秘密結社holoXの宿敵・ガヴ   作:ボルメテウスさん

11 / 14
昨日、無事にファイナルライブショーを見に行きました。やはり、生での仮面ライダーの凄さを感じながら、興奮が冷めない内に書きました。
また、リクエストでも追記事項を書きましたので、興味がありましたら、ぜひ。


ライブ会場のガヴ Ⅲ

照明班の悲鳴が轟いた。

 

「誰か!第二ブロックのスモークマシン止めてくれ!!」

 

「はーい!今行きまーす!!」

 

井上ショウマは人間とは思えない兎のように跳躍し、廊下を一直線に駆け抜けた。その速度は明らかに常人のそれを超えている。

 

「……あのスタッフヤバくない?」

 

バックステージのスタッフたちが戦慄する中、その男は問題の機械に到達し──片手でポンと蓋を開け、素手で複雑なバルブを弄り始めた。動作は軽やかで遊び半分にも見える。だが結果は劇的だった。一分も経たず煙が収束し、スモークマシンは沈黙した。

 

「はい、終わりましたー!」

 

「お前……何者……」

 

唖然とするスタッフの視線を受け流し、ショウマは額の汗を拭うこともなく微笑んだ。彼が舞台裏の通路に戻ると、今度は反対方向から狐耳がひょっこり覗いた。

 

「──へぇ。噂は本当だったんだね」

 

白上フブキはタオルを首にかけたまま目を細めた。ライブ前の緊張を解くために会場を散策していたのだ。

 

「こんにちは!新人スタッフさん?」

 

「あっ初めまして!井上ショウマです!」

 

「……ホロライブに配信者の『井上ショウマ』なんていたっけ?」

 

「いえ、ただのアルバイトです!」

 

「なんでそんな筋肉ついてるの?」

 

「毎日トレーニングしてるんで!」

 

「毎日!? そっか……肉体派かぁ……」

 

フブキは納得半分、不審半分の顔でショウマを眺めた。現場で噂になっている“とんでもない新人”がまさかこんな爽やかな青年だとは想像していなかったのだ。

 

「それで、あなたは?」

 

「知らない?それじゃ、せっかくだから!こんこんきーつね!白上フブキです!」

 

そう、フブキはすぐに挨拶すると。

 

「そう言えば、フブキさんに聞きたいんだけど」

「何々?」

「フブキさんの隣にいる人って、誰ですか?」

「えっ?」

 

その一言を聞くと、フブキは一瞬だけ止まる。

フブキはすぐに横を見るが、そこには誰もいなかった。

少なくともフブキとスタッフ以外には。

 

『ほぅ、俺の姿が見えたか。という事はもしかして、別の世界の住人か、いやこの場合はお前も仮面ライダーなのか』

 

ショウマは、フブキの隣にいた人物が笑みを浮かべながら、答える。

 

「えぇ!俺の事も知っているの!えっと、あなたは一体」

「しょっショウマ君、その、人は一体」

『俺か?まぁ、今は神様をやっているんだ』

「神様か?えっ、でもなんでフブキさんの隣に?」

「神様!えっ、本当に待って!ショウマ君!その人は一体!」

 

『俺も最初はびっくりしたがな、けれど彼女がコンが生まれ変わった姿だと知ってな。思わず見に来たんだ』

「へぇ、けれど、そのコンって誰?」

「私はその神様ってのが気になるんだけど!!」」

 

『そこは秘密だ、まぁ本当だったら、実体を持って、応援したかったけど、俺が実体化したら迷惑がかかるからな。花だけ贈らせて貰った。その帰り道でな』

「そうだったんですか、それじゃまたねぇ!」

「待って!えっ、その神様って本当に、どうなっているの!」

 

困惑を隠せないフブキを余所に、神はそのまま立ち去っていった。

 

「よしっそれじゃ、俺もスタッフとして頑張るぞぉ!」

「待ってぇ!お願いだから、さっきのどういう意味かだけでも教えてよぉ!!」

 

ショウマは、その後も、何事もなく去っていた。

だが、フブキだけは残された謎だけに思わず叫んでしまう。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。