《恐竜図鑑》File.07
【伝説のプロローグ】 メガロサウルス
名前の由来:大きなトカゲ
分類:竜盤目 獣脚類 メガロサウルス科
全長:約10m
時代:ジュラ紀中期
生息地(発見地):ヨーロッパ(イギリス)
《Dr.ソーノイダの恐竜解説コーナー》
恐竜研究史の最初期に発見され、世界で最初に正式な名前が付いた大型肉食恐竜!
発見したウィリアム・バックランド氏自身、聖書に載ってない化石に頭を悩ませていたが、イグアノドンの歯の化石を発掘したギデオン・マンテルとの親交の末、大昔に巨大な爬虫類が存在していた事を確信し、【大きなトカゲ】……メガロサウルスと名付けた‼︎
だが、発見が最初期にも関わらず現在に至るまで断片的な化石しか見つかってないが故、3本の鉤爪と足には4本の指と鋭い爪を備えている事以外詳しい生態が不明という、何ともミステリアスな恐竜なのだァァ‼︎
Dr.ソーノイダがパートナー恐竜ウィリアムを召喚した頃、S.O.N.G本部ではウィリアムから発せられる異常なエネルギー値に一同驚愕していた。
「司令!今までとは比べ物にならない程のエネルギー反応が!」
「会場からの映像が届きました!今映します!」
すると司令室のモニターから全身に虹色のオーラを纏ったウィリアムが映し出された。
「なんだあの恐竜は⁉︎」
「分かりません……ただ今までの恐竜とは違うことは確かです!」
弦十郎からの問いに、エルフナインは驚きながらも冷静に分析した………
一方、ライブ会場でも同様の混乱が起きていた。
「何アレ⁉︎」
「恐竜が光ってる…⁉︎」
「キラピカ恐竜デース⁉︎」
驚く響達を他所にDr.ソーノイダが自慢する。
「フーハッハッハッハ‼︎どうだ驚いたか!こいつが記念すべき
「メガロサウルス⁉︎」
「確か世界で最初に命名された恐竜…!」
「その通り!化石として最初に発見されたのはイグアノドンだが、恐竜として最初に命名されたのはメガロサウルスだッ!最も恐竜として
余程メガロサウルスが好きなのか、Dr.ソーノイダは興奮気味に解説する。
だが、響達には気になる事があった。
「だが、何故あんなに光っているのだ⁉︎」
「当然だッ!何せウィリアムはそんじゃそこらの
「「「シークレット恐竜⁉︎」」」
「だからあんなに光ってるの⁉︎」
「というか強化したってどういう事⁉︎」
「フフフ…ならば見せてやろう!我輩とウィリアムの
そう言うとモニターの映像が切り替わり、タイトルに【Dr.ソーノイダとウィリアムの思い出】と映し出されていた。
「…何コレ?」
「メモリアルムービーか?」
「だから、わざわざモニターをハッキングしてまでやる事か?」
「ゴホン……我輩が恐竜を保護する傍ら、恐竜を
映像には緑色を基調としたメガロサウルスが暴れないように身体を固定されていた。
そして金型のような装置が競り上がり、左右からメガロサウルスを挟み込む。
装置から蒸気が噴き出してしばらくすると、装置が開いて中から灰色の身体に黒と白の模様が付いたメガロサウルスが現れた。
自身の姿に困惑するメガロサウルスを虹色のビームでカードにして、Dr.ソーノイダがカードを拾う。
『さてと、これをこうして……よし、いくぞ!』
彼はメガロサウルスのカードをダイナラウザーにスキャンし、トリガーを引く。
すると光弾が彼の足元に落ち、チビ恐竜が姿を現す。
灰色の身体に黒と白の模様はそのままに、目がガブとカタフラクトのようなつぶらな瞳のメガロサウルスだった。
『おおッ!幼体化成功だッ!アレほど迫力あるメガロサウルスがこうも可愛くなるとは……おお、よしよし…』
チビ恐竜となったメガロサウルスに近づき、撫でようとする。
『…グギャウ!』
だがここで事件が起きた。
なんとメガロサウルスがDr.ソーノイダの頭に齧り付いた。
しかも頭から血が吹き出しているあたり、ネロを噛みつきが可愛く見える程のガチ噛みである。
「ええーーー⁉︎」
「噛まれた⁉︎」
「というか頭から血出てるわよ!」
「とてつもなく凶暴デース‼︎」
