宍戸丈の奇天烈遊戯王   作:ドナルド

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第45話  今はまだ眠らずにいる禁断

宍戸丈 LP4000 手札6枚

場  神獣王バルバロス、堕天使アスモディウス、The SUN

魔法 冥界の宝札

セット 一枚

 

丸藤亮 LP4000 手札2枚

場 サイバー・ツイン・ドラゴン(攻撃力5600)

伏せ 一枚

 

 

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

 やや苦虫をかみつぶした表情で丈はカードをドローする。フィールドに最上級モンスターを並べ、ドローエンジンである冥界の宝札、それを守るカウンター罠である魔宮の賄賂、永久生贄要因のレベル・スティーラー三枚と防御要因のネクロ・ガードナーを並べ鉄壁ともいえる布陣をひいたものの、よもやいきなりカウンターが事実上無意味と化しネクロ・ガードナーの防御を失うことになるとは思わなかった。

 流石はサイバー流歴代最強の男、丸藤亮。

 

(いや違うな)

 

 これは今までの丸藤亮の実力ではない。この大会以前の亮ならば僅か1ターンでここまで持ち直しはしなかっただろう。亮もこの大会で腕を上げているのだ。

 丈もこの大会を通じて確かに成長はした。だがそれは亮だって同じ。自分が一歩踏み出せば、ライバルも同じように一歩、或いは二歩三歩先を進んでいるのだ。もしも今いる場所で満足しているようなら、丸藤亮はライバルになりえなかっただろう。

 

(やや賭けになるが……もし次のターン、何もせずにいたら、サイバー・ツイン・ドラゴンの攻撃で俺は終わりだ)

 

 二回攻撃を可能とするサイバー・ツイン・ドラゴンが現在攻撃表示となっているモンスター達に攻撃を仕掛ければ、その合計ダメージは5200。丈の負けが確定する。それを防ぐには守備表示にするのが最善手なのだろうが、最善程度で亮の猛攻は防げないだろう。

 防御が駄目ならば攻撃あるのみ。

 

「俺はThe SUNのレベルを10から8に下げ、墓地より二体のレベル・スティーラーを特殊召喚! そして神獣王バルバロスと二体のレベル・スティーラーを生贄に捧げ……」

 

「バルバロス含む三体の生贄だと!? まさか……」

 

「その、まさかだ! 俺は二体目の神獣王バルバロスを攻撃表示で召喚ッ! 冥界の宝札の効果で二枚ドロー!」

 

 

 

【神獣王バルバロス】

地属性 ☆8 獣戦士族

攻撃力3000

守備力1200

このカードは生贄なしで通常召喚する事ができる。

この方法で通常召喚したこのカードの元々の攻撃力は1900になる。

また、このカードはモンスター3体を生贄して召喚する事ができる。

この方法で召喚に成功した時、相手フィールド上に存在するカードを全て破壊する。

 

 

 

 バルバロスとレベル・スティーラーが消失に新たに召喚される二体目のバルバロス。当然ながら攻撃力は元のバルバロスと同じ3000。だがこの方法で召喚されたバルバロスにはある効果が発動する。

 

「三体を生贄に召喚したバルバロスのモンスター効果。相手フィールド上のカードを全て破壊するッ! ゴッド・スパイラル・シェイパーッ!」

 

 バルバロスの槍が竜巻でも宿ったのかのように高速回転を始める。そう、その力は相手モンスターを破壊しつくして尚も有り余るエネルギー。

 バルバロスが槍に宿りし力を開放する。突風が吹きあられ亮のフィールドにある全てのカードを破壊せんがために暴れまわった。

 

「これでフィールドが全滅、三体のモンスターの総攻撃で俺の勝ちだッ!」

 

「やるな。だが甘いぞ丈。この瞬間、和睦の使者を発動。このターン、相手モンスターから受ける全ての戦闘ダメージを0にする!」

 

 

 

【和睦の使者】

通常罠カード

このカードを発動したターン、相手モンスターから受ける

全ての戦闘ダメージは0になる。

このターン自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

 

 

「チッ、凌がれたか。だがこれでサイバー・ツイン・ドラゴンは破壊だ」

 

 バルバロスの放った風がサイバー・ツイン・ドラゴンの胴体をバラバラに分解し破壊した。これで少なくとも次のターン、サイバー・ツイン・ドラゴン(パワー・ボンドで攻撃力5600)の二連続攻撃を喰らうということはなくなった。

 

「俺はカードを二枚セット、ターンエンドだ」

 

「……俺のターン、ドロー。魔法カード、強欲な壺。デッキからカードを二枚ドローする。更に魔法カード、おろかな埋葬!」

 

 

 

【おろかな埋葬】

通常魔法カード

自分のデッキからモンスター1体を選択して墓地へ送る。

 

 

 

