ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter 5:Like shooting stars, as divine thunder rushes forth ⑥  ~Sacrifice Bringer~

白祇重工の方で、ヴィジョンとブリンガーが癒着していたという動かぬ証拠を発見したらしい。

 

――以前パールマンが、捕まる前に”保険”として旧地下鉄改修プロジェクトの資料に証拠をせっせと仕込んでいたようで、パールマン本人と白祇重工が見つけ、公に発信したようだ。

 

そして、出頭を命じられてしまい、なりふり構わなくなったブリンガー長官……いやブリンガー容疑者はポート・エルピスへとホロウ経由で逃走したとの事だ。

そして6課を通じてブリンガーの息がかかっていない治安官に協力してもらい、治安官がホロウの出口に検問を置く形でブリンガーの居るであろうホロウにブリンガーを縛ったのだ。

 

◇◇◇

 

ポート・エルピスのホロウの入口付近

 

「――ようやく来たか。戦友。まさに”ヒーローは遅れてやって来る”かな。」

「よお、遅かったじゃねぇか、野良犬。てめぇが一番最後だ。」

「関係ねぇだろ、イグアス。さっさと終わらせてしまおうぜ。」

 

621がポート・エルピスに着いた時には、ウォルターの手引きでここまで来たのだろう。戦友のV.Ⅳラスティ、悪友その1のG5イグアス、悪友その2のG4ヴォルタの三人が居た。

 

ラスティ曰く、他に出撃予定だったG1ミシガン、G2ナイル、そしてV.Ⅰフロイトはブリンガー以外の敵勢力の警戒として既にホロウ内部に侵入しているようだが、ブリンガーの捕獲には直接関わらないことになったらしく――

今回ブリンガー捕獲に出向くのは、C4-621、V.Ⅳラスティ、G5イグアス、G4ヴォルタと安いおまけの対ホロウ6課の面々だった。

 

6課は数日前に621らがボコボコにしたが、あのダメージから、もう動けるように回復していた。

”そういう技術”はアーキバス以外も持っていたのか。と621は感心した。

 

◇◇◇

 

準備を終えたあと、一行はホロウへと入り、

座標に従ってブリンガーが居ると予想される場所についた。

 

――そしてその場所にいたブリンガーは、こちらを認識した途端、一目散に逃げ出した。

 

「はぁっ、はぁっ…!くっ…アーキバスとベイラムまで一枚噛んでいたのか…都合の悪い…!」

 

「――逃げやがった!あの腰抜け野郎……!!」

「チッ、仕事を増やすんじゃねぇ!」

イグアスとヴォルタの二人が味方の言ってはいけないセリフを吐いているが……それでも逃げるブリンガー。

ラスティが痺れを切らしたのか右肩の3連プラズマミサイル「Vvc-703PM」をブリンガーの目の前に散布。着弾によって生じるプラズマ爆発がブリンガーの逃げ道をふさいだ。

 

「投降しなさい。ブリンガー副総監…今は「容疑者」…ですね。」

柳が冷静にそう言うが……

「よぉ、追いついてやったぜ。”腰抜け”。」

「さっさと観念しろ。殺すぞ。」

チンピラ二名*1のせいで雰囲気は台無しである。

 

「チッ…まあいいだろう。妖刀の力は手に入った。冥途の土産として見せてやろう!ホロウの時代を先駆ける究極の姿――!」

 

ブリンガーは手に持っていた黄色い薬品が入った注射器を……自分の右腕へと突き刺し、薬品を注入した。

――その瞬間、ブリンガーの体から光が溢れ出す。

 

「始まりの主よ────再創を……!!」

 

エーテル物質がブリンガーの身体を包んでいき……巨大な白い腕の化け物へと変貌を遂げ、

さらにその手のひらから這い出る形で真の姿を現した。

巨大な右腕を持ち、その体からは無数の目が蠢く。

 

『エーテル活性上昇……!気を付けろ。今回の相手は一筋縄では行かない――!』

 

いつの間にかウォルターが戻ってきており、621の機体からそう声を漏らした。

『エーテリアスではない……白祇重工の一件のアイツと同類だろう。』

「成程……報告でも聞いていたがやはり歪んでいるな……」

アーキバスの報告書を読んでいたのだろうか。ラスティもウォルターに賛同する。

 

「やはりデカいな……!久々の共同だ。助け合いの精神で行くとしよう。」

 

◇◇◇

 

遂に勃発したブリンガー――いや「サクリファイス・ブリンガー」との戦闘。

 

ブリンガーは咆哮と共に、仰々しい目玉が付いている巨大な腕を振り下ろし、さらに左手から生成したエーテルの剣で斬りかかってくる。

その機動力と攻撃力にはACは問題なく対応できてるが、6課の連中は少し手こずっている。

ACと生身の人間。タイマンでやれば確定でACが勝つだろう。

 

――そんな中

G5イグアスことAC「HEAD BRINGER」はパルスシールド「SU-R8」をガン張りしながら右腕のリニアライフル「CURTIS」と4連ミサイル「BML-G1/P20MLT-04」をばら撒いていく。

 

「HEAD BRINGER」の火力不足という深刻な弱点を補うように、G4ヴォルタのAC「CANNON HEAD」の621御用達の重量ショットガン「ZIMMERMAN」や同じく621御用達の2連グレネードキャノン「SONGBIRDS」を的確にぶち当て、突撃。

 

V.ⅣラスティことAC「STEEL HAZE」は「NACHTREIHER」フレームの異常な程の速度に物を言わせてブリンガーを翻弄しながら、右腕のバーストハンドガン「SAMPU」やハンガーから持ち替えた左腕の「RANSETSU-RF」で牽制しながら、レーザースライサー「Vvc-774LS」の回転するブレードでドンドン刈り取る。

 

――そして621のACも堅さに物を言わせて最初から正面から突撃。

両腕の双対レーザーライフル「VE-66LRB」を撃ち込みながら、拡散レーザーキャノン「VP-60LCD」を徹底的に叩き込み、フルチャージしたレーザードローン「Vvc-700LD」でもドンドン削る。さらにその重量と体格を活かしてブリンガーを何度もブーストキックで蹴り飛ばしていく。

 

まさに集団リンチである。

 

「グゥ……こんなことが……こんなことがあってたまるかァァァァアアア!!」

 

――しかしブリンガーが傍にあったエーテルの入ったボトルを握り潰した後、力任せに地面を殴って大爆発を起こした。

幸い621たちACはクイックブーストで緊急回避し、6課も何とか乗り切ったが、

そこにはブリンガーの姿はなく、急いで逃げているブリンガーが遠くで見つけた。

 

「あんの腰抜け野郎が!クソッ!耳鳴りもヒデェ!!」

「第四世代強化人間*2の弊害だろうな。俺も痛い。――行こう。」

 

『……問題ないのならいいが……続行するぞ。』

*1
イグアスとヴォルタ

*2
621とイグアスの2名がこれに該当する

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