「懐かしいなぁ……あの噛みつきで頭に10針縫う程の大怪我を負ったわい……」
「重傷じゃねーか…」
『お前ぇ……』
噛まれて呆然としていたDr.ソーノイダがメガロサウルスを掴む。
噛んだ報復をするのかと思いきや………
『可愛いじゃないか〜〜‼︎そんなに我輩の事が好きなのか〜〜⁉︎可愛い奴め〜〜‼︎』
「「「ズコーーーッ‼︎」」」
彼は頭から血を流しているのもお構い無しに、歓喜に満ちた表情でメガロサウルスに頬擦りする。
常軌を逸した恐竜愛に響達はドン引きする。
「マ、マジかよ…」
「もの凄い恐竜愛……」
すると映像ではメガロサウルスを抱き上げてこう宣言する。
『決めたぞ!メガロサウルスを発見したウィリアム・バックランド氏に敬意を表し、今日からお前の名は【ウィリアム】だッ‼︎』
Dr.ソーノイダは抱き上げているメガロサウルスをウィリアムを名付ける。
対するウィリアムは自分の名前にしばらく考え、納得したように頷くと……
『…グギャウ!』
また彼の頭を噛んだ。
「…こうして我輩とウィリアムは出会った。我輩は記念すべき
そう言うと彼は当時の様子を映像を見ながら回想した。
ウィリアムのおいたで全治1週間の大怪我を負った事…
ご飯の前なのにつまみ食いしようとしたウィリアムを叱った事…
お勉強として黒板いっぱいに書かれた難しい数式を教えた事…
アイスの食べ過ぎでおねしょをしてしまったウィリアムを布団叩きを手に追いかけ回した事…
Dr.ソーノイダとウィリアムが一緒の布団で気持ちよさそうに寝た事…
「…なんだかソーノイダさんもウィリアムも楽しそうだね。」
「いい思い出話デース!」
「所々ツッコミどころがあるけど…」
「曲がりなりにも愛情はあったという事か……」
「そ!し!て!ウィリアムを更に強くするべく最後の仕上げに臨んだッ‼︎」
映像は切り替わり、Dr.ソーノイダはウィリアムを何かの装置に乗せた。
その装置にはウィリアムの他にも6枚のカードがセットされていた。
『ウィリアムよ。お前の為に開発した技カードを融合する事により、お前をそんじゃそこらの
彼はスイッチを押し、装置を起動する。
するとセットされた6枚のカードが光出し、その光はウィリアムに集まる。
やがてウィリアムもカードに戻り、光も収まる。
装置の蓋が開くと、そこには金色に輝く恐竜カードがあった。
『ダイナラウズ!煌めけ!メガロサウルス!』
Dr.ソーノイダが装置からカードを取り出して、ダイナラウザーにスラッシュしトリガーを引く。
すると銃口から虹色の光弾が放たれ、全身に虹色のオーラを纏ったウィリアムが現れた。
「……こうして研究に研究重ねウィリアムをシークレット恐竜として強化する事に成功したのだ!この時のウィリアムは虹色に輝いていた…!」
「「「待て待て待て待てぇーーー‼︎」」」
そう、なんとウィリアムを何かの装置を使って改造し、その結果ウィリアムの身体が光っているのだ。
愛情深いと思いきや、とんだ毒親である。
「何だ、人が感動に耽っている時に。」
「いや、感動のかの字も無いよ!」
「要するにあれだけ可愛がった恐竜を好き勝手に改造したのか!」
「途中まではいい話だったのに…」
「最後の最後で台無しじゃねーか!」
「何を言うか。現にゼウスは感動して涙出てるぞ。」
Dr.ソーノイダが指差す方向を見ると、彼の言う通りゼウスは感動の涙を流していた。
「いい話だ…!感動的だ……ッ!」
「ええ…」
「すげぇ泣いてる…」
「尊敬するポイントといい、感動するポイントといいなんか感性がズレてない?」
ゼウスの感性のズレに呆れる響達を他所に、彼はこう言い放つ。
「…さて、思い出話は終わった。ウィリアムよ!今こそあの
彼の命令を受け、ウィリアムは咆哮を上げながらマリア目掛けて前進する。
「まずいデス!あの恐竜、マリアを狙ってるデス!」
「そうはさせんぞ!」
「恐竜には恐竜だ!ネロ!」
「いくよ、ガブ!」
そう言うとガブとネロをカードに戻して、3人はディノホルダーを構え恐竜カードをスラッシュする。
「「「ディノスラッーシュ!」」」
