ラブライブ!スーパースター!! Create the future 作:園枝こるだ
あまりペースを落とさずに更新していきたいと思います。よろしくお願いします。
メイ視点、教室──────
「困ったなぁ……」
アタシは頬杖をつきながら目の前で昨日恋先輩から預かった鍵をぷらぷらとさせる。
創「恋先輩……相当ハマってたね……」
朝一緒に登校してきた創と昨日の恋先輩の様子を振り返る。確かにゲームへのハマり方は相当なものだった。
きな子「ん?なんすかその鍵。」
後ろから急にきな子が話しかけてくる。ばっと思わず背中に鍵を隠す。
「な、なんでもない!!」
きな子「今日は恋先輩……元気っすかねぇ……」
夏美と四季が次々に登校してくる中どさくさに紛れて例の鍵をリュックの中にそっと隠す。
「まぁ、見守るしかないんじゃないのか?」
創「そ、そうそう!恋先輩ならなんとかするって!」
アタシの机の周りにLiella!1年生組が自然と集結する形になる。
きな子「だといいんすけど……」
四季「メイ、創、2人とも何か隠してる。」
アタシと創はぎくっと肩を強ばらせる。
「か、隠してなんか……」
と誤魔化すと横からスチームパンク風のゴーグルをつけた四季がぬっと視界に入る。
四季「本当に?」
「や、やめろぉ〜っ!!!」
アタシの情けない声が教室に響く。
同時刻、かのん視点──────
私は張り出された生徒会スケジュールを眺めていた。その発行元はもちろん恋ちゃんが所属する生徒会。
千砂都「恋ちゃんのこと?」
今登校してきたのであろう、リュックを背負ったままのちぃちゃんが横から話しかけてくる。
「うん、1年生が入ってきてから、生徒会の仕事絶対増えてるよね……」
1年生が入学してはや5ヶ月、生徒会の活動も盛んになってきている。それもそうだ、去年より生徒数は単純に倍に増えている。
千砂都「今年は他に立候補者もいないから恋ちゃんが会長のままだし私たちに手伝えることがあればいいんだけど。」
ちぃちゃんは私の横に立ちうーんと頭を悩ませる。
「ちぃちゃんは部長頑張ってるじゃない。」
先日部長会のために部長を決めなくてはいけない時、ちぃちゃんは今までの自分ではだめだと1歩を踏み出しスクールアイドル部の部長に就任したのだ。
千砂都「……気になるんだ。」
「うん……去年の生徒会長選挙の時、私結局立候補しなかったし……何か力になれないかな……」
去年の生徒会長選挙、私たち普通科の代表として選出……というか意気揚々と突撃していったのはすみれちゃんだった。その結果は無事大敗、ダブルスコア以上の差をつけられ恋ちゃんが生徒会長となった。
千砂都「じゃあ、やってみたら?」
ちぃちゃんは私の横で軽く言う。
「そんな、私なんて……」
ぱっとちぃちゃんの方を振り向くといつも私を見守ってくれる優しい面持ちでこちらを見つめていた。
千砂都「私も、部長にチャレンジしたよ?」
かのんちゃんは?と言わんばかりににこにこと返事を待っている。
千砂都「自分はできないって思い込んでるだけ、かのんちゃんの言葉だよ。」
よく幼い頃のちぃちゃんに言っていたことを思い出す。いつからそれは逆転して、私がちぃちゃんに励まされることが増えていった。
……自分はできないって思い込んでるだけ、か。
創視点、昼休み──────
僕のスマホにかのん先輩からメッセージが届く。昼休みに少し時間あるかな、という旨だった。
そそくさと返信してかのん先輩が待つ階段へと向かう。
「すみません、お待たせしました。」
階段に体重を預けふんふんと鼻歌を歌っていたかのん先輩に声をかける。すっと振り返りこちらに微笑みかける。
かのん「私も今来たとこ、急に呼び出したりしてごめんね。」
「い、いえ。僕に何か用事ですか……?」
かのん「うん、創くん生徒会やってみない?」
思いもよらぬ一言だった。
「生徒会、ですか……?」
かのん先輩はうん、と頷く。
かのん「恋ちゃん、すごく大変そうだし何か私にもできることないかなって。」
かのん「創くん、みんなのことよく見てるし生徒会向いてるなと思って声かけてみたの。どうかな……?」
かのん先輩がそんなふうに思っていてくれたのは素直に嬉しい。ただ……
「僕が、生徒会なんて……できないですよ……」
人の前に立つことも苦手で、いつもメイと四季の影に隠れていた僕に出来ることなんて何も無い。どうしてもその考えが頭をよぎる。
かのん「自分はできないって思い込んでるだけ。」
ぱっと顔を上げるとふふふと笑うかのん先輩と目が合った。
かのん「昔の私がよく言ってたこと。ちぃちゃん励ますときにね。」
かのん「創くんも四季ちゃんやメイちゃんに似てること言ったんじゃない?」
かのん先輩はすっと僕に手を伸ばす。
『向いてるか向いてないかで決めるんじゃなくて、やってみたいかで決めたらいいんじゃないかな。』
自分の言葉を反芻する。やってみたいか、か。
僕はかのん先輩の手を取る。
「かのん先輩、僕やってみます。」
かのん先輩は最上級の笑顔を浮かべていた。
夏美視点、ベンチの影──────
可可「来まシタ!」
可可先輩が私の耳元で標的の接近を知らせる。
私はスマホをズームさせて標的をクロスヘアに捉える。米女メイ、今回の標的だ。
「部室に向かっていますの……」
すみれ「ちょっと!」
ぐいぐいとすみれ先輩が可可先輩を引き寄せる。こんな状況でイチャイチャしないでほしいですの。
すみれ「バレるでしょうが、で?」
すみれ先輩は眼下にいるきな子を見る。
きな子「はい。四季ちゃんがメイちゃんと創くんには必ず何かあるって。」
私のスマホは標的と接触した意外な存在を捉える。
「見るですの!」
私の声に全員がうむむ、とメイの方を見る。メイと話している意外な人物は恋先輩だった。
「2人で密会……!?」
可可「なんデス!なんの相談デス!?」
私はスマホをズームさせ、逃がさぬように2人をスマホで捉える。
少しの会話の後2人はどこかへと移動する。
四季「追う。」
四季は短い一言のあとにずんずんとベンチの影から飛び出し、強行突破へと手段を切り替える。
「ま、待つですの!」
私たち4人は慌てて四季を追いかける。
私たちはまたも物陰から恋先輩とメイを監視している。
きな子「変な人見る目で見られてるっす……」
うぅ〜、ときな子は私の横で情けない声を出している。
その時、恋先輩はメイの手を突然がっしりと掴み、顔をぐいっと引き寄せる。
「見た感じ……あの目は〜……」
その後に続く言葉を声に出すのはとてもじゃないが出来なかった。
四季「恋。」
ばばばっと四季の方を4人で振り向く。ゆっくりと四季はこちらを振り向きもう一度。
四季「恋。」
恋。
あの2人が?
