アマゾン熱帯雨林にサルタサウルスが現れ響達が現場へと赴いた矢先、ガブが迷子になり続いて響も迷子になった。
このままでは響とガブがピンチに……そんな時、響とガブのピンチを知らせに私の元に無属性の石板が転送された。
石板と共にアマゾンへとやってきた私は無事響とガブに合流し、サルタサウルスを倒す事が出来た。
その時の石板のデータを元に私専用のディノホルダーが作られる話になったけど、私は響とガブの食べっぷりを見てほっこりと笑みを浮かべた。
前編
ここは中国の首都北京にある中国四千年の歴史を象徴する世界遺産…万里の長城。
その日の夜に山火事が発生し、規模はそこまで大きくないものの木々に燃え移り野生動物が逃げていくなど無視できない段階にある。
そんな中、木から卵型カプセルが落ち割れてしまう。
中から出てきた2枚のカードに炎が延びた瞬間、赤い光と共に恐竜が実体化する。
その恐竜は緑色の身体に左右に平たい頭部、そしてホホジロザメのように薄くギザギザした歯が特徴的な大型肉食恐竜………
カルカロドントサウルスは実体化した矢先、口から火球を放ち益々火事の範囲を拡大させていく………
その頃パンゲア島では、スタジアム型訓練場にてロトが主神三柱を引き連れてある実験を行っていた。
3人共シンフォギアを纏っており、ロトはタブレット端末を操作している。
「そろそろいいかな…ゼウス、オーディン!新たに搭載したアームドギア出していいよ!」
「うむ、では参ろうか!オーディン!」
「へいへい…さて、どんな物か見せて貰おうか!」
ロトの合図に合わせゼウスとオーディンが新しいアームドギアを生成・装備する。
ゼウスのはメリケンサック型のアームドギアではなく両手首にリング状のアームドギアが手首から浮く形で装備している。
オーディンのは彼女の左腕を覆う程の大きさを誇る盾とその内側に三連装カノン砲が装備されていた。
準備が整うと今度はヌアザに指示を出す。
「じゃあヌアザ、あの2人にビットによるビーム攻撃をお見舞い出来る?」
「お安い御用よ、行きなさい!」
ヌアザの指示に従い、複数のビットがゼウスとオーディン目掛けてビームを放つ。
複数のビームが2人に迫る中、ゼウスは両手を掲げオーディンは左腕の盾を構える。
するとゼウスの両手に装備しているリングが起動し、前方に電磁フィールドを張る。
強固な電磁フィールドによってビームの軌道が歪曲され、あらぬ方向へと飛んでいく。
オーディンの方もビームが盾に直撃するも、傷一つ付かないばかりかビームのエネルギーを吸収してしまった。
ロトはその結果に満足するとオーディンに次の指示を出す。
「オーディン、次は上空の標的ドローン目掛けてエネルギーカノンを発射して。」
「おうよ!」
上空をランダムな軌道で漂っている標的ドローンを見据えると、左腕を構える。
すると三連装カノン砲からエネルギーが充填され、やがてエネルギーチャージが終わるとエネルギー弾が三連射された。
放たれた3発のエネルギー弾は全て標的ドローンに命中し、粉々に打ち砕いた。
続け様にロトはゼウスに対し指示を出す。
「ゼウス、あのキューブをアームドギアの新機能を駆使して破壊してみて。」
「おう!」
ゼウスの視線の先には身の丈以上のサイズを誇るキューブ型の構造体があった。
狙いを定めるとキューブ目掛けて左手のリングからチェーン状の電撃を放ち、キューブに突き刺さる。
そのまま勢いよく引っ張るとキューブも引き寄せられ、彼は右手のリングを起動しエネルギーを溜める。
そして引き寄せられるキューブ目掛けて張り手をするとそこから電磁衝撃波が放たれ、キューブを壁までぶっ飛ばして破壊した。
新しいアームドギアの性能にロトが満足すると、テスト終了を伝えた。
「お疲れさんゼウス、オーディン。僕の開発したアームドギアはお気に召してくれたかな?」
