ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter 1:Where the clouds and mist come to rest ②

とある武装集団を蹴散らしたC4-621こと”独立傭兵レイヴン”は追いかける形でようやくアキラと儀玄の居る所に合流した。

 

シュナイダーの製作した”飛行機”によって盛大にダウンしたアキラを尻目に621は先程の出来事を儀玄に伝えた。

「――成程。ならメイフラワーがわざわざよこした”コレ”に、私たちは救われたわけだな。」

儀玄は、人命など一切考えられていない”飛行機”を見上げながら皮肉そうにそう言った。

 

「……さ、さすがに二度と乗りたくない……かな……。」

一応復活したが顔色がかなり悪いアキラが言葉を漏らした。

 

「さて、そろそろアキラとリンの姉弟子になる迎えが来る。レイヴンと言ったか?お前さんの迎え……ベイラムの連中だったか。そいつが来るまでお前さんもついてくるといい。」

 

ベイラム・インダストリー……ではなく、そこの同盟企業である「大豊核心工業集団」が衛非地区出身の企業であり、いまは衛非地区から離れ新エリー都全体で軍需企業として活動しているがそこそこ関わりがあるらしい。

 

そして621はグロッキーになったアキラを抱え、儀玄に着いて行った。

 

◇◇◇

 

儀玄が指定した「予定の場所」にようやく着いた621。

ついでにアキラもやっと自分で歩けるようになるまで回復した。

 

すると……

「お師匠さま~!福福がお迎えに来ましたよっ!あれえっ?こちらの方は?……」

腰ほどの長さで、虎の毛色ににた黄色に白のインナーカラーの髪が外にはねてるのが特徴的なシリオンの少女?が駆け寄ってきた。恐らく儀玄が言っていた”迎えに来る弟子”なのだろう。

 

「あたしは橘福福(チー・フーフー)。あなたたちにとっては、姉弟子ってことになりますね!」

橘福福と言った少女はアキラの他に621も誤解して弟子と思っているようだ。

「……少し待ってくれ。俺は弟子になってないのだが。」

 

「あ、そうだったんですね!なら今からでも”雲嶽山”の門をくぐりましょう!」

なんか積極的に勧誘してくる。621は申し訳ないがNOと答えた。

独立傭兵は独立しているから独立傭兵なのだ。全陣営の依頼を受けるからこそ掴めるものがあるのだから。

 

「さて!帰り道ついでに、お弟子さんたちを案内するくらいならいいですよね?」

「まあいいか…好きにしろ。じゃ、私は先に戻る。お前さん達も、あまり方々で油を売るんじゃないぞ。」

儀玄は先に道観へと戻って行った。

 

「さあて…お師匠さまも行っちゃったことですし、誰も福福たちを咎める人はいません!このへん、面白いものがほんとにいっぱいなんですから!」

 

◇◇◇

 

橘福福の案内の下、衛非地区を探索することになった一行。

ラマニアンホロウに……セミの彫像。

セミは衛非地区で、闇から光…希望へ向かっていく象徴みたいに扱われているらしい。

 

そしてここでは珍しいロープウェイに乗って澄輝坪に行き、

様々な店を見て回る中――なにやら言い争っている複数の労働者と、スーツの男を見つけた。

 

「それで…今回の労災で病院に運ばれた人って、一体何人いるんだ?」

「それが、かなりいるらしいんだ!みんなのためにも、賠償金を勝ち取らないとな!」

 

『……621,恐らくTOPSの傘下の企業である「ポーセルメックス」の連中だろう。』

 

昔の澄輝坪では輝磁と呼ばれる、エーテルを遮断できる耐侵蝕装備の原材料の加工前である輝嶺石の採掘が幾度となく行われ、澄輝坪で生きる労働者達はそれで生計を立ててきた。

 

しかし、TOPSの傘下企業である「ポーセルメックス」が輝嶺石の採掘業を独占した事で、労働者達はその会社の従業員にならざるを得なくなった。

 

労働者達の会話からして、恐らくポーセルメックスの責任者はダミアンという男らしい。

彼らは「とある事故」に対する賠償金を払えと、ポーセルメックスの社員に言っているのだろう。

 

『……621。今回の仕事ではTOPSの関係者と関わる事は避けられない。気を引き締めておけ。』

 

◇◇◇

 

「じゃあ、適当観に戻りましょう!お弟子さん、あそこが適当観の正門ですっ!」

橘福福が古風で重厚感があり、そこそこの年代物のように見える大きな門を指差した。

 

指さす方を見ると、寺の屋根の上にパンダのシリオンの男性と眼鏡をかけた茶髪の男性がいた。

 

彼らの視線の先には……屋根にしがみつき、今にも落ちそうになっている大きめの猫がぶら下がっていた。

パンダのシリオンが大慌てで手でバッテンを作り、眼鏡の人が静かに上を指す。

 

――そして、猫が落ちた。

咄嗟に621がQBで急加速し受け止めたが、猫は無骨すぎる621のACを怖がって逃げてしまった。

621が追おうとするがその先に居た儀玄がゆっくりと猫を捕まえた。

 

「バタバタさせてすまないな──ようこそ、適当観へ」

儀玄が短く、彼らを歓迎した。

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