創視点、部室──────
僕はパソコンで先日のライブ映像を見返し、ステージ設営の反省点をノートにまとめている。
「ここの電飾……色違ったかな……」
うーんと唸りながらパソコンの画面とにらめっこする。
どたどたと複数人の足音が部室に迫ってきているのに気づく。
ばんと部室の扉が開け放たれ、飛び込んできた可可先輩の顔が僕の顔に近づく。
「うわぁぁぁああ!!!!」
可可「唉呀ぁぁぁぁ!!!」
可可先輩はその勢いで僕の肩を掴む。
可可「どーするんデス!!!!!」
「何何何!何がですか!?」
僕は掴まれたまま可可先輩に肩を揺さぶられ視界がぐらぐらと歪む。何がなんなのか僕にはさっぱりだ。
きな子「メイちゃん、メイちゃんが!!!」
メイ「アタシがどうしたんだ?」
開け放たれたままのドアからメイが部室に入ってくる。
メイ「練習、始めないのか?」
きょとんとした顔でメイはみんなを見つめる。
可可「もちろん始めマスよ〜……でもその前に!」
可可先輩の頭にすみれ先輩のチョップが炸裂する。すすす、と部室の隅に移動した2人は何やらコソコソと話し始める。……もしかして原因はメイ……?
四季「メイ。好きなら好きだって、正直に言って。」
夏美「オニ直球〜!!!」
きな子「どうするんすか〜!!」
僕の頭上で夏美ときな子ちゃんが大騒ぎだ。好きな好きだって正直に言って、ってどういうこと?
千砂都「うぃっす〜!……どしたの?」
変なゴーグルを付けた四季と向かい合うメイ。広い部室の隅で肩を組み合うすみれ先輩と可可先輩。椅子に座る僕の頭上で手を組み合う夏美ときな子ちゃん。
どしたのと言うにはごもっともすぎるほどに変な状況であった。
メイ「付き合ってる!?アタシと恋先輩が!?」
千砂都「禁断のセカイ!」
部室の奥に設置されたソファに8人で並んで座る。付き合ってるのワードの時に夏美がニヤつきながらこちらを見たのは普通に許さない。
四季「正直に言って。」
四季の真剣な面持ちにメイも冗談じゃないとわかったようで。
メイ「なんでそんな話になるんだよ!」
きな子ちゃんがすっと立ち上がって。
きな子「だって裏庭で熱く語り合ってたっす!」
すみれ先輩も続けて立ち上がって。なんで頬赤らめてるの?
すみれ「手を取り合って……!」
可可先輩まで。
可可「見つめあってぇ……」
夏美も……
夏美「抱きしめあって……!」
メイ「勝手に盛るなっ!!」
抱きしめあったのは嘘らしい。
千砂都「やはり禁断のセカイ!!!」
メイ「信じるなぁっ!!」
四季はいたって冷静にメイに質問を投げかける。
四季「じゃあ何を話していたの?」
メイはうっ、とたじろぐ。……もしかして、鍵の件からずっと怪しまれてたってこと……?
可可「怒涛の追い込みデス……!」
すみれ「緊張感あるわね……!」
まるで観客かのように四季とメイの攻防を見守る。
メイ「れ、恋先輩の相談に乗っていて……」
これは事実だ。ただ恋先輩に口止めされているがためにこれ以上言うことは出来ない。
四季「相談?何?」
メイのことになると執念が半端ない四季はメイにすたすたと近寄る。
メイ「ちょっ、とした……」
四季「ちょっとした何?」
四季は見てわかるほどにムッとして。
四季「言えないことなんだ。」
メイ「そういう訳じゃ……」
メイも誤魔化すのが余りにも下手すぎる。はぁ……と顔に手を当ててため息をつく。
四季はおもむろに試験管を取りだした。その中には見るからに毒だろうという紫色の液体がたぷたぷと揺らんでいる。
四季「今話したくなる飲み物あげる。」
メイ「やめろ。」
四季は悲しそうな顔をしてメイのことを見つめていた。
今回も読んでいただきありがとうございます。
れんメイはあります。はい、あります。
.....あるんでしょうか。
とにかく次回もお楽しみください。