「うむ、素晴らしい限りだ!これで我流格闘術【
「ま、悪くねーな。」
ゼウスからは絶賛され、オーディンからも良い評価を貰った。
その事に気を良くしながら、彼は説明する。
「ヌアザの【ヴェンジェンス・バックラー】を参考にゼウスとオーディンにも攻防一体型のアームドギアを追加したけど、好評だね!ゼウスのは両手に電磁力制御リングを装備する事で電磁フィールドを張って攻撃を防いだり、気功の要領で電磁衝撃波を放つ事が出来る。加えて
「ガキンチョにしては上出来ね……ま、それでもエイジ様の作った【ヴェンジェンス・バックラー】の方が完成度が高いけどね!」
ヌアザはロトの作ったアームドギアを評価しつつ、その上でエイジが製作した【ヴェンジェンス・バックラー】を褒めた。
その時3人が持つダイナラウザーから甲高い音が鳴り響き、撃鉄部分の立体映像から中国大陸の北京付近が赤く点滅していた。
「むっ、恐竜が現れたか!」
「場所は…中国の北京辺りか。」
「とにかく司令室へ向かうわよ!」
「じゃあ、新型アームドギアの実戦テストも含めて頑張ってね〜」
3人はパンゲア島の司令室へと赴き、ロトはそれを見送る。
しばらくして3人は司令室へと辿り着き、Dr.ソーノイダが今回の出現場所について説明する。
「主神三柱の諸君!今回恐竜が現れたのは中国北京にある世界遺産万里の長城!日本列島二つ分に匹敵する長さを誇る巨城はまさに、中国四千年の歴史を象徴する存在……し!か!し!そんな中国四千年の歴史も約1億6000万年間も続いた恐竜時代の足元にも及ばん!直様、出!撃!だァァ‼︎」
「「「了解!」」」
Dr.ソーノイダの出撃命令に伴い3人はコープ号に乗り込み、万里の長城向けて飛んで行く。
一方、S.O.N.G本部内にあるシミュレーションルームでは装者達がおり、未来の手には新たに完成したディノホルダーを持っている。
そんな中、シミュレーションルーム内にあるスピーカーからエルフナインの声が響いた。
『未来さん、準備が整いました。いつでもいいですよ!』
「分かりました。では…」
そう言うと未来はディノホルダーを構え、サルタサウルスのカードをスラッシュした。
「ディノスラッーシュ!湧き上がれ!サルタサウルス!」
ゴォォォォォォン‼︎
掛け声と共にサルタサウルスが実体化し、シミュレーションルームに降り立った。
「おーっ!凄い!」
「改めて見ると大きいデス!」
「全長は約12mと竜脚類の中では小型だけど、エースと比べたら大きいわね。」
『実体化機能は問題なし……成功です!これで未来さん専用のディノホルダーが完成しました!』
アマゾンの一件で無属性の石板に瞬間移動能力がある事が分かり、その時観測されたデータを元にエルフナインが未来専用のディノホルダーを作成。
そしてシミュレーションルームでのテストにてサルタサウルスを実体化する事に成功した為、遂にディノホルダーが完成したのだ。
『今召喚したサルタサウルスは水属性の恐竜なので、水属性の技カードや無属性の技カードを使用出来ます。』
「これで未来にもパートナー恐竜が出来たね!」
「そういえば未来さん、この子の名前って決めてるの?」
「…そういえば決めてないね。」
「う〜ん……サルタサウルスって背中に鎧を備えた恐竜でしょ?だからこの子は“ヨロイ丸”ってどうかな?」
「それってトゲ丸と同じ…」
「安直な名付け方だな…」
響が提案した安直な名前にクリスがツッコむも、未来はしばらく考え結論を出した。
「…いや、いいかも。」
「え?」
そう言うと未来はサルタサウルスの方へ向き直る。
「今日から君の名前は“ヨロイ丸”って事でいいかな?」
するとサルタサウルスは肯定するように頷いた。
「この子も気に入ってくれたデス!」
「じゃあこの子の名前は“ヨロイ丸”で決定だね!」
「まぁ、サルタサウルス自身が喜んでいるのならそれでいいだろう。」
