第二偵察班は軽装甲機動車に乗り
本社に帰るため砂漠を疾走していた。
「あとどれくらいかね?」
イチゴウが助手席のザコチュラに尋ねる。
「あと30km程かと。」
その問いにザコチュラがそう答える。
「一番近いルートを通っても30kmか……
遠いなぁ。」
イチゴウが運転しつつ嘆いていた。
すると
「あれなんだろ?」
後部座席に座っていたザコチュラがそう呟く。
「どうしたのさ?」
イチゴウが尋ねると
「!?金髪の女が高速で飛んできます!」
「おいおい…何ふざけ…」
その時!
「うお!?」
タイヤ周りで炸裂音がしたかと思うと
車のバランスが大きく乱れる!!
「後ろの金髪が何か撃ってきてます!!」
後部座席のザコチュラがそう叫ぶ!
車の周りでは衝撃波のような物が炸裂しており
車のバランスを取るだけでも必死だ。
「えぇい!50口径を使えぃ!後ろの奴を追い払え!」
イチゴウが半ば叫びながら
後部座席のザコチュラに命令する。
軽装甲機動車に取り付けられたブローニングM2が
起動し車両後部を飛行している金髪の女に向けて
射撃が開始される。
しかし
「え…?」
射手のザコチュラが絶望的な声をあげる。
「どう…!した…!のさ!?」
イチゴウが車のバランスを取るのに
必死になりながらも射手に尋ねる。
この状況でもバンダナと
もう一人のザコチュラは車内後部で寝ている。
「いえ…撃った弾が金髪の女の直前で止まって浮遊しています…」
「何アホな事言って…ってうわぁ!?」
イチゴウが反論しようとした時に
ついに車のバランスが崩れ車が横転する!!
横転した車は何回転も地面を転がっていく。
車の横転が一段落したと同時にイチゴウが
車から這い出てくる。
「いてて…」
イチゴウが車から這い出て立ち上がると
「こんにちは。私を馬鹿にしたアホ毛さん♪」
イチゴウが声のした方向へ顔を向けると
空中で浮遊しているさっきの女の子がいた。
「まさか君…能力者だったのか…!」
イチゴウが緊張したような面持ちで呟く。
「そんなに緊張しなくていいよ?
殺すつもりは元々無いから。」
女の子は柔らかさを混ぜた口調でイチゴウに言う。
「ちぃ!」
イチゴウは緊張していたからか
背中に背負っていたドラグノフ狙撃銃を
手に取り構える。
それと同時に
車からどんどん隊員達が這い出てきて
AK-47を構える。
「はぁ。」
女の子はため息をついた。
「オープンファイア!」
一人のザコチュラがそう叫ぶと
第二偵察班はその女の子に向かって
一斉に射撃を開始する。
するとすぐに女の子は浮遊したまま
高速でスライド移動し弾丸を避けていく。
そしてある程度距離を取ると
赤く塗装された衝撃波マシンガンを手に取る。
「あれが軽装甲機動車をぶっ飛ばしたやつか!
皆、避けろ!」
イチゴウが他の隊員達に命令すると
すると隊員達はバラバラに散開し走り回る。
「今かな。」
女の子がそう呟くと
逃げ回っている隊員達が
位置的に重なったタイミングで
衝撃波マシンガンを放つ!
3人程の隊員が地面に発生した衝撃と共に
吹っ飛ばされる。
残ったのはバンダナとイチゴウだ。
すると突然
「RPG!!」
バンダナがその女の子のド真ん前でRPG-7を構え
発射体勢に入る。
しかし
バンダナがRPGの引き金を引こうとした時に
あっさりと衝撃波マシンガンで吹き飛ばされる。
「正面からロケット砲は流石に無謀じゃない?」
女の子は呆れたように呟く。
「後は私を馬鹿にしたアホ毛さんだけみたいね。」
女の子は岩の影からドラグノフを構えている
イチゴウに視線を向けると
即座に衝撃波マシンガンを放つ。
「うわぁ!?」
イチゴウは衝撃波で吹っ飛ばされると同時に
地面へと叩きつけられる。
すると倒れているイチゴウに女の子が近づく
「わかった?私の実力。」
女の子は自信に満ち溢れた笑顔で言った。
そして少し間をあけて
「私の名前はシャーリー。あんたは?」
女の子は自己紹介を始める。
「……ボクの名前はイチゴウ。第二偵察班の班長をやってるよ。」
「イチゴウ…ね。また会ったらよろしくね♪」
そう言うとシャーリーは浮遊し
高速で飛び去っていく。
イチゴウは横転した軽装甲機動車と
吹っ飛ばされ気絶している隊員達を見ながら
大きな溜め息をついた。
To be continue…