目が覚めるとプレ先世界で、セリカに宿ってた元人間   作:歯茎king

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黒見に信頼してもらったハクが現れる。
黒見の願いを叶えるために……なんとかしてください。

ふぁいと〜


4話 願い

ハクの声が聞こえた。そう思ったときには浮遊感を覚えていた

目の前のそこは黒一色の世界

そして、何かの器と……紫色の球体

 

 

「ここって………ハクの言ってた、魂の世界ってやつ?……でもなんで…」

 

 

疑問に思った。ハクは交代ができないって言ってたの…『黒見……交代だ。あとは任せろ』

いや、確かにそう聞こえた。

 

 

「そっか…ハクと交代できたんだ。だから器の外にいるのね。ってことは、交代できなかった理由わかったのね」

 

 

不思議な感覚…さっきまで痛かったのに今は全然痛くない。

それに周りが真っ暗なのに、不気味でもない…むしろ……

 

 

「あったかいな…」

 

 

この温もりは何なのか、私にはわからない。

ただ、心に空いた穴から目を背けるには十分なものだった

 

 

「今はもう……休みたいな…」

 

 

疲れた。本当に疲れた……そうだ、もうそう(・・)しよう…

 

 

「そのほうがお互いに都合がいいはず…」

 

 

そうつぶやきながら周りの音を聞かないように意識を落とす

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

体の痛みを感じる。

そうか、今の俺って黒見の体なんだ

 

目を開ける………地獄絵図

黒見の…今は俺のか、腕を押さえて四つん這いになっている男。

そしてその様子を撮っている男。どちらも息が荒い……キモいな

 

 

『おい……どけ。潰すぞ』

 

「あれれ?セリカちゃんどうしたの〜?」

 

「いきなり強気に出ても泣いたままだね。それもまた良いんだけど」

 

『うるせぇぞ。さっさとどけ、キモいわ』

 

 

それでも男はどかない。それもそうか…強めに言っても弱ってる女の子なんだし…

それより朗報、魂のときより神秘が扱いやすい

 

 

『キヴォトス人だからか?』

 

「どうしたの〜早くまた泣いてみてよ。そんで俺を楽しませてくれ!」

 

 

上に乗ってる男の服を掴む力が強くなる

あぁ、そっか。そういえば今の状況良くないのか…

 

 

『どかないなら、どいてもらうわ』

 

「はい?何言ってるのw」

 

 

笑ってる男は油断している。いや、しすぎてる

なら、男の弱点っていうの教えてやるよ。

俺は膝をその男の急所めがけて、蹴り上げる!

 

 

「ウッ!……グッ……ぅ……」

 

 

痛いやつだな…と思いながら腕を掴んでいた力が緩んだから拳を固めて…なんなら神秘も込めて、そいつの顎を殴る!

 

そしたらあら不思議、脳が揺れて簡単に倒れます

あとは簡単!鳩尾を全力で蹴れば〜〜

 

 

「ガッ…………」

 

『まずは1人だな。次は、お前だぞ』

 

 

1人は静かになってくれました。

もう1人は未だに現状を理解できてないみたいだ

 

何がおかしいんだよ。反撃しただけだろ!!

 

 

『おい』

 

「はい!すみません!……こいつだけにしてください!」

 

『はぁ?』

 

「お、俺は動画を撮っていただけで、こいつみたいに手を出したわけじゃないでしょ?だから、殴るのは違うかなぁって…」

 

 

こいつは俺のことを別の人間として見てるみたいだ。

でも、体にある痛みは残ってる。

 

黒見はずっとこの状態だったのかよ…なのにこいつは、関係ないですってことか?

