目が覚めるとプレ先世界で、セリカに宿ってた元人間   作:歯茎king

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19話 今と未来

「あなた…まだ願ってるの?」

 

「……ハクは戻ってくるわ」

 

 

器が光を増している間もアトムは【CHIMERA】を呼び出して攻撃をし続けている

先生や先輩のおかげで私や器には特に問題はないけどこのままだと押し切られるかもしれない

 

 

「第一、戻ってきて何になるの。世界の崩壊は避けられなことよ!私は何度もそれを見てきた!」

 

「世界の崩壊とかどうでもいいの!ただ、今をちゃんと生きるだけよ!」

 

「何も……あなたは何もわかってない!【CHIMERA】、殺しなさい」

 

「セリカ!」

 

「セリカ逃げて!早く!!」

 

 

いつの間にか背後に近づいていた。誰も気づいていない【CHIMERA】だ

気づいてから、明確な殺意が近づいていることも知った

先輩も先生も何か言ってる…でも、大丈夫よ。私が死んじゃったら泣いちゃうじゃない

 

銃を持つ時間はない。時間が止まって見える…こんな感じになっちゃうんだ…

器を持つ手に力が入る……あんまり考えて無かったけど、ふと言葉が出てきた

 

 

 

「交代よ。ハク」

 

 

瞬間、私の目の前が真っ暗になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『相変わらず、交代のタイミング遅いんですけど…』

 

 

私の声。だけど、喋り方は違う…懐かしい気配…久しぶりに見た魂…

そっか、よかった……

 

 

「あとはお願いね。ハク」

 

『任せろ。黒見』

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

『よお、久しぶり』

 

「なっ……どうして、あなたが生きているの」

 

『どうしても何もないよ。ただ、繋がれただけだ』

 

 

久々に聞いた大人の声

体の感覚も、黒見の魂も…短い時間だったはずなのに、とても懐かしい

 

 

『お前のだいすきなハクくんの復活だぞ?喜べよ』

 

「消えていた方がありがたかったわ」

 

『そうか?…まぁ、良いんだけど。悪いけどお前を止める』

 

「やれるものならやってみなさい!」

 

 

脚に力を入れ、距離を詰める。目の前に出てきた【CHIMERA】は無視でいい

頼りになる人がいるから問題ない

 

 

「ん、させない。さっさと倒してねハク」

 

『了解です〜』

 

 

言い切る瞬間には俺の間合いだ

拳を固め、神秘を込めてアトムを殴る!

 

 

『おらっ!!』

 

「残念。早かったけど、当たってないわ」

 

 

俺の腕にツタのようなものが巻き付いていて届く前に止められていた

これには俺も黒見もびっくり。流石に【CHIMERA】と同じってわけじゃなさそうだ

 

 

「この空間は私が作ったものよ?空間にある物質くらい私が操れて作れる」

 

「かなり面倒じゃない!?」

 

『めんどくさっ!さっさと倒されやがれください!』

 

「簡単には負けないわ。それよりも器を渡しなさい!」

 

 

 

ここからの戦いは面倒だった。攻撃を仕掛けても壁を生み出したり、ツタで止められる

相手の攻撃は生み出したものでの打撃が多いから特に問題はない

 

 

「あなただけで私に勝てるとでも?」

 

『生徒の攻撃が効かないわけじゃないだろうが』

 

「でも、絶え間なく【CHIMERA】を出しているからこっちに来れないでしょう」

 

『てめぇが【CHIMERA】を全部操ってるわけじゃないだろ。すぐに終わると思うけど』

 

「かなり強い個体を集めてるの。それにあなたは遠距離攻撃ができないでしょ?私には届かないわ」

 

 

そう言ってアトムは壁から銃を生やして射撃してくる

 

 

『うわっ!?あぶねっ!!』

 

「ハク!後ろにもある!」

 

『クソッ!』

 

 

どこからでも攻撃をされ続ける。俺には遠距離攻撃はない……俺にはね?

