ダンジョンに魔軍司令が居るのは間違っているだろうか   作:ナナシの権蔵

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あと他者視点です


9話☆

 

 ゼウスside

 

 あの男ハドラーが現れて2年が経った。

 顔は極悪人じゃし人類種ヒューマンでも無いが村での人気は高い。1日の大半を己の鍛錬に費やし、帰ってくる時には鳥や獣を狩ってくる。村人やベルに請われて戦い方を指導したり鍛冶を習って槌を振るう事もある。そしてあ奴が村で成した功績で最もありがたがられているのが呪文の契約じゃった。

 なにせ当人の素質に左右されるとは言え神の恩恵ファルナも無しに魔法が使えるようになるのだ。お陰で村の生活は目に見えて楽になった。

 あ奴が言うにはうろ覚えだったモノがスキルで全て思い浮かぶらしく、異世界で勇者を育てた家庭教師並に教えることも可能らしい。いつの間にか村人の何人かはLv2の冒険者並みに戦えるようになっておった。まだ幼いベルですら素手でゴブリンを倒してしまった。いつの間に此処は魔境になったのだろう……

 

 黒竜討伐に必要な事は多い。

 そしてアレと戦うのに最低でもザルドやアルフィアと互角以上に戦えなければ話にならない。本来なら…

 

「下界は本当に、未知に溢れておるのぅ」

 

 あ奴はスキルの知識を使って黒の結晶コアと言う名の魔道具を作った。それは異世界の神に等しい力を持った冥竜王とやらが強敵との戦いで使ったが余りの威力に恐怖し、終には己が倒されるまで2度と使わなかったと言う曰く付きの爆弾。

 まさか小指程の大きさで山が消し飛ぶとは思わんかった。虚言では無いと理解はしておったが、実際にそれを見るまで拳大の大きさで大陸を吹き飛ばす危険物だとは思ってもみんかった。

 アレは下界どころか天界にも絶対に有ってはならぬシロモノ。しかしあの威力なら黒竜にも有効なのは明白。故に使うのはあと一度、ハドラーが黒竜に挑み勝てなかった時にハドラー諸共黒竜を消し去る場合にのみ使用する最終兵器とした。

 儂は反対したかったがあ奴は2度目は無い、最低でも黒竜を道連れにすると覚悟を告げた。そして使うなら2度とコレが作られぬよう爆弾の製法を知る自身を消すのにちょうど良いとも……

 儂は儂やヘラの眷属にそれだけの覚悟が有ったかと聞かれれば返す言葉がない。今にして思えば犠牲を出しつつもベヒーモスやリヴァイアサンを倒したことで儂らは慢心しておったのではなかろうか……

 

 ハドラーは最近、村を空けるようになった。使えるようになった移動呪文ルーラ飛翔呪文トベルーラとやらの習熟を兼ねてこの世界を巡っとる。それでもベルが寂しがるからと3日に1度は戻るんじゃからあ奴も大概ベルに甘いわい。




飛ばし飛ばしで原作開始まで行きます
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