ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter outro:Burying tears and the past ⑫

隔壁が開き、さらにバレエツインズの奥に進めるようになったC4-621こと”独立傭兵レイヴン”ら一行。

再びエーテリアスの群れが現れ、相手することになった。

 

621は左肩の6連プラズマミサイルを当てながら、レーザーショットガンや双身式レーザーライフルで徹底的に掃射。さらに右肩のスタンニードルランチャーをぶち当ててから「泣きを入れたらもう一発」、と言わんばかりにアサルトブーストを起動。渾身のブーストキックを浴びせる。

今回の621は重量級AC。キック一発が大きいダメージになる。

 

「――終わったな。それで、俺たちの向かう先は……あの裂け目だな。」

ヒューゴがホロウの空間の裂け目を見据える。ブリンガーの遺品のノートが示す”座標”はそこのさらに奥のようだ。

 

裂け目の奥に進んでも、まだまだ際限なく現れるエーテリアス。

仕方なく再び交戦することに。

 

「……ライカン、貴様はいつから澄まし顔で戦うようになった?」

ヒューゴがアタッシュケースから変形した鎌でエーテリアスを切り裂きながら軽口を叩く。

 

「人は誰しも成長する。お前は……対して変わってないがな。」

負けじとライカンがエーテリアスを蹴り飛ばしながら、煽り返す。

「ハッ、成長だと?お上品ぶっているだけだろう?」

ヒューゴも言い返す。やっぱ仲がいいのでは?

 

◇◇◇

 

《マスター、前方の仕掛けは少々複雑です。通過には、離れた3か所にある装置をそれぞれ起動する必要があります。》

アキラとリンが保有するAI……Fairyの言う通り、一行がさらに先へ進んでいった先には、何やら複雑な仕掛けが目の前に映った。

《時間を節約するため、三組に分かれて同時進行することをお勧めします。》

 

「3か所にそれぞれ行って、仕掛けを解かないといけないのか……。」

 

「さ、三組に分かれるのですか!?ではパエトーン様は、わたしがお守り――!」

「じゃあ、私とレイヴンで――」

 

『制御系統にバックドアを作成。遠隔で3ヶ所の装置をアクティブにしました。さて、行きましょうか。レイヴン。』

エアが即行で各ポイントの装置にアクセスしてくれた。

 

「――おや、仕掛けが……。これは好都合です。プロキシ様、行きましょう。」

 

「ぐぬぬ……。仕掛けがこんな時に……せっかくパエトーン様とふたりきりになれたのに……嬉しいけど嬉しくない誤算なのです……」

「…………むぅ……。」

「ビビアン、アンビー。二人ともどうかしたかい?」

アキラがそう尋ねる。

 

「……何でもない。プロキシ先生。」

「はうっ…”パエトーン”様が、ししし心配してくださったのです!えへ、えへへ…これで帳尻が合うのです……

「……ビビアンお前、”パエトーン様”と二人きりになりたいだけだろう?」

ヒューゴが少しだけからかうようにビビアンにそう言う。

「い、言いがかりなのです!」

 

――その時、前方から何やら耳障りな大きい音が響き渡る。

 

『……何の音だ?』

「皆様、ここでお待ちください。私が見て参ります。」

 

「たぶんエーテリアス、それも複数。念のため私も行くわ。」

アンビーとライカンが場を離れる。

 

「ビビアン、お前も行ってくるんだ。ライカンから目を離すなよ。隙を見て、俺たちを市長に売り渡すかもしれないからな。」

「そのようなことはいたしません。ですが、もしビビアン様がお望みなのでしたら、どうぞご自由に。」

「じゃあ、わたしも行くのです。」

『621、お前も行って来い。』

 

そしてこの場に残ったのはアキラとヒューゴの二人。

「……今から俺が話すのは、俺の中に残った良心の欠片が語り掛けていると思ってくれ。」

「――店長くん、折り入って頼みがある――」

ヒューゴはそうアキラに口を開いた。

 

◇◇◇

 

その後、全員と合流してから、裂け目を抜けたその先には、エーテルの晶柱で覆われた、黄緑色の大きな繭のようなものがあった。

 

「皆様、ご注意ください…!私の見間違えでなければ…その中にいるものこそ、サクリファイスでございます。」

ライカンが警鐘を鳴らす。

「休眠状態みたい。いつ目覚めるかはわからないけど。」

 

「――なら、ブリンガーのノートに記してあった地点には、どこもこのようなサクリファイスが確実に一体は存在するというわけかい?」

「何十という各地のサクリファイスが目覚め、人々の暮らしている場所に現れる……旧都陥落に匹敵する大災害へとつながるでしょう。これが予告に示唆された、新エリー都に対する復讐……!」

 

「なら、急いでサクリファイスをどうにかする方法を探そう。讃頌会の人間に渡すわけにはいかない。」

 

『……レイヴン。アレを破壊しましょう。遠隔で目覚めるような仕様ではないようです』

621がスタンニードルランチャーの標準を繭に向けようとするが――

 

「おっと、それを壊されるのも困る。……まあ、サクリファイスを見つけてくれて感謝する。だがすまないな、そいつがお前たちのものとなることはない。」

その声の主は──レイヴンロック家の当主、ハルトマンだった。

 

「……まさか着けられていたとは。私としたことが。貴方様の目的は最初からこのサクリファイスだった、という訳ですか。」

 

「オオカミのシリオンはやはり鋭い。だがここまでうまくいったのはひとえに、君の元相棒が、あらかじめ君たちの情報をリークしてくれたお蔭だ。」

 

「…………ふん」

ヒューゴは既に一歩前に出ており、ハルトマンのそばに立っていた。

「そう呼ばれるのは些か気に食わんが……まあいいだろう」

 

「ヒューゴ、どうしてこんな事を……! 讃頌会の事を調べてくれると言ったのは、世界を公平に導くという信念は、全て嘘だったのですか……!?」

「……ビビアン、最後に一つだけ教えておこう。人は誰しも、真の目的のためならばなんの躊躇いもなく虚言を弄することが出来る──あまり簡単に人を信用してはならない、という事だ。」

 

ヒューゴは以前から”TOPSへの推薦”を交換条件に、サクリファイスのコアと情報を提供していたのだ。

周囲には、ハルトマンが雇った私兵達が四方八方から銃口を向けていた。

 

しかし――

「ぐあっ!!」

一人の私兵が倒れたのを皮切りにハルトマンの私兵がどんどん倒れていく。

「な、何者だ!?」

ハルトマンに応えるように、十数機の所属不明機体が至る所から一斉に虚空から、幽霊のように姿を現した。




勘のいい人は分かってるかもしれないが、AC6原作の「IA-27:GHOST」はモニター欺瞞形式のジャミングでカメラ映像から姿を消している。
しかし、このクロス世界では光学迷彩に完全に変更。肉眼でも見えないようになっている。……のだが、高威力のレーザー狙撃やなど派手な攻撃が多いという、割と位置がバレやすい欠陥があり、ポンコツなALLMINDクオリティである。
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