ZZZ×ARMORED CORE 6   作:ジョシュア・オブライエン

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Chapter EX:ALBA②

「さぁ!!これまでのご友人も、これから成るご友人も共に踊りましょう!!!素敵だぁ……♡」

 

ドーザー集団「ジャンカー・コヨーテス」の急襲の末に、C4-621こと”独立傭兵レイヴン”に襲い掛かってきた彼らのリーダー、オーネスト・ブルートゥことAC「MILK TOOTH」。

 

「ご友人!あなたに再びサプライズを仕掛けにミルクトゥースと共に駆けつけました!!」 

ブースターを勢いよく吹かしながら、「スロー、スロー、クイック、クイック、スロー」と社交ダンスのステップを刻みながら接近していく掛け値なしのクズ。

 

「ひぇっ……あの右腕のRaDの火炎放射器で炙られたら流石に「アイアンタスク」も丸焦げどころじゃないぜぃ……」

「まあ、そうだよなパイパー。……燃料タンクに引火したら”ドカン!”だろ?――なあ依頼人サン!「ラスティだ!」結構スピード上げてそいつらを引き離す!アンタらは少しでもそいつを足止めしててくれ!」

パイパーとシーザーがこの場を脱出する算段を立てる。

……まあ、621とラスティが囮になるが……やり遂げるだろう。

 

「成程、殿は任せてくれ。戦友!援護する。君はミサイルを絶え間なくバラ撒いていてくれ」

ラスティの即興で建てた作戦は正しい。AC「MILK TOOTH」のブースターはRaDの汚点とも言ってもいい産廃ブースター「BC-0400 MULE」。

メリットは燃費だけ。それ以外の推力は悲しいほどに低い。

地上での作業を行う重機運用ACへの搭載を想定しているからこれが正しいのだろうか。

……それはともかく「距離を取る」という選択は正しい。

AC「MILK TOOTH」には距離を詰める前提のチェーンソー、火炎放射器、拡散バズーカが積まれ、完全に距離を取られた時は2連6分裂ミサイルしかない。

 

「――!?新しいご友人の皆さん!どこへ行かれるのですか?」

「あらかたお前のせい。」

ショックを受けたブルートゥの死角に621がブーストキックと炸裂弾投射器の爆撃を叩き込み、スタッガーと言えずとも硬直させ、本命である合計11発のミサイルと共にラスティがフルチャージのレーザースライサーを携えて切り込んでいく。

「ああ…御二方…とても…とても素敵なステップです…!ああ…!ああ…!!!」

 

しかしAC「MILK TOOTH」はまだ倒れない。

「MILK TOOTH」を構成するRaDの「WRECKER」フレームは内部性能を控えめにして防御性能を特化させたもの。コンセプトは土建ACらしい機体設計である。

反撃として「MILK TOOTH」はアサルトアーマーを起動。「MILK TOOTH」を中心としたパルス爆発が発生したが、ラスティは持ち前の速度とナハト足の跳躍性能で避け切る。

「硬いな……!ウチのシュナイダーのACならもうダメージ限界だぞ?戦友。」

 

「――ご友人の御二方!私も、「MILK TOOTH」も、まだ踊りつかれていません!さぁもっと楽しみましょう!」

『……様子のおかしい人です』

基本的に常識人(人かは怪しいが)なエアですら掛け値なしのクズに辛辣な言葉を呟く。

 

「……貴方には悪いが、私たちには”予定”があるのでな、そろそろダンスパーティーはお開きだ。」

今度はラスティが両腕のバーストライフル「MA-J-200 RANSETSU-RF」とバーストハンドガン「MA-E-211 SAMPU」を的確に命中させながら「MILK TOOTH」の懐に入り込みアサルトアーマー。

そのままノンチャージのレーザースライサーを叩き込み、621も裏ではラスティをサポートするようにファーロンの4連ハンドミサイルや中型3連双対ミサイルに、ALLMINDの軌道上に連鎖爆発を引き起こす特殊ミサイルをばら撒く。

