目が覚めるとプレ先世界で、セリカに宿ってた元人間   作:歯茎king

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前回、自分の世界に別れを告げ世界を渡った黒見とハク。
世界が変わっても問題はありまくる!

始まります


6話 ダメな方向

 

視界が暗くなってる

これが魂の世界だからなのか、それとも何も見える状態じゃないのか

 

体の浮遊感は消えない

きっとまだ堕ち続けてるんだろう…でも、真っ暗じゃない

何かが光ってる

 

 

「────」

 

 

誰だ……誰かが話してる

黒見…じゃないな。別の誰かだ……

 

 

「──────」

 

 

聞こえないんだよ…ごめん

何言ってるかわからない

 

 

「───ちゃ──がんば───」

 

 

少しは聞こえる。何を伝えたいんだ?

何を届けたいんだ……

 

 

「                   」

 

 

………わかったよ。

あんたがなんて言ったのか聞こえた。保証はできないけど…届けるよ

 

 

『その人が大切なら、ちゃんと見守ってて』

 

 

そう伝えると俺はその空間から弾かれた

次第に目の前が明るくなっていく

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

「ハク!聞こえてるなら返事して!」

 

『聞こえてまーす』

 

「やっと返事した。なに?寝てたの?」

 

『まぁね。睡眠って幸せだな』

 

 

目が覚めた俺の耳には叫んでた黒見の声が

視界には何かの建物の屋上なのか、空と柵と……砂

 

 

『砂〜?』

 

「そう!それを話したかったの!私達アビドス高校でゲートに入ったんだからアビドス高校に繋がらないの?」

 

『そんなことはないんですよ〜別の世界に繋がるだけで、座標とかわからないんですよね〜』

 

「欠陥品」

 

『ヒドイな!!…てか、ここ砂漠だよな?砂漠ならアビドスじゃないのか?』

 

「多分アビドスだけど、私はここ知らない」

 

『なんですと?』

 

「それはそうでしょ私だってアビドス自治区の全部を知ってるわけじゃない」

 

『広いからな〜でもアビドスとはわかるんだ』

 

「もちろん。別の世界だとしても、こんな砂漠があるのはアビドスくらい」

 

 

話しながらも屋上から降りていき予め行く方向を決めていたのでそっちへ歩き出す

 

食料などは持ってきたし、黒見もアビドス高校で見つけたって言ってたから問題はないはず

今の問題は持ってきた金が使えるのかどうか

 

 

「だから今行く方向はお店がある方向なのね」

 

『そういうこと。それに、いきなり砂漠の中に行くのも危ないだろ』

 

「それもそうね。この世界にも先生がいたらいいんだけど」

 

『多分いると思うけど…まずは自分のことでしょ』

 

「よし!じゃあとりあえずお店の方に行く!」

 

 

そう言いながら黒見は走った。いや、走らなくてもいいんだけどね…

 

ここが本編の世界なのかは先生に会えればわかる、俺の知ってる知識でも確かめる方法はある

プレ先世界でクロコさんが行方不明ってことは、本編の世界にもういるはず…

 

店って言っても飲食店くらいしかなかったし、腹も減ってたらしいから食事をとる

黒見がバイトをしてた柴関ラーメンってところはすごいうまいらしい……とかじゃなく

 

 

『飯テロやめろや』

 

「残念〜私がおいしーくいただきます」

 

『交代しろよ〜』

 

「嫌でーす。魂だけなら食べなくてもいいじゃない」

 

『それはそうだけど…違うじゃん』

 

 

少々の言い合いをしてから会計だったんだけど……金は問題なく使えました。

普通に安心したわ。これで使えなかったら何売ってただろう…

 

黒見も心臓の音がすごかった。とのことで

食事を取れたら黒見が「アビドス高校目指す!」と言い今は目指してるんだけど…

 

 

『いきなりすぎない?不審者だと思われるって』

 

「でも、今は向かったほうがいいでしょ。こっちの先生に会わせて!!って言えばいける」

 

『無理だろ!こっちの世界の黒見もいるだろうから変質者も追加だな!』

 

「じゃあどこ行けばいいのよ!」

 

『わからん!!』

 

「シロコ先輩を探すには最短距離がいいでしょ!」

 

『そうかもしれないけど…そうじゃないじゃん!』

 

 

