ZZZ×ARMORED CORE 6 作:ジョシュア・オブライエン
Chapter 5:Like shooting stars, as divine thunder rushes forth ①
時系列はアーキバス、ベイラムの合意に基づくニネヴェ撃破作戦から数日後。
C4-621こと”独立傭兵レイヴン”は自身とウォルターの拠点のにて傭兵支援システム「ALL MIND」が運営する、アリーナで遊んでいた。
事の発端は「ALL MIND」が独立傭兵や企業所属の利用者に「インテグレーション・プログラム」の参加を持ち込んできたようで、621も奮って参加したようである。
《「インテグレーション・プログラム」への参加、ありがとうございます。
オールマインドは傭兵支援の一環として、新兵向け教習プログラムの提供も行っています。
多くの傭兵が「彼」の手ほどきを受け、巣立っていきました。
得られた学習状況は我々に集積されプログラム内容の更なる改善に役立てられています。》
今回621が相手したのはACテストで何度も世話になった、「TRAINER」である。
もちろん現在アリーナランキング3位の621には難なく突破できた。
《登録番号rb-23 独立傭兵レイヴン、素晴らしい手腕です。引き続きご協力をお願いします。》
――急にアキラからの着信が入った。
621は急ぎで「ALL MIND」を終了して、ウォルターを呼んだ。
◇◇◇
「――成程、ヴィジョンどころか治安局も真っ黒な訳か。俺たちにも何か手伝えることはあるか?」
ウォルターがそう反応した。
ようやく目覚めたパールマン曰く、
彼は自らがお飾りのCEOであり、全てはサラが計画していたとのこと。また、ヤヌス区の治安局副総監・ブリンガーが彼女の後ろ盾によって、カンバス通りの爆破解体や、バレエツインズの事故の偽造などといった大胆な行動に出たらしい。
”とりあえず必要なのは一人でも多くの協力者だ。レイヴンとウォルターさんにはなにか心当たりはないかい?”
「――一応声はかけておこう。」
アキラからそう質問された。かなり緊迫した状況なのだろう。
”そうだった、集合場所についてだけど……準備が整い次第、郊外に来て欲しい。頼んだよ。”
◇◇◇
そして621は協力者探し、ということで
まずベイラム・インダストリー所属のレッドガン部隊に連絡をした。
『こちらベイラム所属レッドガン部隊、窓口担当G6レッド……。G13レイヴンではないか!珍しいな。そちらから連絡が来るとは、急用か?』
通信にはレッドガンの6番目、番号付きの中でも新米のG6レッドが出た。
621は正直に今回のヴィジョンと治安局の癒着を伝えた。
『了解した。――今回俺を除く全員のレッドガン部隊の番号つきは全員任務で不在だ。お前には申し訳ないが俺が行こう。確かに俺はレッドガンの末端中の末端だがやるときはやる。
――?何故出ることにしたのか?まあ、ミシガン総長ならそうすると思ったから、だろうな。
必要ならいつでも呼んでくれ。』
そう言って621はG6レッドとの通話を終了した。
「次はアーキバスに交渉を始めるぞ。」
『――こちらアーキバス傭兵起用担当、V.Ⅷペイターです。”独立傭兵レイヴン”ですね。こちらから連絡することはあっても、そちらから連絡してくるのは始めてでしょうか。ご用件は何でしょうか。』
今回はアーキバス・コーポレーションのAC部隊「ヴェスパー」の第8隊長であり、組織の傭兵起用担当も務めているG6レッドと同じく新米のV.Ⅷペイターが連絡に出た。
複数人に同じことを話すのは正直つらいが、今回起こったことをありのままに話した。
『――分かりました。治安局を引きずり落として、我々ヴェスパー部隊が表舞台に立ついいチャンスです。一度スネイル閣下に報告を終えてから我々も治安局に対して徹底抗戦を――ま、待って下さい!フロイト主席隊長!あなたは仕事が――』
唐突に通信が切られた。あの好戦的で戦闘狂なフロイトのことだ。治安局を潰すのに今現在躍起になっているだろう。
――再び通信が入った。V.Ⅰフロイト名義だが。
『レイヴン、久しぶりだな。――お前、治安局を相手取るようだが……面白そうだ。俺も混ぜろ。』
『フロイト、何をやっているのです。あなたには共生ホロウの鎮圧が――』
『まあ、俺が参加する。後で会おう。』『フロイト!何処へ――』
通信がまた切られた。V.Ⅱスネイルが後ろでキレていたが大丈夫だろうか。
今度スネイルに胃薬を送ろう、と621は思った。
「……結果がどうであれ、アーキバスとベイラムの連中は味方に付けられたようだ。」
621はG6レッドとV.Ⅰフロイトと合流してから。新エリー都郊外へと向かった。
◇◇◇
「――で、何でベイラムとアーキバスの連中を呼んだわけ!?
