ZZZ×ARMORED CORE 6 作:ジョシュア・オブライエン
シエナの遺体をホロウから出した後、
C4‐621こと”独立傭兵レイヴン”一行は本来の目的である”ブリンガーの遺品”を探っていた。
なぜか自販機ばかり漁っているが
ビビアン曰く自身が集めた情報はそう言ってる。と語るが621はどうも「騙して悪いが」の可能性を否めない。この依頼自体がマッチポンプで、自分たちを追い詰める為かもしれないのだから。
◇◇◇
「入手した情報によれば、この自販機が怪しいのです。」
「じゃあ調べてみよう。」
ビビアンと621が見守る中、アキラが自販機を隅から隅まで調べてみたが……遺品らしきものは出てこない。
「――では、こちらの自販機もなかなか怪しいのです……わたしの直感が訴えています――この自販機。なのです!」
「そ、それでいいのかい?」
「ブリンガーの遺物はきっと、目の前にあるこの自販機に隠れているに違いありません。」
「ああ、信じるさ。」
「ええ、それではここをしっかり調べるのです!」
それでいいのかアキラ。RaDの言い方なで言う”歓迎の花火”があるかもしれないだろうに。
「…………うーん……何もないな。他の自販機を探――イテッ」
諦めかけたその時、うっかり自販機に足をぶつけ、その衝撃か本来ならドリンクが出てくるはずの場所から、古びたノートが転がり出てきた。
「さ、さすがプロキシさんなのです!こんな方法で見つけてしまうなんて……。プロの情報屋よりもグーなのです!」
ビビアンはノートを開き、軽く目を通すが……
「……パッと見ただけでは、何が書いてあるかは分かりませんね。ですが、これを読み解けばきっと讃頌会の企みも──」
『――レイヴン!敵性の生体反応!エーテリアスです!』
『対処しろ!621!』
突如として、エーテリアスの咆哮が耳を打つ。ウォルターとエアの声よりも速く、621が突っ込もうとしたが……
刹那。
思いがけない姿がエーテリアスの前に立ちふさがり、あっという間に斬り伏せてしまった。
そしてそこに現れたのは、以前出会った怪盗のヒューゴ・ヴラドであった。
◇◇◇
「これはこれは……久しいな、プロキシくんとレイヴン君。たったいま君たちの命を救った男に対して、その驚愕した眼差しは正しいのか――まったく、危ないじゃないか。悲しいね。」
621がノータイムでぶっ放した軽量ショットガン「HALDEMAN」を華麗に回避してそのまま話を続ける。
「何故、こちらからコンタクトして来た?答え次第では死んでもらう。お前も殺してるんだ。殺されだってするだろう。」
『その調子です!レイヴン。彼からサクリファイスのコアを奪い返してしまいましょう!』
殺気立つ621がヒューゴに突撃しようとした瞬間――
「暴力クソ鴉は少し黙るのです!!」
ビビアンに思いっきりどつかれた。
「まあ、少し話を聞いてみよう。レイヴン。流石に不公平だろう?……ところで”仲間”と言ったかい?君たちは顔見知りだったのか?」
悶々とする621をアキラがやんわりと咎めたあと、質問を二名に投げた。
「すみません、言うのをすっかり忘れていたのです。わたしも、怪盗団「モッキンバード」の一員です。」
以前の厳重な警備だったオークション会場にてヒューゴがあっさりと潜入できたロジックは事前に場にいたビビアンによって、バックヤードへの細工を施したからだったようだ。
「安心したまえ、お二方。俺たちに誓って悪意などない。……だからその殺気を収めてくれないか?」
ACのヘッドパーツで見えないのだが、621はムッとした表情でヒューゴを睨んでいる。
「さて……今しがた、俺は自分達がモッキンバードである事を包み隠さず明かした。この新エリー都で全てが謎に包まれていたあの怪盗団モッキンバードが、だ」
『…………つまりそちらにとって致命的な情報を吐いたのだから、こちらにも誠意に答えろということか。』
「そこまで見透かされているとはね……流石だ。ハンドラー・ウォルター。俺たちの目的は至ってシンプル……モッキンバードとして、プロキシ君と”ハンドラー・ウォルター”に長期的な協力関係を結びたい、それだけなのだ。」
「今は理念や信念といったものを越えて対処すべき、差し迫った危機がある。讃頌会が密かに、サクリファイスを用いて新エリー都に害をなさんと企んでいることは知ってのとおりだ。」
「俺達は、その最新の手がかりを提供できる。先ほど君たちがビビアンと見つけたノートもその一つと言えよう。高みで物憂げなふりをしているだけの連中には決してできない援助だ。そして、此度の駆け引きにおける最も重要な鍵でもある”サクリファイス”のコアもまた、俺の手中にある。またとない取引だと思うがね。」
621には、V.ⅢオキーフやG2ナイルといった信頼できる情報収集に優れた者ともコネがあり、モッキンバードと組むことに大してメリットはないのだが、アキラに任せることにした。
「降りかからんとする災厄を阻止する……。この一点において、今だけは互いの目指すところが一致しているはずだ。」
「……うん……もう少しだけ、考える時間をもらってもいいかい?」
「……ふむ。ではこうしよう。まだ君に憂慮があるというなら、此度の協力にはライカンを連れてくることを許そう。いかがかね?あの男の存在だけでも、俺への牽制として十分だろうが……奴のバックには市長勢力がついていることだしな。君もさぞかし安心だろう?」
「むろん、他のお友達を連れてくるのもいいぞ――治安局や対ホロウ行動部は御免被るがね。」
「そこまで言うなら…わかった。」
「契約成立、グーなのです。記念にプロキシさんには、これをあげるのです。」
ビビアンがそう言って渡したのは。雫型のペンダントだった。精巧で高価に見えるが、中は空洞になっているらしい。
621はなにも貰えなかった。信用の差だろうか。
「君たちが見つけたこのノートは、我々で調べておく。情報が見つかり次第、連絡しよう。」
こうして一度ここに居る全員で「Random_Play」に帰還することになった。