ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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???「今回の依頼にはアイツは行けないのか……それにしても”レイヴン”か……敵として聞くのはいつぶりだろうか。
――優先順位は分かってるな?まずはアイツだ。”湖”はあとでいい。」
???「ハァ……あんたは相変わらずだね。その言い方、友達無くすよ。」


Chapter 4:Tour of Inferno ⑩

遂に始まった「ツール・ド・インフェルノ」。

苛烈な激戦のバイクレースの末に勝利したのは”トライアンフ”だった。

 

「――ふっ…まだまだだったな。だが、悪くはなかった。」

ポンペイは”カリュドーンの子”を称えながら「火打石」を懐から取り出す。

 

「くそっ!間に合わなかった!畜生!!」

シーザーたち”カリュドーンの子”が諦めずに負けじと追うが――

「まあ、結構なことだ。少なくとも数年は、火の湖を心配しなくていいのだからな。――小娘たちよ、その時はもう一度相手になろう。」

 

ポチャンと音を立てて、「火打石」はシンダーグロー・レイクの底に沈んで行った――

しかし。

「何があった?……何故噴火しない?」

ポンペイは困惑した。普通、シンダーグロー・レイクに正真正銘の「火打石」を投げ入れた場合、大規模な爆発を起こし周りのエーテル結晶を吹き飛ばす。

しかし今回は何も起こらなかった。

 

『だまして悪いが、その「火打石」は偽物だ。以前、621にすり替えて貰った。』

 

「はぁ!?レイヴン!?アンタここに来てたのかよ!」

「……鴉。貴様の仕業か。なぜこんなことをした?」

シーザーは驚き、ポンペイは苛立ったように621に問う。

 

『そのことに関してだが……621,「例の資料」を見せてやれ。』

ウォルターの指示を受けた621が何かの資料の入った茶封筒をポンペイに手渡した。

 

「――これは!?」

ポンペイは封筒の中身を見た途端驚愕した。

その一つはチャティは必死こいてデータベースから発見したルシウスと新エリー都のエーテル系企業の契約書

もちろんルシウスのエーテル重合触媒の購入履歴も入っており、

エーテル重合触媒の説明も、ルシウスの計画の全貌も、その証拠も、丁寧に添付されていた。

 

「ルシウス……貴様……。ここのところ、ずいぶん都市の企業と懇ろにやっているみたいだったが、本当だったとはな…!」

「この選択が……どんな結果をもたらすか、貴様は分かっているのか?」

ポンペイがわなわなと震えながら、怒りを露わにする。大切な右腕のような存在に裏切られたのだ。そうならないわけがない。

 

「やだなあ……みんながみんな、あんたみたく古臭い自由と仁義を信じてるなんて……まさかじゃないけど思ってないよな?」

ルシウスが化けの皮が剝がれるように変貌した。

 

◇◇◇

 

本性を露わにしたルシウスは演説を続ける。

「弱者も、能無しも、もうとっくに時代から見捨てられてるんだよ!」

「エーテルの力さえあれば、僕はリーダーのいない郊外に、新たな秩序を打ち立てられる!僕の指先ひとつで動く王国を――」

その瞬間、散弾がルシウスの肉体を打ち抜く。

「ガッ……カラス……何を……。僕の……計画が……これじゃ……0点だ……」

ルシウスをZIMMERMANで撃ち抜いた*1のはC4-621こと”独立傭兵レイヴン”だった。

人を殺そうとしたが、かえって自分が殺された。単純だが、皮肉な結末だろう。

 

「……ふざけるのも大概にしろ……」

物言わなくなったルシウスをシンダーグロー・レイクに落としてから、621は小さくそう呟いた。*2

 

――刹那。

「依頼人が死んだか。どうする?シャルトルーズ。」

「バカなこと言わないで、キング。報酬は前払いされてる。キチンとやらないと信用がね……。まずはそいつらから潰しましょう。”湖”は私がさっさとやっておいたわ。」

 

どこからか独立傭兵……と思わしき2体のACが現れ、こちらに標準を合わせてきた。

 

《警告:ここ周辺にて、エーテル濃度の急激な上昇が検出されました。》

Fairyの警告と共にシンダーグロー・レイクからエーテル結晶がどんどん広がっている。

シャルトルーズが別のエーテル重合触媒を投げ入れたのだろう。

 

そして――

「ゴホッ…!ゲホ…!」

ポンペイの調子も悪化しており、さらに咳き込んでいる。エーテル浸食が軽く進行したのだろう。

 

『……アキラ、お前は”カリュドーンの子”やポンペイと共にホロウから脱出するんだ。そこの”トライアンフ”の頭領はまだ助かる。さっさとしろ。』

『――分かった。皆、ポンペイさんを連れて脱出しよう。けど、シンダーグロー・レイクはどうする?』

 

ウォルターの指示にアキラは賛同するが、まだ問題は残っている。

 

「オレ様が残って、この「火打石」を”湖”にぶん投げる…!これなら解決できるはずだ…!」

シーザーがそう話す。

「シーザー……。死んだら許しませんわ!!」

「大将!死ぬんじゃねえぞ!!」

『ウォルターさん、レイヴン、シーザー。頼んだよ。』

アキラたちはポンペイをバイクに乗せて、ルーシーやライトと共にホロウの出口へと向かった。

*1
重ショは殺意高いって……

*2
621は旧世代強化人間であり、「完全に無価値」「アンティーク」など散々な言われようだったのでルシウスの言葉が癪に障ったのだろう。




パエトーン図鑑

暴徒

独立傭兵「キング」
傭兵3人、オペレーター1人で構成される、4人組の独立傭兵集団「ブランチ」の一人の男性。
同組織は構成員が常に入れ替わり続けており、彼は「1人目のキング」と言われている。
89.6%という極めて高い作戦成功率を誇り、「完成された傭兵」の異名を持つ。
アリーナランキングは4位であり、現在の621の一つ下。

搭乗AC機体は重量四脚ACの「アスタークラウン」。

「相変わらずだね、キング。その偉そうな口ぶり…友達なくすよ。」

シャルトルーズ


暴徒

独立傭兵「シャルトルーズ」
傭兵3人、オペレーター1人で構成される、4人組の独立傭兵集団「ブランチ」の一人の女性。
同組織は構成員が常に入れ替わり続けており、彼女は 「2人目のシャルトルーズ」と言われている。
正面突破が得意なタンク型AC「アンバーオックス」を駆使し、「見つめ合うと死ぬ女傭兵」という名で恐れられている。
アリーナランキングは5位。

「喧嘩なら私が買ってやろうかしら。その時は私から見つめ合って異名通りにでも殺すわね」
シャルトルーズ
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