ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter 2:What did you scream … in the Hollow? ⑧

《捜索対象の位置を確認!》

『リン、ここが信号を増幅させるのに一番適している場所だ。少し待っててくれ、僕とFairyが今すぐプロトタイプの位置を割り出す』

《座標計算中……プロトタイプの位置を取得。現場の見取図を生成しました》

FAIRYがプロトタイプの周囲の画像*1を表示した。

 

「これは……!」

「? どうしたベン、プロトタイプの位置に何か問題でもあるのか?」

 

「……社長。当時、先代が失踪する前に、白祇重工は新しい地区開発プロジェクトを請け負っていた。それが、『パイオニア記念広場』の施行だ。この見取り図にある建造物はタワーなんかじゃない……!まさに、あの記念広場にあったモニュメントなんだ!」

 

「……プロトタイプは、アイツが途中で工事を投げた広場にいるだと……!? どういう事だ!」

「そ……それは、俺にも分からない。今これを見て、急に鳥肌が立ったんだ……プロトタイプがそこにいるのは、先代が何か伝えようとしてるからだと思えて……」

 

「そうだ……フライデーの野郎も言ってた!『我が師、ホルスの声が聞こえた』と!」

アンドーも何かを勘ぐっていた。

「ベン、アンドー……お前ら考えすぎだっての──まあ、何だってプロトタイプがそんな所にいるのかは気になるな……とりあえず、現場に行ってみようぜ」

 

◇◇◇

 

パイオニア記念広場建設予定跡地

そこには見取り図の画像で見たモニュメントと、大型の知能機械に似た機械が鎮座している。

「……慎ましやかな配色、端整なシルエット……間違いないあれがプロトタイプだよ! ……だけど、この奇妙な状態は一体……?」

そこにはプロトタイプがモニュメントの塔を支えるような態勢になっていた。

 

 

「…ここで何があったってんだ?ベン、アンドー、レイヴン。モニュメントの付近を調べろ。アタシはプロキシと姉貴で操縦席を見てくる」

 

◇◇◇

 

全員がプロトタイプや周囲の調査を進める中…621だけは異常がないかピョンピョン跳ねながら周囲の安全を確認していた。

『周辺には敵影が一つもない。ヌシ級のエーテリアスが居るのも考えられるが…見当たらない。621。油断だけはするな。慎重にな。』

ウォルターはかなり不審がっているようだ。

 

◇◇◇

 

「皆、来てくれ!プロキシがとんでもねぇものを見つけた!」

クレタがプロトタイプの操縦席から慌てて走ってきた。そして、持っていた数枚の書類を見せた。

 

「これは…プロトタイプの引渡指示書!ホルス社長のサインに、金額と日付まであるぞ…!」

ベンがひどく驚いた。

 

「つまり、ホルスさんがお金を持ち出したのは、プロトタイプの費用の支払いの為…!」

「ハン!ホルスさんみてぇに正義を重んじる漢が、持ち逃げなんてこすいマネするはずねぇと思ってたぜ!この引渡指示書があれば、やっと先代の汚名が晴らせるってもんだ!」

グレースやアンドーもそれぞれ喜び、そう答えた。

 

…しかし新たな疑問が発生する。

「待ってくれ…そのホルスさんがプロトタイプをここまで操縦してきたって事なのか…?」

なぜホルスはホロウの最深部までプロトタイプと共に向かったのか、ベンはクレタらにそれを聞いた。

「…今はまだ結論を出せそうにねぇな。だが、キャビンの中には大量の弾痕があった…多分、ここでは何かヤバいことが起こったんだ。

――アイツが、親父が逃げたんじゃねぇんなら……もう、この世にはいねぇかもしんねぇ……!」

 

「クレタ、落ち着いて」

グレースがクレタに声を掛ける。

「プロトタイプを確認したけど、論理コアの外部記憶素子は無事だった。その中に当時の映像記録があるかもしれない……プロトタイプを持ち帰ったら、すぐデータの分析にかかるよ。必ずや、ホルスさん失踪の真相を見つけよう!」

「そっすよ社長!何とかなりますって!」

アンドーも加勢してクレタを励ます。

 

『クレタ、”パエトーン”はいつだって君の力になるよ!』

『ああ、少なくとも621も戦力としては助けになれるはずだ。』

アキラとウォルターもそう答え、621も首を縦に振り肯定した。

 

「みんな……ああ、そうだな!社長がこんなんでどうすんだ! おし、ひとまずプロトタイプを会社まで引っ張ってくぞ!」

 

◇◇◇

 

彼らは知能機械の力を借りて、プロトタイプを本社へ運ぶことにした。

なお621は周囲の安全を確保していた。

「焦らず、ゆっくりな」

「いいぞ!オーライ!オーライ!」

 

「行こう。ここにもう用はない」

「…。」

グレースがクレタに話しかけたが、答えはない。何か思うことがあるのだろう。

 

《待たれよ……我は重大な事を忘れてはおらぬか…?》

「重大な事?」

プロトタイプから唯一、断片的だが命令を受けていたパイルドライバー、”フライデー”が何か言い出した。

《うむ、しかし何だったか──そうだ封印!我が師ホルスは我に封印を固めよと…しかし、封印とは一体──》

 

『待て!高密度エーテル反応!モニュメントの下…地中からだ!』

ウォルターの言葉を聞き、621は即座に身構える。

 

「……おい、あそこに何かいんぞ!……エーテリアス!?」

モニュメントから人型の”ナニカ”が這い出てきた。

*1
画質は荒いが

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