「轟け!トリケラトプス!」
「湧き上がれ!スピノサウルス!」
「燃え上がれ!ティラノサウルス!」
ゴオォォォォォォ‼︎
グァギュオオオオッ‼︎
ガアアアアアアッ‼︎
ガブとムサシとネロが成体化してウィリアムの前に降り立ち、バトルフィールドは白亜紀の森林を模したフィールドに変わる。
「トリケラトプスにスピノサウルス、ティラノサウルスまで……こうなればこちらも!」
「待て、ゼウス!」
そう言ってゼウスが恐竜を召喚しようとするが、Dr.ソーノイダが待ったをかける。
「ドクター⁉︎」
「心配はいらん!あんな小娘共の恐竜如きウィリアム一人で十分だ!」
なんと3匹相手にウィリアムだけで対応しようと言うのだ。
それほどウィリアムに絶対の自信を持っているが、舐められた響達はいい気分ではない。
「3匹相手にたった一匹で挑もうとは…」
「舐められたモンだな!」
「こうなれば先手必勝だよ、ガブ!」
そう言うとガブは咆哮を上げながらウィリアム目掛けて突進する。
対するDr.ソーノイダは不敵な笑みを浮かべた。
「ウィリアム、お前の力を見せてやれ!」
彼が命じるとウィリアムはガブを方を見て、より一層虹色のオーラが強まる。
するとガブの身体がどういう訳か浮かび上がり、身動きが取れなくなる。
「ガブ⁉︎」
「浮かんでいる⁉︎」
「念力で飛ばしているのか!」
響達が驚くのを他所に、ガブを念力で浮かび上がらせた後あちこちに叩きつけ、そのまま上空高く上げた。
ガブを空高く上げたのを確認したウィリアムはニヤリと笑い、念力を切る。
するとガブはその高さから落下し、地面に激突した。
「ガブ、大丈夫⁉︎」
「雪音、これ以上何かをされる前に決めるぞ!」
「分かった!いくぜ、ネロ!」
翼とクリスは技カードをディノホルダーにスラッシュし、ムサシとネロの身体が光出す。
やがてムサシの口から水の剣を形成し、ネロの口から炎を吹き出しながらウィリアム目掛けて突進する。
するとウィリアムがムサシの方を見つめ眼力を強めると、突如として火の手が上がりムサシが燃え上がる。
「ムサシ⁉︎」
「何もない所から火が出た⁉︎」
ダメージは思ったより少なかったものの、ムサシは技を中断されてしまう。
だがその間にもネロがウィリアムに肉薄し、今にも首筋に喰らいつこうとしている。
しかし、当のウィリアムに慌てる様子はない。
「もらったぁ!」
「…それはどうかな?」
今まさに噛みつこうとしたその時、ウィリアムが消えた。
「何ッ⁉︎」
「消えた⁉︎」
「カードに戻ったの⁉︎」
突然の事にネロは困惑し周囲を見渡していると、ネロの背後から突如としてウィリアムが現れた。
「瞬間移動した⁉︎」
「ネロ!後ろだ!」
クリスが叫ぶもウィリアムはネロの尻尾に噛みつき、勢いよくぶん回す。
そしてそのままムサシのいる方へとぶん投げ、二匹とも巻き込みぶっ飛ばした。
「なんて強さだ…!」
「念力に自然発火能力に瞬間移動……あの恐竜、超能力を使えるのね!」
「まさにエスパー恐竜デース!」
「こうなればこっちも技カードを!」
そう言うと響は技カードをディノホルダーにスラッシュすると、ガブの上空に雷雲が現れ、落雷がガブに直撃する。
それによって全身に雷を纏ったかの様に電流が迸り、角に蓄電された状態でガブはウィリアム目掛けて突進する。
「フン、
するとウィリアムの口からリング状の光線が放たれ、ガブに命中すると金縛りに遭ったかのように動かなくなる。
金縛り光線によって動けなくなったガブに近づき、ウィリアムはガブの首筋に何度も噛み付く。
ガブをたっぷりと痛ぶったウィリアムは咆哮を上げ、ガブはカードに戻ってしまった。
「ガブがやられた…」
「あの恐竜、金縛り攻撃まで出来るの⁉︎」
「残るは二匹……ウィリアム!」
彼の呼びかけに応じ、ウィリアムはオーラを強め口内にエネルギーを溜めると大きく振り被り、大地をしっかりと踏み締めながらムサシとネロ目掛けて口から虹色の衝撃波を放った。
地面を抉る程強力な衝撃波をモロに喰らったムサシとネロは大きく吹っ飛ばされ、二匹共カードに戻された。
