ラブライブ!スーパースター!! Create the future   作:園枝こるだ

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少しリアルが忙しく、更新が遅くなってしまいました。
読んでくださる人が少し増えてきていた矢先にこんなことになってしまい申し訳ないです。
更新ペースに波はありますがぜひ続けて読んでいただけると幸いです。


第14話「輝き」

創視点──────

今日は休日。僕は先日Sunny Passionさんのステージを見て衝撃を受けた。

「あんなステージ、僕も作ってみたい。」

そう思った。なら答えはひとつ。僕がLiella!のためにできることはおそらくこれだ。

「まずは下見……っと。」

僕は休日用の小さい鞄を持って部屋を出る。

「おばさん、ちょっと出かけてくる。」

理事長「あら?今日は練習お休みって言ってなかった?」

オフ姿の理事長……というか僕はこっちの方が馴染み深いから学校でしっかりしてるおばさんを見るとびっくりする。

「ステージの下見してくる!いってきます!」

理事長「なるほどね、気をつけてね。」

僕が玄関で靴を履いていると後ろからおばさんがお見送りしてくれる。

理事長「創、あなた明るくなったわね。」

「え?そう……かも。これもLiella!、そして結ヶ丘のおかげだよ。」

僕は靴紐を結びながら思いを馳せる。かのんさんを初めとした先輩方、そしてメイたち同級生。もちろんLiella!以外の生徒の人達。みんな明るくて、頑張ってて、輝いている。

「僕にもできることがあるんだ、だから頑張らなきゃ。」

理事長「……頑張ってね、いってらっしゃい。」

「いってきます!」

玄関のドアを開けて振り返るとおばさんは少し目を潤ませていた。

 

「とは言っても……」

まだお昼前、ちらほら人はいるものの街が際立って賑わっている様子もなく、いつもの原宿といった感じだった。

「もう秋だし……この時間はまだ肌寒いもんなぁ……」

うぅ、と上着を持ってこなかったことを少し後悔しながら腕を擦りながら歩いていると。

かのん「あれ?創くん?」

きな子「創くーん!」

少し遠くから見知った2人が声をかけてきた。私服姿のかのんさんときな子ちゃんを見るのはなんだか新鮮だった。

「かのんさんにきな子ちゃん、もしかして自主練ですか?」

かのん「ううん、今日はステージの下見しに来たの。」

きな子「きな子は朝練してたらかのん先輩とばったり会ったっす!」

みんなそれぞれ自分に出来ることを頑張っている、僕以外にも頑張っている人がいるというだけで元気が出る。

かのん「創くんは?」

「僕もステージの下見です。ただいい所まだ見つかってなくて……」

僕がうーん、と腕を組んで悩んでいるとかのんさんはあはは、と笑う。

かのん「私も見つからなくてさ、適当に歩いてるとこ。」

きな子「きな子はどこもいい場所だと思うんすけど……」

きな子ちゃんはあむあむ、と両手に持ったいちご飴を交互に食べている。

ナナミ「あ、かのんちゃん!ナイスタイミング!」

僕とかのんさん、きな子ちゃんが喋っていると、近くにあった店のドアが開き、ナナミ先輩、ヤエ先輩、ココノ先輩が出てきた。

ヤエ「ちょっと話があって!」

3人「話?」

 

澁谷家、喫茶店──────

僕たちはかのんさんの店へ向かった。途中で他のメンバーにも連絡し、別の用事がある夏美以外は集まることになった。

ナナミ「あとは私たちに任せて!」

恋「どういうことですか……?」

任せてという言葉の意味がわからず僕たちLiella!メンバーは頭の上に?を浮かべていた。

ココノ「LoveLive!が終わるまで、かのんちゃんたちは練習に集中!」

ヤエ「その間生徒会の仕事は私たちが頑張ります!去年もステージ作り、手伝ったでしょ。」

ふふん、と自慢げに鼻を鳴らすヤエ先輩。

かのん「嬉しいけど……もし全国大会まで行けたとしたら……」

恋「かなりの長期間になってしまいます……そこまで甘える訳には……」

生徒会長ということもあってか仕事を全任するというのはどこか引っかかるところがあるのか、恋先輩は申し訳なさそうに口を開く。

ヤエ「私たちもかのんちゃんたちと一緒に喜びたいの。」

ココノ「だからできること、手伝えることがあったら全部やりたい!」

ナナミ「悔いが残らないように!」

なんて頼もしい先輩方なんだろう。それと同時にLiella!が全校生徒の期待を背負っているのを感じ、さらに気が引き締まる。

可可「あぁ〜……ぐすっ……」

奥に座っていた可可先輩が幼子のように泣き出した。

千砂都「泣くのは早いよ〜……」

可可「そういう千砂都も泣いてるデス〜……」

すみれ「泣き虫なんだから……」

みんな泣いてるけどね、僕も目頭が熱くなるのを感じている。

「あの……」

僕がおずおずと手を上げるとみんなの視線がこちらに集まる。

「僕も生徒会の仕事頑張ります。それと……今回は僕にステージ設営の指揮を取らせてください!」

みんなは一瞬ぽかんとした表情で僕を見つめる。

かのん「うん、今回は創くんに任せる!Liella!として、お互いに頑張ろう!」

すっと前に出された手を僕は力強く掴む。

「はい!頑張りますっ!」

 