「……「MILK TOOTH」……踊り疲れたのですね。花はどこだ……手向けなければ……。ですが、喜んでもらえたなら……素敵だ……♡」

再びAC「MILK TOOTH」は爆散した。

 

『レイヴン、ようやく静かになりましたね。……既に”カリュドーンの子”はラスティの故郷に辿り着いたそうです。私たちも向かいましょう。』

倒れたAC「MILK TOOTH」を横目に621とラスティは目的地に向かった。

 

◇◇◇

 

確かアイツはヴェスパー部隊第四隊長だろ?レイヴンと一緒なら問題な――噂をすれば!良かった~正直”しんかい”任せた時はひやひやしたぜ。まあ無事でよかった!」

「”しんかい”じゃなくて”殿”じゃないか?大将……」

ジャンカー・コヨーテスとエンカウントした地点から少し離れた所にて今回来ていた”カリュドーンの子”の3人は621とラスティの心配ができるぐらいは無事なようだ。

 

「よし、そろそろ向かおうか。私の故郷、”ルビコン”へ。」

 

◇◇◇

 

「ここ、同じ新エリー都郊外かよ!?ブレイズウッドよりもなんか、こう……雰囲気が違う!」

「まあ”BAWS”と”エルカノ”の発祥の地だからな。少しばかりハイテクな部分もある。」

目を輝かせて辺りを見渡すシーザーに対してラスティは律儀に答える。

ラスティの言う通り非武装のBAWSやエルカノ製造のAC、BAWS製MTが建築を行っていたりと日常的に使っていると思われる。

 

「それにしてもなーんか肌寒いなぁ……ちゃちゃっと”エルカノの新型”を運び込もうぜぃ」

パイパーのいう事もごもっとも。荒野は荒野なのだが、かなり気温が低い。

結構薄着なパイパーはそう言ってそそくさと一応暖房もある大型トレーラー「アイアンタスク」に乗り込んで行った。

「……そうなのか。まずはフラットウェルの下に向かおう。彼が”新型”の入ったコンテナを預かっているはずだ。」

 

◇◇◇

 

寒さで脱落したパイパーを除く621らはラスティの手引きにより現在建設作業中のエリアへと向かった。

「ああ、もう少し右に設置していてくれ。――そのコンテナは空いているスペースに……む?帰ってきたか。ご苦労だったなラスティ。」

「……気遣い感謝する、帥叔フラットウェル。」

「それで……そこの灰色のACが”独立傭兵レイヴン”か。ウチのラスティが世話になっている。ミドル・フラットウェルだ。」

「”独立傭兵レイヴン”。改めてよろしく。」

 

「――早速だが、ウチに届いてしまったエルカノの”最新型”が入っているコンテナはそこの倉庫にある。資材コンテナと比べてサイズが小さいから分かりやすいだろう。」

「……”コレ”のことか?帥叔フラットウェル。」

ラスティが指差したのは人間一人がすっぽりと入るサイズの縦長の直方体かつ、でかでかと「ELCANO FOUNDRY」がデカールされたコンテナを指差した。

「それだ。元々は新エリー都のアーキバスのヴェスパー部隊に発送されるはずだったが何故かわざわざ郊外のここまで来た、と。」

「まあ、得体の知れない何者かの手に渡るよりはマシだが……」

 

「最後にひとつ忠告だ。システムが起動していないACは単純な金属の塊。人力で運ぶなよ。」

「――!あっぶねえ!パイパーの「アイアンタスク」まで担いでいくところだった!」

「……今からなんかルーシーみたいなこと言うが……少しは考えてくれよ大将……」

フラットウェルの忠告に戦慄するシーザーとそんな彼女に少し呆れるライト。

 

「……仕方ない。ウチのBAWS製MTを積み上げに貸し出そう。」

 

◇◇◇

 

ラスティの故郷、”ルビコン”が現在運用中の作業ACやMTを借りて「エルカノの最新型」をパイパーの大型トレーラー「アイアンタスク」に積み込むことになった。

 

