ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter 1:Where the clouds and mist come to rest ⑩

C4-621こと”独立傭兵レイヴン”は侵蝕緩和剤を投与して応急処置を施した患者を安全な所に置いてからラマニアンホロウのさらに奥へと向かっていった。

 

◇◇◇

 

621らがロアの元へたどり着いた時、ロアはいかにも怪しげな薬剤を注射しようとしていた。

「おっと…こんなに早くここまで辿り着くとは。」

こちらに気づいたロアは手を止め、強者たちを前にしながらも不敵な笑みを浮かべる。

 

――刹那。

ロアの傍に居た患者およそ10名が一斉にエーテリアスと化した。

 

「ロア先生……!あなたはよりにもよって、讃頌会の人間だったんですか……!?みんなを騙してたんですねっ!」

「騙した?ハハハ……彼らは選ばれたんだ、始まりの主に捧げられるべき「供物」として。ぜひ胸を張ってもらいたいものだよ。」

 

『……21、聞こえ……か!?聞こえるか!?621、機体反応!高速で接近している!!』

ロアが演説する中、突如ウォルターから通信が入った。

 

『――レイヴン!!レーダーに敵影!!来ます!』

 

「ちょうどいい、君たちも彼ら共々”治療”してあげ――え?」

ロアの真上に回転ノコギリのような破砕機の車輪が降ってきた。

 

機械が低く唸りを上げた。次の瞬間、耳をつんざくような悲鳴と、何かが砕ける音が響き渡る。誰も、何が起きたのかを語ろうとはしなかった。

「アアアアアアァァァァァアアアアァァァァアアアァァ!!!ドウシテ!私ヲ救ッテクレルッテ――!!」

車輪が動いた一瞬のうちに、地面にはもはやロアとは呼べない肉塊が広がっていた。

 

さらに足に履帯を備えており高速型のACに匹敵する速さで疾走する謎の2脚型MTのような機体がグレネードキャノンと20連ミサイルで元患者のエーテリアスを灰に変えてしまった。

 

「……なんだ!?何が起こってるんだ!?」

『アキラ、お前たちは621とミシガン以外の奴らを連れて退避しろ。……最悪の場合ここに居る全員が死ぬ。』

 

「……でも!」

『だが、このままでは患者もろとも死ぬぞ……!』

「”パエトーン”と言ったか。貴様はまだ甘いようだな……G13は貴様が思っている10倍は強い!役立たずは引っ込んでいろ!!」

ウォルターもミシガンもそれぞれ警告する。

 

「……わかった。撤退……しよう。患者たちの人命救助が最優先だ。」

アキラが去っていく姿を見届けながら戦闘態勢に入る。

 

「ここからはシンプルな殴り合いだ!!G13!自殺の準備はできているか!?」

「…………。」

621は全く何も言わなかった。

しかしその目の奥には確かに全てを焼くかのような火が宿っていた。

 

◇◇◇

 

『自律型の……破砕機!?レイヴン。危険です!!距離を!』

『……応戦しろ、621。話し合いが通じる相手じゃない。相手は”技研の遺産”だ。』

『……「HELIANTHUS」と「WEEVIL」どちらもヘーリオス研究所の開発した無人兵器。旧都陥落で制御する人間を失った遺物。やらなければお前がやられる。対処しろ621。』

 

『621、「HELIANTHUS」はミシガンに任せてお前は「WEEVIL」をやれ。』

 

「――成程、あの馬鹿げた車輪の破砕機は爆発にめっぽう弱いようだな。G13!走り回る2脚MTモドキに鉄槌を下してやれ!!」

 

「WEEVIL」の脚部の履帯は恐ろしいぐらい速い。エルカノの軽タンクぐらい速い。

しかし、ジェネレーターの特徴によるものなのか、ある程度走った後に動きが鈍る時間帯があり、攻撃の大きなチャンスとなる。

しかもロックオンを振り切らんばかりの高速で走り回るが、直線的な運動なのでミサイルがよく当たる。

621のACの右肩の双対ミサイル「BML-G2/P08DUO-03」で牽制し、ヘイトを取る。

さらに両手のショットガン「ZIMMERMAN」で一気に削り取り、パイルバンカー「ASHMEAD」で決める。

 

『対象の撃破を確認。残るは「HELIANTHUS」だけだ。』

ウォルター曰く、「WEEVIL」は一体しか居なかったようだ。

今度はミシガンの援護に回ろうとしたが……

 

 

この場に居た「HELIANTHUS」は3体まとめてミシガンの左腕の炸裂弾投射器「TAI-YANG-SHOU」によって消し飛んでしまった。

「悪いなG13、撃墜数はこちらが上だったようだな。これからも精進しておけ!!」

 

◇◇◇

 

場所は変わって、ホロウの外。

アーキバスコーポレーション直属、ヴェスパー部隊の第4隊長であるV.Ⅳラスティが久々の休日であり、衛非地区の町、澄輝坪にある超人気の飲茶店『飲茶仙(ヤムチャセン)』にて肉まんをほおばっていた頃、唐突に電話がかかった。

 

「……どうした?フラットウェル。まさか帥父の様態が!?」

『いや、至って元気だが……昨日から行方不明だ。新エリー都郊外で見つからないから新エリー都で出稼ぎに行ったお前は見ていないか聞きたくてな。』

 

「成程、了解した。ヴェスパーの仕事のついでに探すとしよう。……そうだった、ツィイーやダナムたちも元気か?」

『ああ、問題なく暮らしている。――すまない、お前にとって重大な事を忘れていた、エルカノからお前の”最新型”が届いた。今度郊外に来るといい。』

 

「分かった。……そうだ、今度私の戦友を連れてくる。歓迎の準備をしていてくれ。」




『……ロアの確実な死亡を確認。これで死んだのはブリンガー、ディナ、カミエル、ロアの4名。讃頌会の人間は大量に湧きますね。これからも各勢力の援助と干渉を…………』 
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