目が覚めるとプレ先世界で、セリカに宿ってた元人間   作:歯茎king

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前回ようやく外に出れるようになった。
ただ、これからどうするのかね〜?




5話 行き先

『アビドス高校に行きたいね〜いいよ』

 

「ありがと。なんでか聞かないの?」

 

『皆に別れの挨拶的なものだろ?それくらいわかるって』

 

「意外…わからないと思ってた。ハクって人の心が無さそうだし」

 

『失礼すぎない?』

 

 

失礼すぎるな。流石に元人間だぞ!?

最低限の倫理観とかは持ってるはずだ!……うん、持ってるはず…

 

俺は黒見と話しながらも食料とか、服とか、色々探しておいた

あの大人が結構保存してくれてたお陰で食料には困らない

 

 

『問題は…金だな』

 

「お金ね」

 

『こいつら金持ってなくね?』

 

「全然ない」

 

 

なんでや。おかしいだろ

食料とか持ってたら金持ってるはずだろ!盗むわけでも……あっ

 

 

『そっか、人がいないから盗んでもバレないのか』

 

「え、そういうこと?じゃあ私達お金どうするの?」

 

『………黒見ってさ、バイトとかしてなかったの?』

 

「え?それは、してたけど…だからってそんなお金持ってないけど…」

 

 

そうか、バイトしてたのか…なるほどなるほど…

なら問題は解決だな

 

 

『よし、銀行へ行く』

 

「待って」

 

『なんだよ』

 

「嫌な予感がする……銀行襲うつもり?」

 

『誰もいないのになんで襲うんだよ』

 

「じゃあ誰もいないのにどうしてお金が必要なのよ!」

 

 

ごもっともです。このまま生きていくんだったら金は必要ない。

けど、それじゃダメなんだ。

プレ先世界は崩壊に向かってるはず、だから最適解はここで生きることじゃない

 

 

『先に言っとくわ、俺達は別の世界に行くぞ』

 

「………はい?何言ってるの?」

 

『この世界は人が消えて、均衡が保たれなくなってる。だから、壊れ始める。っていうか、そろそろ消える』

 

「規模が大きすぎるんだけど…」

 

『世界の話だから仕方がない。とりあえず、人がいなくなった世界は壊れ始めるってこと』

 

 

この認識で合ってるのか知らないけど、プレ先世界なら壊れ始めてるってことは知ってる

別の世界…本編の世界に行けたら先生は生きてるだろうから、そこを目指す

 

 

『別の世界に行ったとき、一応のために金は持っておいて損はない』

 

「とりあえずわかったことにするけど…さっきも言ったけど、私そんなにお金稼いでなかったんだけど?」

 

『黒見。お前は銀行にどれだけ預けたのか知ってるのか?』

 

「……知らない」

 

『だろ?そんで、今、銀行員はいない。つまり、多少多く返してもらってもその情報がないから』

 

「問題ない!!」

 

『そういうこと!!』

 

「でもなんか、悪事に手を染めてるみたいで…」

 

『それはそう。お金は返してもらえればいいんだけど…どうせ通帳とかもないし、それ以外に方法が…』

 

「まぁあんまり気にしてないんだけどね〜」

 

 

……一瞬でも黒見の心配をした自分が悪かったのかもしれない

俺も悪いことだって自覚はあるけど…神様今回ばかりは許してほしいな

 

 

『よし。準備は終わった。カバンに食料と水、服も揃ったし…行くか』

 

「私の銃も持っていって」

 

『忘れてた。黒見の銃ってこのARだよな?』

 

「そう………って待って。あんた着替えたの!?」

 

『もちろん。あの格好は流石に寒いわ』

 

「違う!!裸見たの!?」

 

『見てないです』

 

「嘘つけ!見たでしょ!」

 

『………ミテナイデス』

 

「今言ったら許すけど」

 

『……チョットダケ……ハダ…ミエタ』

 

「見てるじゃない!!最低!バカ!アホ!」

 

『許してくれるんじゃ…』

 

「怒らないとは言ってない」

 

 

嵌められた…と思いながら外に出て銀行、アビドス高校へ向かった

黒見の怒りは全然収まらないし、謝り続けて機嫌を取ろうとしたけど…無理でした

 

 

 

 

 

 

「銀行着いたのはよかったけど、お金どう取るの?」

 

『壊せば良い』

 

 

外に出てすぐに銀行に着いた。

理由?建物自体は普通の会社?みたいなやつだったんだけど、大通りに出たらすぐあった

 

ちなみに黒見曰く、「地下に牢屋がある会社なんて珍しくないわ。だってゲヘナだもん」

とのこと

 

 

「あんたも考えがゲヘナじゃない」

 

『わからないけど、褒めてはないよな』

 