三匹の恐竜に圧勝したウィリアムは勝利の雄叫びを上げる。
「そんな…!」
「三匹相手に圧勝するとは…!」
「なんつー恐竜だ…!」
「フーハッハッハッハ‼︎どうだ思い知ったか!シークレット恐竜ウィリアムの強さを‼︎何せ恐竜カードと技カードを融合させた事により態々ダイナラウザーに技カードをスキャンする必要が無くなったばかりか、通常の
「…恐竜を好き勝手改造するなんてホント酷い!」
「貴方に恐竜を思いやる心は無いの⁉︎」
「恐竜を思いやる心だと?あるに決まってんだろ‼︎我輩は恐竜が好きだ!大好きだッ‼︎故に我輩が蘇らせた恐竜達が不特定多数の愚か者に好き勝手されるのが我慢ならん!だから愚か者共に好き勝手使われないように恐竜達に強さとかっこよさを兼ね備えた
「…だとしても!恐竜を好き勝手に改造する権利は無いよ!」
「…フンッ、このまま言い争っても埒が開かん。小娘共の恐竜は倒した事だし、あとはマリア!お前をぶちのめすだけだッ‼︎いくぞ、ウィリアム!」
ウィリアムは咆哮を上げながら再びマリアに接近する。
「どうしよう、ガブ達はやられちゃったし…!」
「これなればシンフォギアで…!」
ガブ達がやられてしまったので、響達はシンフォギアを纏おうとペンダントを取り出して聖詠を唱えようとしたその時………
「と〜ころが、ぎっちょん‼︎」
Dr.ソーノイダが右手を上に掲げると、掌から何かを発射する。
放たれた弾丸のような物は上空に飛ばされると、拡散し無数の針を広範囲にばら撒く。
響達は思わず身構えるが…
「…あれ?何ともない…?」
「皆、大丈夫⁉︎」
「あれだけの針の雨で外したの…?」
「ともあれ、助かったな……あれ⁉︎」
「う、動けない…⁉︎」
「金縛りにあったデース⁉︎」
「ッ!まさか…!」
安堵したのも束の間、響達は身体が突如として動かない事態に困惑する。
心当たりがある翼は振り向くと、自身の影に複数の針が地面に刺さっているのを目撃する。
この技は翼自身がよく知っていた。
「これは、影縫い⁉︎」
「その通りィィ!我輩はある事情により忍者について徹底的に研究していた頃、近代忍法【影縫い】の利便性に惚れ込んだ我輩はこの忍法を研究し三ヶ月掛けて影縫いを科学的に再現したのだァァ‼︎」
「三ヶ月⁉︎」
「それも習得ではなく、科学的に再現⁉︎」
「我輩は武術の才能は無い、だが天災的頭脳によって技を科学的に再現する事は可能だ!さて、これで小娘共の動きを封じた事だし……ん⁉︎」
するとDr.ソーノイダがある事に気付く。
なんとカルノタウルスがマリアに覆い被さる事で針の雨から守っていたのだ。
これのおかげでマリアは影縫いを回避した。
「もしかして……私を守ってくれたの?」
マリアが尋ねるとカルノタウルスは頷く。
「おのれ〜!こうなればカルノタウルスも叩きのめしてやる!ウィリアム!我輩はマリアをぶちのめすからお前はカルノタウルスの相手をしろ!」
Dr.ソーノイダの命令にウィリアムは頷き、カルノタウルスに向けて咆哮を上げる。
対するカルノタウルスもウィリアムに対して咆哮し返す。
そしてマリアもペンダントを掲げ、臨戦体勢に入る。
「なら、私と一緒に戦ってくれる?」
マリアの問いにカルノタウルスは嬉しそうに頷いた。
その事を確認したマリアは聖詠を唱える。
こうしてマリアはシンフォギアを纏い、戦闘準備は整った。
マリアとカルノタウルスが意気投合した光景を目の当たりにしたDr.ソーノイダは地団駄踏んで悔しがった。
「キィィーーッ‼︎この我輩を差し置いて恐竜とイチャイチャするとは、許さーん!成敗してくれるわ‼︎」
「いくわよ、カルノタウルス!」
グォォォォォン‼︎
マリアの掛け声にカルノタウルスは咆哮を上げ、ウィリアム目掛けて突進する。
ウィリアムも応戦し恐竜バトルが始まったのと同時に、Dr.ソーノイダはダイナラウザーからカードを取り出す。
そのカードは恐竜カード・技カードとは異なり、三又の槍が描かれたカードであった。
「アームドモジュール・トライデントォォ‼︎スイッチオン‼︎」
