ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter 1:Where the clouds and mist come to rest ⑬

第三勢力の”独立傭兵スッラ”をC4-621こと”独立傭兵レイヴン”に任せ、誘拐された市民を救うべく、讃頌会の拠点へと急ぐ一行。

 

襲いかかってくるエーテリアスを返り討ちにしたり、障害物になっているミアズマを除去しながら先を進むと、讃頌会が残したであろういくつかの資料が見つかった。

 

資料はそれぞれ、恐らく解悩水であろう薬の実験記録。生きた動物をミアズマに転化させた事の報告書。そして最後に、何やら大量の名簿が記された分厚いメモ帳だった。

 

「もしかして、さっきの難民たちは…実験台なのか?この儀式の目的は、彼らを転化させることなんじゃ……」

「お弟子さん、とりあえず進みましょう!――あっ!あっちに何かありますよっ!?」

 

福福の目線の先には巨大なミアズマの塊。恐らく「儀式」に使うもののようだ。

 

『……やっぱ讃頌会は、集会の場所に大量のミアズマを隠してるみたい。すぐみんなにも見せてくるね、この集会の真相を、そろそろみんなに知ってもらわないと……』

『そしたらきっと、私たちとホロウから離脱してくれるはずだよね。』

ボンプのイアスと感覚共有しているリンが市民の避難誘導を始めた。

しかし、まだ「儀式」は準備中だったようだが、数人は”地下室”に連れてかれたままらしい。

 

「ああ、じゃあ避難誘導のことは任せた。僕たちは近くの状況を確認しつつ、みんなの安全を確保するよ。」

「はい、みんな無事にホロウから出られたら、あたしたちも遠慮なく、讃頌会の人たちを懲らしめてやれますから!」

 

◇◇◇

 

……そして、C4-621こと”独立傭兵レイヴン”はウォルターとエアのオペレートの下にせっせとアキラたちが向かっていった場所に向かっていたが……

ここはホロウ。エーテリアスが現れるのは必然的。冷静に対処していく。

 

『……ミアズマの濃度が高いな……。621,エーテリアスがミアズマの影響で強化されている。一体づつ的確に撃破しろ。』

 

幾度となく現れるエーテリアスに対して拡散バズーカやショットガンを叩き込む。

近接攻撃のパイルバンカーはリスクの方が大きすぎる。

……ラマニアンホロウの一部のエーテリアスはミアズマを纏うことで危険度が上昇する。

ミアズマを攻撃に転用したり、ACのコア拡張機能のパルスアーマーをパルスからそのままミアズマにしたような障壁、「ミアズマシールド」も面倒なものである。

 

621は距離を置きながら戦闘し、好機を狙っていたが……

突如としてアサルトアーマーのパルス爆発がエーテリアスを消し飛ばした。

 

煙幕から一体の青い軽量2脚ACが近づいて来た。

「……成程、ここら一帯のエーテリアスが軒並み消えていたのは君のおかげだったのか……戦友。」

 

その声の主は621の戦友であり、相棒でもあるアーキバスグループ強化人間部隊、ヴェスパーの第4隊長のV.Ⅳラスティだった。

 

◇◇◇

 

621はラスティに今回の一件を全て話した。

「――そんなことが……、当時も私は衛非地区に来ていたが、日々の疲れで夢の中だったよ。」

 

「おっと、私が何故ここに来たかの説明がまだだったな。」

ラスティが言うには、

新エリー都郊外に位置するラスティの故郷の長老のような存在である、サム・ドルマヤン という男が「新エリー都の脅威を消しに行く。追うな。」、と書き残してから彼のAC「ASTGHIK」と共に失踪したことが事の発端。

 

ラスティは故郷の長であるミドル・フラットウェルのお願いによって、溜まりに溜まったアーキバスの有給の消化も兼ねて、最後に目撃情報が有った衛非地区にて「帥父探し」に明け暮れていたという。

 

『……”新エリー都の脅威”、か。ラスティと言ったか。今回の俺たちの仕事と関係性があるだろう。』

「讃頌会のことか……帥父がこのようなことを知るきっかけこそ分からないが、その線が濃厚だろう。私も同行しよう。」

 

621はそのままラスティと共に行動することにした。

 

◇◇◇

 

報告書に添えてあった認証を使ってエレベーターで移動し、やっと地下室へと到着したアキラ一行。

「どうもこの辺りで音がするような……気のせいですかね?」

「讃頌会の地下室か……怪物でも出てきそうだなあ」

 

「藩さん!どうしてそんな縁起の悪いこと言うんですかっ!」

ギャーギャー言い合う福福と藩。

 

しかし――

 

バコォォォォンッ!!

ギャリギャリギャリ!!

 

先ほどアキラたちが乗ったエレベーターの真上から何やら杭で打ち抜くような音と、カッターのような何かで何度も切りつけるような不快な音が響き渡る。

 

「ほら!!藩さん!縁起の悪いこと言ったせいで”来ちゃった”じゃないですか!!」

福福が藩の背後に隠れながら叫ぶ。

 

「……ここがアキラが言っていた”地下室”で間違いないのか?戦友。」

「……多分ここ。アキラたちの反応があった。」

以前のブリンガーの一件で621が盛大に意識を失っていた時にラスティとアキラは既に互いに知り合っていたようだ。

 

「よし、十分エレベーターにダメージは入ったな。蹴り破るぞ!」

 

ドコォォォォンッ!!

