アタシ達の母校であるリディアン音楽院にてパラサウロロフスが現れたデス。
そのパラサウロロフスが先輩達に襲い掛かろうとしたけど、歌が好きな習性を利用して一緒に歌った事で難を逃れたデス!
これでめでたしめでたし……にはならず、事務員に変装していた
でもアタシのパートナー恐竜になったパラサウロロフスもといパラパラの活躍でピンチを切り抜けた上に、ガブとムサシの活躍でオーディンの恐竜を倒したデス!
エイジの横槍で逃げられましたが、響さんと翼さんはオーディンを元の奏さんに戻す為に戦う事を誓ったデス!
前編
ここはS.O.N.G本部の潜水艦内部の居住区。
その居住区の一室にマリアとエースがいた。
今彼女は恐竜図鑑を読み、エース…つまりカルノタウルスについて少しでも知ろうとしていた。
…が、当のエースはというと部屋の中で暴れ放題な有様で、折角整頓した物まで散らかし始める。
「こら、エース!やめなさい!」
マリアが軽く注意すると、エースは図鑑の上に跨り、なんとフンをしてしまった。
「ああっ⁉︎え、エース!なんて事するのよ⁉︎」
思わず怒ったマリアにビックリしたのか、エースはフンを咥え上げ食べてしまった。
「こらーっ!待ちなさーい!」
『ギュアッ⁉︎』
一方その頃、別の一室では翼とクリスがそれぞれのパートナー恐竜と戯れていた。
ムサシは翼の膝の上でくつろいでおり、ネロはクリスに対する噛みつきを彼女にあしらわれ、お腹をくすぐられている。
「…そういえばそろそろ着いた頃か?まだ緒川さんから連絡は無いが。」
「石板って言っても写真の端っこに写ってただけだし、見間違いかもな…」
リディアン音楽院での戦いから1週間が経ち、S.O.N.G側は石板やカードの手掛かりを探していた。
するとイギリスの大英博物館にて石板らしきものが見つかったという情報が入った。
最もその石板は写真の端っこに写っていただけなので、信憑性は低いものの念の為S.O.N.Gが派遣された。
今博物館には緒川を筆頭に響と未来、切歌と調の計5人が赴いている。
「……ま、あのバカを筆頭にあいつらは博物館に行きたいだけだろうな。」
「…確かに。」
そんなやり取りをしていると、エースを追いかけてマリアが部屋に入ってくる。
「こら、エース!」
「どうしたのだ、マリア?」
「どうしたもこうしたも!エースが図鑑の上にフンしたのよ!」
「ええっ⁉︎それマジかよ…?」
クリスと翼の視線が翼の後ろに隠れたエースに注がれる。
「しかし、小さき恐竜相手にそこまで怒ることは無いのでは?」
「この子、フンしただけでなくそれを食べちゃったのよ!」
「フンしただけでなく、食べただぁ⁉︎」
「…確か犬やウサギが自身の糞を食べるのは知ってるが、恐竜がフンを食べるなんて聞いたことがないな……」
「だからしっかり躾けないと!」
マリアがエースを見て怒り、翼の後ろに隠れたエースもますます首をくすめてしょんぼりとしてしまった。
一方、イギリスの首都ロンドンにある大英博物館に緒川を筆頭としたS.O.N.G一行が到着した。
無論チビ恐竜達も一緒である。
「ここが大英博物館…!」
「すごーい!とっても大っきいね!」
「一度でいいから来てみたかったデス!」
「…みんな目的忘れてない?」
「そうですよ皆さん。今回私達が来たのは、博物館内にあるとされる石板を見つけ出す事です。…まぁ無事見つけ出せたら後は好きなだけ散策してもいいですよ。」
「ありがとうございます、緒川さん!よーし、そうと決まれば石板を見つけて大英博物館を散策だーーっ!」
「「おーーっ‼︎」」
「…やれやれ。」
こうしてS.O.N.G一行は博物館内の調査を開始しようとしていた。
だが既に館内を捜索している一団がいた。
そう、
しかもゼウスやオーディンだけでなく、主神三柱のリーダーである【妖光のヌアザ】も来ていた。
現在3人は手分けして博物館内を捜索していた。
ゼウスは警備員の姿に変装し、懐中電灯片手に
そんな中彼はオーディンから通信が入る。
『…見つかったか?』