なんだそれ。ふざけてるだろ…むしろふざけててほしいわ

 

 

『あいにく、お前にやられたことも知ってる。汚い大人だなw』

 

「ま、待って!…お願いだから来るな!化物!!」

 

『はあ?お前が始めたことだろ…それに俺は、こいつを助けるために化物の自覚して(・・・・・・・)来てるんだよ。まぁ第一化物なのか怪しいけど…』

 

「なんだよお前!さっきの女と違うのかよ!てか、ケガしてるのになんで動けるんだよ!」

 

『え〜知らないよ。とにかくお前は一発殴るわ。さっさと持ってるナイフ(・・・)も捨てときな〜何発か増えるぞ』

 

「っ!気づいてたのか」

 

『いや〜なんか今、感覚が敏感でねぇ……歯食いしばれよ…こいつを痛めつけた分…ちゃんと返してやるよ』

 

「や、やめてくれ!」

 

 

罪悪感はない。この男は汚すぎる…汚いものは無くても困らないしな

拳を固め、さっきよりも神秘を多く込めてみる。

うん。うまくいけてる。結構簡単じゃん……それともこれが俺の神秘の力なのかもな…

 

 

そしてそいつの顔を思いっきり殴ってやった

最高の気分だ!普通に殴るよりも威力は上がってそうだし、神秘を込めると威力はあがる

男は「キュウ…」とか言いながら気絶した

 

 

『…よし。まぁこんな感じだな』

 

 

俺は男どもの腕と足を縛って牢屋に入れた。

そして一応羽織れるものも用意した。

 

初めて人を殴った。ちゃんと拳は痛かったな…

殴ることなんてないだろうと思っていたのに

 

 

『人生何が起こるかわからないな〜っと、そんなことより、黒見〜聞こえるか〜』

 

 

返事は返ってこなかった。

おかしい。聞こえるはずだ。黒見と俺が話すときも普通に話していたはずだ。

でも、返事がないってことは…

 

 

『黒見が聞こうとしていないってことか……黒見!!』

 

 

叫んでやったけど…返事がない

とりあえず食事もしたいけど、黒見ともこれからのことを話したい

どうしようか悩んでいると…

 

 

「ハク…終わったの?」

 

『黒見。返事はちゃんとしてくれよ〜。ちゃんと終わったよ』

 

「あいつらは?」

 

『牢屋にぶち込んでやった』

 

「そっか………ありがと。助けてくれて……でも、なんで交代できたの?」

 

『あ〜それはな…」

 

 

黒見に説明した。

交代するために、黒見が俺のことをしっかり信頼している必要があったこと

「助けて」が信頼の鍵になっていたこと

 

 

「そっか。ハクはちゃんと助けてくれたのね」

 

『お前が助けてって言ったんだろ〜。で、これからのことだけどさ』

 

体なら、ハクにあげる

 

 

今、なんて言った?

 

 

「ハクに私の体あげる。私はもう消えたいの」

 

『………なんで?』

 

「私はみんながいたから生きていようって思ってたの。なのにもう誰もいないなら、生きてる意味はない」

 

『黒見は死にたいのか?』

 

「……みんなに会いたいの。そのために死ねって言われるなら…」

 

『そっか。………でも俺はこの体は貰わないよ』

 

「どうして。ハクは体を手に入れて、私はみんなに会える……お互いいい条件でしょ」

 

『これはお前の体だよ』

 

「でも!………私は一人ぼっちなの」

 

『俺がいるよ。一人にはさせない』

 

 

ここで死なせちゃ、なんで助けたんだよ。

助けてって言ったのも生きたいからじゃないのか。

俺は黒見の想い(・・・・・)先輩の想い(・・・・・)も繋げるつもりだ

 

 

『黒見が言ったんだぞ。これ以上思い出を汚さないで、って』

 

「………」

 

『この体は黒見の思い出が込められてるんだろ?簡単に手放していいものじゃない』

 

「………」

 

『お前が死んだら、誰が先輩たちを覚えとくんだよ』

 

「っ……そんなこと…言われても…」

 

『人は忘れられたときにも死ぬんだ』

 

 

