【第一部完】ロクデナシ黙示録 ~夕立市最悪の三日間~ 作:松山リョウ
【無線通信】
「
「白鷺第二、どうぞ」
「通報があった件、湯ノ石中学校の校庭で、河童が熱中症で倒れていたんで保護しました。
「またですか。ご苦労さまです。整理番号一一七、担当桶川、どうぞ」
「桶川了解。あとさっきの発光現象の通報については現在三笠が調査中。この学校、しばらく警備を強化したほうがいいんじゃないの」
「まあ、綴喜さんが見つかれば、話が早いんですけどね。こんなときになにしてんだか」
「至急至急、白鷺第三から夕立」
「至急至急、白鷺第三、どうぞ」
「夕立市
「夕立了解、……えー、夕立から、白鷺第四」
「第四真島、どうぞ」
「第三と連携をとり、マル害・ゼロニの確保につとめられたし、どうぞ」
「真島了解、逃亡防止の結界を貼っちゃっていいの、コレ?」
「結界の使用を許可します。どうぞ」
「第四真島了解、きばってくぞ、衣山ァ」
「整理番号一一八、担当衣山、どうぞ」
「白鷺第三、衣山、了解、どうぞ」
「至急至急、白鷺第一から夕立」
「至急至急、白鷺第一、どうぞ」
「えー、湯ノ石中学校内にて、手配されていたマル害・ゼロサンと見られる黒猫を確保。えー、確保時点ですでに意識不明の状態で倒れていたため、聖清志病院へと搬送中です。どうぞ」
「夕立了解。必ず二人以上で監視するよう徹底されたし。またいかなるときも封錠を外さないように、どうぞ」
「第一了解」
「整理番号一一九、担当火内、どうぞ」
「白鷺第六から夕立」
「至急至急、白鷺単騎から夕立」
「至急至急、白鷺単騎、どうぞ」
「えー、本町三丁目の住宅街にて、影の強制消失を確認。原因は現在調査中ですが、マル番と大男の接触によるものと推測される。なお、マル番と接触した大男は手配されていたマル害・ゼロイチの可能性が高いとして、無名特別顧問と第七が追跡中、どうぞ」
「至急至急、白鷺第七から夕立」
「……お待ちください。白鷺単騎、えー、そちらは引き続きマル番の監視を続けますか? どうぞ」
「その通り、なので消失の原因検証は別でお願いしたい、どうぞ」
「夕立了解」
「第七から夕立ッ!」
「白鷺第七、どうぞ」
「本町三丁目にいた大男は、マル害・ゼロイチと断定! 無名特別顧問が湯ノ石公園にて交戦中。巻き込まれないよう注意を払いながら、影内に迷い込んだ幻魔の避難誘導を開始。応援を求む。どうぞッ!」
「夕立了解。なお、本戦闘の影球範囲はわかりますか? どうぞ」
「(爆発音)――状不明ッ、
「夕立了解。中央に救援を要請します」
「白鷺第六から夕立」
「……」
「白鷺第六から夕立」
「ちょっと待ってください……五井さん、いますか?」
「五井です、どうぞ」
「本町の影の消失について、調査を願いたい。現状の聞き取り調査を中断して、本町への転身を願いたい、どうぞ」
「……えー、距離的にかなり時間がかかります、どうぞ」
「時間がかかってもいいのでお願いしたい、どうぞ」
「……五井了解」
「白鷺第六から夕立」
「はい、白鷺第六、どうぞ」
「桜花守護者から通信あり。えー、ただ、音声が聞き取りづらい上に話にまとまりがなく、えー、ひとまず差し迫った成仏の危険性はない模様。明日中には戻れるだろうとのこと、どうぞ」
「夕立了解……えー、なお、明日中とのことですが、綴喜さんの詳細な戻り時間はわかりませんか、どうぞ」
「明日中としか聞けていません、掛け直しにも応答がありません、どうぞ」
「夕立了解、えーまた通信がつながったら報告を願います、どうぞ」
「第六了解」
「以上夕立」
「夕立から白鷺第三」
「……」
「……夕立から白鷺第三、マル害・ゼロニの捕縛について、現状報告を求む、どうぞ」
「……」
「……夕立から白鷺第四」
「……これで聞こえんのか?」
「真島さん?」
「薬を無駄にした。次に俺に手下を寄越しやがったらケガじゃ済まさねぇ」
「ッ! 衣山?! 亀ちゃん!?」
「……」
「至急至急、白鷺第七から夕立」
「至急至急、白鷺第七、どうぞ」
「湯ノ石公園におけるマル害・ゼロイチとの戦闘において、ゼロイチが化学兵器、化学兵器を使用した模様。散布範囲は狭いものの、毒性は極めて高く、三名が意識を失っている状態。山頂展望台結界内に立て籠るゼロイチと膠着状態が継続中。搬送先の指示を求む」