口上と共にカードをスラッシュしトリガーを引くと、光弾が発射された後複数の光に分かれて彼の身体に纏われる。
光が収まるとそこには頭部に三又の槍の刃先を模した冠を被り、両腕・両脚・腰部に黒色の装甲を纏い青を基調としたインナーを装備した姿……そう、シンフォギアに酷似した装束を纏っていた。
「嘘…!」
「シンフォギアを纏った⁉︎」
「違うな。これは我輩がシンフォギアシステムを参考に開発した【アームドモジュールシステム】だ。カード作成の技術を応用する事により聖遺物の欠片をカードにする事が出来たのだ!この聖遺物カードをダイナラウザーでスキャンする事で量子変換されたアームドモジュールを実体化、装着する事が出来る!さらに着脱・着装が容易な為、状況に応じてアームドモジュールを自由自在に切り替える事が出来るのだァァ‼︎」
「聖遺物をカード化するなんて…!」
「で、でもシンフォギアを起動するにはフォニックゲイン……つまり歌が必要だよ!」
「確かにな。現に
「その通り!俺はあの時RN式ケラウノスを満足に扱えなかった悔しさから、毎日血の滲むような特訓をしてきた。精神力を高める為に薬の投薬をやめ、そして自らの体力の限界に挑戦した、今思い出しても本当に恐ろしい荒行だった……一度や二度死にかけた事もあったが、その特訓の結果俺はRN式ケラウノスと我流格闘術
「…まぁゼウスの話はさて置いて。対する我輩には天災級の頭脳は持っても肉体的にはゼウスや
「そりゃ…まぁ……」
「否定はしないけど…」
「ましてや歌によって聖遺物を起動するなど我輩でも困難だ。そこでシンフォギアシステムを元に独自のシステム…【アームドモジュールシステム】を開発する事にした。開発作業はこの我輩をもってしても難航した……
再びモニターの映像が切り替わり、そこには円柱状のガラスケースの中に紫とマゼンタの毒々しい色合いの結晶があった。
「紫とマゼンタの結晶…?」
「なんか毒々しい色合いの宝石デース。」
「これは一体…?」
「そう、これぞアームドモジュールシステムに必要不可欠な超エネルギー元素【アクトニウム】だァァ‼︎」
「「「アクトニウム?」」」
「アクトニウムは地球上の元素では無く、石板と同様に外宇宙から隕石として地球に飛来した未知の元素だ!超エネルギー元素と言っているように、このアクトニウムには膨大なエネルギーが宿っている。発掘した時点では不純物の多い金属体【アクトメタル】だが、そいつを加工して純化した結晶体【アクトクリスタル】にする事で桁違いのエネルギーを抽出する事が出来る!そして一番の特徴は聖遺物と掛け合わせる事で、特殊な波長を放ち聖遺物のフォニックゲインを調整し最適化する……とどのつまり聖遺物の完全制御を可能にする夢の元素なのだァァ‼︎」
Dr.ソーノイダの説明に響達は驚愕する。
「そんな物質があるなんて…!」
「こうしてアームドモジュールシステムは完成したが、このシステムには重大な欠点があった。それはアクトクリスタルから発せられるエネルギーが膨大過ぎて生身の肉体では耐えきれないのだ。」
「それって…」
「本末転倒じゃねぇか…」
「そう、このままではアームドモジュールは扱えない。だか、これしきのことで諦める我輩では無い!我輩は考えに考え、ある結論に至った。ならば、アームドモジュールを扱えるように我輩自身を改造すればいいと‼︎」
「「「………はぁ⁉︎」」」
彼が導き出した斜め上の発想に唖然となる響達。
「何を驚いている、前にも言ったが肉体的にはゼウスに劣り、歌のセンスも小娘共には及ばない………だが、我輩の頭脳は世界一ィィ‼︎自分自身の身体をサイボーグに改造する事など造作もない‼︎我輩の頭脳と今までの技術を総動員して改造手術に挑んだ結果、我輩の心臓部にアクトクリスタルを動力核とする反応炉【アクトリアクター】を搭載、そのおかげで全体的な身体機能の向上に極限環境における適応能力の獲得、そして何よりアームドモジュールを問題なく無制限に扱える事に成功したのだァァ‼︎」
そう豪語するDr.ソーノイダに響達は言葉が出ない。