創の自宅──────

今日はかのんさんと電話の予定だ。予め恋先輩から今回の予選で披露する可能性のある音源を何曲かいただいている。かのんさんとアイデアを擦り合わせながらステージ案を考えようというのが目的だ。

「そろそろかけます、と。」

僕の送信したメッセージにかのんさんのペットのマンマルによく似たフクロウがかわいくポーズを取ったスタンプが送られてくる。

「もしもし。」

かのん「もしもーし!今日はありがとね。」

電話越しからかのんさんの声がする。なんというか、彼女と通話するというだけですごくドキドキする。

「い、いえ。僕もかのんさんと話したかったですから。」

かのん「そ、そうなのっ!な、なら……よかった……」

2人の間に数秒間の沈黙が流れる。おそらく僕もかのんさんも耳まで真っ赤なのだろう。

「ひ、ひとまず決めること決めちゃいましょ!」

かのん「うん……!まずはステージなんだけど……」

「予め取っておいたアンケートだと……やっぱり表参道が多いですね。」

昨日結ヶ丘の生徒の人たちにステージはどこがいいかというアンケートを取ったのだ。そこで1番多く名前が上がったのは表参道、去年かのんさんたち1期生が東京大会準優勝を果たした思い出の地である。

かのん「だよねぇ……あそこは確かに特別だけど……」

「他に上がっているところだと竹下通り、代々木公園、代々木ライブホール……どこも関わりが深いと言えば深いですが……」

Liella!を象徴するとも言える場所ではあるが、なにかぱっとしないような気がする。

「かのんさん、Liella!の名前の由来ってなんでしたっけ。」

かのん「結ぶっていう意味のlierと、内面的な輝きを意味するbrillanteを組みあわせてLiella!にしたの。」

「結ぶ……輝き……」

Liella!、とってもいい名前だ。今はまだ小さな星でも、繋いで、結んでいけば大きな星になれる……そんな希望も込められた名前。

かのん「結ヶ丘を表す、Liella!を表すだけじゃ……なんだか足りない気がするんだよねぇ……」

うーん……と唸り声をあげるかのんさん。

僕はその時昔父さんと原宿を歩いたことを思い出した。

健『いいか、創。道ってえのは誰かと誰かが繋がるためにあるんだ。』

創『つながるため?』

健『そうだ。友達とも、家族とも、はたまた知らない人とも道がいるんだ。離れた人と繋がるためには道が必要なんだよ。』

創『ふぅん。』

健『人は繋がりを絶やした瞬間に終わっちまう生き物なんだ。1人じゃできないことも多くて、なにより弱いからな。』

創『おとうさんは道をつくるの?』

健『俺は違うよ。俺は居場所を作ってるんだ。道が途切れた時に落ち着ける場所をな。』

確か、こんな話をした。場所は……どこだったっけ……アンケートにも書かれていた……

「道が集まる場所……人が集まる場所……」

結ヶ丘は、みんなが繋がって、みんなの希望が集まる場所……!

「かのんさん!!」

かのん「ど、どうしたの!?」

急に大声を出した僕にうわっ!とびっくりするかのんさん。

「思いつきました、ステージの場所……!」

 

生徒会室──────

ヤエ「そういえばステージ設営する場所、決まったんだって?」

「はい、外苑球場の先のいちょう並木にしようって。」

生徒会室には僕とヤエ先輩の他にナナミ先輩、ココノ先輩に加え音楽科の生徒の人が何人か応援に来てくれた。

ココノ「かのんちゃん、創くんが場所決めてくれたって嬉しそうに言ってたよ!」

かのんさん話してくれたんだ。嬉しいけど少しむず痒いような恥ずかしいような気持ちになる。

ナナミ「けどなんでそこにしたの?」

「Liella!にぴったりっていうのもあるんですけど、父が自分に大切なことを教えてくれた場所でもあるんです。」

横にいたヤエ先輩がにこっと僕に笑いかける。

ヤエ「じゃ、いいステージ作んなきゃね!」

「はいっ!みなさん設営の方もよろしくお願いします!」

僕はみんなの方を向いて頭を下げ、ぐっ、と握りこぶしに力を込める。一種の願掛け、ルーティーンとも言うべきか。

もう僕は揺らがない。これが僕にできること、僕の輝きだ。

 