「いや、まだ見つからん。そっちは?」
『こっちもだ。…ったく、本当にここにあるのか?』
手分けしての捜索にも関わらず、成果は芳しくない。
その現状にヌアザがため息と愚痴をこぼす。
『…というかドクターのあんないい加減な占いなんか信じちゃって……全くアンタには呆れるわ!』
そう、彼らは大英博物館にて恐竜カードを捜索している。
Dr.ソーノイダ直伝の恐竜骨占いにてカードの場所が大英博物館にあると判明したからであり、その調査に主神三柱全員が駆り出された。
「…気持ちは分かるが事実赤レンガ倉庫の件といい、リディアン音楽院といい当たっているのだ。無碍にする事は出来まい。とにかく捜索を続ける。」
『分かった。』
『全く、こっちも探すわよ…』
そのやり取りの後、通信が切れる。
ゼウスはそのまま捜索を続けるが、彼の目の前に恐竜の復元骨格が展示されていた。
しかもギガンティスの種族であるギガノトサウルスであった。
「おお、ギガノトサウルスの全身骨格……本物もいいが、化石もかつての生きた証を現代に残しているようで感慨深い………ん?」
ゼウスがギガノトサウルスの化石に見惚れていると、その化石の足元から何かを見つける。
彼が近づくと、そこにあったのは卵型カプセルだった。
そう、Dr.ソーノイダの占い通りここにあったのだ。
ゼウスは驚き、急ぎ2人に報告する。
「あった……!あったぞ!オーディン!ヌアザ!卵型カプセルがここにあった!」
『嘘でしょ…⁉︎」
『マジかよ…!あのじーさんの占い、非科学的だけど当たるのか……⁉︎』
まさか占い通りに卵型カプセルが見つかった事に2人は驚き、ゼウスは喜ぶ。
だが……
ジリリリリリリリリ‼︎
防犯装置が作動してサイレンが鳴り響き、照明が付いた。
『何ッ⁉︎』
「しまった!警報装置を切り忘れていた!」
『何やってんのよ、このドジ!』
警備員が駆け込んで来るのは時間の問題なので、急いでカプセルを回収し退散しようとするが……
「ッ!何奴⁉︎」
突如銃撃を受けたので、咄嗟に回避する。
銃弾が飛んできた方向を見ると、そこにいたのはS.O.N.G一行であった。
「そこまでです。」
「お前はいつぞやのマネージャー兼ラスト忍者緒川!それに立花響を筆頭とする装者達!」
「その声…ゼウスさん⁉︎」
「今度は警備員に変装してるデス!」
「フッ、どうだ我がオーバーマン家に代々伝わりし変装術は!俺とは分かるまい!」
「いや、声でバレバレだから…」
「…とにかく、卵型カプセルは回収した!お前らとの戦い、特に緒川とのリベンジマッチをしたいのは山々だが、カプセルの回収が最優先だ!という訳でこれにて失礼する!」
そう言いゼウスは全力疾走でその場を後にしようとする。
「まずい、逃げられる!」
「させません!」
逃げるゼウスに対し、緒川は腕を振り抜きながら発砲することで弧を描くような形に弾道を曲げて彼の足の影に銃弾を弾着させた。
それによってゼウスはバランスを崩し、こけてしまう。
「どおわぁ⁉︎」
その際に手に持っていたカプセルが飛んでいき、館内に置かれていた植木鉢に当たってしまう。
その衝撃でカプセルは割れ、中から4枚のカードが排出される。
さらに4枚とも倒れた植木鉢の土が覆い被さった事で紫色の光を放ち、恐竜が現れた。
その恐竜は全長6mに及ぶ紫色の堅牢な装甲に黄色い棘がずらりと並び、尾先には一番の特徴たる大きなハンマーを備えた鎧竜………
実体化したサイカニアが咆哮を上げる。
「えッ⁉︎」
「恐竜が現れたデース!」
「あれは…アンキロサウルス⁉︎」
「違う!あれはモンゴル産の鎧竜サイカニアだ!」
「サイカニア、ですか…?確か頭部以外の化石が別の恐竜だという事が判明しましたから、あれが本当のサイカニアの姿なのかな…?」
「いや、転送によってサイカニアの姿は分かったが、ドクターが地味すぎると言って
そう言うとゼウスはダイナラウザーを取り出し、2枚の恐竜カードをスラッシュする。
「ダイナラウズ!焼き尽くせ、ギガノトサウルス!
