ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter outro (ALT):Death Match Of Hound And Raven

C4-621こと”独立傭兵レイヴン”一行の前に、突如として現れた識別不明のAC機体。……恐らく独立傭兵だろうか。沈みかけた夕日の黄昏を背にしてこちらを見つめてくる。

「……あれは”ドッペルゲンガー”の類なのか……?でもエーテル反応は――」

ない、とアキラが言った瞬間、AC機体は依頼を思い出したかのように唐突にディナの方に歩み始めた。

そしてどこかで拾ったのだろうか、サクリファイス化の薬を5本ディナの胸部に注射した。

 

「……ビビ……アン、私は……これからも……あなたを……憎み続け……。……あなたが現れなければ…………。もし私がいなければ…あなたは…もっと……。」

彼女の身体とその周囲にはすぐさま侵蝕の兆候である、エーテル結晶が現れる。

 

『……なんか彼女の意識続きますね。レイヴン。さっさと成り果てる前に片づけましょう。』

621がパルスブレードを展開し、変貌する途中のディナに切りかかろうとするが、一手遅く彼女はエーテリアスになってしまった。

 

「……パエトーン様、レイヴンさん。手出しは不要なのです。彼女はわたしにとって、初めての友達。お別れを言うのは、わたしでなければ。」

ビビアンはそう言ってディナの方に傘のようなレイピアの切っ先を向ける。

 

『分かった。そして621、お前に伝えたいことがある。――奴の正体が分かった。奴の名は”独立傭兵レイヴン”。621お前のライセンスの本当の持ち主だった。』

 

「――!?どういうことだい?」

『悪いが話は後だ。621,相手が相手だ。全力で対処しろ。』

アキラが驚きながら質問するがウォルターが強制的に遮った。

 

レイヴンのAC機体……「NIGHTFALL」のヘッドパーツの、「HC-2000/BC SHADE EYE」の後頭部がガシャンと音を立てながら前面に回り込むように変形し、アイガードのように装着される。

アイガード全面にわたって点在する複数のカメラアイが一斉に赤く発光した。

 

◇◇◇

 

――同じく、ポート・エルピスの共生ホロウ内部。

ディナやカミエルらが保有していた力こそあるが意識の持たない”失敗作”のサクリファイスらは、青い重量級4脚ACと、黄色いホバータンクACによって軒並み排除されていた。

 

「……やはり弱いな。シャルトルーズ。アイツを呼ぶどころか、俺たちの中から誰か一人だけでも余裕で勝てたぐらいだ。さすが”失敗作”と言うところか。」

「キング、まだ終わってない。今回の任務はサクリファイスのサンプルを回収すること。――というか、ALLMINDから直々に依頼が入るなんてことあるのね。」

 

サクリファイスの死骸の山で二人の独立傭兵は話を続ける。

「それにしても……アイツは”今のレイヴン”の所に行ったのだろうな。――俺たちに勝った奴が相手だ。アイツもどうなるか……」

「ビビってんの?まあ私らをボコボコにした奴が相手だろうけど――」

 

「こっちのレイヴンもそうそうヤワじゃない。」

 

◇◇◇

 

ポート・エルピスの共生ホロウの、瓦礫で出来た平地。

C4-621と”独立傭兵レイヴン”は苛烈な戦闘を繰り広げていた。

 

 

 

”レイヴン”はベイラムの重量アサルトライフル「RF-025 SCUDDER」や、ファーロン・ダイナミクスの3連装双対ミサイル「BML-G1/P32DUO-03」を活用した、突撃を繰り返しながら、

主なダメージリソースとなるメリニットの小型連装グレネードキャノン「SONGBIRDS」やベイラムのパイルバンカー「PB-033M ASHMEAD」を隙あらばブチ込んでくる。

 

一方621は、シュナイダーの軽量2脚パーツ「NACHTREIHER/42E」の逆関節にすら匹敵する驚異的な、水平跳躍性能と垂直跳躍性能を活かしたヒットアンドアウェイ戦法で徹底的に「ZIMMERMAN」を当てていく。

そしてABやQBで正面から突っ込んでくるレイヴンに対して迎撃用としてレーザータレットを設置。レイヴンのAC機体「NIGHTFALL」の最大の弱点である大豊のジェネレータである「DF-GN-02 LING-TAI」のEN容量がワースト一位であり、空中戦に全く向いていないこと。621のACは同じく大豊の「DF-GN-06 MING-TANG」を積んでおりかなり動ける部類。

 

 

 

『――AC「NIGHTFALL」……来ます!!』

均衡した状況の中、先に行動を起こしたのはレイヴンの方だった。

621に向けて何も言わず、三連装双対ミサイルを撃ち、挟み込むように包囲した上でABで突撃することで前方と左右で疑似的に多対一を再現。ノンチャージパイルで突っ込んでくる。621は軽量機体。ノンチャージパイルでも確実に致命傷になる。

621は後方にQBすることで全て回避し、両腕の重ショをぶち込む。

さらに事前に展開したレーザータレットで援護射撃してもらいながら、パルスブレードを展開。ACS限界に達した「NIGHTFALL」に渾身の2連撃を叩き込むがまだレイヴンのAPは一部残してしまう。

 

レイヴンは即座にリペアキットを使用。そしてカウンターでアサルトアーマーを発動。621のACもACS限界値に入り、スタッガー。

レイヴンはすかさずフルチャージパイルを差し込もうとするが――

『――!回避しろ621!』

 

パイルが突き刺さる寸前にACSが復旧し、後方QBで何とか撃墜されずに済んだ。

『……相手は恐らく、讃頌会相手に無傷で殲滅している。気を抜くな621。』

「チッ……。」

 

――戦いはさらに佳境に差し掛かる。

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