ZZZ×ARMORED CORE 6 作:ジョシュア・オブライエン
突如、シンダーグロー・レイクに強襲してきた傭兵集団――”ブランチ”のキングとシャルトルーズの二人。
「シャルトルーズ、俺はこいつを何とかする。お前は当初の作戦を進めろ。」
「またそうやって、人様を上から評価する……。まあ言われなくてもやるけど。」
キングことAC「アスタークラウン」と、シャルトルーズことAC「アンバーオックス」は、
シンダーグロー・レイクに残った621とシーザーに対して同時に襲い掛かってきた。
◇◇◇
『……相手は二体。各個撃破を優先しろ。挟撃は何としても避けるんだ。』
「ならオレ様はあの”黄色いの”*1を相手する!そっちの”青いの”*2はレイヴンに任せた!」
シーザーはそう言ってシャルトルーズに真正面から突撃していった。*3
そんなほとんど自殺行為で突っ込むシーザーを尻目に見ながら、621はキングにターゲットアシスト*4を起動し、
両腕のベイラムの重量級ショットガン「SG-027 ZIMMERMAN」や、ファーロン・ダイナミクスの3連小型双対ミサイル「BML-G2/P08DUO-03」を、キングに確実に当てていく。
一方キングも超強固なアーキバス先進開発局製のシールド――パルススクトゥム*5を常時展開し、防御をガチガチに固めながら、4脚特有のアクションであるホバリングで低空飛行。*6
さらに、右腕のBAWSのバーストハンドガン「MA-E-211 SANPU」で衝撃値を稼ぎ、止めを刺さんとばかりにアーキバス先進開発局製の三連レーザーキャノン「VE-60LCA」でこちらを潰しに来る。
――ここで問題。
常時強固な盾を張っている要塞型の重量4脚ACを撃破するにはどうすればいいか?
答えは簡単。盾全般の弱点でもある、
「左腕武器を使えば強制的に盾が一時的に解除される」と、
パルススクトゥム特有の弱点である、
「展開してからの数秒間は防御性能を殆ど全く発揮しない」
の二つを突いて一気に畳み掛ければいい。
するとキングが左腕のベイラム製火力型リニアライフル「LR-037 HARRIS」をチャージしながら621に標準を合わせてきた。
621は待っていたと言わんばかりにキングに跳躍し、アサルトブーストで急加速――
キングのハリスのチャージされた弾丸が621に飛んでくるが……
アーキバスのパルスシールド「VP-61PS」のイニシャルガードで弾き飛ばす。
さらに防御のがら空きになったキングに両腕の重ショを当ててスタッガー。
「ぐっ……この感覚… 戦意を内に秘めるタイプかこれまでのレイヴンと似ているかもしれん……」
キングがよろめく間にさらに双対ミサイル「BML-G2/P08DUO-03」を打ち込み、ダメ押しとして
重量級のRaDの逆関節脚部フレーム「RC-2000 SPRING CHICKEN」で蹴り飛ばす。
「強いな……名に恥じぬ戦い……だが死ぬわけには行かない――!」
キングが土壇場でアサルトアーマーを発動。
621は避け切れたが、キングには逃げられてしまった。
「キング!くそッ……気取ってタイマンなんてするから……!」
「おいおい!よそ見する余裕あるのかぁ!?」
シーザーがうろたえるシャルトルーズに斬りかかった。
◇◇◇
数分前、同所。
「しぶといね、アンタ。あっちの「レイヴン」も、ウチらの「レイヴン」も大体そうだけど。」
「ハッ……!そっちだってデケェ鎧着込んでんじゃねぇか!」
「見つめ合うと死ぬ女傭兵」と呼ばれるシャルトルーズに果敢に正面から立ち向かうシーザー。
アーキバス先進開発局の設計した特殊タンクパーツ「VE-42B」でフワフワ浮きながら爆撃や射撃してくる彼女に対してシーザーは相性が悪く、