突き崩せ、ギガントスピノサウルス!」
ギャアアアォォォン‼︎
グヴォォォォォォ‼︎
トリガーを引くと銃口から赤と紫の光弾が放たれ、ギガンティスとカタフラクトが実体化する。
それと同時に周囲の時空が歪み、バトルフィールドが形成された。
「ギガンティス、カタフラクト!サイカニアをカードに戻してやれ!」
ゼウスの命令に応じ、ギガンティスとカタフラクトはサイカニアに襲い掛かる………
その頃、S.O.N.G本部に待機していた3人のディノホルダーから発信音が鳴り響く。
「場所は……大英博物館⁉︎」
「緒川さんと立花達が石板の調査に行った場所だ!私達も行くぞ!」
恐竜発見の報を受け翼とムサシ、クリスとネロが部屋から飛び出した。
『……ギャウ』
「こら、エース!」
その後突然部屋を飛び出していったエースを追いかける為にマリアも部屋を飛び出す。
S.O.N.G本部の司令室でも恐竜出現を察知し、入室した翼達に状況を説明する。
「皆、来たか……知っての通り大英博物館内にて恐竜が出現した。既に主神三柱の1人であるゼウスが潜入しており、彼の恐竜2匹が出現している。」
「あのバカ2号がもう来てるのか!」
「クリス、マリア!急ぐぞ!」
こうして3人と3匹は瞬間移動装置に乗り込むのだが………
『ギャウギャウ!』
「エース!大人しくしてッ!」
ジタバタ暴れるエースを抱えて抑えるマリア。
何とか準備を整え、翼達は大英博物館へとテレポートする。
場所は変わって大英博物館では、サイカニアとギガンティス&カタフラクトの戦いが熾烈を極めていた。
サイカニアはハンマーを振いギガンティスとカタフラクトを退ける。
2匹も負けじと攻撃を仕掛けるが、サイカニアの自慢の装甲により攻撃を防ぎ切る。
「すごい…あのサイカニア、2匹相手に善戦している……!」
「流石鎧竜デス!」
「うむ、このままでは埒が開かん……カタフラクト!」
ゼウスは技カードをスラッシュしトリガーを引く。
するとカタフラクトの身体が光出し、地面から紫色の結晶を自身の周りに浮かせてそのまま身に纏った。
結晶を身に纏ったカタフラクトはサイカニア目掛けて突進した。
だが、サイカニアの方も紫色の光に包まれた。
そのまま地面を勢いよく踏みつけて土塊を巻き上げると、それを紫色の結晶の防護壁を展開した。
防護壁を張ったサイカニアに対し、カタフラクトは結晶を纏ったまま突進する。
そしてカタフラクトはサイカニアにぶつかるが、カタフラクトの結晶は破壊され弾かれてしまった。
「カタフラクトの攻撃を弾いた⁉︎」
「凄まじい防御力…!」
「あれは技カード随一の防御力を誇る【
そう言い技カードをダイナラウザーにスラッシュし、トリガーを引く。
次の瞬間ギガンティスの身体が光出し、口から火炎が吐き出されサイカニアを焼き尽くす。
「こんがり焼かれたデス⁉︎」
「あれってギガンティスの炎技…!」
「これでサイカニアもひとたまりも無い……何ッ⁉︎」
接近するとサイカニアは尻尾のハンマーで強烈な回転打を腹部に浴びせ、ギガンティスをグロッキー状態にした。
サイカニアはそのまま突進しギガンティスの尻尾に喰らいつくと、自身を中心にしてグルグルと振り回し始める。
回転の勢いが十分付いた所でカタフラクト目掛けて投げつけた。
投げ飛ばされたギガンティスはカタフラクトを巻き込む形で壁面に激突し、2匹共カードに戻ってしまった。
「バカな…ギガンティスとカタフラクトが……!」
「2匹相手に勝っちゃった…!」
「あのサイカニア強すぎデス!」
皆が驚くのを他所にサイカニアは尻尾で壁を破壊し、その奥へと逃げ出す。