いきなり会いに行ってもここが本編じゃなかったら目的は達成できないし

かと言って黒見に反論できることはないし…どうしよう…なんて考えていたら…

 

地面が揺れた

 

 

『はい!?地震!?』

 

「地震じゃない!…なんか地面が波打ってる……これやばい」

 

 

黒見は言い切る前に走り出した

地面が砂なのに速い……黒見は何に焦ってるんだ

 

突然後ろが爆発した

 

 

『はぁ!?いきなりなんだよ!』

 

「後ろにいるあいつ!私の世界にもいたの!たまに見るくらいで戦うことはほぼ無かったんだけど…ホシノ先輩でもキツイって言ってたやばい存在」

 

『いやいや、生き物みたいに言ってるけどめっちゃ爆弾とか飛ばしてきてるわ!!』

 

「それがビナー(・・・)なの!なんでアビドスにいるのかも知らないけど、こっちの世界にもこいつがいるとは思わなかった。やっぱり砂漠化が進んでるからかも」

 

『爆発とか当たったらやばいでしょ…逃げれるのか?』

 

「あいつも私達に気づいてる…私じゃ逃げれないけど、時間を稼げれば助かるかもしれない」

 

『黒見、交代だ。どっちに逃げるか指示くれよ!』

 

「!!……任せて!」

 

 

黒見との交代もスムーズになったな…と思っている間にもビナーは近づいてくる。

足に力を込めて地面を蹴る

 

 

「はっや!ハク速すぎない!?」

 

『神秘纏ってるからな。でも神秘を消費してるから全部なくなったらできることがなくなる』

 

「それって後から少しずつ回復してる?」

 

『当たり前だろ〜今は逃げるためだから足だけでいいけど、戦闘とかになったら考えないといけないな』

 

「わかった……ビナーとの距離は少しは離れてきてる…けど爆弾はずっと飛んできてるから気をつけて!」

 

『気をつけようがないけどね!』

 

 

今も後ろから爆発音が聞こえてきてビビりまくってるのに…それを避けるとかできないです!

それにかなり走ってるのに全然離せない…こいつ地面泳いでるのかってくらいではや……

 

 

『泳いでるじゃん!!』

 

「距離が離せない…ハク!あいつ一発殴って!」

 

『無理に決まってるだろ!近づけねぇよ!』

 

「行ける!なんとかなる!爆弾とか当たりすぎるのは良くないけど…ちょっとなら痛いだけだから!」

 

『……一発だけ全力で殴る。そしたら交代な…その方が逃げれるだろ』

 

「わかった!頼むわ!」

 

 

あーめっちゃ怖い…痛いだけってなんですか?

ヘイローがない人間だったんで怖いんですわ……集中…

一発殴るのが俺の役割……

 

 

急ブレーキして、方向転換。ビナーに向かって走る…走って…飛んできたものはギリギリ避ける

爆弾は避けても、銃弾とかも飛んでくる…それは避けれないから受けるけど

 

 

『銃弾はなんか痒いな…それよりっ!』

 

 

近づけた。拳に神秘は込めてる

ビナーの腹(?)に向かって拳を打ち込む!!

 

周囲の砂が舞い上がって目の前が見えづらくなってしまった

しかも、こいつめっちゃ硬い。拳がちょっと痛い…かもしれない

 

 

『役目は果たした。こうたーい』

 

「了解!!」

 

 

黒見と交代したあと、黒見はどこから出したのか閃光弾とか発煙弾とかを投げ、その場から離れる

 

 

『すげぇ……』

 

 

一連の動作が綺麗すぎた。素人目でも早業だってわかる

それに比べて俺は、神秘が扱えても燃費がわるい。さっきの一撃ですっごい疲れた

 

全力での放出しかできないのが弱点だ

状況の判断も全然できてない…そりゃ最近まで一般人だった、それでも

 

 

『強くならないと』

 

 

一つ目標が増えた

黒見をちゃんと守れるようにならないと。黒見の友人たちに心配かけないためにも頑張ろう

 

走ってしばらくするとビナーの姿はなくなっていた

撒いたのか、さすがっすね

けど、黒見はなんだか震えていた

 

 

『黒見?どうした?ケガしたとか…』

 

「ハク……」

 

『何だよ……』

 

「カバンの中身……ダメになった…」

 