自分の名前が決まり嬉しそうに鳴くサルタサウルスもといヨロイ丸。
すると装者達が持っているディノホルダーから発信音が鳴り響く。
「恐竜が現れたか!」
「場所は…中国北京辺りかしら?」
「とにかく司令室へ行こう!」
ディノホルダーの液晶画面で大まかな出現場所を確認した装者達は本部の司令室へと急行する。
やがて司令室に着くと弦十郎が出現場所について説明した。
「今回は中国北京にある万里の長城付近に現れたの事だ。先程長城付近で山火事が発生し、その際に火を吐く恐竜らしき生物を見たとの報告が上がっている。」
「この事から今回現れた恐竜は炎属性…つまりネロのような大型肉食恐竜だと推測出来ます。」
「現在山火事は無事鎮火したものの、恐竜サーチの反応からして恐竜は長城付近を移動中だ。幸いな事に明朝故万里の長城に人は少ない。だが時間が経つにつれ観光客の数が増える可能性がある。その為速やかに恐竜を発見し保護してほしい!」
「「「了解(デース)!」」」
弦十郎からの訓示を受け取った装者達は直様瞬間移動装置へと乗り込み、万里の長城へとテレポートした。
場面変わって万里の長城では、朝早くにも関わらず観光客が疎らに居た。
彼らは万里の長城やそこから見える景色をじっくりと堪能するべく、人の少ない明朝から来ていた。
人が少ない為、自分達のペースで歩いたり景色を堪能していた。
そんな中、家族連れで来ていた観光客の一団が万里の長城付近に設置してあるロープウェイのゴンドラから外の景色を眺めている。
「綺麗…!」
「そうだろうそうだろう!朝日が昇るこの瞬間の絶景!朝早くから来たかいがあったもんだ!」
「ふ〜ん、そう……」
「眠い…」
ロープウェイから見える景色を前に妻は感動し夫はその素晴らしさを熱弁しているが、姉の方は興味なさげにスマホを弄っており、弟の方は朝早く起きた為まだ眠くとても景色を見る余裕はない。
親と子の間で反応に差がある中、一際大きい足音が聞こえてくる。
「ん?何だ、この音…?」
「…貴方、見て!」
聞こえてきた足音に首を傾げていると、妻が何かを発見する。
妻が指差す方を見ると、そこにはカルカロドントサウルスの姿があった。
「何だ、ありゃ…?」
「あ〜あれって最近ネットで話題になってる“恐竜”ってヤツ?」
「えっ⁉︎恐竜⁉︎どこどこどこ⁉︎」
姉の一言にさっきまでの眠気は何処へ行ったのか弟が覚醒し、辺りをキョロキョロ見渡す。
そしてロープウェイに近寄ってきたカルカロドントサウルスを見つけると、興奮気味に語った。
「すごい…!すごいよ!あれはカルカロドントサウルス!アフリカ原産の大型肉食恐竜で鮫のようなギザギザした歯が特徴的なんだ!」
「お、おう…」
「へ、へぇ…」
余程恐竜が好きなのかさっきまで眠たそうにしてた弟が人が興奮しながら解説する様に他の家族は若干引き気味である。
「さらに大きさもティラノサウルスに匹敵する程で頭部に至ってはティラノよりも…デカ……い…?」
だが興奮気味に語っていた弟含む一家は青褪める。
何故なら、ロープウェイに近寄ってたカルカロドントサウルスがもう既に一家の乗るゴンドラに並走していた。
ゴンドラの窓から見えるのはカルカロドントサウルスの頭部であり、鋭い眼光に鮫の様なギザギザした歯がずらりと並んでいる光景は恐竜好きの弟であっても恐怖を抱いた。
「ね、ねぇ、これってヤバくない…?」
次の瞬間、カルカロドントサウルスがロープウェイのゴンドラに思い切り頭突きを喰らわせた。
衝撃で窓ガラスに蜘蛛の巣状のヒビが入り、ゴンドラが激しく揺れ動く。
「「きゃああああああッ‼︎」」
「た、食べられる!食べられちゃう!」
「お、落ち着くんだ!きっと大丈夫!」
突然の出来事に一家はパニックになり、父が落ち着かせようとするもカルカロドントサウルスが続け様に頭突きをお見舞いし、激しく揺れるせいでパニックは収まらない。
