ZZZ×ARMORED CORE 6 作:ジョシュア・オブライエン
「はあ~びっくりしました。どこから入り込んじゃったんでしょう?このへんのお家で飼われてたとか…?」
橘福福は、儀玄に抱きかかえてられている大きく太ったデカい猫をまじまじと見つめながらそう話す。
「まずはこいつが落ち着ける場所を探す。近所に尋ねて回るのはそれからだ。福福、アキラとレイヴンを皆に紹介してやれ。ついでに適当観の案内を頼む。……私はコイツをどうにかしてくる。」
儀玄は騒ぐ猫を連れて、中庭に向かった。
「と、いうわけで!ご紹介しますねっ!こちらが、新しく雲嶽山に加わるアキラさんで……こっちは私たちの協力者のレイヴンさんですよ~!」
福福が元気よく紹介する。
『……元気があっていいですね。レイヴン。』
「それでもってお弟子さん方、こちらの二人は兄弟子の
「おやおや、師匠がおっしゃっていた新参の方ですね。」
「いいぞお、活きのいい新人だあ!」
眼鏡をかけた青年の
「さあさあ腹が減ってるだろ?何か食べるか?この兄弟子が腕を振るってやろう!何を隠そう、雲嶽山の台所を預かる潘引壺とは……おれのことだ!きっと、お弟子くんたちの胃袋をうならせてみせるからな!食べたいものがパッと浮かばないなら、チャーシューまんなんてどうだ?おれの作るやつは絶品だぞお!」
「やったあ!潘さん!あたしは角煮と、手羽先のから揚げと、それとえっと…」
「――はあ、姉弟子さん。藩は”お弟子さんたちに”作ってあげると言ったんですよ。」
それぞれがワーワー騒ぐ中、621は味覚障害が慢性的に発生しているが後日改めてありがたく頂こうと思った。
◇◇◇
「ところで師匠から聞いたのですが、襲撃されたそうですよね?」
葉釈淵が心配そうに質問してきた。
今回はシュナイダーの作った人命フル無視の”飛行機”に救われたが仮に撃墜されたなら大惨事だっただろう。
「ゆっ、許せません~!あたしたち雲嶽山を襲おうだなんて…誰の仕業かわかったら、福福がきつ~いお仕置きをしてあげますっ!」
「そうですね……雲嶽山の調査を、意図的に妨害しようとした可能性も否定できません。」
「……ええ。まさに凶穴と呼ぶべきか……」
「「「……!?」」」
今ここにいる雲嶽山の3名は驚愕した。なんせいつの間にかレッドガンのジャケットを着た人物が一人混じっているのだ。
「ああ、これはすみません。自己紹介がおろそかになっていました。私はベイラム直属AC部隊”レッドガン”のG3
いつも儀玄の肩に乗っている黒い小鳥が、五花海の額を徹底的につついていた。
「今度は何のようだ、五花海。少しばかり前のようにまたウチから金を根こそぎ奪い取ろうとするつもりか?」
騒ぎを聞きつけた儀玄がいつの間にか戻ってきていた。
『……レイヴン。彼について調べました。G3五花海は数年前、衛非地区に拠点を構えた詐欺師だったようです。それも悪質な。彼個人の犯行だったようで当時、G2ナイルに捕まるまで活動していたそうです。』
「――いやいや、とんでもない!今回は我々のG13――”独立傭兵レイヴン”を迎えに来ただけですよ。もちろんミシガン総長やナイル副長からも許可は受け取っていますよ。」
少々気味の悪いニヤニヤした胡散臭い笑顔で彼はそう話す。
「本当に約束の時間が来たのに、全然来ないのでこっちから伺いに来ただけですヨ。」
『……ミシガンからメッセージが入っている。五花海は何するかわからない。その目を限界までこじ開けて奴に監視を付けおけ、だそうだ。』
ウォルターのフォロー(?)もあってなんとか五花海はボコボコにされずに済んだ。
「さて、ミシガン総長たちも貴方を呼んでいますよ。臨時の調査拠点へ向かいましょう。」
◇◇◇
C4-621こと”独立傭兵レイヴン”はG3五花海の手引きの下、ベイラム直属レッドガン部隊臨時拠点へと着いた。
「ここがレッドガンの臨時拠点ですよ、”独立傭兵レイヴン”。……倉庫と個室は本当に3日で建てたので、コンテナを使ったものになっていますが……なかなか快適な方です。」
621はまず、恐らくここを取り仕切っているであろうG1ミシガンの所へと向かった。
「よく来た、G13!!!!!」
強化人間施術で強化された聴覚が異常値を示すほどの大きな声が響く。屋外なのにもかかわらず。
『ミシガン、621をレッドガンに預ける件だが、少しの間お前たちに世話になる。』
「その件だが言い忘れていたことがあった、ハンドラー・ウォルター。G13はうちの役立たずと同じ扱いで構わないのだな?まあ、貴様に関してはG13と通信越しに同行することになるがな。」
『ああ、問題ない。621にはいい刺激になるだろう。』
「ハンドラー・ウォルター、貴様の猟犬。レッドガンの流儀で迎えよう。」
「――話は聞いていたな?貴様には改めてウチのラッキーナンバーである、コールサイン”G13”を貸与する!」
「G13 復唱!」
「G13レイヴン。」
「復唱したか!では準備を始めろ。愉快な遠足の始まりだ!」
◇◇◇
621がこれから身を寄せる臨時拠点を探索していると……
「「あ。」」「……あ。」
「……テメェも来てんのかよ”野良犬”」
「よお、お前もやるか?」
先に臨時拠点に着いていたのだろうかG5イグアスとG4ヴォルタが隠れて賭け麻雀をやっていた。
その後見つかった2名はミシガンの鉄拳制裁により、数日間身長が伸びたとか。
G3五花海
所属:ベイラムグループ専属AC部隊「レッドガン」
性別:男
身長:177cm
使用武装:「LI-LONG」(またの名を「鯉龍」)
属性/タイプ:物理/撃破
備考
ベイラムグループ専属AC部隊レッドガンの3番目。
レッドガン会計担当及び戦闘員。
生まれながらの詐欺師であり、他人から搾取するための努力を惜しまなかった。
かつて、彼が開いた「風水薬房」 の悪質商法はやがて、衛非地区での市民生活を蝕む病理にまで発展し、見かねたレッドガン副長G2ナイルと、通りすがりの「雲嶽山」の第十三代宗主の儀玄に叩き潰された。
その後、自身の罪を償う形で不本意ながらレッドガン部隊に放り込まれる。
AC「鯉龍」は大豊とベイラム製のパーツで構成された重量四脚型AC。
四脚特有のホバリングを活かしてこちらの頭上を取りながら2種の分裂ミサイルとマシンガンによる引き撃ちでチマチマAPを削ってくる。
パルスシールドも搭載しており、模擬戦では強い、というよりも厄介極まりない。
アリーナランキングは22位のDランク。
エンブレムとDMアイコンは「滝を登り龍になる錦鯉」。いわゆる鯉の滝登りであり、機体名もそれに因んでいると思わしい。
意外と面倒見も良く、ヴォルタに”商売のイロハ”を教えていたようである。まあ合法か、非合法かはわからないが。