「さて、説明は終わりだ。我輩が開発したアームドモジュールの威力、しかとその目に焼き付けるといい‼︎」
何もない空間から水が溢れ出し、三又の槍が形成される。
こうして槍を構えたDr.ソーノイダが満を辞して攻撃しようとする中、ゼウスは何かに気付き彼に報告する。
「…あの、ドクター。意気込んでいる所悪いのですが……」
「何だゼウス!これから我輩の力をマリアに見せつけようと言う時に!」
「ウィリアムがカルノタウルス相手に苦戦しています。」
「そうかそうか、ウィリアムが苦戦……ハァァ⁉︎」
想定外の報告に驚愕するDr.ソーノイダ。
事実、彼の言う通りウィリアムとカルノタウルスの戦いは終始カルノタウルスが圧倒していた。
カルノタウルスは持ち前のスピードを活かしてウィリアムを翻弄。
ウィリアムが超能力を駆使して応戦しようにも、カルノタウルスのスピードに翻弄されて命中しない上に、攻撃の隙を与えない連続攻撃にウィリアムは防戦一方であった。
「すごい…シークレット恐竜相手に善戦している!」
「もの凄いスピードで撹乱しているデス!」
「流石は大型獣脚類の中でもトップクラスのスピードを誇る恐竜!地球上最大級の尾大腿筋の恩恵であれ程のスピードを出せるとは!」
「感心してる場合か!だか、確かにスピードではカルノタウルスが有利だ。ならばお前の力を駆使して活路を開くのだ、ウィリアム!」
Dr.ソーノイダの激励を受けてウィリアムは構える。
すかさずカルノタウルスが飛び掛かろうとするが、ウィリアムは【
「瞬間移動⁉︎」
「何処から来るか分からないけど、気をつけて!」
マリアの助言に従いカルノタウルスが周囲を警戒していると、背後からウィリアムが現れ噛みつこうとする。
「ッ!後ろよ!」
カルノタウルスも気付き、尻尾によるカウンターをお見舞いしようとしたが、当たる直前にウィリアムは再びテレポートする。
「えっ⁉︎」
「また瞬間移動した⁉︎」
突然の事にカルノタウルスが驚いていると、その背後からウィリアムが現れた。
そしてそのままカルノタウルスの首筋に噛み付く。
「ああッ!」
「いいぞ、ウィリアム!そのままトドメを刺せ‼︎」
彼の言葉通りウィリアムは噛みつきながらカルノタウルスを地面に叩きつける。
噛みつきダメージと地面に叩きつけたダメージが重なり、カルノタウルスは大ダメージを受けてしまう。
Dr.ソーノイダが勝ちを確信した次の瞬間………
カルノタウルスから煙が上がったと思えば、ウィリアムが噛んでいたのはカルノタウルスでは無く等身大の丸太であった。
「「「えっ?」」」
「「はぁ?」」
突然の事に響達もソーノイダ達もウィリアムも呆然としていると、突如としてカルノタウルスが現れウィリアムの横っ腹に体当たり仕掛け、そのままライブ会場の壁へと突っ込んだ。
壁にクレーター状のヒビが入る程の勢いで激突されたウィリアムはカルノタウルスが一歩引いた瞬間倒れた。
「デデデデース!変わり身の術を使ったデス!忍者恐竜デス!」
「切ちゃん落ち着いて。」
「あれは風属性の技カード【
「ウィ、ウィリアム、大丈夫か⁉︎お、おのれ〜!カルノタウルスまでも我輩とウィリアムをコケにする気か〜!ウィリアム、こうなれば情け容赦は無用!お前の超必殺超技をマリアとカルノタウルスにお見舞いしてやるのだァァ‼︎」
彼の命令通りウィリアムは起き上がって虹色のオーラを最大限開放し、力を溜める。
するとウィリアムの後ろの地面からミシミシと不穏な音が響く。
「何の音…?」
「ッ!ねぇ、あれ見て!」
「嘘…!」
響達が驚くのも無理はない。
何故ならウィリアムは念動力で巨大な岩塊を浮かび上がらせたのだ。
「フーハッハッハッハ‼︎見たか!これぞウィリアムの超必殺超技【
彼の言う通りあの岩塊に押し潰されたらひとたまりもない。
しかしこんな絶望的な状況の中、カルノタウルスは戦意を失っていなかった。
むしろ咆哮を上げ、マリアの前に立つ。
(す、すごい…!あのカルノタウルス、あの状況にも関わらず戦意を失っていない……!)
