ZZZ×ARMORED CORE 6 作:ジョシュア・オブライエン
C4-621こと”独立傭兵レイヴン”らがデモリッシャー、デュアルショベル、パイルドライバーの
3台の知能機械を回収してから数日。
白祇重工から『プロトタイプを捜索をする』と連絡を受けて、アキラ本人と共に本社まで来ていた。
「プロキシ、レイヴン、わざわざ来てくれて礼を言う。
白祇重工は、本腰を入れてプロトタイプの捜索をすることに決めた」
クレタも決心がついたようで冷静に話す。
「簡単な事じゃなかったと思うけど。決心できたみたいで良かった。」
「ああ。プロトタイプには会社の重要技術が詰まってる。社長として、あれを放っておくようなマネはできねぇ……とは言え、アイツを探すのはグレースの専門だ。詳しい話はアイツとしてくれ。悪いが、あたしは用がある。」
クレタも少々グレースとわかだまりがあるようだ。
「あ……社長、待ってくれ!」
「心配すんな、ベン。うちの社長は、後から決めた事を後から後悔するようなタマじゃねぇ」
ベンがクレタを呼び止めたが、アンドーがそれを止める。
「その通り。おチビちゃんが決断してくれたなら、それで充分さ。ここからは、私がなんとかしてみせる。」
「じゃあ、この前脱走した知能重機について話そっか。結論から言うと、あの子たちの論理コアやボディに異常やエーテル侵食もなかった。」
「あの子たちを変えたのは、プロトタイプからの信号だったの。詳しい原理は省くけど、プロトタイプの信号で論理コアの性能が上がり……つまり、子供たちはさらに賢くなったっていうわけ。」
「でも3台の内、明確なメッセージを受けたのは”フライデー”だけ。あの子が言っていた『封印を固める』っていうのがまさにそのことだよ。」
「でも残念ながら、あの子はその意味を上手く言葉に出来なかったけど…どうやらプロトタイプは、ほかの知能機械たちに助けに来てほしかったみたい。」
◇◇◇
『よし。それじゃあ、僕が今からやることを説明するね。』
現在「Random Play」にて待機しているリンから通信が入る。
今回のプロトタイプを回収するためにするべき3つのこと
・デモリッシャー、デュアルショベル、パイルドライバーの三台にある特定のポイントへと送り込む。
・グレースが信号発信機を起動。三台には中継機の役として、プロトタイプのリプライ信号を受信させる
・信号の強度を活用して、プロトタイプを見つける。
『これが今回のやること。
グレースさんとパイルドライバーの持ち場はこの近くにあるから、あたしが連れて行くよ。お兄ちゃんは、ウォルターおじさんとレイヴンや皆と一緒に、あとの二台を指定地点まで連れて行ってね』
◇◇◇
『このエリアは、地下鉄改修プロジェクトの建設予定ルートの一部にあたる。
だけど立ち入りに関して、治安局からは何の許可も下りてないから、そこは気を付けてくれ。』
一応ウォルターもH.D.Dシステムを持っているが、本職のプロキシの兄妹のほうが手際がいいのだろう。ウォルターは621のサポート以外基本ノータッチである。
「よっしゃ! これで三台とも、指定の位置に着いたぞ!」
『グレースさん、聞こえる? 今からプロトタイプに信号を送ろう。具体的な操作は頼んだよ』
『はいはい! それじゃあ子供たち、あとは任せたよ。頑張って先輩に呼びかけるんだ……。
──うん、デモリッシャーの所にリプライ信号が帰ってきた……よしよし、三台ともプロトタイプかの信号を受信したよ!』
グレースからリン経由で、受信に成功したと伝えた。――しかし
バキィ!ズドォン!
通信機越しに大きな騒音が響いた。
『……今の音はなんだ?』
ウォルターがとっさに確認する。
「……大した事じゃないよ。エーテリアスが来ただけさ、すぐに片付ける。発信機の高周波はプロトタイプだけじゃなく、エーテリアスにとっても刺激になるようだね」
グレースはそう言ってるが、かなり危険な状況である。
『……いや待った、グレースさん!強いエーテル反応を示す個体が近づいている!お供がパイルドライバーだけでは太刀打ちできない!』
「グレース、一旦発信を止めろ。お前はパイルドライバーと一緒にそこから離れるんだ!」
アキラもクレタも、グレースを説得するが…
『クレタ…聞いて――プロトタイプのリプライ信号の間隔は今この瞬間もどんどん遅くなっている…今発信を止めたら、もうチャンスは無いかもしれない。プロトタイプの論理コアは、白祇重工にとって大事なものだよ。簡単に諦める訳にはいかない』
そう言ってグレースは一方的に通信を切ってしまった。
『――621、マーカーを設置した。迅速にそこへ向かえ。時間はない、急げ。』
アサルトブーストを使い、レイヴンはグレースの方向に飛び去って行った。
『しまった、早く助けに行かないと!』
◇◇◇
彼らがグレースのところについた時には
既に弱小エーテリアスや上級エーテリアスの死骸が死屍累々と広がっていた。
一部は銃弾に撃ち抜かれたり、散弾のようなもので頭が欠損していたりしており、
形跡からして、621が暴れたように見える。
「し、仕事が早ぇな…」
これにはアンドーも驚いていた。当然である。なんせ、ここまでにかかった時間が1分程度なのだから。
そして肝心のレイヴンは上空で浮上しながら周囲の安全を確認していた。
――するとグレースがクレタに思いっきりぶん殴られた。
「いったぁ……クレタ、ジャンピングスマッシュなんてひどいじゃないか……」
「うるせぇ!なんで社長の命令を無視して突っ走った!オマケにこっちとの通話は一方的に切りやがって……」
ギャーギャー言い合う二人組。流石に思いっきりぶん殴るのはマズいが。
「まっておチビちゃん。これには理由が…」
『まあまあ、グレースさんが説明できる状況じゃなかっただけで、あの場を切り抜けられる自身があったんじゃないかな』
クレタとグレースの言い合いに、流石にアキラは仲介に入った。
「……悪い、つい、聞きたくねえとか言っちまって……」
「ごめん、心配させてしまって。」
「……別に良い。もう終わった事だ」
無事に仲直りできたようだった。
『…うん、レイヴンのおかげで安全は確保できたね。続けよう。』
プロトタイプ捜索は始まったばかり。