シーザーは手持ちの剣と盾。飛び道具にはすこぶる相性が悪い。
仕方なく、シャルトルーズがEN補充で地上に降りてきた瞬間にシーザーが一気に畳み掛けるようなことを繰り返す形で均衡していたが――
「強いな……名に恥じぬ戦い……だが死ぬわけには行かない次こそは――!!」
キングがC4-621こと現在の”独立傭兵レイヴン”に敗れ、撤退した。
そして間髪入れずにシャルトルーズとシーザーとの間に入り込む。
「キング!くそッ……気取ってタイマンなんてするから……!」
「おいおい!よそ見する余裕あるのかぁ!?」
うろたえるシャルトルーズに、シーザーが左腕の盾をシャルトルーズに投げて、強力な回転斬撃を見舞わせた後、落下攻撃を放ち、彼女はスタッガー。*7
さらに621が合流し、二丁の重ショと双対ミサイル、ブーストキックの末に621がアサルトアーマーを発動。
シャルトルーズに大ダメージを与えた。
「こいつ……クソッ……」
シャルトルーズもアサルトアーマーを起動。煙幕が消えた後にはもう彼女の姿は居なかった。
『すまない。時間はかかったが……何とか対処した。』
「……おつかれ。」
「――おう!サンキュ!!」
621とシーザーが軽くグータッチするが――
シンダーグロー・レイクを蝕むエーテル結晶がさらに増大。
『621、シンダーグロー・レイクが消滅するのも時間の問題だろう。……シーザー……すまない。』
ウォルターがそう言うが――
「オレ様が、火打石を届けるぜ!」
シーザーはそう言って「火打石」を片手に、まだエーテル結晶が侵蝕してない炎のエリアまでバイクで突っ切っていく。
『シーザー!待て!――621!あいつを止めるぞ!!』
ウォルターの言葉が届くよりも速く、621はシーザーを止めに掛かるが――
必死に止めようとするウォルターと621を見ても、シーザーはバイクのスピードを緩めるようなことは全くせず、
パイプラインの瓦礫の上を爆速で疾走するバイクはやがて、燃え盛る火の湖の真上へと飛び出した。
(悪ぃ……これしか思いつかねぇんだ……)
迫り来る死を目の前に、彼女はルーシー達への罪悪感と、炎の中に包まれて死ぬ恐怖を感じながら、ゆっくりと目を閉じて、バイクと共にシンダーグローレイクの火口へと落ちていった。
◇◇◇
621は呆然としながら、シンダーグロー・レイクを蝕むエーテル結晶を巻き込む大爆発をじっと見ていた。
”イレギュラー”と恐れられ、”レイヴン”として名を売っていた621だが、肩を並べた仲間を救えなかった、と打ちのめされているのだろう。
『…………621,今は帰還しろ。このまま残っていたらお前の命も危険だ。』
ウォルターの指示に従って621は帰還しようとしたが――
突如、ホロウの裂け目が空中に浮かんだ。
『――!?621、生体反応だ。対処しろ。』
即座に裂け目に向けて重ショの標準を合わせるが――
「うわぁああぁああぁあぁあっっっっっ!!!!」
621とウォルターの心配は杞憂だったようで、ホロウの裂け目から見覚えのある影が落下してきた。困惑しながらもパイプ管の上でドリフトを決め、
621と衝突するギリギリで止まったのは……
「よお、また会ったな!」
照れくさそうに笑う彼女は、紛れもない”カリュドーンの子”首領のキング・シーザーだった。
新エリー都某所
キング「ぐっ……流石にやりすぎたな。全身が痛いな……シャルトルーズ、お前はどうだ。」
シャルトルーズ「一番早く落ちたヤツが何言ってんのよ。アンタは自分の心配するべきだけど?」
???「大丈夫ですか?――ひどい怪我……二人を退けるなんて……”レイヴン”。次にC4‐621を相手取る際は注意してください。」
レイヴン「…………。」
”レイヴン”オペレーター「あなた方もですよ。キング、シャルトルーズ。……やはり彼は”例外”です。」