おバカ!なに治安局と戦争おっぱじめようとしてんのよ!!」
以前、ヴィジョン・コーポレーションの一件にて621がかなり協力してやった邪兎屋の社長、ニコが盛大にキレた。
「ま、まあレイヴンも助っ人を呼んでくれたんだから落ち着いて。――えーと……初めましてですよね?」
アキラがニコを抑えながら、レッドとフロイトに話しかけた。
「すまなかった。自己紹介がまだだったな。俺はベイラムのレッドガン部隊コールサインG6。レッドだ。G13……いや、”独立傭兵レイヴン”から先ほど聞いた。お前が”パエトーン”だとな。」
「――ああ、すまない。ベイラムは大量のホロウレイダーらも裏で雇用している。そう心配する必要もない。よろしく頼む。」
「アーキバス・コーポレーション、ヴェスパー部隊主席V.Ⅰフロイトだ。まあ、自己紹介はこんなところだな。」
レッドはハキハキと大声で自己紹介する中、フロイトは少しつまらなさそうにそう話した。
――するとクラクションを響かせ、『猪突猛進』のロゴが入ったトラックが数台、空き地に入ってきた。そしてどう見ても寝ぼけている”カリュドーンの子”所属、運び屋のパイパーが運転席から顔をのぞかせた。
「おうおう、時間ぴったりだなあ。本日は猪突猛進をご利用くださり、まことにありがとうだぜい。ほーら降りた降りた~」
パイパーがそう言うと、ぞろぞろと現れたのは……
「対ホロウ特別行動部第六課」のメンバーの4人だった。
G6レッド
所属:ベイラムグループ専属AC部隊「レッドガン」
性別:男
身長:172cm
使用武装:「HERMIT」
属性/タイプ:物理/撃破
備考
性格は実直で真面目な軍人そのもの。
G1ミシガンの影響かやや古風な軍人口調でしゃべる。
少年時代に報道映像で目にしたミシガンの活躍に衝撃を受けてレッドガン入隊を志し、弟と妹を養いながらの血のにじむような訓練を重ねた苦労人。
言葉だけ聞いていると年寄り臭い印象を受けるが、実際はG5イグアスを「先輩」と呼ぶレッドガン最年少。敵対勢力からヘッドハンティングされたり、犯罪や暴力沙汰を引き起こした結果連れてこられたりした荒くれ者揃いなレッドガンの番号持ちの中では唯一の志願兵。
アリーナランキングは27位でFランク。
彼の専用機は、中量二脚機体「HERMIT」。
Fランクだがレッドガン所属は伊達ではなく、実弾武器を中心に手堅くまとめられた構成の一機。
エンブレムとDMアイコンはレッドガンメンバー共通の意匠に、砲身が突き出たヘルメットを被ったヤドカリを描いたもの。
V.Ⅰフロイト
所属:アーキバス・コーポレーション専属AC部隊「ヴェスパー」
性別:男
身長:180cm
使用武装:「LOCKSMITH」
属性/タイプ:エーテル/強攻
備考
アーキバス・コーポレーションの専属AC部隊「ヴェスパー」の首席隊長を務める人物。
アリーナランクは第1位で、3位の621、2位のG1ミシガンの三人は「特例上位ランカー」とされる。
作戦成功率94.7%を記録。企業陣営の筆頭で文句なしのエース。
ACを扱う人間の中で唯一、強化施術を受けておらず。生身の人間がACに乗って戦闘している。
しかしその実態はかなりの問題児。
首席隊長という立場ながらAC操縦と戦闘以外に興味を示さず、次席隊長のスネイルに作戦立案や指揮を丸投げし、本人は一兵士として戦場に赴く根っからの戦闘狂。
彼のAC「LOCKSMITH」の機体構成は、アーキバス所属のヴェスパー首席隊長という立場でありながら、自社製パーツは、傘下企業シュナイダー製を含め4つしか使っていないのに対し、敵対企業であるベイラム製のパーツを5つも使っているという、
独立傭兵のような混成機体となっている。
ちなみに621までとは言わないが、武装をしょっちゅう変更している模様。
ACフレームはそのままに武器と内装だけコロコロ変えてるとか。
エンブレムとDMアイコンは鍵を手に乗せ掲げられた左腕。
機体名は鍵を持ったエンブレムと合わせ「鍵師」を意味している。どんな状況も”こじ開ける”というのを示唆するのだろうか。