マリアが感心した、その時だった。
マリアが持っていた石板が光出し、彼女の身体が白の光に包まれる。
その光がやがて収まると一同は驚愕する。
「今のって…!」
「石板の光…!」
「あ、あれは風の石板!そしてあの光はその石板と契約したというのか⁉︎」
「て事は…!」
「マリアも石板が使えるようになったデース!」
マリアが石板を持っていた事にDr.ソーノイダは驚き、同じく彼女が石板を使えるようになった事に響達は歓喜する。
当のマリアは石板を通じてカルノタウルスが
彼女はそれを使ってウィリアムを倒す事に決めた。
「今こそあなたの必殺技を見せる時よ!行きなさい、カルノタウルス……いや、エース‼︎」
マリアの呼びかけに応じたカルノタウルスもといエースは身体から白い光を出しながら咆哮を上げる。
すると上空に赤黒い雲が現れ、そこからエースの元へ巨大な竜巻が降りそのまま風を纏った。
その身に纏った風は最早竜巻となり激しさを増す。
「風を纏った⁉︎」
「さっきのとは違う技デース⁉︎」
「あの恐竜、技カード2枚持ってたんだ!」
「あれは【
「そうか!マリアが持っている風の石板がカルノタウルスの属性エネルギーと共鳴し、
Dr.ソーノイダが気付いた時にはエースはウィリアム目掛けて竜巻を纏ったまま突進する。
「ウィリアム!思い上がったカルノタウルスに身の程を教えてやれェェ‼︎」
ウィリアムも負けじと念動力で浮かせた岩塊を突撃しているエースにぶつける。
エースの竜巻とウィリアムの岩塊がぶつかり、数秒の拮抗の後、岩塊にヒビが入った。
「何ィィ⁉︎」
「いっけぇーーー‼︎」
そしてヒビが大きくなった岩塊が砕け散り、その勢いのままエースはウィリアムに突撃し吹っ飛ばした。
大きく吹っ飛ばされたウィリアムは地面に激突し、力尽きてカードに戻った。
バトルフィールドが解除され、エースは勝利の咆哮を上げた。
「やったーーー!」
「やったな、マリア!」
「頑張ったわね、エース。」
「あれ?そういえば“エース”ってその子の名前?」
「ええ、一番を目指すって意味で名付けたわ!」
「良いじゃねぇか!」
「カッコいい名前デース!」
「見て!ライブ会場が元の状態に戻ってる!」
未来の言う通り、ウィリアムとの恐竜バトルであれだけボロボロになったライブ会場が元通りになっていた。
どうやらバトルフィールドが解除されると、環境が元の状態に修復されるようだ。
さて、マリア達とエースが和気藹々としている中、Dr.ソーノイダは地団駄踏んで悔しがっていた。
「くそーーーッ‼︎な〜に我輩を差し置いて恐竜とイチャイチャと〜!カルノタウルスを誑かした
「まだ言うか!」
「だからビッチじゃない!」
「これ以上の侮辱は許さんぞ!」
「ソーノイダさん、エースが懐いたのはマリアさんが誑かしたからではありません!」
Dr.ソーノイダの
「…何だと?」
「そういえば響、あの時エースがマリアさんに懐いた理由が分かったって言ってたけど……」
「何で私に懐いたの?」
「それは…マリアさんのその髪型です!」
「「「えっ⁉︎」」」
「「ハァ⁉︎」」
「ど、どういう事?」
響が言った事にマリアは困惑する。
「よく見て下さい!エースの角とマリアさんの髪型を!」
そう言われて一同はエースとマリアを見比べる。
そしてマリア以外が響の言っている事が分かった。
「ああ…」
「そう言うことか…」
「ええ…」
「デース…」
「あはは…」
「「なるほど…」」
「何⁉︎どういう事⁉︎」
理由が分かった一同に益々困惑するマリア。
理由が理由なだけにどう伝えようか迷っていると……
「プ…ククク……ぶっははははッ‼︎」
理由が分かったDr.ソーノイダが腹を抱えて大爆笑していた。
「…ドクター、笑い過ぎです。」
「だ、だって…!あの小娘が誑かしたかと思ったら……こんなオチだったとは……!ぶひゃひゃひゃひゃ‼︎」
ゼウスが嗜めるが、余程笑いのツボにハマったのか大爆笑が止まらない。
ひとしきり笑ったのか、Dr.ソーノイダは少し落ち着きマリアに説明した。