丁度その時、響達が万里の長城内部にテレポートし窓からカルカロドントサウルスの姿を目撃する。
「あっ、いた!」
「ウチのネロ並にデケェ…!」
「薄くて鋭い歯……あれはカルカロドントサウルス!アフリカに生息してた大型肉食恐竜よ!」
「ん?あのカルカロドントサウルス、さっきからロープウェイに頭突きしてる……ッ⁉︎」
マリアが恐竜の正体を見抜く中、未来がロープウェイの中に人が乗っているのを発見した。
「大変!あのロープウェイ、中に人が乗ってる!」
「何だと⁉︎」
「早く助けるデス!」
「ッ!皆、見て!」
調が何かを見つけその方向に指差す。
そこには上空からジェット噴射で飛んでいるコープ号がいた。
コープ号はある程度近づくと、地面に降り立ちタイヤ走行でカルカロドントサウルスを追跡する。
「あれが今回のターゲットか!」
「カルカロドントサウルスね!ケートスちゃんには及ばないけど、結構大きいわよ!」
「確かティラノに匹敵する大きさだっけか、アイツ……ん?」
するとオーディンはカルカロドントサウルスが頭突きしているロープウェイに人が乗っているのを見つける。
しかも家族連れ……
「………ッ⁉︎」
その時彼女の脳裏にある光景が浮かび上がる。
彼女自身
そんな彼女だがロープウェイに乗っている一家のピンチを見て、脳裏にある光景が思い浮かぶ。
それはある山にある古代遺跡での光景…
人を炭化させる存在…ノイズに襲われ両親と妹が灰になった惨劇……
1人惨劇から生き残った彼女にはノイズに対する復讐心だけが残り、その復讐心を胸にシンフォギア装者になった……
このままでは一家が危ない。
カルカロドントサウルスの度重なる頭突きによってロープウェイはボロボロになり、今にもロープから落ちそうである。
彼女は考えるよりも先に行動した。
「…悪い。少し用が出来た。」
そう言って左側の側面ハッチから身を乗り出した。
「え、ちょ……オーディン⁉︎」
「どうしたのだ……ん?」
不審に思ったゼウスもロープウェイの惨状を目の当たりにし、助けに行く事を決める。
「いかん!このままではあの一家が危ない!ヌアザ、後は頼んだ!」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
ヌアザの制止も聞かずゼウスも右側の側面ハッチから身を乗り出す。
身を乗り出した2人はメタモルフォンを取り出し、液晶画面をタッチする。
「ガングニール、メタモルフォーゼ!」
「ケラウノス、メタモルフォーゼ!」
かくしてシンフォギアを纏った2人は一家を助けるべく飛び上がる。
「まずはカルカロドントサウルスをロープウェイから引き離すぞ、オーディン!」
「分かった、ダイナラウズ!吹き荒れろ、アロサウルス!」
グゥガアァァァァ‼︎
オーディンがダイナラウザーにカードをスラッシュしトリガーを引くと、レップウが現れカルカロドントサウルスの前に降り立つ。
バトルフィールドが展開されたと同時にレップウは地面を思いっきり蹴り、砂埃をカルカロドントサウルスの頭部に浴びせた。
驚いたカルカロドントサウルスが砂埃の飛んできた方を見ると、レップウが挑発するように鳴き走り出した。
レップウの挑発にカルカロドントサウルスは怒り、後を追いかける。
こうしてロープウェイからカルカロドントサウルスを引き剥がせた訳だが、既にロープウェイはボロボロであり、近いうちにロープから外れ落下するのは明らかだった。
「いかん!このままでは……ダイナラウズ!焼き尽くせ、ギガノトサウルス!」
ギャアアアォォォン‼︎
危機を察したゼウスはダイナラウザーでギガンティスを召喚し、指示を出す。
「ギガンティス!ハンガーに噛みつき落ちないように支えろ!」
ゼウスの指示を受けギガンティスはハンガーに噛みつき、地面をしっかりと踏み締めて支える。
「ふんッ!」