丁度その時、翼達が瞬間移動装置のテレポートによって響達と合流する。
「緒川さん!サイカニアは…」
「ギガンティスとカタフラクトを倒した後に壁を破壊して奥へと逃げました。」
「マジかよ⁉︎あのバカ2号のパートナー恐竜2匹を倒したのか⁉︎」
「あっ、待ちなさい!エース!」
するとエースがマリアの腕から抜け出してそのまま逃げ出した。
「私はエースを捕まえてから探すわ!」
マリアは皆に一声かけてエースを追いかけた。
一方ゼウスもパートナー恐竜が2匹共やられてしまった為、メタモルフォンでオーディンとヌアザに連絡を入れた。
「オーディン、ヌアザ!すまないが、予期せぬトラブルによってサイカニアが実体化した上に、そのサイカニアによってギガンティスとカタフラクトが倒されてしまった!」
『…何だと⁉︎』
『ハァ⁉︎何ヘマやらかしてんのよ!……まあいいわ!オーディン、アンタは地下を捜索して!私は一階を探す!ゼウス、アンタは身体張ってでも装者を足止めしなさい‼︎』
『「了解‼︎」』
ヌアザの指示に従い、オーディンは地下階層を捜索し、ゼウスは響達を足止めするべく対峙する。
「…という訳だ。ギガンティスとカタフラクトはやられたが、俺にはまだこの拳がある!行くぞ!ケラウノス、メタモルフォーゼ!」
ゼウスはメタモルフォンの液晶画面をタッチし、RN式ケラウノスを纏う。
そしてメリケンサック型のアームドギアを構え、6人に分身して響達の周りを爆走する。
「えッ⁉︎」
「分身した⁉︎」
「分身の術デース⁉︎」
「見て、6人に増えてる!」
「フハハハハッ‼︎ラスト忍者緒川に敗れたから猛特訓を重ね、分身を4人から6人に増やした!悪いがここから先には行かせん!」
ゼウスが分身の術で響達を足止めしようとするが、緒川が前に出てこちらも分身の術を披露する。
「ここは私が相手になります!皆さんはサイカニアの追跡を!」
「分かりました!」
「皆、行くぞ!」
「はい!」
響達はサイカニアが壁に開けた穴へ赴く。
ゼウスが妨害しようにも緒川の12体の分身に翻弄され、遂に足止めは叶わなかった。
「おのれ…!分身の数では劣るが、ただでは負けん!」
「いいでしょう、相手になります!」
こうしてゼウス対緒川の戦いが始まった。
一方サイカニアを追跡する響達は穴に入るも、その先は3つの分かれ道があった。
「道が分かれている…」
「こうなれば分かれるぞ。立花と小日向は左、雪音と月読は真ん中、私と暁は右の方を探す!それと他の装者がいるかもしれないから、こちらもシンフォギアを纏うぞ!」
「分かりました!行こう、未来、ガブ!」
「うん!」
『ガァブ!』
「了解!行くぞ、調、ネロ!」
「分かった!」
『ギァウ!』
「私達も行くぞ、暁、ムサシ!」
「はいデス!パラパラも行くデス!」
『グワァ!』
『クゥン!』
こうして響達はシンフォギアを纏いサイカニア捜索に乗り出す。
打ち合わせ通り左のルートを辿っていた響とガブ、未来は走りながらサイカニアを探し回っていた。
「何処に行ったんだろう…?」
『…ガブゥ!』
「ガブ?もしかして見つけたの⁉︎」
突如としてガブは左に曲がり、部屋に入った。
響と未来がガブを追いかけて部屋に入ると、その部屋は薄暗く、あちらこちらに実物大の恐竜の復元模型が展示されていた。
「ねぇガブ?本当にここにいるの?」
「それにしてもすごい数…!」
展示されている復元模型の数に2人が驚くが、実はサイカニアが部屋の中に紛れている。
だがサイカニア自身ピタッと動きを止めていたので、2人とも本物のサイカニアを見落としていた。