「了解、それでは――」
「(警告音)」
「白鷺寺管内各局。白鷺寺管内各局。昨日から夕立市白鷺寺管轄内にて多発している一連の事案につき、五月十七日十七時三十九分、十七時三十九分をもって、山岡桃九郎警備隊長の名のもと、中央が臨時指揮権を行使することが決定した。夕立市××番湯ノ石中学校中心の半径五キロ圏緊急配備を発令。また、これに伴い、中央本部から上員が派遣される。各局は上員との連携を密にとり、事態の収束と情報収集に務めよ。緊急事案に伴い、以降の関連事案の整理番号は省略、回信を取る、白鷺第一」
「白鷺第一、了解」
「白鷺第二」
「至急至急、夕立第一から中央」
「至急至急、夕立第一、どうぞ」
「十七時三十七分ごろ、聖清志病院一階にて、爆発事故が発生との通報あり。携行型の爆発物および催涙ガスが投げ込まれたとのこと。影球範囲は不明。死傷者の詳細は不明なるも、多数の負傷者が見てとれます。なお、搬送されていたマル害・ゼロサンの所在は現在調査中、新たな負傷者の搬送先の誘導と現場への応援を求む、どうぞ」
「白鷺第一から中央」
「聖清志病院にて、爆発事故ありとのこと、了解。引き続き調査を続行されたし、どうぞ」
「夕立第一了解」
「中央から
「北条第一です、どうぞ」
「至急、聖清志病院へ転身を願いたい。なお、ゼロサンが逃亡および戦闘への発展の可能性があるため充分に注意されたし、必ず番付肆番以上の同行を徹底されたし、どうぞ」
「北条第一、了解」
「白鷺第一から中央」
「白鷺第一、どうぞ」
「こちら現在、湯ノ石中学校内ですが、わずかながら幻圧が上昇中で、このままですと夜には規定値を超えそうです。速やかに祈祷師の派遣を求めたい、どうぞ」
「中央了解、すぐに派遣する、どうぞ」
「白鷺単騎から夕立」
「中央です、白鷺単騎、どうぞ」
「マル番が自宅から外出。マル番の姉と二人で西進中。原因不明。監視を続行する、どうぞ」
「中央了解。なお、目的地がわかった段階で通達されたし、どうぞ」
「白鷺単騎了解。……えー再送します。今ほどの聞き取りによりますと、マル番はどうやら湯ノ石中学校に向かっている模様、えー飼っている子犬が行方不明になり、中学校で保護されたとの情報をもとに学校に向かっている模様です。どうぞ」
「……中央了解、なお、湯ノ石中学校は現在幻圧が高くなっているとの情報があるので充分に注意されたし、どうぞ」
「白鷺単騎了解」
「夕立第一から中央」
「夕立第一どうぞ」
「聖清志病院のG事案につきまして、病院関係者からの聞き取りによりますと、赤がっ」
「……?」
「……」
「……夕立第一、通信が途中から判然としない。あらためて送られたし、どうぞ」
「……」
「夕立第一、再送を願いたい、どうぞ」
「白鷺第七から夕立」
「……中央です、白鷺第七、どうぞ」
「湯ノ石公園にて抗戦していたマル害・ゼロイチですが、十八時十一分に確保。意識不明のまま封錠をかけている状態。なお、応戦していた無名特別顧問も化学兵器による内傷が大きいため、ともに聖清志病院へ搬送中。影球内の負傷者はなし。当方は現場検証のためこの場に残ります、どうぞ」
「中央了解、えー聖清志病院へ搬送中とのことですが、当該病院で爆発事件が発生したため、えー、……失礼、診療所、新田診療所への搬送でお願いしたい、どうぞ」
「白鷺第七了解、新田診療所へ向かうように伝達します、どうぞ」
「中央了解、以上中央」
「……中央から北条第一」
「……っ田診療所だって」
「北条第一、聞こえますか、どうぞ」
「こちら北条第一、聞こえます、どうぞ」
「そちら聖清志病院には到着済みか、到着済みであれば病院の状況はどうなっているか、報告を求む、どうぞ」
「状況……警察と医者を呼んだほうがよさそう」
「北条第一?」
「……失礼、各局に通信願いたい」
「……えー、再送願いたい、どうぞ」
「
「? どうぞ」
「『
*
「……うまくいったかな? え?……いや、影縫の無線では試したことないからね。もって数時間だよ。……いや、そうは言うけどさ、そもそも僕はへとへとなんだよ、起きていきなりこれは鬼畜すぎ……わかった、わかった。鎮痛剤泥棒のついでとはいえ助けてくれたからね。新田診療所まで付き合うからさぁ、首輪の爆弾だけでも外してくれない? ダメ?」