その間にゼウスは走行装置を一蹴りで破壊し、それによって一瞬落ちたもののギガンティスが支えてくれたお陰でこれ以上落ちずに済んだ。
ギガンティスがロープウェイをそっと地面に下ろすと、オーディンが半壊した扉をこじ開ける。
「おい、大丈夫か!」
「えっ、あ、はい!」
「助かった……それより子供達を先に!」
「ゼウス!こっちはガキ2人を担ぐから、アンタはそこの2人を!」
「おう、任された!」
オーディンが姉と弟を、ゼウスが夫と妻を担ぎ比較的安全な万里の長城へ向けて飛び上がった。
万里の長城へと着地すると2人は彼らを下ろした。
「お怪我はありませんか、御二方。それに君達も。」
「あ、ありがとうございます…」
「貴方達は…?」
「名乗る者ではありません。とにかく無事で良かった。」
夫と妻がゼウスに感謝を述べる中、オーディンを見て姉が何かを思い出す。
「…ああッ!貴女はもしかして、ツヴァイウィングの天羽奏さん⁉︎」
「…は?」
「4年前のライブで死んだって聞いたけど、まさか生きてたなんて!とりあえず記念として写真撮ってもいいですか⁉︎いや、まずはサイン?握手?ああ、どっちからにしよう…?」
「いや…えっと…その…なんだ……」
オーディンは天羽奏としての記憶を失っているので、ツヴァイウィングの大ファンである姉の追及にさしもの彼女もタジタジである。
ファンからの追及にオーディンが手をこまねいていると、そこへ響達が合流する。
「奏!」
「奏さん、ゼウスさん!ロープウェイに乗っていた親子は無事ですか⁉︎」
「ああ、なんとか無事に救出したぞ!」
響の問いにゼウスが応えていると、姉がその中にいたある人物に気付く。
「えっ…?そこにいるのって、まさか風鳴翼さんとマリア・カデンツァヴナ・イヴさん⁉︎ツヴァイウィングのお二人に加えマリア様に出会えるなんて……ああ、もうダメ。」バタッ
憧れであるツヴァイウィングとマリア・カデンツァヴナ・イヴに遭遇した事で限界に達した彼女は恍惚とした表情で意識を手放してしまった。
「お、お姉ちゃん⁉︎」
「幸せそうな表情してるぞ、コイツ…」
「よっぽどマリア達を間近で見れたのが嬉しかったのデス。」
「あはは…」
「…とにかくここは危険だ。カルカロドントサウルスは我々が責任持って捕獲するから、貴方達はここから離れた方がいい。では!」
呆然とする一家にゼウスがここから離れるように言うと、そのままゼウスとオーディンは飛び上がり待機していたギガンティスの上に着地する。
「ギガンティス!カルカロドントサウルスを追うんだ!」
ゼウスの命令を受け、ギガンティスは走り出しカルカロドントサウルスの跡を追う。
その光景を一同は呆然と眺めていた。
「スゲェ…!ギガノトサウルスを使役出来るんだ、あのおじさん!」
「と、とにかく助かったな…」
「え、ええ、そうね…」
助かった事に安堵する一家だが、装者達の方はハッとして焦り出した。
「…ってオイ!まんまと先越されたぞ⁉︎」
「あっ、ホントだ!」
「いつの間にか風景もバトルフィールドに変わってる…!」
「早く行かないと恐竜を取られちゃうデス!」
「急ぎましょう!」
遅れる形で装者達も走り出す。
その場に残されたのは助け出された一家4人であった。
「行っちゃったわね…」
「何だったんだろう、あの人達…?」
「ああ、奏さん…翼さん…マリア様ぁ……///」
「駄目だ…この様子じゃ、しばらく起きないよ……」
その頃、1人コープ号に乗っているヌアザはレップウを追い掛けているカルカロドントサウルスを追っていた。
「全くもう…オーディンとゼウスったら、リーダーである私に断りもなく勝手に行動して!こうなったら私だけでもあの恐竜を捕獲するわ!」
そう言うと彼女はダイナラウザーを取り出し、2枚のカードをスラッシュしてトリガーを引く。
「ダイナラウズ!押し流せ、ケティオサウルス!
