ZZZ×ARMORED CORE 6 作:ジョシュア・オブライエン
Chapter EX:The upset ①
ツール・ド・インフェルノの騒動から数日後。
621は新エリー都郊外のRaDの拠点から621とウォルターの拠点へ戻っており、現在621は黙々と機体のアセンブルを設計していた。
すると――
「621、よく聞け。これはベイラムとアーキバス……TOPS所属の両社合同、そして協力者として、RaDも参加する作戦だ。これからブリーフィングが始まる。お前も参加しろ。」
ウォルターに従って、621は端末を起動させた。
◇◇◇
”ヴェスパー第二隊長、スネイルです。まず私から前提を説明しましょう。”
アーキバス・コーポレーションのヴェスパー部隊の二番目で実質トップのナンバー2、スネイルがそう告げる。
今回のブリーフィングにはアーキバス、ベイラム、そしてウォルターと621。最後にウォルターの推薦で参加したRaDが参加している。
”これは両社の合意した、合同の零号ホロウ掃討作戦で、目標は零号ホロウに発生したエーテリアス及び、零号ホロウ表層には現れないはずの――”
”ここからが本題だ!要するに零号ホロウで総力戦が起こる。”
淡々と説明するV.Ⅱスネイルを遮って、ベイラム・インダストリー所属、レッドガン総長G1ミシガンが怒号を交えながら的確に説明を始めた。
”貴様らは貧乏クジを引いた!”
”ここにいる面々がアサインされたのは、現時点の最大の脅威「花弁の化物退治だ!」”
ミシガンがそう言いながらとある超級エーテリアスの資料を提示した。
ニネヴェ
正式名称は「相利共生型エーテリアス群・コード:ニネヴェ」
植物を連想させるその巨大な体躯は膨大なエーテルエネルギーを蓄え、
前代未聞の「超級エーテリアス」という格付けをされている。
スネイルが割り込んで、さらに詳細を話す。
”この作戦の前提を共有します。ニネヴェの撃破は厳禁です。”
”仮に何かの間違いでニネヴェを討伐してしまうと、新エリー都全体がエネルギー不足で壊滅するでしょう。”
新エリー都はホロウ内部から供給されるエネルギーで安定しており、零号ホロウから供給される膨大なエーテルエネルギーは新エリー都の基幹インフラを支える重要なエネルギー源となっている。
ニネヴェは推定、零号ホロウでの最大の脅威とされるが、それを討伐した際は零号ホロウが不活性化し、エネルギーはほとんど消失するだろう。
”――やってられるかよ。俺は遠巻きに見物させてもらうぜ。てめぇはどうだヴォルタ。”
”へっ、うまいことさぼりやがって……イグアス、なら俺も――”
レッドガンの4番目と5番目であるG5イグアスとG4ヴォルタがそうぼやく。
しかし――
”G5!G4!前線に立つメンバーが二人確定したようだ。”
現実は残酷で「レッドガンの歩く地獄」によって彼らは前線に引っ張り出された。
◇◇◇
会議が踊らず、効率的に進む中、ブリーフィングに参加していたRaDの所領、シンダー・カーラが口を開いた。
”さてと、今回奴を相手にするなら先鋭がいくらいても勝率は五分五分。そこでとある主砲を使う。RaD謹製「オーバードレールキャノン」。こいつを新エリー都郊外から新エリー都の零号ホロウ内部のアイツに向けて撃つのさ。問題点は命中精度と、ホロウ内部の対象に撃つからプロキシの支援も必要ってとこだね。プロキシに関してはウォルターがやってくれるが――”
”そういうことであれば射手は任せてくれ 狙撃には自信がある”
出席してた621の戦友、V.Ⅳラスティが自薦した。
”私は現場監督として出ましょう。寄せ集めには統率が必要です。”
スネイルがそう宣言した。*1
”弾幕要員も一枚欲しい。うちからはチャティを出そうかね。”
RaDのチャティ・スティックもアサインされ、
残りは前線で率先して攻撃する攻撃役を決めることに。
最前線で殴りに行く係なら最初から決まっている!――G13*2! 話は聞いていたな? 愉快な遠足の始まりだ!
