ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter EX:Wolf and Hound

C4-621こと”独立傭兵レイヴン”の休暇二日目。

『レイヴン、今日もどこかに行くのですか?』

エアがそう尋ねてくる。

 

「…………。昨日はレッドガン本部だし、ヴェスパー部隊本部でも行こう。戦y……ラスティがたしか非番だったはず。」

『決まりですね。早速行きましょう。』

イグアスとのランクマッチ見せてから、なんかエアは戦闘狂になってないか?621は訝しんだ。

 

◇◇◇

 

621は今現在、ルミナスクエアにてアーキバスの部署に向かっていた。

 

ルミナスクエアの外れに拠点を構えるアーキバス・コーポレーション。

621やウォルターの拠点から行くには割と広大なルミナスクエアを横断しなければならない。

 

自身のACでかっ飛ばそうと思ったが、人目も多く治安官も多い。

仕方なく生身の徒歩で向かうことにした。

しかし……

 

「や。ブリンガーのアレ以来だね。元気してた?」

頭に黄色い鉢巻きを巻き、「H.A.N.D.」の制服のシャツの上から左腕と左胸、胸元にかけて弓道で使う保護具に酷似したプロテクターを装着している「対ホロウ6課」所属の青年――浅羽悠真が街中で話しかけてきた。

ブリンガーの一件にて、ベイラムやアーキバス以外の陣営でお世話になった人物でもある。

 

そして621は……

「――人違いでは?」

思いっきりしらばっくれて素通りした。

「いやいやいやいや!スルーしないでって!君”レイヴン”でしょ!?」

慌てて滑り込む悠真。

「――何故俺と分かった?まともに見せたのはヴェスパーとレッドガンしか見せてないぞ。」

621はかなり警戒する。

 

「……うーん、前に君が気絶したでしょ?」

悠真曰く、ブリンガーを撃破した後、621は死亡する寸前であり、大急ぎで621のACから621本人を取り出して治療する際に621の顔を見たらしい。

「俺の顔を言いふらしてないのならいいが……」

 

悠真が何か気づいたようで話しかけてくる。

「――って何食べてんの?まさか……」

「?……そりゃ、アーキバスとベイラムから大量発注したレーションだが。」

このレーション、完全栄養食であるが、アーキバスのヴェスパー部隊の3番目V.Ⅲオキーフ曰く

「味気が全くない。」とのこと。

なおベイラムでも隊員同士の賭け試合や喧嘩の罰ゲームに使われるなど悪い印象があるとか

 

621は味覚が完全に死んでおり、再手術しない限り味覚が戻ってくることはないが故、

問題なく、レーションをたくさん食べられているらしい。

 

「……食うか?」

621がまだ手を付けてないもう一つのレーションを善意で渡そうとしたが……

「……。――いやまだ仕事中だからね。それじゃ!」

物凄く早口でそう言って、その場を去っていった。

 

『……仕事があるなら、何で話しかけたのでしょうか。』

「……なんでだろ。」

まだまだ人間未満な2名(?)であった。

 

◇◇◇

 

アーキバス本部、

621は受付の人間に自身のライセンスを提示して、ヴェスパー部隊の事務所に向かった。

 

「やあ、ブリンガーの一件以来だな”戦友”。V.Ⅳラスティだ。怪我やエーテル浸食はもう治ったのか?――流石、私の戦友だな。」

 

「ところで他の奴らは?」

621が辺りを見回す。ラスティ以外のヴェスパー部隊の隊員が見当たらない。

「ああ、私の上官や同期や部下はそれぞれ、共生ホロウなどの鎮圧で大忙しさ。

”サクリファイス”とか言うエーテリアスとは似て非なる化物が知覚されてから我々も大忙しさ。私も……働くばかりだな。久しぶりの休暇だ。」

 

「――そうだ、戦友。私の腕試しに少しだけ付き合ってくれないか?最近、相手がエーテリアスばかりでな。自分の強さを再確認したいんだ。早速だがアリーナに向かおう。」

 

◇◇◇

 

傭兵支援システム「ALLMIND」を起動し、各パーツを組み合わせて自身の機体を組み上げていく。

『アセンブルの最適化は終わったか?私の「STEEL HAZE」はデータに保存しているからいつでも出れるが……まあ、ゆっくり待とう。準備ができたら出撃してくれ。』

 

「……準備出来た。ラスティ。」

『――始めようか。戦友。』

 

今回の戦闘エリアは、遮蔽も何も無い仮想空間。

あるのは壁と天井と地面だけ。

 

その場にV.Ⅳラスティの機体、AC「STEEL HAZE」と621のACが向かい合う。

 

 

PHASE 1:  STAND BY

ENGAGE

 

戦闘開始。

 