あいつは俺だけが危険因子らしいけど、そんなことはない

 

 

『黒見さんや!撃ち落としちゃって〜!』

 

「了解!」

 

 

黒見と交代してデカシロコさんから銃を受け取り、周囲にある銃を撃ち落としてもらう

うちの黒見さんの手にかかれば周囲にある10本ほどの銃を破壊するのに軽く3マガジン使うんです

 

 

『黒見?』

 

「仕方がないでしょ!簡単に壊せる耐久度だっただけマシよ!」

 

『だな。って前!!』

 

「え…うわっ!」

 

 

言い合っているとアトムからの攻撃が飛んでくる

アトム自身遠距離、近距離、どちらも戦えるからここからは交代し続ける必要がある

 

 

『黒見…判断遅れるとやばいぞ』

 

「わかってる。ハクこそ油断しないでよ」

 

「作戦会議はいいの?あなた達の交代って、一瞬でも隙はあるわ。すぐに崩してあげる」

 

「やれるものならやってみなさい」

 

 

黒見の銃声を合図に攻撃が始まる

基本的には黒見は遠距離攻撃の対処をしてもらい、生み出してくる銃を破壊してくれてる

それと同時にアトムにも攻撃をしているが、あまり効いてる感じはしない

 

 

「っ…ハク!」

 

『ん!』

 

 

距離を縮めれたら俺の出番。神秘を込めた拳をアトムに放つ

 

 

「グッ!…確かに打撃は効くけど、ジリ貧でしょ!」

 

『ウッ!……いっってぇ……ガードしてるのに、内側に響いてる感じだ…』

 

「あなた達は私に勝てない!世界を作り変えるためだけに生きてきた私とはレベルが違うの!」

 

『黙れ!うっさいバーカ!!』

 

「語彙力……というか、ハクがギア上げなさいよ!」

 

『無理なんだよ!訳あって今の俺の力は前よりも強化されてる。これ以上上げると黒見の器が危ない!』

 

「じゃあどうしたらいいのよ!」

 

 

攻撃はそこまで速くないから避けれはする。けど、決定打になるものがない

黒見と交代し続けてるから少しずつ集中力も切れてきてる

黒見の器じゃこれ以上はギアを上げれない……自分の器なら……

 

 

『ん?自分の器……あっ!』

 

「思いついたのね、早く教えて!」

 

『黒見!近距離で10秒稼いでくれ!』

 

「無茶言うわね!」

 

『頼む』

 

「別に言わなくてもいいわ。任せなさい」

 

 

黒見と交代して、すぐに俺の器を感じ取る

やっぱり、器を縛ってたものがなくなってる

いや、ちゃんと覚えてる…()()()()との会話。俺の器も神秘も…ちゃんと使える

 

 

「ハク、いけるの?」

 

『いける!できればもう少し近づいてくれ!』

 

「了解!」

 

 

黒見がアトムに近づいてくれる。その間にも少し攻撃に当たっている…

でも、近づいてくれた。これは、俺の間合いだ

 

俺は、器といっしょに黒見の外に出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツイン・インパクト!!

 

 

 

「ウグッ!?………一体…何?」

 

『さっきよりも効いただろ。前よりも威力が上がってるしな』

 

 

黒見とは()()()()()()、自分の力がちゃんと流れてる感覚だ

自分の器に入るって気分いいな

 

 

「どういうこと…あなたどこから来たの!」

 

『寂しいな〜アトムさん?さっきまで戦ってたのにさ?』

 

「え、あんたハクなの!?でも肉体が…」

 

『ちゃんとした説明は後で、とりあえず俺の器の力を神秘で形になるようにした』

 

「神秘で肉体を作った?」

 

『まぁ、そんな感じ』

 

「そんなこと不可能よ!神秘は魂とリンクしている、肉体の代わりになんてならない!」

 

『現にできてるんだよ、と言っても器と神秘を肉体で繋いでるだけだ』

 

「だから異分子(イレギュラー)は嫌いなのよ!」

 

『文句言ってる暇があるなら目の前に注意しなっ!』

 

 

力を込める…その量も普段より多い、やっぱり馴染むな…

だけど、アトムの防御を突破できるには1人じゃダメだ

 

 

『黒見!』

 

「っ!撃ち落とす!」

 

「鬱陶しい!」

 

『先に俺だろ!』

 

「ウグッ!?」

 

「頭下げて!」

 

『はい!?あぶねっ!!』

 

「クッ!なんなのよ!」

 

 

俺と黒見の連携、2対1での戦闘はすぐに有利に進んだ

俺の近接に黒見の遠距離、アトムは周囲の物質を使っているがそれも破壊していく

 

 

「どうして邪魔をするの!さっさと器を渡しなさい!」

 

「あんたの目的を聞いて止めないわけないでしょ!」

 

「未来を守るためなのがわからないの!?崩壊を止める方法はないでしょ!」

 

『知らん!”未来”とかじゃなくて”今”を生きてるんだよ』

 

「─っ!!私の行いは間違いじゃない!」

 

「あんた何よ、いきなりそんなに怒って」

 

「うるさい!私は”未来”を守るためにやってるの!」

 