◇◇◇
零号ホロウでの作戦は数日後と決まり、それぞれ通常業務に戻る者、再び訓練でしごかれる者たちなど当日まで一旦解散ということになった。
そして621は、カーラと個人通信を行っていた。
”早速だが本題に入ろう。さっき私が話した、「オーバードレールキャノン」についてだが、正直まだ完成していない。私としたことが……最後のパーツはジャンカー・コヨーテスに盗られてしまった。”
”場所は同じ新エリー都郊外。開発初期に作られた崩落寸前の区画だが、そこに私らを裏切りRaDを抜けた救いようのないクズが隠れ住んでる。
そのクズの名は「オーネスト・ブルートゥ」
AC「MILK TOOTH」はうちで組んでやった機体だ。欠点は乗り手がクズなところだね
奴はRaDから金と技術と……私がこっそり組んでた秘密道具を持ち逃げした”
”準備はいいかい? ビジター。ブルートゥを消すんだ。そうすればみんなが得をする”
G1ミシガン
所属:ベイラムグループ専属AC部隊「レッドガン」
性別:男
身長:187cm
使用武装:「LIGER TAIL」
属性/タイプ:物理/撃破
備考
ベイラムグループ専属AC部隊レッドガンの総長
当時のG2ナイルの勧誘で、ファーロン武装船団の指揮官を経てレッドガン総長となった
ミシガンは徹底して容赦のないことで知られ、「歩く地獄」として敵味方両陣営から恐れられる
部隊員を「役立たず共」と言い放ち、何かにつけて強い語気で苛烈な罵倒を浴びせる。
その様はまさに典型的な鬼軍曹。しかし、そんな隊員達の事はナンバーを持ったACパイロット達のみならず、末端のMT部隊の隊員まで全員の名前を記憶している。
部隊メンバーの死に繋がる油断を諫める、落ち込んでいる者を冗談を交えて励ますなど、言葉の裏の意図まで汲めれば、言っていることは極めて真っ当であり、指揮官としては優秀。
アリーナランクは第2位。
彼の重量級4脚AC「LIGER TAIL」はガトリングガン・炸裂弾投射機・2連装分裂ミサイル・2連小型グレネードキャノンを搭載した、いかにも「物量でボコボコにする」をそのまま体現したような機体。4脚ならではのホバリングをしながらの中距離戦闘を最も得意としているが、むやみに距離を詰めると一応近接武器だが射程が長い炸裂弾投射機で爆破される。
エンブレムとDMアイコンはレッドガン共通の意匠に、尻尾先端が剣になったライガー(オスのライオンと、メスのトラによる交雑種)が描かれたもの。
V.Ⅱスネイル
所属:アーキバスグループ強化人間部隊「ヴェスパー」
性別:男
身長:178cm
使用武装:「OPEN FAITH」
属性/タイプ:電気/異常
備考
アーキバスが擁する強化人間部隊「ヴェスパー」の一員。
部隊内で高位に当たる「番号付き」と呼ばれる精鋭の一人であり、その中でも序列2位の次席・第2隊長の肩書を持つ。コールサインは「V.Ⅱ」。
彼の性格を一言で言うなら絵に描いたような陰湿エリート。
語調こそ丁寧でありながら、その高圧的かつ倨傲な言い様に揺らぐものはなく、驕慢な姿勢を隠そうともしない。
性格に関しては難有りとしか言えない彼だが、強化人間・AC乗りとしての能力は決して口先だけのものではなく、アリーナランクは6位。
ついでにフットワークも軽く、必要となれば自身が出撃し前線に立つことにも躊躇がなく、頭脳派悪役なイメージに反して比較的優秀な人材。
讃頌会なる組織のテロの対応に苦労しており、何度も一杯食わされている。
つまり意味合いとしては「明け透けな信仰」と言ったところか、企業への忠誠を前面に押し出したスネイルらしいネーミングといえる。
エンブレムとDMアイコンには「幾重にも開頭された顔面」が描かれている。
彼の重量級2脚AC「OPEN FAITH」はアーキバス先進開発局製の重量2脚フレーム「VEシリーズ」統一機。
重量機らしく防御力・AP・姿勢安定性・積載量に優れており、特にEN属性に対する防御力は作中のACでもトップクラス。ただし重量機ゆえに立体的な動きは苦手で、中~軽量ACの様に小ジャンプやQBによる回避は厳しい。
それでも武装は高い直撃補正と強制放電蓄積値を誇るスタンニードルランチャーとブースターや機体構成に関わらず高い突撃力を誇るレーザーランスが主力で、その低機動を火力で踏み倒す。
ほかにもスタンガンや垂直プラズマミサイルもかなり脅威。
「スネイルにはよくある事だよ。人を呼びつけるのが好きなんだろうね。偉そうに遅れてくるのもいつもの事だよ。」