ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter 3:Danger, Night in the high building ⑦

『ててて、店長とレイヴンか!?まずいぜ……飛行船が大変な事になってる……!』

『ビリー、落ち着いてくれ。飛行船で何が起きたんだ?』

アキラが通信越しに大慌てするビリーをなだめ、詳しい説明をしてもらった。

 

ビリー曰く、

実は十分程前、パールマンが守衛に、「スーツケースをあけて中を確認したい」って言い出したのだが、ケースを開けたとたんに、中から煙が吹き出し、邪兎屋やパールマンなどが乗っている飛行船の操縦士を含め、飛行船にいる全員が気を失ってしまったようだ。

現在吸気システムの故障したビリーだけ、意識を保っていたようで大急ぎでアキラたちに連絡したようだ。

 

『それなら、今は誰が飛行船を動かしているんだ?』

 

『今んとこ自動操縦になってる。しばらくのあいだ、墜落の心配はなさそうだ!…けどよ…俺、気付いちまったんだ――どうやらこの飛行船、航路設定が改ざんされてやがる!』

『今、こいつはバレエツインズのホロウに向かって飛んでるんだ!』

『あと少しで俺ら全員、ホロウの中に突っ込んじまうぞ!』

 

◇◇◇

 

『なあ…どうすりゃいい?通報したほうがいいか?信じてもらえっかな、これ…』

「ビリー様のお話された通りなら、飛行船が航路を外れてからしばらく経っています。ですが、外部に動きがあるようには見えません…」

ビリーが心配そうに話すが、ライカンの言った通り外部に大きな行動は見られなかった。

 

『…どうやらレインの仕業のようだ――飛行船の制御を乗っ取りつつ、信号を偽造して正常に飛んでいるように見せかけている…』

アキラがこの仮説を思いつく。

反乱軍がこの目的でレインを誘拐したならば、反乱軍の一連の行動も納得できる。

 

◇◇◇

 

ビリーは飛行船の運転は大抵無理。

だからこそ、飛行船の乗客を助けるにはレインを急いで救出して、飛行船を止めることが絶対条件。

 

《――マスター、飛行船の軌道を割り出しました。飛行船は25分後にバレエツインズの上空15メートルを通過し、その後30秒でホロウと接触します。》

 

「皆、急ぎましょう!」

ライカンがそう声をかけて、さらにペースを上げて上層へと上がっていく。

 

「――!敵襲だ!こいつら、どこから湧いてきた!?」

慌てたように反乱軍兵士が武器を構える。

「くっ…隊長に通信――」

「……通信?させるわけないじゃん。」

兵士の1人が通信しようとしたが、エレンがそれを阻止する。

 

621もランセツRFと軽ショ、ニードルミサイルを活用してどんどん追い詰めていく。

『……作戦時間、残り20分。621、慌てず確実に潰していけ。』

 

◇◇◇

 

バレエツインズ最上階

「むー…むー!」

隊長がレインを落とそうとしており、レインは必死に抵抗していた。

「ま、待ってください隊長。”こいつが外部にどれだけ情報を漏らしたか突き止めろ”という雇い主の指示は…」

部下と思わしき人物が止めに入る。

「連中はもうすぐ追いつくだろう。どのみちこの足手まといを連れたままでは、我々は逃げられん。()()()()()()()()()()()()()()()我々は金をもらって仕事をするのみ。これ以上命を懸けるのは損だ。なに、こいつはエーテル侵蝕で死んだことにしておけばいい。」

 

「悪く思うな。そもそもは、知るべきでないことに首を突っ込み過ぎた、お前自身の過t――ギャア!!」

レインの首根っこを掴んでいた隊長にニードルミサイルが二本突き刺さる。

 

「足が…!足が――!」

隊長が悶え苦しみ、レインを落としてしまう。

「むーーーー!!」

621はお急ぎでABで加速。レインを脇に抱えてなんとか無事に着地出来た。

 

「まずい!人質が連中の手に!」

反乱軍兵士が慌てて銃を向けてきたのだが、

621は”こちらだけに気を取られていていいのか?”と言わんばかりに虚空を指差す。

 

「……どういうことだ…?」

「ぐわあ!」「うわあ!」

 

「クソ――人質は諦めろ!隊長を連れて今すぐ撤退するんだ!」

反乱軍兵士たちは隊長を担いで逃げて行った。

 

「ライカンさん、追いかけたほうがいいかしら?」

「いいえ。今は、レイン様と飛行船を救うことが先決です。」

ライカンがリナにそう言い咎め、アキラはレインの元へ近づき、声をかける。

 

『怖がらなくていい、もう大丈夫だ。僕たちはニコの友達で、君を助けに来た。』

「きみたち…本当に、わたしを助けに来てくれたの?――!!早くビルの屋上に行かないと!もう時間がない、司法府の飛行船が――」

 

ドカァァンッ!

 

「隊長、時限爆弾は予定通り起爆しました。ホロウ内構造の変化を検知、屋上への通路消失を確認!」

「よ…よし…人質を取り戻したところで…もはや飛行船は救えん…”独立傭兵レイヴン”…貴様を始末することはできなかったが我々の勝ちだ…ぐぅ…」

 

◇◇◇

 

《マスター、ビルの上層構造に明らかな変化を検知。屋上への最短ルートが無効になりました。》

Fairyからメッセージが届いた。

 

「彼らの仕業でしょう。人質を早々に諦めたのも道理…既に仕込みは済んでいたというわけですね。」

『Fairy、他のルートを捜索してくれ』

 

『――いや、問題ない。621のブーストで上昇すれば問題なく、移動できるはずだ。飛行船内に侵入すれば俺が遠隔で操作できるはずだ。お前たちは乗客と621の帰還ルートを探してくれ。』

ウォルターがアキラを遮って621を直行させることを提案した。

 

ACは基本的なスペックに飛行能力がある。道が消失しても文字通り飛んで行けば問題なく飛行船に侵入できるだろう。

「飛行船に制御を返すだけなら、屋上へ行って妨害装置を取り除くだけでいいはず…」

レインもウォルターの意見に賛同した。

 

『僕たちも急いで合流する。レイヴン、ウォルターさん。頼んだよ!』

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