ZZZ×ARMORED CORE 6 作:ジョシュア・オブライエン
C4-621こと”独立傭兵レイヴン”はホロウ内部のデータをひと悶着ありながら無事に回収し、今度は車両のパーツを購入しに別のホロウへと向かった。
何故ホロウにて取引するのかと言えば、
ホロウの外の物資はほとんど無くなっており、ホロウ内部しか十分な物資が得られないからだとか。
『……そういえばどうしてここなんだい?車体のパーツならエルカノやRaDに、ジェネレータならBAWSに行けばいいんじゃないか?確かあそこは武装以外にも色々売ってたはずだ。』
アキラが軽く質問する。わざわざ危険を冒してまでパーツを買いに行く意味が知りたいようだ。
「――ああ、結構恥ずかしい話なんだが…”パエトーン”とか雇ったせいでオレ様たち結構カツカツなんだ…」
「シーザーの言う通りですわ!確かに性能は高いですが!あんなもの買ったら破産ですわ!」
ルーシーが声を荒げてまで言う。
『――敵性反応、エーテリアスか。取引所まで連れていくわけにはいかない。全員排除しろ。』
ウォルターが警告した直後、エーテリアスが飛び出してきた。
◇◇◇
エーテリアスを軒並み蹴散らした後、ホロウ内部の安全圏の取引所にて、
急なトラブルが発生した。
「はぁ?パーツは売れねぇ!?」
「あ、ああ。今朝若い衆が数人連れで来てのぉ、うちの在庫を全部買い占めていきおった。」
”カリュドーンの子”を名乗る走り屋が現れ、パーツを全て買い占めて行ったのだそう。
リーダーらしきシリオンの女性が、パーツを購入するのに高い相場の金額を提示してきたため、老人も了承せざるを得なくなってしまった。
「パーツを買い占めるだけでなく、私たちの名まで騙るとは……とんだ不届き者ですわね……!」
「じいさん、カリュドーンの子ってのはオレ様達の事だ! 今朝来た連中じゃねぇ!」
「なんじゃと……?」
「いやあ…実はわしも、今朝のことはモヤモヤしとったんじゃよ。お前さんたちがあの連中を改心させたいっちゅうなら、特に止めはせんぞい!まあ…わしが告げ口したことは黙っててほしいがのう…」
《……奴の向かった方向は覚えているか?》
「もちろん、覚えているとも。」
「”足りないパーツがある”と言って、ホロウ深部の”廃車墓地”にすぐに出発して行ったよ。」
《成程……情報提供、感謝する。》
《ビジター、俺たちは先に”廃車墓地”に向かおう。先回りして一気に叩くべきだ。》
『――分かった。僕は”カリュドーンの子”のバイクを取りに向かう。すぐに合流するから待っていてくれ。』
アキラたちも了承して、621とチャティも現場に向かった。
◇◇◇
数分後、廃車墓地へと辿り着いたC4-621とチャティ・スティック。
《……?誰もいないな。ビジター探索を頼む。》
距離的に考えて、すでに例の走り屋達がいてもおかしくないはずが、誰も居ない。
《――!離れろビジター、それはRaD謹製の”特大花火”――》
突如、爆発。目の前にあったドラム缶に偽造された身の丈ほどある巨大な爆弾が爆発。
621はアラートで気づいたおかげかクイックブーストで緊急回避し、大ダメージは避けれたようだった。
「アリーナランキング14位”チャティ・スティック”、アリーナランキング3位”独立傭兵レイヴン”*1……」
「やっぱりアリーナランキングに載ってる奴は一筋縄じゃ行かないね」
影から、エツジンにノコギリをくっつけたような銃剣を二丁持った、一人の猫のシリオンが出てくる。
『621、排除しろ。』
《ビジター、俺も援護しよう。》
ウォルターの指示と共に621は戦闘態勢に入り、チャティもミサイルの発射準備に取り掛かった。
「ハッ!」
シリオンは狙いを定めたのち、猫特有の素早さで走り回りながら二丁の銃剣で射撃や手榴弾を投げてくるが、
621はクイックブーストで難無く避け切って、両手のショットガン「SG-026 HALDEMAN」や小型2連双対ミサイル「BML-G1/P31DUO-02」を当て続ける。
「――っ!」
《彼らに任された以上、お前は確実に排除する。それが俺の仕事だ。――ビジターは好きなようにやってくれ。俺がサポートする。》
さらにチャティの爆走しながら発射するRaD製のクラスターミサイル「WR-0999 DELIVERY BOY」や、ファーロン・ダイナミクス製の12連装垂直ミサイル「BML-G1/P07VTC-12」がそのシリオンに向けてドンドン降ってくる。
しかもメリニット製の軽量バズーカの「IRIDIUM」や「LITTLE GEM」まで打ち込まれる始末。
流石にこの猛攻に膝をつく猫のシリオン。
621は好機とみなしパルスブレード「HI-32: BU-TT/A」で切りつける。
「ぐっ…!!」
「……分かった、ここまでにしよう。負けを認めるよ。」
《どうする?ビジター。俺としては、このままRaDに連れて帰って詳しく”尋問”することをおすすめするが。》
流石RaDの一員。さらっと物騒なことを提案した。
「――分かった。そうしよう。」
《了解だ。ビジター。》
621の決定と共に、ゆらりと近づく621とチャティ。
猫のシリオンにはそれが死神に見えてならなかった。
「えっ!?ちょっと待って!!降参す──」
――しかしのその散弾はシーザーが間に入って盾で弾かれた。
「おいおい!殺すのは流石に駄目だろ!」
間に入ってきたシーザーに咎められた621とチャティ。
《――それは…すまない。》
「……ごめん。」
「こ、降参、降参……っ! 降参だから……! 殺すのは本当に勘弁してっ……!」
今回は621が甘かったがいつもの621なら余裕で死んでいた。
傭兵に死に場所は選べないのである。
◇◇◇
猫のシリオンの女傭兵……プルクラが持ち去ってしまった物資は取引所に返却し、改めて物資を購入出来たようだった。
プルクラとの別れ際、バーニスが熱心に話しかけており「カリュドーンの子に入らないか」と勧誘していたが
『レイヴン……もしかしてだけどいつも、あのようなことをしてるのかい?』
帰り際にアキラからそう質問されたが、621は黙秘を貫いた。