ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter outro:Burying tears and the past ⑨

新エリー都郊外についたC4-621こと”独立傭兵レイヴン”一行は……

別の案件でホロウ内部へと侵入していた。

 

事の発端は、アンビーと「トリガー」が”あること”について調査しているらしく、シエナに情報提供の取引をしていたらしい。

――そしてシエナの要求は「大事なものをホロウ内部に落とした大切なものを見つけるのを手伝ってほしい」というもの。

 

621は邪兎屋社長のニコや借金王ノーザークよりも前科が重いシエナを全く信用せず、断固拒否したが、多数決でボロ負けしたためにアキラらと同伴することになった。

 

◇◇◇

 

そして現在。

アキラとビビアンの二名と、621とアンビーと「トリガー」の三名で分かれてシエナの無くした婚約指輪を探すことに。*1

621はどうせ「だまして悪いが」されると思いながらあまりやる気がないようだ。

 

『……そういえば、戦闘以外がメインのミッションも久しぶりでしょうか。彼女の婚約指輪も逃げはしないでしょう。ゆっくり探してください。レイヴン。』

なんか湿度が高い。気のせいだろうか。

 

――しかし、そうはいかないと言わんばかりにエーテリアスが集まってくる。

『……むぅ……。敵ですか。レイヴン。対処しましょう。』

 

621はシュナイダー製造の軽量機体の速度を活かしながら、ベイラムの軽量ショットガン「HALDEMAN」を僅差射撃*2しながら

一気に削っていく。

ちなみに「HALDEMAN」はベイラム直属部隊レッドガンでは全く採用されていない。不憫だ……

 

『周囲の脅威は軒並み片付いたようだな。念のためスキャン機能で確認しろ。』

「あ、問題ないと思います。私の”エーテルサイト”でも周辺に反応がなかったです。」

『……なら、いいのだが……。』

ウォルターは「トリガー」の言葉に多少の違和感を覚えた。新エリー都防衛軍に「エーテルサイト」という装備などないと記憶していたが、新しい配備されたのだろうと決めつけた。*3

 

『――!!レイヴン!シエナの生体反応消失!現場に――』

621はエアの声よりも先にアサルトブーストでかっ飛ばしていった。

 

◇◇◇

 

アサルトブーストで急行していった621を追うように追いかけていった、アンビーと「トリガー」らは、とても安らかな表情で目を閉ざし冷たくなっていたシエナ。

 

「……バイタルは、すでに途絶えています。」

 

「返事がない。ただの屍のようだ。」

全員がシリアスな空気の中で、621はめちゃくちゃ平常運転だった。人の心とかないんか?

 

「これは…ペテン師が、その最期に仕掛けたペテンでした。……実は私は、こうなる事を最初から知っていたのです。」

621は徹底的に無視され話が進んだ。……不憫だ……ご友人……。

 

 

 

ビビアン曰く、

実のところ、シエナは残りの生きていられる時間はもう無かった。だからこそ、ここで死ぬのは計画だったのだ。医者に頼んで悪あがきはできたが、子供の為にも、できるだけお金は残してあげたかったらしい。

そうして考えたのは、ちょっとした手で審査を誤魔化して、レイヴンロック家が扱っているホロウ侵蝕保険を買うことだった。シエナが死んだあと、侵蝕された体をホロウから持ち出すことで、娘に多額の保険金が入るらしい。

 

 

 

「あなたがそれを察知していたのは、なぜ?」

アンビーが核心を突いた質問をする。

 

「…………見えたのです。信じてくれなくてもいいのです。わたしは子供のころから、様々なことを予見する力がありました。けれど、見えるのは不幸ばかり。病に死、災い……ずっと、そういうものしか見えなかったのです。」

 

「……ブレイズウッドでも、彼女の姿を見た時にその未来が見えました。あの時咄嗟に顔を逸らしたのは、そのせいなのです」

確かに彼女の目からは自分の意思に関わらず涙が零れていた。多分あれが前兆なのだろう。

 

「……その未来が見えたとして、私にはそれを変える術がない。ここに私を蔑んでいた人間がいたら、こう言うでしょう──『お前が彼女の死を呼び寄せたのだ』と――」

 

「そんなの、君のせいなわけがないだろ。」

「プロキシ先生の言う通りだと思う。あなたはただ、起こりうる不幸なことをあらかじめ先に、みんなに知らせてあげてるだけ。」

「ずっと、苦しんできたのですね。」

 

『……ビビアンと言ったか。お前に一つ助言を送ろう。”一度生まれたものは、そう簡単には死なない。”』

『……シエナという女も、自分の子供のためにここまでやった。それにお前が居ても居なくても彼女は確実にここで死んでいた。――あまり気にするな。621も似た境遇だったからな……』

 

ウォルターは621と出会った時の事を思い出した。

”独立傭兵スッラ”によってC4‐618は殺され、他の617、619、620もホロウ内部の任務で死んでしまった。

戦力が居なくなったウォルターは”友人たちの遺志”を遂げるための戦力の補充に、闇市へと入った。そこの腐乱した肉の悪臭が漂う、劣悪な環境の人身売買のショップの中でC4‐621は冷凍保存されて安く売られていた。

彼は旧世代型強化人間。新型モデルの強化人間よりもずっと施術のコストが安いのだ。

恐らく、スラムの子供が誘拐され、改造されたのだろう。

 

真っ先に621を購入した。第四世代の強化人間は育てれば強い兵士になる。

 

――621を独立傭兵に仕立て上げる過程で感情を持って接することを辞めようとした。いつか死ぬかもしれない。そうなれば、せっかく育てた意味がなにもない。

だがそれは出来なかった。621を先代と同じように人間として接することしかできなかった。

 

◇◇◇

 

「――ウォルターさん?どうかしたんですか?」

アキラの声でウォルターは思考の海から帰ってきた。

 

『……ああ、すまない。考えごとだ。――ひとまず”彼女”をホロウの内部から運び出すぞ。』

『621。お前は周囲の警戒をしてくれ。…………頼んだぞ。』

*1
ビビアンと621の相性が最悪過ぎるのでこうなったのもあるが、アキラとウォルターで分けた方が安全というのもある。

*2
このショットガンの強みは異常なリロードの速度。片手ずつ撃っていけば0.8秒ごとに一回発射できる。

*3
実際は「トリガー」が視力の90%を喪失した代わりに身につけた能力なのだが




~今回の621のアセンブル~

HEAD
KASUAR/44Z

CORE
LAMMERGEIER/40F

ARMS
LAMMERGEIER/46F

LEGS
NACHTREIHER/42E

BOOSTER
BST-G1/P10

FCS
FC-006 ABBOT

GENERATOR
AG-T-005 HOKUSHI

EXPANSION
ASSAULT ARMOR

RIGHT ARM UNITS
shotgun
SG-026 HALDEMAN

LEFT ARM UNITS
shotgun
SG-026 HALDEMAN

RIGHT BACK UNITS
bullet orbit
BO-044 HUXLEY

LEFT BACK UNITS
laser slicer
Vvc-774LS

シュナイダー製の高機動、紙装甲フレームによって得た爆発的な速度に物を言わせながら、軽量ショットガンでガンガン強襲する機体。
相手がスタッガーした途端に実弾オービットを起動しながら、レーザースライサーを繰り出す。

なお実弾オービットは非スタッガー時の衝撃力要員にもなり、割と万能なアセンブル。

◇◇◇

ごすずんエミュ難しすぎんだろぉ!!
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