「もちろん。ゲヘナって言うのは野蛮で暴動とかかなり起きてるの。キヴォトスで一番治安が悪いって言っても過言じゃない」

 

『まじかよ。まぁあの大人がゲヘナのやつって言われても納得できる』

 

「でしょ?」

 

 

わすれてたけど、あの大人は縛ったまま牢屋に入れて放置してる。

正直慈悲とかないし、罪悪感もない。

 

 

『とりあえず、金庫を壊して金は返してもらう』

 

「あくまで盗むって言わないんだ…」

 

『盗んでるわけじゃないから。返してもらってるだけだから!』

 

「わかったって!」

 

 

と言っても金を多くもらっても持ち運びに困るからある程度ですけどね。

何円かは知らない。第一使えるのかも知らない

 

 

「で?どうやって金庫を壊すの?」

 

『そんなの、銃使って』

 

「無理でしょ」

 

『なんでだよ!』

 

「銃で壊れる金庫なんて用意してるわけないじゃない。誰にでも取られるけど?」

 

『それもそうか…』

 

 

目の前にある金庫を見ながら一つ思い出した

キヴォトスは銃を持ってるのが普通だった

ていうか、俺の世界でも銃で壊れる金庫なんてなかったわ

 

 

『……よし決めた』

 

「何が」

 

『壊す方法だよ』

 

 

そう言い拳に神秘を集めるように集中する

やっぱり簡単に扱えるな、拳があったかくなってる……気がする

 

 

『神秘を込めて〜〜』

 

「殴って壊すつもりなの!?」

 

『破壊!!』

 

 

振りかぶった拳を金庫にぶつける

ぶつかった音が響き、その音が消えると金庫の扉が歪んで開いていた

 

 

「嘘でしょ…」

 

『よし、開いた』

 

「こじ開けたの間違いでしょ…痛くないの?」

 

『全然痛くない。神秘って便利だな〜』

 

「その使い方するのハクくらいだからね。私達は…」

 

『銃弾に込めたり、身体能力を多少向上させたりだけ。…だろ?』

 

「わかってるならいいんだけど…ていうか、ハクは銃使わないの?」

 

『使わないって言うか、使えないっていうか…使ったことないっていうか…』

 

「嘘でしょ…どんな世界だったの…」

 

『また今度説明するよ。とりあえず、今はアビドス高校だろ?俺は場所知らないから代わるぞ』

 

「わかった」

 

 

 

 

 

 

交代してから、黒見はアビドス…じゃなくて服屋に行ってた

流石に今のままじゃ砂漠は寒いらしい。

ローブだっけ?それを取ってからアビドスに向かった

 

 

「着いた」

 

『遠かったな。しかも砂まみれ』

 

「それがアビドスなの。でも、思ったより飲み物減っちゃった」

 

 

かなりの時間歩いてようやくアビドス高校に着いた

そこは学校と言っても手入れがされていない廃校のようで、壁が崩れていたり地面が割れていた

 

これが学校なのか疑っていたが中に入ると学校でよく見る廊下、教室の扉など

それらがこの場所の意味を示していた

それと同時にこの場所には誰もいないことも意味していた

 

 

「もう…誰もいない…」

 

『黒見…』

 

「わかってたことだけど、やっぱり辛いな…今になってまた苦しくなる……」

 

 

黒見は泣くのを我慢してるようだった

声は震えてるし、わかりやすい。それでも

 

 

『黒見は強いな…』

 

 

やっぱり、そう言ってしまう

 

黒見は一通り教室を見て回った

思い出のある場所も教えてくれた。

 

 

「大切な思い出なの。皆のことが大好きだったから」

 

『黒見も大切にされてただろ。自分がその人達に思うのと同じくらい』

 

「そうかな……そうだったらいいなぁ…………ねぇ、別の世界に行く方法教えてよ」

 

『今?』

 

「うん。そのほうが私も覚悟できるから」

 

『了解。別の世界…まぁいわゆる並行世界ってやつだな、そこに行くには俺の神秘の力を使う』

 

「ハクの神秘?なんか特別な力があるの?」

 

『おそらくだけど、俺の神秘は【繋がり】が関係してる……はず。黒見と交代できたのも、第一こうやって会話できてるのも、黒見との繋がりがあるから。そんでもって、俺の使命は?』

 

「想いを…繋げる。だっけ?」

 

『その通り。さっき、移動してる間に【世界を繋げるゲート】を試してみたらできそうだったんだよね。てか、確定でできる』

 

「それって今すぐにでもできるの?」

 

『できる。でも行くのは明日にしよう』

 

「どうして?私は今すぐにでも良いんだけど」

 

『アホか。体を少しでも休めとけ。なんかあっても何もできないし、それに大切な人には伝えといた方が良い』

 