『わかったって!だけど、俺達の”今”を壊すならそれを止めるって言ってるじゃん!』

 

 

本当にいきなり、怒り出した。どうしてかその姿が大人じゃなく見えた

なんか、ムキになってると言うか…見放されたときみたいな…そんな感じ

っと、気を抜いたら攻撃が当たる…ただでさえ一撃が思いし、腕が痺れてるのに…これ以上は無茶できない

 

 

「いいから邪魔しないでよ!」

 

「ハク、あいつどうしたの…」

 

『わからん……性格が変わったのか?』

 

「ねぇ…なんか、さっきよりも()()()()()?」

 

『うん、銃とか…色々増えてるな』

 

「どうする?」

 

『もう一発当てる。黒見と合わせて…同時にな』

 

「なるほどね、あいつはハクとの戦闘も私の対処もし続けてる…」

 

『疲れてるだろうな。さっきよりもキレがない』

 

「じゃあハクが合わせてよ?私はハクの速度に追いつけないんだから」

 

『了解。ツタは俺が壊す』

 

 

黒見の閃光弾を合図に距離を詰める

ツタやハンマーなどの攻撃は俺が、銃は黒見が壊しながら進む

その間にもアトムの攻撃は続く、全部は止めることができないから多少は我慢する

 

 

「何が繋がりよ!そんなものがあっても未来を守れるわけじゃない!」

 

「だから!未来じゃなくて”今”を生きてるの!そんなこと後でいい」

 

「そんなことって……だから壊れるの!!」

 

『逆に聞くけど、どうしてそこまで”今”を見ないんだよ。お前は今を生きてるだろ、”未来”を守るために”今”はいらないのか?今がないと未来もクソもないだろ』

 

「───っ!!私は!!………私は…」

 

「ハク合わせて!!」

 

『任せろ!』

 

「──クソッ!」

 

 

黒見の神秘を込めた銃弾に合わせて間合いに入る

今までは【神秘】しか使ってなかった。でも、今なら【恐怖】も使える

拳に【恐怖】を込めて、両方の拳をアトムに向ける

 

 

「私の邪魔を!……………」

 

『【ツイン・インパクト】!!』

 

「ガハッ!?」

 

「これで、終わり!!」

 

「ウグッ!?」

 

 

アトムは特に防御をするわけでもなく、正面から俺と黒見の攻撃をくらった

【恐怖】を込めた攻撃は初めてだけどそれでも威力は神秘の時よりも格段に上がってる

黒見の銃弾だって、当たりすぎるとかなり効くだろう

 

 

『なんでいきなり…神秘が底を尽きたのか?……いや、でも銃弾が貫通したわけじゃないし』

 

「ハク!アトムは?」

 

『あっちに飛んだ。でも、寝転がったままだぞ』

 

「……見に行こう」

 

『わかった』

 

 

俺も黒見も警戒は解かないままアトムに近づく

でも近づいてもアトムが動く様子はなく、寝転がったまま顔を腕で隠していた

 

 

「私は……私は……」

 

「あんたは”未来”しか興味が無いの?」

 

「……違うよ。”未来”を知ったからこうしてるの」

 

『ん?なんか口調が…』

 

「”今”を生きることはしなかったの?」

 

「………う、」

 

「『う?』」

 

「……うわ〜〜ん!!なんで、なんで〜〜!!」

 

「『は!?』」

 

 

どうしてかアトムがいきなり泣き始めた。本当に、ブワッ って前触れもなく泣き始めた

それには俺も黒見も困惑した。え…こんな姿…マジで幼い気が…

てか、見た目が明らかに幼くなってる!え?これが本来の姿なの?

 

 

()()()()()()()()()()〜!!うわ〜〜ん!!」

 

「ちょ、ちょっと。泣かないでよ…ハクが強く殴りすぎた?」

 

『俺のせい!?泣き止んでくれ、じゃないと俺が怒られるから!!』

 

 

敵なのに、それを忘れて黒見と一緒になだめる

そばに座って黒見が頭を撫でて俺がケガの状態を見る。多少の切り傷はある…けど、他に目立ってるケガはない。もしかしたら内蔵とかになんかあるかもだけど…

って、黒見さん俺のせいにするのやめてね

 

 

「ねぇ、どうしてこんなことしたの?」

 

「グスッ…壊れてほしくなかったの」

 

『世界が壊れるって言ってたやつか』

 

「知ってたから止めたいと思ったの?」

 

「ううん、実際に見たの。だから嫌だった」

 

『実際に見た?』

 

「私……私……」

 

