

「……い、いや失礼。少し知人に似ていたので」

 

「そうでしたか」

 

 合点がいったというふうに頷くと、男性は握手を求めてくる。

 

「初めまして。海馬コーポレーションから出張してきた不動です。彼の魔王とお会いできて光栄ですよ」

 

 暫し不動と名乗った博士の顔を見詰める。

 最初に見た時はあまりのそっくりさに言葉を失ったが、じっくり観察すると細部のパーツが微妙に異なる。

 年代的に考えて遊星はまだ生まれていないはずなので、ここにいる不動博士は遊星の父親だと考えるべきなのだろう。

 そういう考えに至ると気持ちも楽になった。丈は求められた握手に応じ、口を開く。

 

「こちらこそ宜しく、プロフェッサー。そちらは?」

 

「ルドガー・ゴドウィン、レクス・ゴドウィン……頼もしい、私の右腕と左腕です」

 

「兄のルドガーです、ミスター宍戸」

 

「弟のレクスです、活躍はいつも拝見させて頂いています」

 

 兄のルドガーは色黒で金髪。弟のレクスは色白の銀髪。なんとも対称的な兄弟だったが、顔立ちと体格はよく似ていた。

 二人とも研究者だけあって理知的な瞳をしている。

 

「海馬コーポレーションの不動博士といえば次世代型の動力機関を開発中ということで有名ですが、シンクロ召喚の開発にも携わっているだなんて驚きましたよ」

 

「我々が開発中の動力はシンクロ召喚とも密接に関係するので、その縁でテストプレイヤーを務めさせてもらっています」

 

「まだお若いのに凄いものですね」

 

「ははははははははは。若干十六歳からNDLで活躍されている貴方に言われるとこそばゆいものがありますね」

 

「ではプロフェッサー。いつまでも立ち話というのもなんなので早速――――デュエルといきましょう」

 

「ええ、こちらへ」

 

 デュエルと聞くと不動博士の目つきが変わった。理知的なところは変わりないが、そこに闘志が混ざったのを丈は見逃しはしなかった。

 ペガサス会長がシンクロと密接にかかわる動力の開発者だからという理由だけで、新システムのテストプレイヤーを任せるはずがない。

 あの遊星の父親なだけあって、デュエルの実力も相当のものと考えていいだろう。

 デュエルスペースに向かい合う丈と不動博士。

 不動博士がデッキをデュエルディスクにセットすると、デュエルディスクが自動でデッキをシャッフルし始めた。

 

「それが次世代型のデュエルディスク……オートシャッフル機能があるのか」

 

「この機能自体は簡単な改造で元来のデュエルディスクにも取り付けることが可能です。良ければデュエルの後にでも改造しましょうか?」

 

「是非頼む。だが今はそれよりも、どんなモンスターが出てくるのか楽しみだ」

 

「私も彼の魔王とのデュエルが楽しみですよ」

 

「「デュエル!」」

 

 宍戸丈と不動博士。

 現代に君臨する旧き力と、未来に勇飛する新しき力が激突した。

 




~余談・遊戯王の時系列~

 原作漫画で遊戯の読んでいた新聞の日付が平成8年(1996年)。GXの81話に登場した掲示板の日付が06/04/18(2006年)。
 GXはこの時点で二年生。つまりGXがスタートしたのは去年の2005年。また初代遊戯王は作中で二年生に進級したらしい描写があるので、初代終了が1997年と仮定するとGXは原作終了八年後の物語ということになる。
 更にどうでもいい話をすると、初代遊戯王開始時点で牛尾さんの年齢は18歳くらい。となるとGX開始時点で牛尾さんの年齢は27歳。
 更に更に遊戯王5D'sによればゼロ・リバースで童実野町が吹っ飛んだのは17年前というのが公式設定である。GXで修学旅行に行った際に童実野町が平穏無事だったことや、それからもゼロ・リバースが発生したような描写もないことから、最低でもゼロ・リバース発生はGX原作終了一年後以降であると考えられる。つまりは初代開始の30年後以降に5D'sが開始するということである。
 こうして計算してみると今明かされる衝撃の真実ゥ~。牛尾さんの年齢は5D's時点で47歳。どういう……ことだ……!?
 5D'sに登場する牛尾さんは、あのパワフル過ぎる行動&言動からして、だいたい二十代後半~三十路ほどのように見える。少なくともとても四十代後半を超えたオッサンには見えない。
 これで公式から何のアナウンスもなければ、5D'sの牛尾さんは初代の牛尾さんの子孫ということで納得できたのだが、5D'sの牛尾さんは初代の牛尾さんと同一人物であると公式で明言されてしまっている。
 まぁ世の中には70近い癖に未だに若々しい容姿のままで、妻と一緒に戦場デートする天才もいるので、牛尾さんもその類だとすれば遊戯王的には辻褄が合うのかもしれない。

――――それっておかしくないかな?

 いいや。まだだ! まだ終わらんよ!
 初代から5D'sの時系列を計算していくと牛尾さんは最低でも四十代後半ということになったが、ここで発想を変えてみる。ずばり……なにも時系列通りに年をとるとは限らなくね?

上官「まるで意味がわからんぞ!」
勝鬨「何? 初代から約30年後なら40代後半ではないのか!?」

 このように疑問に思う読者の方も多いだろうが、ここで『超融合! 時空を越えた絆』のストーリーを思い出してほしい。
 あの映画でパラドックスは様々な時代に赴いては、最強モンスターをSin化させていった。その中には当然ながら牛尾さんのいた時代も含まれるだろう。
 だが歴代主人公三人相手にデュエルを挑むという無理ゲーに挑んだパラ様も元は人間。間違いの一つや二つくらいはするはずである。別の時間軸へ移動する際に、うっかり偶々近くにいた一般人を巻き込んでしまうことだってあるかもしれない。
 他にもイリアステルは時空改変にも巻き込まれたとか、ダークネス世界に取り込まれ開放される時に不都合があって未来へ飛んだとも考える。
 もしも牛尾さんがタイムスリップを果たしていたとしたら、初代から三十年以上経っても若々しい姿だったとしても不思議ではない。
 以上。無駄話おしまい。

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