ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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A digression ③
Chapter EX:Mad Dog and Hound


ブリンガーの一件を終えてから数日が経過した頃……

C4-621こと”独立傭兵レイヴン”は彼自身の拠点で暇を持て余してしまっていた。

 

――事の発端はウォルターが

最近激戦続きだったからと、善意で2日休暇をよこしてくれたのだが……

やることが全くないのである

 

ALLMINDの運営するアリーナでもやろうと思ったが、結局のところ各パイロットを再現したAIなので言うほど楽しくない。しかも解釈違いな判断まで連発する。*1

 

もうACのアセンブルの改良でもやって、丸一日潰そうと思っていたが……

 

『レイヴン、あなた宛てに音声メッセージが届いているようです。』

エアが何かを見つけてきたようだ。早速再生する。

 

”よお、野良犬。数日前てめぇが真っ先に落ちたな。ざまぁ見やがれ!”

”――こっちは暇でよ、てめぇにはシミュレーターで俺のサンドバッグになってもらうぜ。”

”てめぇはさっさとレッドガン基地まで来い。今度こそ吠え面拝んでやる。”

 

送り主はレッドガン部隊の5番目、G5イグアス。内容としては単純にACで遊びたくなったようだ。

 

『――それ大丈夫ですか?レイヴン。以前ネットで見つけた”果たし状”みたいな内容ですけど……』

「問題ない。勝つ。」

 

『……少し見てみたいです。あなたがどのような戦い方をするのか……』

621はベイラム本部、レッドガン部隊駐屯地へと向かった。

 

◇◇◇

 

レッドガン部隊駐屯地

「よお、待ってたぜ。野良犬。」

イグアスがメインロビーで待ち構えていた。

「御託はどうでもいい。さっさと訓練所行くぞ!」

 

そう言ってイグアスはアリーナ専用の操縦席へと向かった。

アーキバスやベイラムでも秘密裏にALLMINDの運営するアリーナを活用しており、

V.ⅡスネイルやG2ナイル曰く、ALLMINDのスポンサーとして支援しながら、訓練として使ってるらしい。

 

621がALLMINDのアリーナの仮想空間にログインした時には既にイグアスは準備万端のようだ。

 

「……もたついてたじゃねぇか。逃げたかと思ったぜ。」

そう言ってG5イグアス……いや、AC「HEAD BRINGER」はこちらに標準を合わせる。

……一部のフレームや肩武装が変わっている。

アリーナの上位層に勝つために、彼なりの努力で改造したのだろうか。

 

「……始めようぜ。」

 

PHASE 1:  STAND BY

ENGAGE

 

戦闘開始。

 

『くたばりなァ!!野良犬!!』

そう叫びながらAC「HEAD BRINGER」は適切な距離を置いて左腕のベイラム製造のリニアライフル「CURTIS」と右腕の同じくベイラム製のマシンガン「LUDLOW」、左肩のファーロンの設計した4連通常ミサイル「BML-G1/P20MLT-04」

――そしてALLMINDの開発部門が作ったレーザーオービット「45-091 ORBT」

を時間差で満遍なく差し込んでくる。

以前と変わったのは、引き撃ちなのは変わらないがガン盾スタイルを撤廃し、前よりもアグレッシブに攻めてくるようになったこと。

 

621は感心しつつもAC「HEAD BRINGER」の周りを旋回するようにすべて避け切る。

 

――さらに重量機体ながらも、ベイラム製パイルバンカー「ASHMEAD」のノンチャージで急加速。*2QBでパイルの攻撃をキャンセルして、EN消費を節約しながらAC「HEAD BRINGER」に接近。右腕のベイラムの重量級リニアライフル「HARRIS」と左腕のベイラム重量級ショットガン「ZIMMERMAN」を一気に当て、

「HEAD BRINGER」をスタッガーさせる。

 

『クソがァ!!』

 

イグアスも負けじとアサルトアーマーで反撃しようとする

――しかし621が一手早く、チャージしたパイルバンカーによるほぼ必殺の一撃。

「HEAD BRINGER」は爆散した。

 

DESTROYED

PHASE 1: Raven WIN

 