「あぁ、泣かないでよ。目を擦るのもダメ」

 

 

また泣き始めた…こういう時ってどうすれば……う〜ん…

 

 

『ゆっくりでいいから、聞かせてくれない?』

 

「……うん」

 

「ハクのその話し方違和感がすごい…」

 

『お黙り』

 

 

アトムをなだめていると少しずつ話し始めた

俺も黒見もこのときは敵とか関係無しに隣に座って聞いていた

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

私は…生まれた時からヘイローがなかった

それでも友達は一緒にいてくれた。トリニティに生まれてたら…とかは考えないようにしてる

 

それでも私は一緒にいてくれるみんなが好きで、それと同じくらい作ることも楽しかったし好きだった

 

でも、あの日から全部が変わったんだ

世界が壊れたあの日から…

 

 

 

あの日っていうのはエデン条約が結ばれる日

その日は私は外に出てなくて、友達はそれを見に行っていたの。私は3日後くらいに友達の誕生日だったからプレゼント作りたくて、家の地下に籠もってた

でも始まったの。全部が壊れて、たくさんの人が倒れてて…私の友達もヘイローが壊れてた

 

そこから私は壊れたの。みんなと一緒に死にたかった…私1人が生き残って、でも……怖かったの私には勇気が足りてなかった…覚悟もなかった…行動に移せないまま、ふと別の世界に行く方法を見つけた。

 

「もしかしたら、別の世界なら止めれるかも」

 

その時の私はそう考えていた………でも現実は違って、どの世界に行っても必ず崩壊していた

エデン条約の前にも後にでも、絶対に壊れてた。すでに壊れてる世界もあったの

 

 

 

いくつもの世界を見て、私は「そういう運命なんだ」って決めつけた

あの時間の概念が歪んでる空間に籠もって、解決策を考えた…考え続けて「世界を作り変えると運命は変わる」ってわかった

だから、私は目的のために動き続けた。世界が壊れないために…未来に生きる人を守るために…

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

「これでわかった?私がこの異変を起こした理由」

 

「うん…ずっと世界を渡ってたんだ」

 

『じゃあ、”未来”を見ていたのもそれが原因か?』

 

「いや…それは違うよ。私はただ……”今”を見るのが怖かったの。世界が壊れる瞬間も、人が消える瞬間も……見るのが怖くて、目を背けた。私にはちゃんと見つめる勇気が足りてなかったの」

 

『そっか…でも、それは怖い。誰でも見たくないだろ』

 

「ううん、見たくないって思っても…私は”今”を生きていたことを忘れてた。”過去”すらも無いものにした……大好きだったみんながいたのに…それも捨ててたの。私に2人みたいな心があればもっと良い方向に進んだのにね…」

 

「……ねぇ、あんた何歳よ」

 

「あの空間*1にいたから正確な年齢はわからない…けど、あの日は中学3年だったよ。でもいきなりどうして?」

 

『う〜ん、年下。てか、いきなり姿が変わったらびっくりするだろ』

 

「あぁ、これ…大人の姿を映し出して、気持ちを紛らわせてたの」

 

『なるほどな…頑張り過ぎだ』

 

「そうね……もう大丈夫よ。あなたは未来を恐れなくていいの。もう、ずっと今を忘れてたんでしょ?未来がどうなろうと…今をちゃんと生きてたらそれだけでお釣りがくるわ」

 

『その友達のことは忘れたか?』

 

「そんなことない!忘れないよ…大切な人達だもん。忘れるわけないじゃん」

 

『ならそいつらの想いは繋がってるよ。お前がその友達を忘れないならその分生き続けてるよ』

 

「……うぅ……なんで……みんなに会いたいよぉ…」

 

「ハク!泣かせないの!」

 

『今のは俺じゃない!!』

 

 

そこから先生や【CHIMERA】と戦っていた人たちが来て事情を話した

一番驚いていたのは、アトムが自分たちよりも幼いということ

 

結果、アトムはこれ以上抵抗はしないらしく大人しく捕まった

黒見とアトムは先生の指示で治療をしてもらった。*2

というか、気になったことがあるんだった

 

 

『お前さ名前、何なの?』

 

「え?」

 

「え?じゃないでしょ。また今度会いに行くんだから名前くらい教えなさいよ」

 

「私、矯正局行きだと思うけど…会えるの?」

 

『知らね〜でも会いに行くよ』

 

「そっか……ありがと」

 

「まぁあんたのことはほっとけないし?仕方なくよ」

 

「それでもいいよ……私の名前はね…[(よろず)ツクリ]だよ」

 

「そう、じゃあちゃんと反省しなさい。ツクリ」

 

『償うことは大事だからな』

 

「もちろん。今度こそ…”今”を忘れないよ」

 

 

その言葉を最後にアトム……ツクリは連れて行かれた

黒見も俺も最後にツクリの目をちゃんと見ていた

 

先生、ネルさん、デカシロコさんは俺の姿を見て驚いていた

でも今はこれからのことを考えるのが大変らしく、後日聞くことにしたらしい

 

今日は帰っていいらしく、俺と黒見は先に帰路についた

カンナさんもリンさんも「後日改めて感謝を」みたいな難しいこと言ってたな…起きれるか?