そんな中、ガブはトリケラトプスの復元模型に頬擦りをしていた。
「…もしかして、仲間に会いたいのかな?」
「う〜ん、気持ちは分かるけど今はサイカニアを見つけるのが先だよ。そろそろ行くよ、ガブ!」
『ガブッ!』
「それにしても本物そっくりに出来てるね…!」
こっそりと部屋から抜け出していくサイカニアに気付かずに、響達は捜索を続けた。
その頃、真ん中のルートを辿っていたクリスとネロ、調はサイカニアを探し回っている内に広い空間に辿り着く。
そこには様々な展示品が所狭しと並んでいる。
「すげぇ…!なんつー規模だ……!」
「流石世界中の植民地からかき集めただけのことはある…!」
2人が感心していると、ネロが地面をクンクンしながら何かを探す。
やがて観葉植物が植えられた植木鉢の前で止まり、それをじっと見ていた。
「…ネロ?」
「どうしたんだ?」
2人が疑問に思ったのも束の間、ネロは勢いよく尻尾を振り植木鉢を倒してしまう。
倒れた衝撃で植木鉢は割れてしまう。
「ああッ⁉︎なんて事しやがる、ネロ‼︎」
突然の暴挙にクリスは驚き叱るが、ネロは土塊に口を突っ込み何かを咥える。
そのまま2人のところまで戻り、咥えた物を差し出した。
それは扇形に山と地面を模った絵が彫られた石板……【土の石板】であった。
「それって、石板⁉︎ここにあったの⁉︎」
「マジか!でかしたぜ、ネロ!」
思わぬ収穫にクリスは一転してネロを褒めて撫で回した。
調が土の石板を手に取ったその時、後ろから何か足音が響き渡る。
振り返ると2人の元目掛けてサイカニアが迫って来た。
「サイカニア⁉︎」
「やろう、現れたか!ネロ!」
突然現れたサイカニアに調は驚き、クリスがネロを成体化しようとした矢先、サイカニアは急ブレーキをかけ止まった。
サイカニアは倒れた観葉植物の方をじっと見ている。
「止まった…?」
「もしかして…これを食べたいの?」
そう感じた調は観葉植物の幹を持ち、葉っぱの方をサイカニアに向ける。
するとその葉っぱをサイカニアは貪るように食べる。
「あはは、いい食べっぷり。」
「コイツも食い意地張ってんのな…」
サイカニアの食欲旺盛ぷりに調は和み、クリスは呆れる。
やがて食べ終わり、調がサイカニアの頭を撫でていると、石板から光が放たれた。
その光は調の身体を紫の光に包み、やがて収まった。
「マジかよ…!」
「私も…石板を使えるようになった……⁉︎」
まさかの出来事に2人は驚愕する。
一方、博物館の一階ではマリアがエースを追いかけている。
「エースッ!待ちなさい、エース!」
マリアが何度もエースに呼び掛けるものの、エースは逃げるのを辞めない。
「いい加減にしないと、本当に怒るわよ!」
マリアの怒っている声に怯えたエースは大きな壺に隠れる。
どうして言うことを聞いてくれないのか、マリアは途方に暮れてしまう。
……そんな光景を影から見ている者がいた。
「…全く、自分のパートナー恐竜すら躾けれないなんて、欠陥品らしくダメダメね。」
マリアを嘲笑する女性は右手に持っているダイナラウザーに2枚の恐竜カードをスラッシュする。
「ダイナラウズ!押し流せ、ケティオサウルス!
咲き誇れ、オロロティタン!」
彼女は召喚口上を述べながらトリガーを引いた。
すると銃口から青色と緑色の光弾が放たれ、2匹の恐竜が成体化した。
ちょうどその時、エースが怯えた様子から一転して唸り声を上げマリアを威嚇する。
「ちょ、ちょっと…?どうしたのよ、エース⁉︎」
エースの様子にマリアが困惑するのも束の間、エースが飛び掛かりマリアは倒れた次の瞬間……
ドシーン!