『はい?』

 

「私がビナーの前で閃光弾とか投げたじゃん?」

 

『うん』

 

「その時にカバンの中から出したんだけどさ…ビナーの爆発とかで7割ダメになった」

 

『………これってやばいやつだね』

 

「めっちゃやばい…残ってる食料は…菓子パン、カップ麺……あとは…」

 

『ちょ、ちょっと待て。菓子パン、カップ麺?』

 

 

こいつは何言ってるんだ?なんでそんなものが入ってるんだよ

俺は缶詰とか、日持ちの良いものをカバンに入れてたはず…それがダメになったとしても

黒見が入れてた……

 

 

『黒見。お前、それってアビドス高校にあったやつか?』

 

「そうだけど?」

 

『アホ!!そんなもの食えるか!菓子パンとか頭悪いのか?なんで日持ちの悪いものを入れてるんだよ!』

 

「だ、だって!それくらいしかないし…ていうか!食べれるでしょ!賞味期限だって…」

 

『菓子パンは消費期限だろ!しかもどっちにしろ3ヶ月くらい前じゃねぇか!カビ食うわけねえだろ!』

 

「食べれるかもしれないじゃない!それにカップ麺とかだって!」

 

『どうやってお湯用意するんだよ!』

 

「……あ」

 

 

ダメだ…黒見を1人にできねぇ…俺がちゃんと見るんだった…

まだ水はあるはず……ある……はず

 

 

『黒見……水は?』

 

「……落とした」

 

『……聞こえなかったんだけど』

 

「ビナーから逃げてる間に落とした」

 

『……まずいですねぇ!』

 

「やっぱりそう思う?やばいよね?」

 

『まずいに決まってるじゃん!…金は持ってる?』

 

「それは落とすわけない」

 

『頼もしすぎだろ』

 

 

できればその頼もしさを食料にも当ててほしかった…

でも金があるならまだ舞える!

 

 

『黒見…』

 

「言うことはわかってる。買いに行くでしょ?」

 

『そのとおり!行くぞ〜』

 

「もちろん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでだ…俺達は食料を買いに行ったはずなのに…なんで夜まで砂しか見てないんだ…

夜の砂漠ってやばいくらい冷えるらしいし、砂嵐がひどい

黒見も傷が完全に癒えてるわけじゃないのに…

 

 

『黒見。代わるか?』

 

「今変わっても、もっと迷うだけ」

 

『と言ってる本人が迷った』

 

「ハクも一緒になって迷ったじゃない!」

 

『言い返す言葉が見つかりません』

 

「でも…本格的に……やばい……水がないのって…辛い」

 

『まじでやばいなら交代しろよ?お前が寝てる間とか。気絶とかしてたら代われないからな』

 

「………」

 

『黒見?』

 

 

返事が遅いのはわかってる。代わろうとしても黒見が拒否するから代われない

そうこうしてるうちに黒見は倒れた

 

 

『黒見!』

 

「……ハク。起きたらまた動き出すから…それまで休ませて」

 

『はい!?まじで寝るな!起きろや寝たら逝くぞ!』

 

 

叫んでも無駄みたいだった。黒見の体力は限界のようで視界が閉じていくのがわかる

黒見が寝たらできることがなくなる…最悪だ。どうしようもない

 

 

「───────────」

 

 

今、声が聞こえた…誰でも良いから黒見を助けてくれ。

そう声に出しても届くわけもなく、黒見の視界が閉じた

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

今夜もパトロールをしていた。

昼にはビナーが暴れてたって聞いたから焦ったけど、私がパトロールしている間は何事もなかった

 

 

「後輩ちゃんたちにも、先生にも何かあったら困るからね〜」

 

 

私はこんなに呑気に考えていたのに…どうして…

 

 

目の前にはセリカちゃんがいた

それも傷だらけで、弱っている状態で

昼頃まで一緒にお話してたのに、バイトの帰りとかで何かに巻き込まれた?