「……わかった」

 

 

俺は『聞かないでおく』とだけ言って音を消した

どうやら魂だけじゃなくても『聞けや!!』ぐらいの気持ちで伝えれば、たとえ遮断してても聞こえるみたいだった。ちなみに検証済み

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

ハクが黙った。きっともう聞こえていないんだろう

たまに気が利くからありがたい。特に今は

 

私は、この学校で一番好きな屋上に向かった

ここは気持ちがいい。ホシノ先輩はここでお昼寝をするときもあった

それを私とアヤネちゃんで呼びに行って…会議をする

 

 

「そんな生活は…もうできないよね…」

 

 

涙が流れているのがわかった。

今まで泣いていたのは、思い出が汚されそうだからだった。

だけどこの瞬間に初めて、先輩たちが…友人が…先生が、いなくなったことに対して泣いた

 

かけがえのない、私の大好きな人たち。

 

 

「失うのって…つらいなぁ……」

 

 

覚悟は決めてた。ハクが別の世界に行くって言ったときも驚きはしたけど、信じれた

ハクが言ったから、だから覚悟も決めた。

いざ去るとわかると「ここにいたい」と思ってしまう

 

 

だから伝えなきゃ

 

 

「あのね皆…私、ハクと一緒に行くね。みんなといたこのアビドスから出ていく……本当は寂しいけど、生きるって決めたの。みんなの分もちゃんと生きるって……綺麗事かもしれないけど、私は頑張るから!この選択が間違いじゃなかったって言えるように!………みんなと会ったときに……いっぱい話せるように……。だからこれは別れの言葉じゃなくて、覚悟を伝えに来たの。

でも、やっぱり寂しいからさ、ちょっとでもいいから見守っててほしいな」

 

 

最後にこれだけは伝えること……

 

 

「みんな…大好き。私はアビドス高校にいれて幸せだった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

次の日になった。

昨日は黒見がちゃんと伝えたようで、そのあと気絶したかと思うくらいの勢いで寝た

 

 

『安心してください。俺が黒見を守りますよ』

 

 

なんとなく口にした言葉は誰にも聞かれないまま消える

でも、黒見が決めたように、俺も覚悟は決めてる。

 

 

『気張っていくか』

 

 

 

 

「で?始めるのは屋上でいいのよね?」

 

『もちろん。広いほうがいいでしょ。ちなみに忘れ物は?』

 

「ない。食料とかもあるし、スマホもある。これは絶対に忘れない」

 

 

そう言いながら黒見は画面が割れているスマホを見つめる

 

 

『スマホはそのままでいいのか?』

 

「うん。これも私の思い出だから…それに、フィルターが割れてるだけで画面自体は大丈夫だし」

 

『良かったよな…スマホ無事で』

 

「本当によかったわ。あ、そうだ!良い忘れてたけど」

 

『何?忘れ物?』

 

「違うって。私、別の世界に行ったらシロコ先輩探す」

 

 

なるほどそうきたか。

本編では、プレ先世界のシロコ……通称クロコがいる。

だけど、俺は生きてる確信がないから伝えてなかった……でもねぇ、そんなに確信してるならねぇ

 

 

『わかった。手伝うよ黒見は確信してるんだろ?』

 

「当然よ。シロコ先輩は絶対に生きてる。だから、私が探しに行く」

 

『よし。じゃあゲート出すぞ』

 

 

そう言い神秘を集める。世界を繋げるゲート。

俺にはそれができるから、黒見の想いを繋げるよ

 

 

 

そうして目の前には黒い渦のようなものが現れた。

これで、別の世界につながる……本編の世界に繋がってるはずだけど…行ってみればわかることか

 

 

『黒見、覚悟はいいな』

 

「とっくにできてる!行くわよハク!」

 

『了解』

 

 

 

 

渦に入る…浮遊感を感じた。

意識が堕ち始めて………………堕ちる……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

私はいつものようにパトロールをする

今夜はいつもより冷えるし、砂嵐もある

 

 

「相変わらずだね〜………ん?誰かいる?」

 

 

砂嵐の中何かが見えた、それは人のようで………人のようで?

この砂漠に人がいる?

 

私は急いでその場所へと走る

砂嵐のせいで視界は最悪だけど、近づくにつれその影が人だとわかる

 

 

「おーい。大丈夫です………か?」

 

 

私は自分の目を疑った

そこにはいつも笑顔で、元気で、可愛い後輩の姿があった

 

だけど、その姿は昼に見たときと全く違う…傷だらけで…明らかに弱っている…

なんで…どうして……

 

 

 

 

 

 

 

「セリカ………ちゃん?」

 




投稿頻度終わってるのは許してください…頑張ります…

次回もお楽しみに〜
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