 

 

「ねぇハク」

 

『ん?何?』

 

「その状態って維持できるの?」

 

『う〜ん、まぁできはする』

 

「じゃあ、もう私の中には戻れない?」

 

『いや?戻れるぞ?』

 

「そう…なら、今すぐ戻って」

 

『あ、はい』

 

 

黒見に言われて黒見の中に入る。やっぱり、自分の体があるって良いな

黒見の中だと色々楽だし、体の維持もまだ慣れてないから疲れるし

 

 

「あのさ、私言いたいことがあるんだけど」

 

『何?』

 

「あんたが勝手に消えたことなんだけどさ」

 

『ちょ、ちょっとまて!それは仕方がなくないか?お前を助けるためだぞ!?』

 

「相談してよね」

 

『無茶言うなよ〜お前が気絶したんだろ〜』

 

「でも、話せたはずよ?」

 

『ウッ…でも、お前絶対に止めるじゃん』

 

「当たり前でしょ!?勝手にいなくなって…私がどんだけ不安だったかわかる?」

 

『すんません……でも、なんとなく戻ってこれるかな〜なんて』

 

「私のやり方で?」

 

『それは知らん。何となくだよ』

 

「あんたほんとに……はぁ」

 

『信じてたってことで、ね?相棒』

 

「それ言えば言い訳じゃないんだけどね…戻ってきてくれたから良いわ」

 

 

ふう、黒見の声色がかなり怖かったからな…なんとか耐えた〜

でも、信頼してたのは事実だし?特に問題ないですね

 

どうせ先生にも詰められるし……デカシロコさんは……流石に…大丈夫か?

 

 

「だけどハク!あんたには罰を与えます」

 

『裁判長!流石に酷です!』

 

「あんたに拒否権はない。自分のしたことの重さを考えなさい、戻ってこれなかったら…とか考えると本当に不安だったんだから…」

 

『はい……ごめんなさい』

 

「ということで、罰は…今日私と一緒に寝なさい」

 

『アビドスのみんなに殺されてほしいのか?流石に断る。俺は死にたくない』

 

「じゃあ、シロコ先輩に「ハクに襲われちゃった…あいつも男だったの忘れてたわ」って言ってあげる」

 

『黒見さんと一緒に寝れるなんて、オレハシアワセダナ〜』

 

「よろしい。最初からそう言いなさいよ」

 

『アホ言うな』

 

 

なんでもっと死んじゃう確率が高いものを出してくるのかな?

この裁判長私情入ってるじゃん…負け確かよ…

まぁ、黒見に心配かけたのも俺だし……ちゃんと受け入れますか…

 

 

「ねぇ…ハク」

 

『まだ罰があるの?』

 

「違うから。あのさ…」

 

『なんだよ…』

 

「おかえり」

 

 

おかえり?…おかえりか…いいなそれ

黒見もそんなこと言ってくれるのか…嬉しいねぇ。って俺も言わないとだよな

 

 

『あぁ、ただいま』

 

「もう…勝手にいなくならないでよ?」

 

『わかってる……気をつけるよ』

 

「それは約束してよね」

 

『それならお前も騙されるなよ?』

 

「努力します…」

 

『約束しろよ…』

 

 

そのまま家に帰り、その日はすぐに眠りについた

黒見といっしょには寝たけど…なんていうか…狭いのもあったけど近すぎて寝れる気配なかったわ

といっても、気配がなかっただけで爆睡できたけどね

 

 

 

 

 

 

 

 

あとは、あの人を迎えに行くだけだな

 

 

 

 

*1
時間の概念が歪んでる空間

*2
俺は治療とか言う概念が通じるのかわからんかったから保留




ということで、次で物語的には最終回の予定です!
一応後日談も書くつもりですが、いつになるのか…どれくらい書くのか決めていません…
それでも読んでもらえると嬉しいです!

最後まで読んでいただきありがとうございました!!
次回もお楽しみ〜〜!!
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