1年生教室、放課後──────

「とは言ったものの……」

僕の机の上は作りかけのステージ模型や何十枚も束ねられたステージ案、先輩たちから貰った曲のデータが散乱していた。

「なんか形にならないんだよなぁ……」

かのんさんに思いつきました!なんて言ったものの、頭の中では幾つものステージ案が浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返していた。

きな子「創くん……大丈夫っすか……?」

きな子ちゃんが僕の前に座り散乱した机の上を整えてくれている。

メイ「あんまり根詰めすぎてもいいことないぞ。」

「きな子ちゃん、メイ……」

四季「授業もしっかり受けれてない。」

メイと四季も机の周りに集まってきた。実に痛いところを突かれてしまった。ステージのことばかり考えてしまい、他のことに集中できなくなっているのは事実だ。

夏美「そんな時はこれ!オニナッツチャンネル特製スムージーですの!」

「それはいらない。」

なんでですの!こんなに美味しいのに……と不満そうに虹色?の液体をずごごと夏美が啜っている。

きな子「創くん、今日は一緒に息抜きしないっすか?」

「息抜き?」

僕はぽかんとしてきな子ちゃんの顔を見つめる。

メイ「いいから、ほら行くぞ。」

いつの間にか両隣に移動していたメイと四季に腕を掴まれ、あれよあれよと外へ連行されてしまった。

 

連れてこられてのはとあるカフェだった。クラスの子たちが美味しいとか写真が映えるとか言っていたような気がする。

「い、いきなりなんなの。」

四季「創のこと心配だったって、メイときな子ちゃんと夏美ちゃん。」

僕の腕を依然掴みっぱなしの四季がもう片方の手でメイたちを指さす。

メイ「そんなこと言って、四季だって心配してたんだぜ?」

にやにやと笑みを浮かべたメイが腕を組みながら四季の方を見ている。

夏美「とにかく、ベストなパフォーマンスをするには休息も必要なんですの、マネージャーなんだからわかっているでしょう?」

びしっ、と僕の眼前に夏美のスマホが突き出される。そこには僕の作業時間が記録されていた。……なんで家での作業時間も把握されてるの?

「わ、わかったよ……というか四季、なんか変なアプリ入れたでしょ……」

名前を呼ばれた四季は少し目を見開き、いたずらがバレた子供のように目をそらす。

きな子「とにかく!今日はお休みするっす!」

きな子ちゃんが僕の背中をぐいぐいと押し、半ば強引に入店させられる。

「う、うんっ……」

店内は数人の高校生が席に座っているだけで混雑していなかったこともあり、僕たち4人はすぐに席に案内された。

メイ「な、なぁ……創これ頼んでくれよ……お願いっ!」

僕の手元にすすすっ、とSunny Passionコラボメニューと書かれた紙がメイから手渡される。見たところ僕が食べられないものは入っていないようだった。

「うん、いいよ。」

メイ「ほんとか!ありがとな……!」

メイは何も恥ずかしげもなく僕の手を握って目を潤ませている。

夏美「今日の主役は創ですのに……全く、仕方ないから私も頼んであげますの。」

やれやれと夏美は首を横に振り、メニューを眺めている。

きな子「きな子これ食べたいっす!」

四季「じゃあ私もこれ。」

メイ「お、お前ら〜……!」

ばばばっ、と僕たちの顔を潤んだ目で素早く回し見るメイにくすりと笑みがこぼれる。

きな子「あ!創くんやっと笑ったっす!」

僕の横に座っていたきな子ちゃんがにこにこと僕の顔を見つめる。

四季「創、ずっと辛気臭い顔してた。」

そうだったのか……正直言われるまで気づかなかった。……みんなそんなに僕のこと気にかけてくれてたんだな。

夏美「こっちの調子まで狂いますの。」

メイ「逐一創のことメッセージで聞いてきてたの誰だったっけ?」

そんなことしてませんの!と顔を真っ赤にして夏美がぎゃいぎゃいとにやけているメイに吠えている。

「みんな、ありがとね……」

正直みんながいなかったら自分がこんなにも疲れていることにも気づけなかっただろう。

きな子「創くん、もっときな子たちのこと頼ってほしいっす!」

予想だにしない一言に僕は目を丸くする。

メイ「そうだぞ、アタシらだって別に何もしてやれないわけでもないんだからさ。」

四季「頼ってくれないと寂しいって。」

夏美「同期なんだから、言いにくいこともないでしょう?」

みんなの優しい言葉に少し目頭が熱くなるが、ぐっと涙を堪える。

「ありがとう。みんなのこと、頼れるように頑張るよ。」

夏美「だーかーら!頑張らないっての!」

あはは、と僕らの囲むテーブルに笑い声が響いた。




読んでいただきありがとうございます。
次回の更新もいつ頃になるか明言はできませんが気長にお待ちください。
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