ザルゲンが斬り伏せられ、石畳の上へどさりと落ちた。
「くぁっ……痛ぇ…」
ザルゲンが低く呻く。
「飛竜さんが勝った…!」
「すごいよすごいよ!」
ズライとメイメイが歓声を上げる。
後ろでは空中から飛竜が静かに降り立った。
「…」
石畳を踏みしめながら、ザルゲンへとズカズカ歩み寄る。
「ま……負けた…このザルゲン様が」
「手心は加えた。まだ死にはしない」
「…うるせぇっ」
ゲホッ、と血を吐くザルゲン。
「貴様には聞きたいことがある」
「……んだよっ」
「貴様の持っていたプラズマ銃、あれをどこで手に入れた?」
「はっ……答える訳ねーだろ」
「…」
「ぷぴぴ…覚えとけよ、飛竜とかいう青年。お前はこのザルゲン様に手を出した…。つまりバックにいるあのお方に喧嘩を売ったということだ。必ず、死がお前を待っているぞ!」
「ふっ…」
飛竜が薄く笑った。
「貴様の辞世の句ならその程度だろうよ」
その言葉に、ザルゲンは悔しげな顔を浮かべ、ゆっくりと瞼を閉じた。
「死んだのか…?」
「やったわね、ズライ! これで借金も無くなったわよ! ザルケン商会からも解放されるわ!」
「ああ。でも飛竜さんを巻き込んでしまった…」
ズライは申し訳なさそうに、飛竜を見やった。
その張本人は気にも止めていない様子だったが。
「飛竜さん…ごめんなさい、俺っちの勝手な…」
「貴様、情報があると言ったな?」
会話を途切れさせ、飛竜がゆっくりとズライへ視線を向けた。
「あ、はい! なんでも言ってください、俺っちは町の情報屋ですから」
「この世界の支配者を聞きたい」
「支配者…? それはえっと王様のようなもの?」
「それでもいい」
「そうだな。世界で一番、権力を握っているっていやあ、" 冥王様 "じゃないかな? 生ける伝説。誰もが知っている」
「…そうか」
「今のでいいんですかい? 報酬は?」
「十分だ」
飛竜は無言のまま背を向け、石畳をゆっくり踏みしめ歩いた。
脳裏に、つい先ほどザルゲンが構えていた銃が鮮明に浮かぶ。あれは間違いない。冥王の部下、暗殺者ソロが所持していると噂される〈プラズマ銃〉。
さらに思い返すのは、あの男の捨て台詞。“バックにはあのお方がいる”。
そして冥王という支配者。
ここがどういった世界なのか、やっと飛竜は理解した。
ここは異世界。冥王グランドマスターが創り上げた異世界なのだ。
第2の地球と呼んでもよい。
冥王はこうして世界を創り上げ、己の都合に合わせて忠実な眷属を増やしていったのだ。
そのすべては、
「…はっ」
可笑しさが込み上げ、飛竜は思わず笑った。
「貴様らにそんな玩具は必要ない」
世界が違えども、世界全てが敵に回ろうとも、飛竜のやるべきことは変わらない。冥王を斬り、任務を果たす。
──ただそれだけだ。
以上です。ありがとうございました!
今後続くかは分かりません
そもそも需要が……
とりあえずカプコンさん、新作頼みます!