「おろかな埋葬……珍しいカードを使うな」

 

 そのカードが珍しいのではない。亮がこのカードを使うことが珍しかった。アンデッド族など墓地にモンスターが送られるほど有利になるデッキは数多いが、亮のデッキはそういったデッキとはやや違う。オーバー・ロード・フュージョンのためとも考えられるが、おろかな埋葬で遅れるカードはたかだか一枚。未来融合を使った方が遥かに効果的だ。

 

「俺が墓地に送るのはこのカード……処刑人マキュラ!」

 

「!!??」

 

 

【処刑人―マキュラ】

闇属性 ☆4 悪魔族

攻撃力1600

守備力1200

このカードが墓地へ送られたターン、

このカードの持ち主は手札から罠カードを発動する事ができる。

 

 

 処刑人マキュラ。手札から罠カードを発動できるようになるという効果の凶悪性から、禁止カード指定された極悪カードだ。罠カードは発動するまで1ターンのタイムラグがある分、強力な効果をもつカードが多くマキュラはそのタイムラグをゼロにする事が出来る効果がある。その恐ろしさ、一度でもマキュラの処刑を受けた者なら身に染みて分かるだろう。

 とはいえこの世界では恐ろしいことに『準制限カード』。デッキに二枚もいれられるときている。

 

「マキュラのモンスター効果で俺はこのターン、手札から罠を発動できるようになった。罠カード、第六感!」

 

 

【第六感】

通常罠カード

自分は1から6までの数字の内2つを宣言する。

相手がサイコロを1回振り、宣言した数字の内どちらか1つが出た場合、

その枚数自分はカードをドローする。

ハズレの場合、出た目の枚数デッキの上からカードを墓地へ送る。

 

 

 

「このカードの効果、サイコロの出た目を当てればその数だけカードをドロー。外せばサイコロの出た目の数だけデッキの上からカードを墓地に送る! 俺は6と5を選択!」

 

「え?」

 

「サイコロを振れ、丈!」

 

「お、おぉ……それ」

 

 コロコロと転がったサイコロの出た目は亮の宣言通り5であった。正解したので亮はデッキから5枚のカードをドローした。

 

「これでキーカードは揃ったぞ。俺は手札より永続罠、DNA改造手術を発動!」

 

 

 

【DNA改造手術】

永続罠カード

種族を1つ宣言して発動する。

このカードがフィールド上に存在する限り、

フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターは宣言した種族になる。

 

 

 

「そ、そのカードは!?」

 

「そうだ。お前から譲り受けたカードだ。あの時、考え出したコンボ! 今日ここでお前に見せてやろう! DNA改造手術によりフィールド上のモンスターは俺の宣言した種族になる。俺は機械族を選択。そして俺はプロト・サイバー・ドラゴンを通常召喚! 準備は整った。フィールド上に存在する全てのモンスターよ、フォートレスの餌となれ!」

 

 最強の従属神が、聖書に記されし堕天使が、黒き太陽が、名だたる最強モンスターがプロト・サイバーに吸収されていく。

 

「融合召喚、キメラテック・フォートレス・ドラゴンッ!」

 

 

 

【キメラテック・フォートレス・ドラゴン】

闇属性 ☆8 機械族

攻撃力0

守備力0

「サイバー・ドラゴン」+機械族モンスター1体以上

このカードは融合素材モンスターとして使用する事はできない。

自分・相手フィールド上に存在する上記のカードを墓地へ送った場合のみ、

エクストラデッキから特殊召喚する事ができる(「融合」魔法カードは必要としない)。

このカードの元々の攻撃力は、

このカードの融合素材としたモンスターの数×1000ポイントになる。

 

 

 融合素材となったのはプロト・サイバーを含め合計4体。よってキメラテック・フォートレス・ドラゴンの攻撃力は4000となった。しかも全てのモンスターが吸収されたため丈のフィールドはがら空き。これを通せば……負ける。

 

「この瞬間、罠発動。奈落の落とし穴! キメラテック・フォートレス・ドラゴンを破壊し除外するッ!」

 

 召喚されたばかりのキメラテック・フォートレス・ドラゴンがそのまま除外される。激闘から一転して静寂。互いの場に溢れていた最上級モンスターは今や皆無。

 あれだけの強力モンスターが一瞬にして無に帰す。

 その光景に会場は、MCすらも唖然としてしまっていた。

 

「フ……やるな。俺は二枚のカードをセット。そして魔法カード、嵐を発動」

 

 

 

【嵐】

通常魔法カード

自分フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。

その後、破壊したカードの数だけ相手フィールド上の魔法・罠カードを破壊する。

 

 

「俺のフィールドの魔法・罠カードは三枚。よって丈、お前のフィールドにある全てのカードは破壊だ」

 

「くそっ」

 

「カードを一枚セット、ターンエンド」

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