先程までマリアが立っていた場所に恐竜の太い足が大きな音と共に振り下ろされた。
もし数秒遅ければマリアは踏み潰されただろう。
「エース貴方……私を助けてくれたの?」
先程までマリアから逃げ回っていたエースとは思えない行動に疑問を感じる彼女を他所に、エースは目の前の恐竜に対し威嚇していた。
すると別の恐竜がエースに近づき、攻撃を仕掛けようとする。
「ッ!危ない、エース!」
マリアはすかさず全力で走り、大きく跳躍してエースを抱え込む。
勢い余って床をゴロゴロ転がりながらも彼女は聖詠を歌い、シンフォギアを纏った。
シンフォギアを纏った後体勢を整え、壁にぶつかる寸前で止まった。
そんなマリアとエースの前に2匹の恐竜が立ち塞がる。
1匹目は全長18mに及ぶ灰色の巨躯に雷のような白い模様がある竜脚類………
2匹目は全長10mの黒い身体に横一筋の白い模様、頭部の赤い斧型の鶏冠が特徴的な草食恐竜………
2匹の恐竜は咆哮を上げ、マリアとエースを威嚇する。
「あらあら、パートナー恐竜は優秀なようね……そこの欠陥品と違って。」
そんな中、足音を立てながら先程の女性が近づいてくる。
その全容が明らかになった時、マリアは目を見開く。
その女性は長い髪をバレッタでポニーテールにまとめ、身体ぴったりに密着したボディスーツに身を包みマントを羽織っている。
何より顔が見覚えのある……というかマリアの記憶に深く刻まれている、
「セ…セ…セレナ……⁉︎」
そう、セレナ・カデンツァヴナ・イヴである。
驚愕する彼女を他所にセレナもといヌアザはメタモルフォンを取り出し、前に翳す。
「アガートラーム、メタモルフォーゼ!」
そのままメタモルフォンの液晶画面をタッチし、彼女の身体は光に包まれる。
やがて光が収まると彼女の姿が顕になる。
白を基調とした姿でマリアのと酷似しているが、右腕に籠手を装備している事と白のマントを羽織っている事の2つが相違点である。
ヌアザは籠手からビームダガーを取り出すと、マリアに対しこう言い放つ。
「初めまして、
ヌアザはそう言い、姉妹は望まぬ形で再会した………
《恐竜図鑑》File.11
【鋼鉄の要塞】 サイカニア
名前の由来:美しいもの
分類:鳥盤目 装盾類 アンキロサウルス科
全長:約6m
時代:白亜紀後期
生息地(発見地):アジア(モンゴル)
《Dr.ソーノイダの恐竜解説コーナー》
モンゴルで発見されたアンキロサウルスと並ぶ鎧竜の代表格!
波打ったように棘が身体中にあり、腹側まで鎧で守る程の重装甲と尻尾のハンマーを武器に同じモンゴル出身のタルボサウルスと熾烈な生存競争を繰り広げていた!
発見されたサイカニアの化石の保存状態があまりにも完璧で美しかった事からモンゴル語で【美しいもの】を意味する【サイカン】が名前の由来であるが、近年の研究で頭部以外の化石が実は別の恐竜の化石だった事が分かり、実際にどんな姿だったかは謎に包まれている!
《恐竜図鑑》File.12
【天空の王者】 プテラノドン
名前の由来:歯のない翼
分類:翼竜目 翼指竜類 プテラノドン科
翼長:約6m
時代:白亜紀後期
生息地(発見地):北米・アジア
(アメリカ・日本)
《Dr.ソーノイダの恐竜解説コーナー》
白亜紀後期に生息した翼竜の代表格であり、よく恐竜と混合されがちだが厳密には空飛ぶ爬虫類【翼竜】である!
翼長6mと比較的大きい割に体重は最大でも40kgと非常に軽く、これは筋肉や骨の徹底的な軽量化の賜物であるが、上半身が筋肉質かつ骨格も頑丈であり優れた飛翔能力を持っていた!
主に北米で発見されており、日本でも化石の断片が見つかっている事から広大な生息域を持っていたのは明白であり、翼竜の中では非常に高い人気と知名度を誇る為、【翼竜=プテラノドン】と世界が認知している!