ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter outro:Burying tears and the past ⑦

追いかけていたヒューゴにも逃げられ、その上に独立傭兵スッラに襲撃されたC4-621こと”独立傭兵レイヴン”一行。

なにも成果は得られなかったので一度帰還することとなった。

 

「……?ライカンさん、どうかしたかい?さっきから静かだけれど……。」

アキラがさっきからずっと黙っているライカンに質問した。

 

「申し訳ございません。ふと……昔のことを。」

ライカンは以前の説明を付け加えるように話し出した。

 

モッキンバード。それは若き日のライカンとヒューゴが立ち上げた怪盗団であった。

ヒューゴは名門の一族に生まれたが、父との間に大きな軋轢があった。そこで家族から不当な扱いを受け続けたヒューゴは、やがて出奔。

同じく身寄りのなかったライカンに出会い、共にジャックという怪盗に拾われた。

ジャックから様々な技術や知識を授けてもらった2人は、ジャックが安らかに逝った後、

「モッキンバード」という怪盗団を立ち上げた。

ジャックから継いだ「世に公平をもたらす」理念と、「人の命にだけは手を出してはならない」という誓いと共に、必要以上に富める者から奪い、貧しい者に与える。

――彼らはいわば、義賊のようなものであった。

 

しかし「悲劇」は起こった。

 

あるとき、ヒューゴは父親殺しを実行。多くの人間を巻き込んだ。当初の誓いを破ったのだ。

 

そしてライカンはこれに憤慨し、モッキンバードを離脱。市長のスカウトに応え、ヴィクトリア家政に加わることを選んだのだという。

 

「申し訳ございません、不愉快な昔話をお聞かせしてしまいました。いずれにせよ、サクリファイスのコアはヒューゴの手にあります。まずは市長閣下にご連絡し、次の行動を起こす前に助言を仰ぎましょう。」

そう言ってライカンは電話を市長にかけた。

 

◇◇◇

 

『親愛なる子供たちよ、また声を聞けて喜ばしい限りだ。ライカン君から話は聞いている。サクリファイスのコアはモッキンバードに盗まれてしまったそうだな。それにサクリファイスのコアを狙う別の第三勢力も存在するようだ。』

メイフラワー家領主こと「市長」への電話はすぐにつながった。

――第三勢力。大方スッラに依頼を出した人物だろう。

 

621はエアに一度、スッラの通信履歴を調べてもらったが、傭兵支援システム「ALLMIND」を介して通信したことは分かったが、「ALLMIND」より先のの通信相手が一切不明。しかも会話データも破棄されており内容も分からずじまいだった。

 

「市長」が話を進めた。

『君たちはよくやってくれたよ。ただ、これから起こるであろうことに君たちを巻き込むわけにはいかないのだ。』

「危険なことならもうずいぶんと経験してきましたし、今更どうということもありません。それに、モッキンバードの彼とはやり取りしていたこともあります。お力になれるかと!」

アキラはそう力説する。

 

『……その気持ちはしかと受け取った、ただ……そうだな。君たちのことは十分信頼している。この際だから、正直に話してもいいだろう。』

市長が決心したように口を開く。

『少し前、私は1通の予告状を受け取ったのだ。』

 

「――!市長閣下!」

『ライカン君、彼らを危険な目に遭わせたくないという気持ちはわかる。私も同じだよ。だが、本当のことを知っておくべきだ。』

市長曰く、「サクリファイスの力を利用して新エリー都に復讐を果たす。」という旨の内容であり、差出人は誰か全く検討がつかないらしい。

 

極秘事項であるが故、他言は禁物である事と、この件は市政が対処するから心配するなという旨の言葉を最後に市長は電話を切った。

 

◇◇◇

 

アキラは一度治安局にてブリンガーの遺物を調査すると言って「Random_Play」から飛び出して行ってしまった。

 

621は暇で、久しぶりにALLMINDの「インテグレーション・プログラム」を進めようと、自身とウォルターの拠点、レッドガン部隊の基地、ヴェスパー部隊の本部のどれかに向かおうとしたが

――入れ違うように、以前オークション会場で見た紫色の髪と赤い瞳の少女。アキラ曰く彼女の名前は「ビビアン」が入ってきた。

 

「あなたは……あの不届き者のハンドラー・ウォルターの猟犬の”独立傭兵レイヴン”!?このビデオ屋に居るプロキシの兄妹方にとの協力関係を結びにここへ来たですが……予定変更なのです!」

ウォルターを悪く言った。621がブチ切れる理由はこれだけで十分であった。

 

「決闘を申し込むのです!!私の敬愛する”パエトーン様”の栄光を邪魔する輩は軒並み排除なのです!」

『……レイヴン。これは流石に不味いと思います。』

珍しくエアが621を止め――

『店内では流石にやめましょう。一番戦闘に最適なのはホロウの中です。』

なかった。エアもどこまで行ってもエアだった。

 

「”ハンドラー・ウォルター”と”独立傭兵レイヴン”……数ヶ月前、新エリー都に突如現れたパエトーン様と並ぶ人物……。しかし!パエトーン様が新エリー都の最大最強プロキシである人物なのです!嗚呼……パエトーン様……!」

こいつオーネスト・ブルートゥよりもイカれていた。正直怖い。

 

「というわけで決闘を希望するのです!!」

『……待ってくれ。別に俺たちはあいつらと張り合うつもりは――』

ウォルターが止めようとするが

「問答無用!覚悟するのです!」

彼女は日傘のようなレイピアで621に突っ込もうとしたが――

 

「ただいま。今帰った――あれ?ビビアン。来てたのか」

アキラが帰ってきて一時休戦となった。




フロムゲー主人公の宿命「しょっちゅう敵対される」だからねぇ……
まあ、殺し合いは回避できたので結果オーライ。
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