「少し左だ!…………よし!止まれ!そのまま前進してくれ!」

少し剝がれた赤や黄色のデカールの安価なBAWS製AC「BASHO」フレームをふんだんに使用したAC「BURN PICKAXE」の男、「インデックス・ダナム」やその他BAWS製MTらによって、”新型”は無事詰め込まれた。

 

「よし、これで詰め込めたな。”カリュドーンの子”のお前ら!コイツを頼んだぞ!!」

「おう!任せとけ!」

彼らはこの凍える大地を後にした。

 

◇◇◇

 

新エリー都、アーキバス・コーポレーション、ヴェスパー部隊本部。

「や、やっぱ郊外と新エリー都までの道のり遠すぎんだろ……」

ジャンカー・コヨーテスの急襲があったため、同じケースに警戒し運ぶ物資が狙われないか目を光らせながらの大移動はかなり堪えたのだろうか、シーザーがバイクのハンドル部分にもたれかかっている。

 

そして、「エルカノの新型」はアーキバス・コーポレーションがBAWS社から購入したBAWS製MTによってガレージまで運ばれていった。

「……配達、ご苦労だった。後日改めてアーキバス・コーポレーションから契約金を支払う。それと、ドーザー集団”ジャンカー・コヨーテス”の襲撃の埋め合わせは……」

「いいって、いいって!アンタとレイヴンがいなかったら、オレ様は灰になってたぜ!」

「……そうか、ありがとう。」

シーザーの寛大さにラスティは感謝した。

「そんじゃ、そろそろオレ様たちは郊外に戻るわ。またなんかあったらウチらに依頼してくれよ!」

「ああ、その時は頼む。」

621とラスティは去っていく”カリュドーンの子”を見送っていった。

 

「ラスティ、あとどれぐらいで完成するのか?」

「ああ、今回届いたのは「新型のフレーム」だけだから少し必要なパーツを買っておかないといけないからな……運用は少し先だ。お披露目まで待っていてくれよ、戦友。」

 

◇◇◇

 

後日、C4-621こと”独立傭兵レイヴン”に、何故かRaD所属のシステム担当のAI「チャティ・スティック」から連絡が入っていた。

 

”ビジター、RaDのチャティ・スティックだ。いい話と悪い話、一つずつある。”

 

”良い話の方は、お前とV.Ⅳがブルートゥを完膚なきまでに蹴散らした。そのおかげでボスは気分が少しだけ良くなった。”

”悪い話の方は、ブルートゥは生きている。AC「MILK TOOTH」が爆散した後、そそくさと俺が監視している行動記録が更新された。このせいでボスの上がった気分は少し下がった。”

 

”……そして、ボスはお前とつるんでいると楽しそうだ。要件はそれだけだ。じゃあな。”

 

そろそろブルートゥに殺意が湧いてきた621であった




ミドル・フラットウェル

所属:無し
性別:男性
身長:179cm
使用武装:「TSUBASA」
属性/タイプ:物理/強攻

V.Ⅳラスティの故郷の新エリー都郊外の地区、「ルビコン」の指導者。
長老的なポジションの帥父ドルマヤンの代わりにまとめ上げ、街を発展させた。
発祥の地がここのBAWS、エルカノとのパイプが太く、また彼は昔シュナイダー社にて勤務していた影響かシュナイダー社ともパイプがある。

彼は「勝勢」「力戦」「受けなし」といった将棋用語と思われる単語を好んで使う。将棋が好きなのだろうか。
一応アリーナにも登録しており、アリーナランキングは13位のCランク。

インデックス・ダナム
所属:無し
性別:男性
身長:182cm
使用武装:「BURN PICKAXE」
属性/タイプ:物理/撃破

V.Ⅳラスティの故郷の新エリー都郊外の地区、「ルビコン」の住民。
巨大な立体構造物「グリッド」の建造などに携わる職工で戦闘にも全く向いておらず、アリーナランキングは28位のFランク。

AC名は直訳して「燃えるつるはし」。エンブレムもその名の通りなデザイン。
一応武装はあるにはあるが、本来の業務には不要なので全部外している。
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