ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

34 / 90
Chapter 4:Tour of Inferno ⑦

モルスを撃破したC4-621こと”独立傭兵レイヴン”。

しかしモルスを追跡した後にはシーザーが居た。

 

621に続いて、後を追ってきたルーシー達やプロキシもシーザーと遭遇。

『シーザー…どうしてここに?』

アキラが疑問に思った束の間――

「シーザー、落ち着いて聞いて!町長と覇者の手下が――」

「――よせ、知ってる。…これ以上、物資をホロウに置いとけねぇ。カーサ…全部もってけ」

シーザーは箱の中身を確認しながら、こちらに目もくれずそう言った。

 

――拍手する音が何処からか聞こえた。

すると、黒を基調としたコートや服に、左頬の傷、黒と灰が交互に入った髪や顎鬚を蓄えた、

”トライアンフ”のボスであり現在「覇者」の座に就いている厳つい人物、

”ポンペイ”が手下を連れ現れた。

 

「久しいな。カリュドーンの子、シーザーよ。ビッグダディの傍にいたあの小娘が…部下を連れて俺の舞台に足をかけているとはな。」

 

「覇者ポンペイ。カリュドーンの子は、今もまだあなたを連盟の長と認めてはいますけど....ここに現れたからには、納得のいく説明を聞かせてもらう必要がありますわ!」

かなりキレているルーシーに伴って、621もポンペイにランセツRFを向ける。

 

「急くな。いずれ知るであろうことよりも、今はより差し迫った問題がある。――それとそこの鴉。部外者は立ち去っていろ」

 

『済まないが621と…それとRaDの人間がお前たちの被害にあった。今回は退けない。』 

ウォルターがポンペイに反論した。

 

「そうか――シーザーよ。ここにある物資は、我々トライアンフがブレイズウッドに供与すると約束したものだ。貴様は、町長がこれらを持ち帰ることになんら異議はないと....そう言うんだな?」

ポンペイはシーザーに向けそう言い放った。

 

◇◇◇

 

「ポンペイおじさま、人をバカにするのも程がありましてよ!」

騒ぐルーシーをシーザーが止める。

 

「待て、ルーシー。オマエとカーサが前に言い争ってたことは全部聞いているぜ。この箱の中身も確認したが、確かに食料と薬だ....嘘はついてねぇんだろう。こいつの出どころはともかく、町に必要な物資なのは確かだからな」

「けど...カーサ、オマエらが困ってんなら、どうしてオレらに助けを求めなかった?ずいぶんよそよそしいじゃねえか?」

しかしシーザーも腑に落ちない要素があったようで、カーサにそう質問した。

 

「シーザー....最初は、そうしようと思っていたのさ。だだそのときちょうど、あんたが『ツール・ド・インフェルノの資格を得た』って飛び込んできて....町を、一時的な拠点にさせてほしいと頼んできたろう?」

「昔から、ブレイズウッドはカリュドーンの子に助けられてきた…なのにここ一番で恩返しもできないどころか、心配の種を増やすようじゃ、立つ瀬がないじゃないか…?」

 

「それで?私たちの情報をトライアンフに売ることが、あなた方の考えた恩返しだったんですの?」

ルーシーがさらに反論する。

 

「情報を売る?待ってルーシー、それは誤解だよ!トライアンフとの取引は、工芸品の加工を手伝う代わりに物資を貰うってだけさ!」

 

『成程、お前たちの言い分は分かった。しかし”カリュドーンの子”や”RaD”たちに被害が出たのはどう説明する。”小規模な走り屋による妨害”、”アリーナランキング外ではあるが傭兵の動員”全てお前たちの仕業となれば筋が通る。』

ウォルターがカーサの意見を聞いた上でポンペイを問い詰める。

 

「――ああ、鴉。お前の言うとおりだ。……これを見ろ。」

621はポンペイからマイクロチップのようなものが仕込まれた容器を渡された。

 

『621少し見せてくれ......――!?これは…盗聴器か…』

「正解だ。鴉。」

「――モルス、この瓶には重油が入っていたはずだ――俺達旧油田エリアの生命線、その象徴がな。なぜこんなものが入ってやがる?」

今度はポンペイがモルスを問い詰める。

 

「それだけではない!このところ、ブレイズウッドに届く物資が約束の量に満たないそうだ。何か知っているだろう?」

 

「ポ、ポンペイの親分、お、オレは....」

 

「モルス!『ツール・ド・インフェルノ』へ貴様の帯同を許したのは、断じてこのような小細工をさせるためではない!覇者たる我々が仁義を守らぬ連盟なんぞに、誰が籍を置きたがる?我々が一つなれないのなら、誰が旧油田エリアを守るのだ?」

 

「ポンペイの親分、申し訳ありません。オレが間違っていました!オレは、まともではなかったんです....この件は全てオレの責任。どうか、罰を!」

 

「罰だと?思い上がるな。貴様が台無しにしたものを、貴様ひとりへの罰で贖いきれるとでも思うのか」

 

その場にいた621は、思わず目を見張った。

ベイラム・インダストリー直属部隊、レッドガン総長――G1ミシガン。

厳格でありながら、組織の長としての統率力とカリスマを兼ね備えた人物。621も、幾度となく依頼のさなかで彼の助力を受けてきた。

そして今、621は確信した。ポンペイもまた、ミシガンと同じタイプの人間だと。

彼は、静かにランセツRFを降ろした。

 

「カリュドーンの子、独立傭兵レイヴン、ならびにカーサ、そしてこの場にはいないがRaD。モルスは俺の部下....こいつがしでかしたことの責任は、こいつを正しく導かなかった俺のものだ。覇者として、この件は俺がしかるべき補償の責を負う」

 

「フン、ご大層なスピーチですこと。それで、どのように責任を取るおつもりですの?」

ルーシーがポンペイに具体的なことを聞く。

 

「最近、旧油田エリアに隣接する複数のエリアと提携の協議をした。」

 

◇◇◇

 

ポンペイの提示した”責任”とは

簡単に言えば、ブレイズウッドへの燃料供給と協議に新しく開拓した五つの輸送ルートのうち三つを”カリュドーンの子”に任せる、というもの。

”カリュドーンの子”にとって、これはブレイズウッド周辺の問題をまとめて全部解決することができる願ってもない契約。

シーザー達はポンペイの提示した条件を呑む事にした。

 

「シーザー、こいつはいま書いた念書だ。取っておけ。ルートの件はもうまもなく正式に発表される。次は、『ツール・ド・インフェルノ』で見えるとしよう」

 

そう言って、ポンペイはこの場から立ち去っていった。




今更な補足だがポンペイは「独立傭兵レイヴン=ハンドラー・ウォルター」だと思っているよう模様。
H.D.Dシステムでウォルターは、621のACと通信だけできるようにだけしているようで、
実際のところ621が戦闘など全てを担っているようである。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。