◇◇◇

 

シュナイダー製の軽量二脚フレーム「NACHTREIHER」をフルフレームで採用した、機動力を生かした接近戦を得意とする機体、「STEEL HAZE」。

今回も例外ではなく、先手必勝と言わんばかりに一気にアサルトブーストで加速し突っ込んでくる。

 

「RANSETSU-RF」や「SAMPU」はかなり攻撃力及び衝撃力が特出しており、クイックブーストで確実によけるか、どうしても避けられないのならば、パルスバックラー「VP-61PB」のイニシャルガードでダメージと衝撃を95%軽減していく。

 

621も対抗して、どちらもベイラムの作った重量級ショットガン「ZIMMERMAN」と実弾オービット「HUXLEY」を徹底的に当てていく。飛んでくるBAWSのバーストライフル「RANSETSU-RF」やバーストハンドガン「SAMPU」をクイックブーストで的確に回避していく。

「STEEL HAZE」の衝撃値がある程度溜まった瞬間、タキガワのパルスブレード「HI-32: BU-TT/A」をブレードキャンセルでの変態機動の末にノンチャージの「BU-TT/A」の二連の斬撃をお見舞いした後、ALLMIND製逆関節フレームの「MIND BETA」のブーストキックを当てて撃破。

 

DESTROYED

PHASE 1: Raven WIN

 

『……やはり強いな。戦友。だが負けるわけにはいかない。もう一度だ!』

試合続行シーケンスを行う。

 

PHASE 2:  STAND BY
 

 

AC「STEEL HAZE」の緑のバイザー型カメラアイがより一層強く光る。

 

ENGAGE

 

◇◇◇

 

ラスティは「両手の銃でスタッガーさせてから、レーザースライサーで決める」から、

「レーザースライサーでスタッガーさせてから両手の銃でチマチマ削る」戦術に大幅に変更。

大胆に突っこんでいく。

 

――その作戦は大方理にかなっている。

621のダメージ及び衝撃を95%以上削減するパルスバックラー「VP-61PB」はイニシャルガード時間の0.4秒しか機能せず、構え続けることは悪手中の悪手。*1

そしてラスティのレーザースライサー「Vvc-774LS」は持続時間が武器の中でトップクラスで長い攻撃故に、結果的に長い間相手を拘束することが出来る。

つまりパルスバックラーにとってはすこぶる相性が悪いのである。

 

だが、それで負けるほど621は柔ではない。

パルスブレードのブレードキャンセルで接近。ブーストキックの一撃と重量級ショットガンでスタッガーさせてからの、実弾オービット起動。

オービットの起動中にノンチャージのパルスブレードの二連撃によってフィニッシュ。

 

DESTROYED

PHASE 2: Raven WIN

 

『ふぅ……いい戦いだった。付き合ってくれてありがとう。戦友。』

ラスティが通信越しに話しかけてきた。

『ところでその、実弾オービットはベイラムの新作か?近接攻撃中でも機能していたが私のレーザースライサーとの相性は良さそうだ。』

『――おっと、もうそろそろ終わりにしよう。ハンバーガーはどうかな?君もお腹が空いただろう。』

 

そうしてお開きとなった、621とV.Ⅳラスティのアリーナでの模擬戦闘。

最後に食べたハンバーガーは全く味を感じられなかったが、格別だったという。

 

その後戦闘狂のV.Ⅰフロイトが乱入することになり、もう一度アリーナを利用することになったのは別のお話。

*1
少し前は0.3秒だったのでかなりこれでも向上したのだ。




~今回の621のアセンブル~「中逆0.4盾パルブレ重ショ実オビブレキャン機」


HEAD
VP-44S

CORE
07-061 MIND ALPHA

ARMS
AA-J-123 BASHO

LEGS
06-042 MIND BETA

BOOSTER
AB-J-137 KIKAKU

FCS
FC-006 ABBOT

GENERATOR
AG-E-013 YABA

EXPANSION
PULSE ARMOR

RIGHT ARM UNITS
shotgun
SG-027 ZIMMERMAN

LEFT ARM UNITS
pulse blade
HI-32: BU-TT/A

RIGHT BACK UNITS
bullet orbit
BO-044 HUXLEY

LEFT BACK UNITS
pulse buckler
VP-61PB

最近作者がネットで見つけたブレキャン機体。
重ショと実オビを叩き込みながら
近接攻撃推力が最高峰のKIKAKUブースターと直撃補正がかなり高いパルブレでブレキャンし、
逆関節特有の高い水平跳躍性能と相まって変態機動をかます。
そしてパルブレは元々性能が高いので結構削れる。
ついでにパルスバックラーの防御力は半端ではないが、どうしても難しいので玄人向けな逸品。
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