「ひーひー…!ふぅ……マリアよ。カルノタウルスがお前に懐いたのはその色気を使って誑かした訳ではない………要はお前の髪型がカルノタウルスの角に似ていたからコイツがメスだと勘違いしてただけた。」
「………ハァァァ⁉︎」
彼から明かされた衝撃的な理由にマリアは驚愕する。
「だからあの時、マリアの顔をじっと見ていたのか…」
「なるほど、マリア嬢には悪いが……確かに似てるな。」
「わ、わ、私の…この髪型が……角ーーーッ‼︎」
ゼウスの一言がトドメとなったのか、マリアはショックを受け膝から崩れ落ちる。
そんなマリアにエースはそっと寄り添う。
そんな光景を見て気分がスッキリしたのか、Dr.ソーノイダはゼウスを連れてコープ号に乗り込む。
そして響達を指差し、こう宣言する。
「S.O.N.Gの小娘共!今回はそのオチに免じて大人しく引き下がろう!だがこれだけは覚えておけ!世界中に散らばった恐竜カードを集め、すべての恐竜を支配する恐竜キングになるのは、このアダムス・D・ソーノイダを除いて他にいない‼︎いずれ貴様らが持っているカードも返してもらうからなァァ‼︎」
そう言うとコープ号のジェット噴射で勢いよく飛び上がり、そのまま退散した。
「行っちゃった…」
「何とか勝てましたね。」
「今回は強敵だったな…」
「3匹相手に圧勝するとは、あのウィリアムって恐竜ヤバすぎデス‼︎」
「エースの奮闘が無ければ危なかったな。」
「まぁ、それはそれとして…」
一同はマリアの方を見る。
そこにはショックを受け意気消沈しているマリアと、それに寄り添うエースがいた。
「私の髪型…角じゃないもん……猫耳だもん………」
「…これ、どうしましょう?」
「言わなきゃよかったかな…」
「でもどのみち、分かってしまいますし……」
「デスね…」
こうしてライブ会場での恐竜バトルが終わり、無事に音楽ライブが開催された。
ライブの方は大盛り上がりであったが、ライブが終わった後もマリアは意気消沈したままであった………
ここはパンゲア号内部の特殊研究室。
多数の円柱状のタンクが鎮座する空間にて、青髪の男性……エイジ・アクティスがいた。
元F.I.Sの科学者で今はDr.ソーノイダの助手として彼と行動を共にしている。
そして今現在、コープ号で帰投中のDr.ソーノイダに状況を報告していた。
『…そうかそうか。修復の目処が立ったのだな。』
「はい、【嵐の石板】及び【自然の石板】の修復は順調に進み、あと1週間もすれば修復が完了します。」
『フッ、日々の節電の賜物だな。石板の修復と技カード作成に電力とエネルギーを集中する為に生活用の電力をカットした甲斐があったわい……それでオーディンとヌアザは?』
「オーディンとヌアザの
『ほぉ…喜べゼウス。君達【主神三柱】が揃う日も近いぞ。』
『そうか!やはり俺とオーディンとヌアザが揃ってこそ【主神三柱】だ‼︎』
エイジの報告を聞いたゼウスは三人で一緒に出撃出来る事に歓喜する。
「報告は以上です。」
『うむ。今日はウィリアムの晴れ舞台が見れた事だし、石板も修復の目処が立ったしで良い事尽くしだ!それじゃあ我輩が帰還するのを楽しみに待っとれ!』
こうして通信を終えたエイジは一息つき、後ろを振り向く。
そこには2人の女性と4匹のチビ恐竜がいた。
1人目は
2人目は
それぞれ2匹ずつのチビ恐竜を伴っており、2人ともメタモルフォンを携帯していた。
「やれやれ、やっと出番か…」
「全く、待ちくたびれたわ。」
「…オーディン、ヌアザ。この俺が手塩をかけて育てた
オーディンとヌアザ、残りの主神三柱が響達と相対する日も近い………
小娘共の学舎であるリディアン音楽院にて、パラサウロロフスが出現!
既に潜入調査をさせていたゼウスの奮戦虚しく窮地に立たされたその時、上空から【主神三柱】の1人にして彼の相棒でもある【撃槍のオーディン】がパートナー恐竜を伴って舞い降りた!
S.O.N.Gの小娘共ォ!オーディンの苛烈な槍裁き、しかとその目で焼き付けるといい‼︎
次回、恐竜大絶唱シンフォギア
『第二の刺客オーディン襲来!
リディアン音楽院攻防戦!』
奏でろ!ゼウスとオーディンの主神