『チッ……ラッキーパンチが当たっただけだ!もう一回やらせろ!』

イグアスはそう言ってるが

アリーナは基本2本先取の3本勝負。最低2戦はするのだ。

 

PHASE 2:  STAND BY

ENGAGE

 

第二回戦開始。

G5イグアスことAC「HEAD BRINGER」はこのままでは勝てないと判断したのだろうか。

アドリブで一気に621に向かって真正面に向かって加速。621のカウンターパイルに当たらない距離で一気にアサルトアーマーを発生させる。今回シールドを積んできていない621は耐え切れずスタッガー。

勝機と見た「HEAD BRINGER」はブーストキックを叩き込み、さらにチャージしたリニアライフル「CURTIS」をぶち当て、621のAPを40%まで削り切った。

 

――G5イグアスはチンピラのような風貌で言動もチンピラなのだが、随一の努力家でもある。

以前から、イグアスは自身の部隊の総長であるG1ミシガンや、ライバルと認識している621を倒すことを目標としている。

それにミシガンも彼の爆発的な成長性に気付いているようで、わざと発破をかけることが多い。

そんな男がレッドガン部隊の5番目、イグアスなのである。

 

『……!野良犬!!俺の……勝ちだ!』

彼はそう勝ち誇ったように言うが、621のACSが復旧。

ブレードキャンセルで急加速し、アサルトアーマー、さらに「ZIMMERMAN」を直撃させた後に

チャージしたパイルバンカーを突き刺して、621の逆転勝ちとなった。

 

DESTROYED

PHASE 2: Raven WIN

 

◇◇◇

 

「くそっ……お前と俺で……何が違う……。チッ……イラつくぜ……。」

ランクマッチで敗北したイグアスは珍しくへこたれていた。

 

「ハァ……そのレーザーオービットは無駄だと思う。少なくとも近接武器は持った方がいい。ブレード初心者には……そうだな「BU-TT/A」がいいと思う。あ、近接使うならその「MIND ALPHA」は絶対に使うなよ?」

621も何か可哀想になり、とあるアドバイスをしてやったが――

 

「……はぁ!?誰がてめぇの指図なんて聞くかよ!!こっちから願い下げだ!!」

イグアスはなんかブチ切れてどこかに行ってしまった。

 

「……良かったのですか?こういうことを「敵に塩を送る」と言いますけど。」

「…………まあ、別にいいさ。」

 

そう言って621は帰る支度を始めた。

 

◇◇◇

 

数日後、どこかの共生ホロウ内部。

G5イグアスは相棒のG4ヴォルタと共に共生ホロウの鎮圧任務を遂行していた。

 

「――オラァ!!」

接近して来たエーテリアスを蹴散らしていたのは

タキガワ・ハーモニクス製造のパルスブレード「HI-32: BU-TT/A」を携えたG5イグアスことAC「HEAD BRINGER」だった。

 

「珍しいじゃねえか。イグアス、お前が近接使うなんてな。」

ヴォルタが感心したようにイグアスにそう言った。

 

「へっ、当然だ。ミシガンの野郎とあの野良犬の顔面に一発ぶち込むまで終わってたまるか!!」

*1
《なんて事を言うのですか。我々オールマインドの――》

*2
このテクニックは「ブレードキャンセル」と呼ばれる。




???《第四世代強化人間、識別名G5 イグアスの掌握に失敗。やはりリリース計画の引き金はあの老兵か……それとも……》

◇◇◇

~今回の621のアセンブル~


HEAD
VP-44S

CORE
VP-40S

ARMS
AR-011 MELANDER

LEGS
2C-3000 WRECKER

BOOSTER
FLUEGEL/21Z

FCS
FCS-G2/P05

GENERATOR
VP-20C

EXPANSION
ASSAULT ARMOR

RIGHT ARM UNITS
linear rifle
LR-037 HARRIS

LEFT ARM UNITS
pile bunker
PB-033M ASHMEAD

RIGHT BACK UNITS
plasma missile launcher
Vvc-703PM

LEFT BACK UNITS
shotgun
SG-027 ZIMMERMAN
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