でもこんなに傷がつくはず…

 

頭の中がいっぱいになる。それでも、セリカちゃんは生きてる

 

 

「助けなきゃ。絶対に失わないために」

 

 

二度と過ちを繰り返さないために動く

病院まで担ぎ、治療してもらう。なんとか間に合ったと聞いて、一気に安堵する

脱水状態だったことや体中の傷、ヒビ割れたスマホにカバンの中のお金について聞かれたけど答えれなかった

本当に何もわからなかったから

 

 

「セリカちゃんが無事で良かったよ。でも早く起きてね…おじさんだって怖いから」

 

 

そう言い病室を後にする

夜が遅いから。と言われて帰路につく

その間に先生と後輩の皆に今あったことを伝える。全員驚いているようだったけど、なんとか飲み込んでくれた

 

全員が明日の朝に病室に来ると言って、会話は終わった

まだ、セリカちゃんに何も聞けてないけど、今は彼女が生きてることにホッとした

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

意識が覚醒する

目には知らない天井が写った。知らない建物だった

 

 

「ハク」

 

声をかけてちょっとしてから返事が聞こえた

 

 

『起きたのかよ黒見!お前さ〜』

 

「あとでちゃんと聞くから!それより…ここどこ?」

 

『……わからん。でもとりあえず黒見が生きてるしやばいところじゃなさ…』

 

「もしかして誘拐?」

 

『……はい?』

 

「昨日の記憶はお店に行って食料の調達をしに行ったまで覚えてる」

 

『覚えてるな…よし、黒見一回落ち着こうか』

 

「もしこれが誘拐ならまたあのときに逆戻り…」

 

『黒見さん?もしもーし』

 

「逃げなきゃ」

 

『逃げんな!!』

 

 

ハクはどうしてか私の判断に反対してる

誘拐だった場合こっちが困りまくるのに、どうして…っていうか腕に繋がってる点滴?

いや、確かに点滴だろうけど…もし生かすためだったら?

 

そう考えては点滴を取り、服を着てカバンと私のARを持つ

 

 

『黒見!止まれ〜頼む!ここ病院だから!絶対に病院だから〜』

 

「ハク、もし病院だったとしても今は不審者に思われるかもしれないんでしょ?だったら離れるわ」

 

『なんでそれを今掘り返すんだよ!助けてもらってるんだからここにいろよ!まだ明け方だからもう少し明るくなるまでは……ていうか病院の先生と話してからでも…』

 

「そんな暇ないわ!さっさと離れて、なにかあったら戻って来る!」

 

『やめろ!まじでやめろ!』

 

 

ハクが言ってたとおり、不審者に近しい今の私は身分証明書とかそういうのがない。

つまり、最悪悪人にも思われる可能性がある

 

だから離れようとしてるのにどうして止めるのよ…

ハクと話してる間に足音が聞こえてきた……扉が開く…

 

 

「黒見さん?大丈夫ですか………って起きてる!?」

 

「あ、はい。起きました……えーっとまた戻ってくるので今はここを離れますね」

 

「なんで!?」

 

『ほら看護師さんも言ってるじゃん!』

 

 

確かに病院かもね……でも、今は外に行きたいの

通報とかされたくないし…ていうかあの人私の名前知ってた!?

 

 

「一旦ですから!また戻りますから!」

 

 

そう言いながら窓を開けて、一応ベッドの上にお金も置いといて

 

 

「じゃあ行ってきます〜」

 

「行かないでください!?」

 

『止まれ〜黒見〜!!』

 

 

地面に着地した私はそのまま走り出す

明け方だからかちょっと涼しすぎるけど、すぐにあったかくなるし問題なし!

 

 

『なんで…なんで……黒見、お前…ダメな方向に進むなよ…』

 

「道間違えた?」

 

『………はぁ……もういいよ…』

 

 

ハクは呆れたのか黙ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

病院からの連絡は想像してたものを遥かに超えた

 

 

「セリカちゃんが起きたけど、どこかに行ってしまった?」

 

「す、すみません。話しても聞いてくれなくて…どこに行ったのかもわからないですし…」

 

「……わかりました。こっちでも探します。セリカちゃんを連れて行ったら診断とかお願いしますね」

 

「もちろんです!…こちらの不手際で申し訳ありません」

 

 

電話が切れて、すぐに用意をする。

みんなにも伝えた。探さなきゃ…セリカちゃんはどうしていなくなったんだろう…わからない…なんで……

 

 

「今はセリカちゃんを探すことだけに集中しなきゃ」

 

 

そうつぶやき家を飛び出す

 

 




まだ会えません。
ちょっと前振りが長いかも……

次回に期待してください
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