ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter 1:Where the clouds and mist come to rest ⑨

C4-621こと”独立傭兵レイヴン”と、G1ミシガンはエーテリアスと突如現れた不明機体を撃破し、アキラこと”パエトーン”一行を追う形でラマニアンホロウの深部に向かった。

 

一行が立ち止まっている姿を見つけ、接近する二人だったが、

 

「――どうしてこんなことに……パロさんはもう……」

福福が悲しそうに話している姿を見つけた。

 

621とミシガンは、自分たちの居ない間に何があったのか詳しく聞くことにした。

彼らが言うには「解悩水」を騙されて接種した労働者の代表のパロが、侵蝕で死んだらしい。

「福姐、彼にはさっき”エーテリアスのコア”が現れた。もう……手遅れだろう……!」

潘が悲痛な声で福福を諭す。

 

「……潘さん、他の人も――」

「貴様らァ!!この程度で折れてどうする!?しかもまだ迷子の奴らは残っているときた!貴様らは教訓を得る必要性があるようだな!!ホロウから戻ってから、日記をつけておけ!!!」

アキラがそう呼びかけたタイミングでミシガンが大声で割り込んできた。

 

「……うるさいが、ミシガンの奴の言った通りだ。まずはこのエーテリアスどもを片付け、残りの人々を見つけるぞ。パロの悲劇を繰り返させてはならない。」

儀玄がそう全員に告げ、進むことにした。パロの状況からすれば、一刻の猶予も残されていない。

 

◇◇◇

 

着いた先には、大勢の労働者らしき患者が多数いた。

しかもそのほとんどが錯乱状態。構成員のほとんどがドーザーで実質ドーザーの巣窟であるRaDやジャンカー・コヨーテスのドーザー共と同じ症状。

まあ、RaDの首領のカーラ曰く、彼らは勝手に衛非地区から新エリー都郊外まで、「ミアズマ」を輸入して自らぐびぐび飲んでいるらしい。酒やタバコと同じ要領で。

 

「ロア先生に何を飲まされたのかはわからないけど……体が急にこんなふうになるなんて……きっとあれのせいよ!もう解悩水なんて飲まないから、ちょっとだけでいいから、侵蝕緩和剤を分けて!お願いだから!」

侵蝕症状を起こした労働者がそう叫ぶ。ドーザーの連中のように頭がイカれた挙げ句、身体も危険な状態になっているらしい。

 

「ロアのやつが飲ませた薬は絶対におかしいぞ!持ちこたえろ!なんとかして助けてやるからな!」

潘がそう諭す。それにしてもこんなにも急激に侵蝕は起こりうるのだろうか。そう疑問を抱えた621よりも先にアキラがまだマトモな患者に話しかけた。

 

「……ホロウに入る前、ロア先生が私たちに特製の解悩水を飲ませて、そしたらみんながいきなり発症した……。」

恐らく”特製の解悩水”とは、より高純度なミアズマなのだろう。そうであれば辻褄が合う。

 

 

 

「みなさん、きっと騙されてますよっ!」

「いえ……ありえない、ありえない、ありえない……先生が言ってた治療の儀式は、ちゃんと効果があるはず!彼はきっとここに帰ってきて、私たち全員を助けてくれるに違いないわ!先生が言ってくれた……儀式に参加すれば救われるって……。――うぅ……痛いよ……私、どこにいるの……?悪夢でも見ているの……?お願いだから、誰か、目を覚まさせて……!」

福福がそう伝えようとするが、この患者もまた脳ミソがやられた。

 

「……”儀式”?」

アキラの問いは他の患者が答えた。

「……わかりません……彼はただ、全ては治療の儀式を円滑に進めるためだと言い残して、そのまま去っていきました。別の場所に連れて行かれた人もいるんですけど……今頃どうなっているのかは……。」

 

「まずい、侵蝕症状の出たやつが多すぎる。術法で時間を稼ぐことはできるが、早めに侵蝕緩和剤を見つけて治療しなければ。」

「……まずは、本物の侵蝕緩和剤を探そう。人命救助が優先だ。」

儀玄とアキラがそう言って、一度この場から離れようとしたが――

 

『レイヴン!!機体反応!先ほどの入り口からです!』

 

エアの警告と共に通常ブーストを吹かしながら接近する機体に621は最大限警戒することにした。

何せ、その機体は武器は異なるものの、先程戦闘した不明機体と「MINDALPHA」フレームを全て採用しているという共通点があった。

 

『侵蝕緩和剤についてなら私が持っています。はじめまして。伝説のプロキシ、”パエトーン”。私は”ケイト・マークソン。”しがない独立傭兵です。私もそこの”独立傭兵レイヴン”や”G1ミシガン”と同じ、強化人間。放置されおり先ほど私が拾った侵蝕緩和剤は全て無償でお譲りいたします。侵蝕緩和剤は強化人間には不要の代物ですので。』 

 

「……それは本当にありがたいけど、どうして僕たちと接触したのかい?」

 

『”伝説のプロキシ”と呼ばれる”パエトーン”と親睦を深めたい、という理由ではダメでしょうか?』

 

「……わかったよ。」

『……申し訳ないですが親睦を深める時間は、もうないようです。また会いましょう”パエトーン”、そして”独立傭兵レイヴン”。』 

そう言ってケイト・マークソンは飛び去ってしまった。

再び現れたアリーナランキングに載っていない存在。621は一度ウォルターに洗いざらい調べてもらおうと決めた。

 

「……消費期限を確認させてくれ。……?余裕で期限内みたいだ。けど製造日がおとといだ。でも彼女はさっき手に入ったと言っていたし、細工された痕跡もない。どういうことだ?」

「きっと善意で分けてくれたけど、恥ずかしくて嘘をついたんだと思いますよ!お弟子さん!さあ、皆さんを助けましょう!」

 

侵蝕緩和剤と術法で応急処置をした、およそ数十名の患者をひとまず安全な場所に置いて、

引き続きロアの行方を追いかけることにした。




『……識別名C4-621、レイヴン及び、識別名G1ミシガンの襲撃は失敗。ですが”パエトーン”との接触は問題なく成功しました。讃頌会という邪魔者を亡き者にしてから、リリース計画の一部、そして我々の一部に取り込むのです。』 
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