咲き誇れ、オロロティタン!」
プオオオオォォォォォォン…‼︎
オォオオオォォォォォォ…‼︎
成体化したケートスとキュクノスはカルカロドントサウルスの前に降り立ち、レップウはそのまま通り過ぎてUターンする。
レップウ・ケートス・キュクノス3匹と相対しながらもカルカロドントサウルスが戦意を失わず咆哮し返した事を皮切りに恐竜バトルが勃発する。
まず先手とばかりにカルカロドントサウルスが噛みつこうと近づくが、すかさずケートスが勢いよく尻尾を振り牽制する。
続いてレップウが駆け出しカルカロドントサウルスに体当たりする。
カルカロドントサウルスはよろけながらも踏ん張り、反撃しようとするもレップウのスピードに付いていけず逆に翻弄されていた。
「チャンスよ、キュクノスちゃん!行っちゃって!」
好機とばかりにヌアザはダイナラウザーに技カードをスラッシュし、トリガーを引く。
キュクノスが咆哮を上げるとカルカロドントサウルスに近付き空高く掬い上げた。
そして独楽のように回転し、落ちてきたカルカロドントサウルスの首に強烈な尻尾の一打を浴びせた。
カルカロドントサウルスは大きく吹っ飛ばされ、長城の外壁に激突する。
長城の内部が大きく揺れたものの、この時間帯では観光客が少ない上に恐竜騒ぎで殆ど逃げていた為、人的被害は無かった。
丁度その時、ギガンティスに乗ったゼウスとオーディンがヌアザに合流する。
「すまない、遅くなった!」
「…この様子じゃ、ヌアザ1人で充分だな。」
「遅いわよ、アンタ達!勝手に抜け出して……ま、その間にあの恐竜をボコボコにしたから感謝なさい!」
ヌアザの言う通りキュクノスの攻撃によってダメージを負っており、あと一押しで倒せる段階に入っていた。
トドメとばかりにヌアザはダイナラウザーにカードをスラッシュし、トリガーを引いた。
「トドメよ、ケートスちゃん!
ケートスの足元から渦潮が現れ、咆哮と同時に水がカルカロドントサウルス目掛けて流れ込む。
そして再び渦を巻いて揉まれてしまった。
渦に呑まれたカルカロドントサウルスは苦しそうに踠く。
このまま行けばカルカロドントサウルスは倒されてしまう………ヌアザが勝ちを確信したその時、2人の掛け声が響いた。
「「ディノスラッーシュ!」」
「轟け!トリケラトプス!」
「芽生えるデス!パラサウロロフス!」
ゴオォォォォォォ‼︎
キュオォォォォォン‼︎
咆哮と共にガブとパラパラが現れ、それと同時にシンフォギアを纏った響達が姿を現す。
「ガブ、まずはケートスを倒して!」
そう言うと響はディノホルダーに技カードをスラッシュする。
するとガブの身体が光出し稲妻を纏ったままジャンプすると、錐揉み回転によって稲妻の勢いが増した状態でケートスに体当たりをお見舞いする。
ガブの攻撃によってケートスが吹っ飛ばされ、渦潮が消えると次に切歌が行動を起こす。
「パラパラ!カルカロを回復させるデス!」
そう言いディノホルダーに技カードをスラッシュすると、パラパラの身体が光出し口から葉っぱの様なエフェクトのブレスを放つ。
ブレスがカルカロドントサウルスに降り注ぎ、傷が癒えたと同時に完全に回復する。
「あーもう!またアンタ達ぃ⁉︎折角スムーズに捕獲出来ると思ったのにまた邪魔して!」
「やっぱしそう都合よく行かないか…」
「ならば残りの恐竜も全て投入するまで!」
ゼウスとオーディンはダイナラウザーを構え、残りの恐竜カードをスラッシュしてトリガーを引いた。
「「ダイナラウズ!」」
「穿て、パキリノサウルス!」
「突き崩せ、ギガントスピノサウルス!」
ギュッアアアア‼︎
グヴォォォォォォ‼︎
ライデンとカタフラクトが現れ、ガブ達を牽制するように鳴く。
「現れたか……ともすれば私達も!」
「恐竜バトルって訳か…いくぜ、ネロ!」
「いくわよ、みんな!」
「うん!」
「はい!」
翼達もディノホルダーを構え、恐竜カードをスラッシュする。
「「「「「ディノスラッーシュ!」」」」」
「湧き上がれ!スピノサウルス!」
「燃え上がれ!ティラノサウルス!