 

「正直ヒヤッとしたよ、戦友。”認証がありません”と言われた時はどうしようか困ったが……あ、……すまない。そんな君たちがエレベーターのすぐ近くに居たとは思わなかった……」

ラスティと621の目の前には冷たい目線を送るアキラたちが居た。

 

「レイヴン……あとラスティさん……?連絡してくれたらいつでもエレベーターを起動し――」

 

「あ、電源が。」

先ほどの破壊のせいかこの地下施設の電源が完全停止してしまった。621が咄嗟に気づいたがもう遅い。

『問題ない、621。この施設のセキュリティが停止しただけだ。…………先へ進むぞ。』

 

◇◇◇

 

地下室を探索し始めた一行。何やら奥に広場を見つけた。……恐らくラボだろうか。

「地下室に…こんなものがあるとは……」

アキラが見据えるのは培養ポッドに入っている太ったカブトムシのような見た目をした休眠状態のエーテリアスだった。

 

「もしかして、讃頌会が実験で生み出した…?」

「レイヴンさんとヴェスパーの軍人さんが施設をシャットダウンしてなかったらどうなってたことやら……」

 

「……進もう。みんな、讃頌会の儀式を阻止しないと。」

 

◇◇◇

 

アキラたちがじっくりと周辺を調べながら先へ進むと──

「助けて…寒い…全身が寒い……」

「ぐっ…嫌だ…実験台になんて…なりたくない…」

 

狭い部屋にいたのは複数人の労働者達。しかも……

 

「見えます!見えました!ホロウの中に…見つめてくる影が!やっぱり嘘じゃなかったんですね!讃頌会の言っていたことは本当だったんですね!」

「聞こえました…あの司教、すぐ近くにいます!しかも僕をミアズマの容器に変えようと…!や…やめろ!」

こちらに気づいた途端に怯えだす者や、ドーザーよりも「頭がボンヤリしたブーになって、パチパチ弾けて脳みそ幸せだぜ」になっているような者もちらほら。

 

「ドーザーでもここまで摂取しないはず……彼らはエーテルやミアズマを使って何を……?」

エアもこの反応である。割とひどい状態だ。

 

◇◇◇

 

地下施設を進んだ先、アキラたちは地上に出てしまった。

どんどん強くなっていく辺りの異様な雰囲気。讃頌会の儀式の場所はすぐ近くにあるらしい。

 

「あたりのミアズマが濃くなってきたな…儀式の場所は近いぞ。情報が間違ってなければ、讃頌会の司教はここにいるだろう。お前さんにはホロウを出てもらったほうがいいと思ったが、万がいち讃頌会の手先にでも出くわしたら、ことだからな。とはいえ、この状況で福福や藩が護衛で抜けるのも痛い。戦いが始まったら、安全な場所に隠れてろ。巻き込まれないように気をつけるんだぞ。」

儀玄がそう告げる。やはり過酷な戦いになるのだろう。

「了解だ。安心してくれ、師匠、しっかり気を付けるさ。」

アキラは冷静にそう言った。

 

◇◇◇

 

ラマニアンホロウに位置している、古びた時計台がそびえ立つ廃れた時計塔広場。

そこの中央に”司祭”は居た。

 

「よいところに……儀式は始まったばかり……」

その声は、女性のものだった。白いローブを身につけ、金色の仮面で顔を隠している。

 

「主よ……ご照覧あれ!」

 

――途端に周囲のミアズマが”司祭”を覆い、ミアズマ特有の赤紫色で構成された禍々しい鎧と剣を生み出した。

 

「見届けよ!主の祝ふ――!!」

 

「――!?待ってください!機体反応!高速で接近しています!」

 

「”灰かぶりて、我らあり”」

「新エリー都の脅威よ、ここで朽ちるがいい……!!」

 

「――!?師父!?なぜここに!」

サム・ドルマヤンのAC「ASTGHIK」を中心としたアサルトアーマー。

通常のものとは異なる真紅のパルス爆発が、”司教”を巻き込んだ。




サム・ドルマヤン

所属:無し
性別:男性
身長:177cm
使用武装:「ASTGHIK」
属性/タイプ:エーテル/撃破
備考
ヴェスパー部隊第4隊長であるV.Ⅳラスティの故郷の、長老的な立場にあたる人物。
歴戦の男にしてエーテル神秘主義思想家。
しかし過去に何かあったのか厭世的な雰囲気を漂わせる。
ラスティやラスティと同じ出身の者は彼を「師父(しふ)」と呼ぶ。
(「師父」は造語であり、「師夫(しふ)」であれば「父のように敬い親しむ師」の意だが、「師(し)」の代わりに元帥や総帥などの「帥(すい)」が使われている。)

彼のACは新エリー都郊外の土着企業・BAWS謹製の旧型2脚フレーム「BASHO」統一機。
超近接型機体で接近戦闘で、迂闊に接近すれば、621の愛用武器でもあるタキガワのパルスブレード「HI-32: BU-TT/A」の餌食になり、切り刻まれる。

「帥父の抱えてきた重責、察して余りある。エーテルよ、新エリー都とともにあれ」

V.Ⅳラスティと同郷の男
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