ZZZ×ARMORED CORE 6 作:ジョシュア・オブライエン
C4-621こと”独立傭兵レイヴン”一行はサクリファイスのコアを奪いに来たが、見つからず。そのまま、讃頌会の連中に見つかってしまった。
そしてビビアンはディナと呼ばれる赤い髪の少女と対峙していた。
「あ、あの時わたしは、ほんとうに何も知らな…!」
「知らなかった? だったらどうして、あの時……そう言わなかったの?」
「ち、ちが──」
「ディナ様、ビビアンお嬢様はあの時……」
カミエルが話を割って入って来る。
「お黙りカミエル。そもそも、なぜ貴方がハルトマンと一緒にいるの?私、そうしろって言ったかしら?」
ディナは豹変したかのように冷たい表情でカミエルに突っかかる。
「わ、わたしはただ、先にサクリファイスのコアについて、真贋を確かめるべきだと思ったのです。ハルトマン様が何か小細工を弄するのではないかと……」
「そうなの?ああカミエル、あなたの忠義って本当に素敵……私ったらてっきり――あのとき、ビビアンの与太話を鵜呑みにしてお父様を殺したみたいに……私を殺す計画でも立ててるのかと思っちゃった」
「滅相もありません、ディナ様」
「裏切ろうなんて思わないでカミエル。あの時しでかしたことで、あなたは私に大きな借りがあるんだから。けど、あなたの心配はもっともね。だってこのコア――たしかに偽物だもの」
「そ、そんなはずない!このコアは俺がヒューゴから奪ったものだ!何の証拠もなく、偽物などと……言いがかりもいいとこだろうが!」
怒鳴るハルトマンを横目に、ディナは懐から何か――いや、サクリファイスのコアを取り出す。
そしてハルトマンのそばで倒れている部下の足元の傷口に、サクリファイスのコアを押し込んだ。
部下はあまりの痛みに絶叫してしまう。つーか「THERAPIST」生身でまともに受けて生きてる奴いるんだ。
「サクリファイスのコアはね、体内のエーテル粒子を短時間で、極限まで増幅させるの。」
「お父様が始まりの主に捧げた作品は、こんなお粗末なものじゃなかったわ。まあ流石に強化人間は対象外。サクリファイスとは別の系統の存在なのよね。」
「なら、本物のコアは....」
「あなたはどう思う、ビビアン?本物のコアはどこにあるの?」
「知りません。本物のコアを持っていたとして、真っ先に砕いていたでしょうけど……ディナ、あなたはサクリファイスがなんであるか、これ以上ないくらいわかっているはずなのです!彼らにあんな”祝福”が授けられたこと自体、間違いだったというのも!
あなたもわかっているでしょうディナ!ランドンは最終的に、あなたを犠牲にすることさえ厭わなかった――」
「黙れ、黙れ、黙れ……!!!すべてはお父様自身の理想のためだった!なのにビビアン、どうしてあなたはいつも私のすべてを台無しにするの?」
ディナが気が狂ったように続ける。
「昔も、今も。あなたはいつも私の――」
刹那、621が間髪入れずにブーストキックで、ディナの腹部を蹴り飛ばした。
◇◇◇
「――ディナ様!!」
カミエルが、無様にビルの屋上の柵まで蹴り飛ばされたディナを抱え起こす。
ディナ本人はどこか損傷したのだろうか、血が混じった吐瀉物を吐きながら、殺意のこもった目で621とビビアンをジッと見ていた。
――すると、付近から爆発音が数回響きわたり、地面が揺れ始めた。
ウォルター曰く、どうやら爆発でおびき寄せられた、大量のエーテリアスが急速にこちらに接近しているらしい。
そして、ハルトマンは慌ててまだ生きていた部下に準備していた車を出すように言い、カミエルとディナを連れて走り去って行った。
「第五隊長殿!追いましょう!最悪脳さえ無事なら、情報はいくらでも引き出せます!」
「いや、ペイター君。まずは周囲の安全の確保だ。非戦闘員のアキラ君が居る今、そっちが最優先だ。また今度追い詰めようか。」
「はっ!承知しました。」
『来ました!――数は4体。油断禁物です。』
エアの報告の直後、621は左肩のALLMINDの特殊ミサイル「JIVN BETA」で、まとめて爆撃。
さらに両腕のRaDのスタンボムランチャー「THERAPIST」や、右肩のアーキバス先進開発局のスタンニードルランチャー「VE-60SNA」で追い打ち。強制放電で撃破する。
『――!第二波です!対処してください!』
621が片っ端から倒していっても、際限なく湧いてくるエーテリアスたち。
「ペイター君、こちらも迎撃開始。ちょっと頑張ろうか。」
V.Ⅴホーキンスこと中量4脚AC「RECONFIG」は4脚によるホバリングで低空飛行し、上段を取ってから、VPCLの6連プラズマミサイル「Vvc-706PM」やプラズマライフルの「Vvc-760PR」を直撃させながら、ここぞとばかりにVPCLのレーザーブレード「Vvc-770LB」で真一文字にぶった切る。
「サクリファイスのコアの護衛が4人の時から怪しんでいたけど、やっぱり奥の手があったね。油断したよ。ペイター君。」
「はっ、一杯食わされました。」
一方V.Ⅷペイターは軽量逆関節AC「DUAL NATURE」で跳躍してエーテリアスの射線を切りながら一方的に、右腕のタキガワ製造の速射型パルスガン「HI-16: GU-Q1」と、右肩のシュナイダーのパルスキャノン「KRANICH/60Z」をオーバーヒート直前まで撃って*1、おもむろにタキガワのパルスブレード「HI-32: BU-TT/A」でスタッガーさせ、さらにパルスガンやパルスキャノンで追撃していく。
――しかし。
『第3波です。レイヴン。今回は数が多いです……気を付けて。』
「囲まれて逃げる隙がないのです……きりがない……!」
ビビアンもエーテリアスを日傘に偽造されたレイピアでエーテリアスを切りつけながら、苦悶の表情でそう話す。
――突如、金色と黒色の液体のような何かの軌跡が目にも止まらぬ速さで駆け抜け、周りのエーテリアスを牽制した。
「……っ、何今の……墨汁?」
「──巽宮は吉。杜門に活。」
風水にまつわることだろうか。レッドガン部隊の3番目G3五花海がそう言ってた気がする。
その声の主は、ゆっくりとした足取りでこちらへと歩いてくる。
「……そこは邪気がやばい。厄介な場所だぞ」
「邪気……?」
長い白髪の女性は、謎の札を右手に構えながらそう言った。
さっきから風水やら疑似科学的なことを言ってるのでG3五花海と同じく、信頼は無理かもしれないと621は思った。
作者「待て!早まるな621!そいつ詐欺師じゃない!」