ZZZ×ARMORED CORE 6 作:ジョシュア・オブライエン
ひと悶着ありながら、ビビアンと協力関係を結んだアキラとC4‐621。
ビビアン曰く、新エリー都郊外のホロウ内部にてブリンガー長官の遺品が隠されているらしい。
讃頌会絡みの案件故、621とウォルターはRaDのカーラやチャティに声をかけようとしたが生憎、RaDは「オーバードレールキャノン」の改修に大忙しで誰も動けないらしい。
チャティ曰く、没頭したカーラはよっぽどの事がなければRaDのガレージから一切出ないらしい。
仕方なく、アキラ、ビビアン、621のメンバーで新エリー都郊外の町ブレイズウッドに現地集合することになった。
リンはお留守番でサポート役に回り、バックアップに努めるようだ。
◇◇◇
C4-621こと”独立傭兵レイヴン”がブレイズウッドに到着した時には既にアキラも到着していたようで普段と格好が違うアンビーと、盲目なのか目を隠した新エリー都防衛軍の女性と話していた。
『……そこの彼女たちも今回の協力者か?』
ウォルターが621のAC越しにアキラたちに話しかけた。
「あ、ウォルターさんもレイヴンも、来たんですね。――まず何から話せばいいかな。」
621やウォルターがいない時に何かあったらしく*1、アキラは何から説明しようかと悩んでいる。
「……まず、この大きなライフル銃を担いだ、黒いバイザーの女の人は「トリガー」さん。」
「――オボルス小隊狙撃手、「トリガー」です。よろしくお願いいたします。”独立傭兵レイヴン”さん。」
彼女は割と律儀に自己紹介して来た。
「それで……アンビーの今の恰好についてだけど……」
『知っている。「強化人間」の派生である「クローン」で構成された防衛軍部隊「シルバー小隊」のものだったはずだ。621……いや、”C4-621”も似たようなものだったからな。俺も分かる。別に言わなくていい。』
『「シルバー小隊」……クローンとして製造された兵士らによって構成されていましたが、強化人間よりもコストパフォーマンスが劣悪なので、以前、不可能な任務に強引にアサインされ全滅し、現在は存在しないと聞いていたのですが……。』
エアがそう話す。彼女たちは強化人間の親戚にあたる存在の技術のようだ。
「……そっか。ありがとう。でもあのことならもう決着がついたから、この制服には何の意味もないと思う。今の私からすれば、これはただの服。結局のところ私たちは、前に進まないといけないから。」
アンビーはそう話した。
「――ところでこちらの女性は?」
「トリガー」はビビアンについて聞いた。
「彼女はビビアン、友達さ。ここで少し調査したいことがあってね。」
「邪兎屋の最高戦力が一、アンビーさん。そしてオボルス小隊狙撃手、「トリガー」さん。お会いできて光栄なのです。」
「事前調査は徹底されているようですね。プロキシさんに起因するものでしょうか?」
「あなた方はとても有名なのです。お仕事上、新エリー都で名を馳せている人々については把握するようにしています。」
「そういう訳ですか、どうやら立派なお仕事をされているようです。」
「……わたしたちはこれからホロウに入るのです。お話が済んだようであれば、ここで失礼したいのですが。」
「ホロウに入る?レイヴンは大丈夫だけどプロキシ先生、あなたは生身――」
『すまないが、アンビー、「トリガー」。野暮用に着いてきてくれ。』
621は何も知らない2名を路地裏まで連行した。
「……あのクソ鴉とクソ調教師は何をしているのです?」
めちゃくちゃ辛辣な物腰である。前世で独立傭兵とそのパートナーにナニカサレタのか?。
「ま、まあ大した話じゃないんじゃないかな? それよりも今日の目的の確認をするべきだ。」
◇◇◇
『……できればアキラとリンの正体を隠しておきたい。ビビアンは”パエトーン”の厄介なファンだ。それに彼女にも隠し事がある。完全に信頼できるまで隠しておきたい。』
「……それは大変ですね。分かりました、私達の方からは何も口外しないでおきます。」
「ところでレイヴンとウォルターおじさんは何で、あの子にあんなに嫌われてるの?」
アンビーが核心をいきなり突いてきた。
『……単なる勘違いのようだ。どうも俺たちを「”パエトーン”のライバル」とでも思っているらしい。』
「ウォルターおじさんもレイヴンも大変なのね。」
『「まあな。/まあな。」』
ウォルターと621が同時に口を開いた。
◇◇◇
アンビーと「トリガー」に事情を説明した後、早速ビビアンとホロウに出発しようと言う時、一人の女性がこちらへやって来た。
「……! 貴女はあの時の……!」
その姿を見て、ビビアン達は驚愕する。
彼女はなんとオークションの時に、ビビアンに品を競り落として欲しいと懇願し、金を騙し取る気マンマンだった、”独立傭兵ノーザーク”以下のクソアマ――シエナだったのだ。
621もこれにゴミを見るような目線で彼女を見つめる。
「あら、貴女は……まさかこんな場所でまた会えるとはね。安心して、今日はあなたたちのお金をだまし取る気はないわ。ここで待ち合わせをしているだけだから。」
――その瞬間ビビアンは大粒の涙があふれだした。
「……!」
「……ビビアン、大丈夫?すごく、悲しそうだわ」
「ビビアン、顔色がよくないようだ……」
「すこしぼんやりしていました。大丈夫なのです。」
と、心配する皆にビビアンは大丈夫と心配かけないようにする。
ウォルターはそのことを怪しく思ったが、彼女が大丈夫と言うので一旦スルーすることにした。