「吹き抜けなさい!カルノタウルス!」
「揺るがせ!サイカニア!」
「湧き上がれ!サルタサウルス!」
グァギュオオオオッ‼︎
ガアアアアアアッ‼︎
グォォォォォン‼︎
ウオォォォォォ‼︎
ゴォォォォォォン‼︎
ムサシ・ネロ・エース・トゲ丸・ヨロイ丸が大地に降り立ち、バトルフィールドも恐竜時代の風景に様変わりした。
互いの恐竜達は咆哮を上げ威嚇し合い、カルカロドントサウルスの方は突然現れた恐竜達に困惑している様子である。
かくしてS.O.N.G対
ババババババ…‼︎
何処からともなくローター音が鳴り響いた。
「あれ…?」
「何の音だろう…?」
「この音はヘリのローター音だわ!」
「何かしら…?」
「ドクターからの援軍か?」
突然聞こえてきたローター音に響達は勿論の事、主神三柱も首を傾げていると、上空から何かの影が通り過ぎる。
通り過ぎると同時に突風が吹き、その正体が顕になる。
それはタンデム式のコクピットに機首の機関砲、左右の
「戦闘ヘリ⁉︎」
「しかもたくさんいます!」
「あれは…中国軍の最新鋭戦闘ヘリ【
突如現れた戦闘ヘリは編隊を組み、その場をホバリングし続けている。
彼らの目的が分からず困惑していると、戦闘ヘリ部隊に動きがある。
なんと機首の機関砲が動き、銃口を恐竜達に向けた。
「……え⁉︎」
「こっちに銃口を向けた⁉︎」
「何をする気だ⁉︎」
益々困惑する装者達だが、その間にも三銃身機関砲が回転し始める。
「…まさか!」
これから起こる事態にゼウスが青褪めた、次の瞬間………
ズガガガガガガガッ‼︎
機関砲から銃弾の雨霰が降り注いだ。
放たれた銃弾はカルカロドントサウルスに命中し、
「ええッ⁉︎」
「何ッ⁉︎」
「攻撃してきたデス⁉︎」
「ちょ、ちょっと!なんて事するのよ⁉︎」
「恐竜相手になんて事を⁉︎」
「ッ⁉︎トゲ丸達だけでなく、セレナ達の恐竜にも攻撃を仕掛けている⁉︎」
調の言う通りカルカロドントサウルスだけで無く、S.O.N.G・
突如現れた戦闘ヘリ部隊の乱入により恐竜バトルは混迷を極めた………
《恐竜図鑑》File.16
【地上の人食い鮫】 カルカロドントサウルス
名前の由来:鮫のような歯を持つトカゲ
分類:竜盤目 獣脚類 カルカロドントサウルス科
全長:約13m
時代:白亜紀前期〜白亜紀後期
生息地(発見地):アフリカ(エジプト、スーダン、ニジェール、モロッコ、アルジェリア)
《Dr.ソーノイダの恐竜解説コーナー》
北アフリカに生息していた大型肉食恐竜で、薄くギザギザした歯がホホジロザメなどの鮫を彷彿とさせた事から“カルカロドントサウルス”と名付けられた!
全長は約13mと大型であり、頭部の大きさに至ってはあのティラノサウルスよりも少しデカい!
余談だが、第二次世界大戦のミュンヘン大空襲にてカルカロドントサウルスを始めスピノサウルスやストマトスクスといった貴重な化石共々灰塵に帰してしまった悲しい経緯を持つ………
やはり戦争は破壊しか齎さない、虚しき愚行よ………