ZZZ×ARMORED CORE 6 作:ジョシュア・オブライエン
――優先順位は分かってるな?まずはアイツだ。”湖”はあとでいい。」
???「ハァ……あんたは相変わらずだね。その言い方、友達無くすよ。」
遂に始まった「ツール・ド・インフェルノ」。
苛烈な激戦のバイクレースの末に勝利したのは”トライアンフ”だった。
「――ふっ…まだまだだったな。だが、悪くはなかった。」
ポンペイは”カリュドーンの子”を称えながら「火打石」を懐から取り出す。
「くそっ!間に合わなかった!畜生!!」
シーザーたち”カリュドーンの子”が諦めずに負けじと追うが――
「まあ、結構なことだ。少なくとも数年は、火の湖を心配しなくていいのだからな。――小娘たちよ、その時はもう一度相手になろう。」
ポチャンと音を立てて、「火打石」はシンダーグロー・レイクの底に沈んで行った――
しかし。
「何があった?……何故噴火しない?」
ポンペイは困惑した。普通、シンダーグロー・レイクに正真正銘の「火打石」を投げ入れた場合、大規模な爆発を起こし周りのエーテル結晶を吹き飛ばす。
しかし今回は何も起こらなかった。
『だまして悪いが、その「火打石」は偽物だ。以前、621にすり替えて貰った。』
「はぁ!?レイヴン!?アンタここに来てたのかよ!」
「……鴉。貴様の仕業か。なぜこんなことをした?」
シーザーは驚き、ポンペイは苛立ったように621に問う。
『そのことに関してだが……621,「例の資料」を見せてやれ。』
ウォルターの指示を受けた621が何かの資料の入った茶封筒をポンペイに手渡した。
「――これは!?」
ポンペイは封筒の中身を見た途端驚愕した。
その一つはチャティは必死こいてデータベースから発見したルシウスと新エリー都のエーテル系企業の契約書。
もちろんルシウスのエーテル重合触媒の購入履歴も入っており、
エーテル重合触媒の説明も、ルシウスの計画の全貌も、その証拠も、丁寧に添付されていた。
「ルシウス……貴様……。ここのところ、ずいぶん都市の企業と懇ろにやっているみたいだったが、本当だったとはな…!」
「この選択が……どんな結果をもたらすか、貴様は分かっているのか?」
ポンペイがわなわなと震えながら、怒りを露わにする。大切な右腕のような存在に裏切られたのだ。そうならないわけがない。
「やだなあ……みんながみんな、あんたみたく古臭い自由と仁義を信じてるなんて……まさかじゃないけど思ってないよな?」
ルシウスが化けの皮が剝がれるように変貌した。
◇◇◇
本性を露わにしたルシウスは演説を続ける。
「弱者も、能無しも、もうとっくに時代から見捨てられてるんだよ!」
「エーテルの力さえあれば、僕はリーダーのいない郊外に、新たな秩序を打ち立てられる!僕の指先ひとつで動く王国を――」
その瞬間、散弾がルシウスの肉体を打ち抜く。
「ガッ……カラス……何を……。僕の……計画が……これじゃ……0点だ……」
ルシウスをZIMMERMANで撃ち抜いた*1のはC4-621こと”独立傭兵レイヴン”だった。
人を殺そうとしたが、かえって自分が殺された。単純だが、皮肉な結末だろう。
「……ふざけるのも大概にしろ……」
物言わなくなったルシウスをシンダーグロー・レイクに落としてから、621は小さくそう呟いた。*2
――刹那。
「依頼人が死んだか。どうする?シャルトルーズ。」
「バカなこと言わないで、キング。報酬は前払いされてる。キチンとやらないと信用がね……。まずはそいつらから潰しましょう。”湖”は私がさっさとやっておいたわ。」
どこからか独立傭兵……と思わしき2体のACが現れ、こちらに標準を合わせてきた。
《警告:ここ周辺にて、エーテル濃度の急激な上昇が検出されました。》
Fairyの警告と共にシンダーグロー・レイクからエーテル結晶がどんどん広がっている。
シャルトルーズが別のエーテル重合触媒を投げ入れたのだろう。
そして――
「ゴホッ…!ゲホ…!」
ポンペイの調子も悪化しており、さらに咳き込んでいる。エーテル浸食が軽く進行したのだろう。
『……アキラ、お前は”カリュドーンの子”やポンペイと共にホロウから脱出するんだ。そこの”トライアンフ”の頭領はまだ助かる。さっさとしろ。』
『――分かった。皆、ポンペイさんを連れて脱出しよう。けど、シンダーグロー・レイクはどうする?』
ウォルターの指示にアキラは賛同するが、まだ問題は残っている。
「オレ様が残って、この「火打石」を”湖”にぶん投げる…!これなら解決できるはずだ…!」
シーザーがそう話す。
「シーザー……。死んだら許しませんわ!!」
「大将!死ぬんじゃねえぞ!!」
『ウォルターさん、レイヴン、シーザー。頼んだよ。』
アキラたちはポンペイをバイクに乗せて、ルーシーやライトと共にホロウの出口へと向かった。
パエトーン図鑑
暴徒
独立傭兵「キング」
傭兵3人、オペレーター1人で構成される、4人組の独立傭兵集団「ブランチ」の一人の男性。
同組織は構成員が常に入れ替わり続けており、彼は「1人目のキング」と言われている。
89.6%という極めて高い作戦成功率を誇り、「完成された傭兵」の異名を持つ。
アリーナランキングは4位であり、現在の621の一つ下。
搭乗AC機体は重量四脚ACの「アスタークラウン」。
暴徒
独立傭兵「シャルトルーズ」
傭兵3人、オペレーター1人で構成される、4人組の独立傭兵集団「ブランチ」の一人の女性。
同組織は構成員が常に入れ替わり続けており、彼女は 「2人目のシャルトルーズ」と言われている。
正面突破が得意なタンク型AC「アンバーオックス」を駆使し、「見つめ合うと死ぬ女傭兵」という名で恐れられている。
アリーナランキングは5位。