どこかで聞いた言葉だ。よく言われる言葉。

確かにそのとおりだと思う。忘れられたら生きてる自覚がなくなるから…

 

 

「でも…私は生きたいって思わない。思えないの!」

 

『それでも生きなきゃダメなんだ。お前自身で思い出を汚すことをしちゃダメだ』

 

「私は……」

 

『悲しいのも、辛いのも、諦めるのも仕方がない。俺だってそう感じるだろうよ。でもさ、その人を覚えておくために何か形に残しておかないと、その人が存在したことを示せるように』

 

「私には難しいんだけど…」

 

『1人でするなよ〜俺もいるじゃんか〜。それにな黒見………死んじまうのはつまらないぞ。どうせなら土産話多くもって目一杯話そうぜ〜』

 

「………」

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

むかつく…ハクの言うことは正しい

むかつく…私だって思い出はきれいなままがいいのに…

むかつく…1人にしないって言うのが嬉しく思う

 

あぁ…本当にむかつく…

 

 

先輩たちは、アヤネちゃんは、先生は…許してくれるのかな…

私だけ生きても…恨んだりしないかな…

私だって早く楽になりたいし、みんなに会いたい

 

けど、みんながいたことを残せないのは嫌だ。

大好きなみんなが跡形もなく消えていくのは……嫌だ

 

心のどこかで生きていたいっていう気持ちもハクには見透かされてて、

生きたいとも死にたいとも思えて感情はグチャグチャ。

 

 

「あぁ…最悪よ」

 

 

口に出た言葉は本心。

だって、心の穴は埋まっていないのに、あったかいものが何かわかったもん

 

ハクはみんなといっしょにいたときと同じ感覚にさせてくる

だから、気持ち悪くなくて…望んでしまうんだ

 

 

「ハクは…信用してもいいの?」

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「ハクは…信用してもいいの?」

 

 

黒見は願うような声で聞いてくる

この信用は、全てに対して言ってるんだろう。

別に悩むものじゃない。答えは決まってるから

 

 

『当たり前だろ?俺はお前の願いを叶えるんだぞ?』

 

 

黒見の心の穴は俺じゃ埋めれない。

ただ、多少の温もりは与えれるし、話も聞ける…だから

 

 

『今は好きなだけ吐き出しときな。俺は聞き上手だぞ』

 

「私は………私は!みんなともっと話したかった!1人は寂しいのよ!!ずっと一緒だと思ったのに……いなくなるなんてずるいよ……それでも、私はみんなのことを忘れたくない(死なせたくない)。でももう頭の中いっぱいなの!!」

 

 

黒見が吐き出したものは今までの苦しみ、理不尽さ等…内容は色々あった

この世の中は理不尽だな。

こういう運命が決まってる。本当に理不尽だ

 

俺は黒見が生きたいなら、他のことを願うならそれを手伝う。

それが想いを繋げるってことになるんだろう

 

 

『ちゃんと言ったな』

 

「うん。私は生きてみる。みんなの分も生きる…今の私にそれができるのかも、合っているのかもわからないけど、ハクが手伝ってくれるんでしょ?」

 

『当然だ。黒見が望むならそれを手助けするよ。もちろん俺も背負うからな』

 

「そっか………1人にしないでよね。私を生かしたいならハクもしっかりしてよね」

 

『は〜い。ところで、黒見さん?交代しなくていいの?』

 

「今はしっかり休みたい。でも、あの男がいるのはちょっと嫌かも」

 

『それはそう。とりあえず休むか、食料も拝借して〜、それからどうする?』

 

「じゃあ、お願い聞いて」

 

『喜んで〜。一体何をしましょうか?』

 

「傷が治ったら、アビドス高校に行きたいの

 

 




やっと、牢屋の外に出れる…
前回長いせいで今回めっちゃ短く感じるな…

最後まで読んでいただきありがとうございます〜
次回もお楽しみに!
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