ZZZ×ARMORED CORE 6 作:ジョシュア・オブライエン
サクリファイスを巡る攻防をが一時的に一段落し、C4-621こと”独立傭兵レイヴン”はアキラたちと別れ、TOPS財政ユニオンに名を連ねる「アーキバス・コーポレーション」と「ベイラム・インダストリー」に向かうことにした。
今回は先程までの状況を説明した後に、讃頌会について何か握っている情報はないか聞き出しに行く。
そして、出来れば誰でもいいので戦闘員を出してもらうと非常に助かる、という意味合いも籠めてある。
まずはベイラムへと向かった。
◇◇◇
「G13か。お前の方から来るとは……珍しいな。――いやレッドが言うには2回目だったようだが。」
621がベイラム直属部隊、「レッドガン」基地に来訪した時、非番だったのかレッドガン副長で、レッドガン総長G1ミシガンの参謀役のG2ナイルがわざわざ顔を出してきた。
621は無駄話をせずに即座に本題に入った。
「――今回のサクリファイスの一件について俺たちが知っているもの……か。」
G2ナイル曰く、数日前にて讃頌会と名乗る者たちから一度「TOPSとしての地位を、さらに確固たるものにする気は無いか?」と勧誘されたが、ベイラム・インダストリーの上層部は良くも悪くも超絶保守派。
きっぱりとその誘いに拒否し、マンパワーによる武力行使で追い返したが大して情報は得られなかったという。
その後に市長にこのことを伝え、協力関係を結んだらしい。
なお、なぜ協力関係を結んだかというと、上層部曰く「他に讃頌会と裏で協力している企業がいるはずで、そいつらをこの混乱に乗じて蹴落とす」、という至極企業らしい動機だった。
「……世も末だな。サクリファイスを用いて我々に宣戦布告するとは……あの蛮勇は認めるが、通らんよ。それはな。」
621は何かあれば追って連絡する、と言ってからレッドガン基地を後にした。
◇◇◇
『次はアーキバス・コーポレーションですね。――レイヴン。理由は何であろうと、二人きりになれるのはとても嬉しいです。……すみません。変なことを言ってしまって。あ、少し先を右に曲がってください。』
621はエアの言葉をあまり気にせず、進んでいく。
『――ところでですが、私をカーナビと同じ扱いしていませんか?』
バレてた。
◇◇◇
「――全くだな。讃頌会との全面戦争ももうじき訪れるだろうな。」
次はアーキバスの本社に向かった621をV.Ⅲオキーフが出迎えてくれた。
オキーフはフィーカを淹れながら、話を続ける。
アーキバス・コーポレーションも以前、讃頌会からの勧誘があったが上層部やヴェスパー部隊のほとんどがリスクの方が大きい、と難色を示して結局交渉は決裂したらしい。
そして同じく市長と、「ヴェスパー部隊らの軍事行動を拡大する」という取引を行ったが、結果的に交換条件で上層部が目の敵にしているライバル企業のベイラム・インダストリーと渋々協力することになったらしい。
「讃頌会の教義は”無力なヒトの身を捨て、ホロウに適応した生命へと生まれ変わる”……讃頌会も、アレも、同じような事を考えるな……。味気ないレーションを食い、泥水のようなフィーカをすする……。うんざりするが、それこそが人間だ。」
くたびれた雰囲気のオキーフがさらに話を続ける。
「見えもしない可能性を追って何になる。……人のまま生きて、死ぬ。それが一番いい。」
さらにオキーフが一口、フィーカをすする。621にはオキーフのフィーカの味は全く感じられなかった。
「……やはり平和がいいな。フィーカも不味くない。…………話がずれていた。こちらからは……まあ、大体は出せるだろうな。戦力が必要ならいつでも連絡してくれ。」
◇◇◇
621がアーキバス本部から立ち去ろうとした時、オキーフから少し忠告があった。
「レイヴン……と言ったか。お前は独立傭兵だから利用する機会が多いだろうが、ALLMINDと関わるのは控えめにしておけ。――リリース計画には絶対に乗るな。」
「どういう意味だ?」
「……そのままの意味だ。」
621は彼の真意を知ることは出来なかった。
◇◇◇
数時間後、
「621、仕事の時間だ。」
621はALLMINDのアリーナのランキング戦を中断し、ウォルターの居るところへと向かった。
ウォルターがブリーフィングを行うのは久しぶりであり、621もやる気満々な雰囲気である。
「市長らの主導で、ハルトマンが持ち去っていったサクリファイスのコアを奪い取る。この作戦にはアーキバスのV.Ⅴ、V.Ⅷの二名も出向くそうだ。ベイラムからは都合が悪く、今回誰も来れない。」
ウォルターが言うには、ハルトマンが隠したサクリファイスのコアの隠し場所は特定済みなようで、レイヴンロック家と讃頌会の取引よりも先に奪い取ればいいとのこと。
「アーキバスやベイラムも讃頌会を潰すのに躍起になっているらしい。俺たちも加勢してさらに畳み掛けるぞ。」
621はハルトマンがコアを隠してるとされている場所へ早急に向かった。
V.Ⅲオキーフ
所属:アーキバスグループ強化人間部隊「ヴェスパー」
性別:男
身長:176cm
使用武装:「BARREN FLOWER」
属性/タイプ:エーテル/撃破
備考
アーキバスが擁する強化人間部隊「ヴェスパー」の一員。
部隊内で高位に当たる「番号付き」と呼ばれる精鋭の一人であり、その中でも序列3位の次席・第3隊長の肩書を持つ。コールサインは「V.Ⅲ」。
エンブレムとDMアイコンはヒマワリのような花弁に囲まれた眼球とも受精卵とも思える意匠。
アーキバスの情報部門の長官。非常に気怠げな声色で、諦観と寂寥感のあるくたびれた男であり、そこそこの人気があるとか。イケオジ。
アリーナランキングは12位でBランク。
彼のAC「BARREN FLOWER」は軽量級・中量級・重量級のパーツを織り交ぜた異形感あふれる外見。
4脚特有のホバリングで常にこちらの上を取って攻撃してくる。
かつての彼は、天才ハッカーのレインや、現在大物歌手のアストラ・ヤオの身辺警護とマネージャーを兼任するイヴリン・シェヴァリエがかつて所属していた”組織”に身を置いていた旧世代の強化人間でもある第2世代強化人間のスパイだったが、アーキバス情報部門に招聘された彼は、脳内エーテルの浸食を大幅に中和するという第9世代手術の提供を条件に承諾したという。
讃頌会の他に、傭兵支援システムのALLMINDを人一倍嫌っており、
”無力なヒトの身を捨て、ホロウに適応した生命へと生まれ変わる”という讃頌会の教義に対して「人のまま死ぬ」というのを信条にしているようだ。