ラブライブ!スーパースター!! Create the future   作:園枝こるだ

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今回も読んでいただきありがとうございます。
1話の文字数を少し減らすようにしてから、それに比例して更新頻度も少し早くなりましたがどうでしょうか。
ご意見などいただけると参考になります。
感想や評価などもいつでもお待ちしております。


第21話「本当の歌」

創視点──────

朝食後、いきなりかのんさんに寒くない格好で外に集合!と言われた僕たちは準備をしながら話していた。

「何するんだろうね。」

夏美「マラソンだけは勘弁して欲しいですの……」

きな子「外は雪だらけっすし……」

うーん?と悩むが結局答えは出ず、言われた通り外に向かうのであった。

 

かのん「今日は〜!練習なしー!」

1年生組「えぇ〜っ!?」

きな子「急にどうして!」

千砂都先輩がメガネをくいっとあげる素振りをして

千砂都「頑張るためには休みも大事!」

恋「私たちは上手くなるために、勝つために、と考えすぎていたのかもしれません。」

かのん「それを1回忘れたいんだ!歌もレッスンも全部忘れて、みんなで楽しく遊ぼう!」

眩しい笑顔を浮かばせるかのんさんを1年生組はぼーっと見つめていた。

 

氷上を妖精のように滑る恋先輩を横目に僕と可可先輩は同じ木に抱きついたまま動けなくなっていた。

恋「気持ちいですよ!おふたりも、ほら!」

すいすいとまるで歩いているかのように自由に動き回る恋先輩を見て僕と可可先輩は少し引いていた。

「どうします、可可先輩。僕未来見えてるんですけど。」

可可「奇遇デスね、可可もデス。」

はやくはやく〜!と恋先輩はその場でターンまでし始める始末。

そこまで動かれるとなんかできる気がしてきたな……

「可可先輩、僕行きます。」

可可「創……!可可も行くデス、一緒に行きまショウ……!」

創、可可「うぉぉ!……ぶべっ!!」

そんな上手くいくはずもなく、僕と可可先輩は伏せたカエルのような姿勢ですーっと腹で氷上を滑るはめになった。

千砂都「おーい!みんなで雪合戦しよー!」

僕たちは千砂都先輩の呼び掛けに一斉にそちらの方を向く。その時千砂都先輩のそばにいた夏美のカメラが僕と可可先輩の方を捉えていたのを感じた。

創、可可「撮るな(デス)!!」

 

メイ「ふわぁ〜、遊んだ〜……」

ベッドにぼすっ、と全体重を預けたメイは満面の笑みを浮かべている。

夏美「東京大会前に遊んでみたなんて動画あげられないんですの……」

「消してね、それ。」

夏美の持っているスマホの中にある僕と可可先輩の情けない写真を指さす。

きな子「でも、1日違うことしていただけなのに、もうレッスンしたいって思っちゃってるっす……」

四季「私も。」

奥の方から恋先輩と可可先輩が顔を出す。

恋「実は私も……」

可可「可可もデス!」

メイは周囲をきょろきょろと見回す。

メイ「かのん先輩は?」

その言葉の後に返事のようにロフト上部から優しいギターの音色が響く。

きな子「新しい曲……」

「夢、見てるんだ、ただ夢中……さ、眠るのも、忘れちゃうほど……」

僕の口から出た言葉が歌詞だということに僕さえも遅れて気づいた。

その時にはみんなの注目が僕に集まっていた。

「あ、ごめんなさい!今のは勝手に……!」

恋「素敵です!今の歌詞!」

こちらの盛り上がっている様子が気になったのか、ロフトで演奏を聞いていたすみれ先輩がこちらを見下ろす。

すみれ「どうしたの〜?」

四季「創が、歌詞を。」

千砂都「ほんと!?」

だんだん大事になってきた。早くとめないと……!

かのん「創くん、作詞やってみる?」

メガネをかけたかのんさんがロフトからひょいっと顔を出す。

その顔は眩しいほどに純粋な笑顔で、僕は考える前に返事をしていた。

「僕、やってみます!」

 

そこから各自、作曲、衣装作り、練習などに移っていった。

僕はみんなの練習風景を眺めながら作詞に勤しんでいた。

かのん「作詞、どう?」

温かい飲み物とともにかのんさんが僕の横に座る。

「ありがとうございます。やっぱり初めてで、難しいです。」

「伝えたい思いと、歌にのせたい言葉と……ありすぎて、書ききれません。」

僕の言葉にふふっ、と笑いをこぼすかのん先輩。

かのん「よかった、楽しくない訳じゃなくて。」

「すごく楽しいです、作詞。」

「僕のこと、Liella!のこと、結ヶ丘のこと、そして遠く離れた顔も知らない誰かのこと。みんなの思いを詰めた、あたたかい曲にしたいんです。」

かのんさんの持ってきてくれたコーヒーを両手で持ち、口へ運ぶ。

かのん「それ、すごく素敵。Liella!にぴったり。」

優しい顔で僕のノートに目線を落とすかのんさん。

「あの、かのんさん!」

ずっと言いたかったことがあった。……言うのは今しかないと思うんだ。

かのん「どうしたの?」

「終わったあとのこと話すの、気が引けるんですけど……」

「LoveLive!のあと、僕とデートしてくれませんか……?」

僕の顔が熱くなるのを感じる。目線の先ではみるみるうちにかのんさんの頬が桃色に染まっていくのがわかる。

かのん「あ、え、っと……」

かのん「……もち、ろん。私も、したかったから……」

頭を人差し指で恥ずかしそうに掻くかのんさん。

「よかった、じゃあ約束ですね。」

かのん「うん、約束。」

僕とかのんさんはそれぞれ右手と左手を出し、小指を結んだ。

 

それから数日後、遂に合宿最終日になり、僕たちは庭で焚き火をさせてもらうことになった。

四季「振り付け、決まった。」

メイ「曲も完成したぞ。」

すみれ「衣装も考えてみたわよ。」

「歌詞、できました!」

みんなそれぞれ自分の出来ることを精一杯やり切ったようだった。すごく幸せそうな顔をしてる。

かのん「一生懸命頑張って、みんなに応援してもらって、みんなと一緒に成長できる、スクールアイドルって本当に素敵だと思う。」

可可「すっごく楽しくて……」

メイ「すっごく大変で……」

すみれ「でも、ここにしかない喜びがあって……」

四季「その気持ちが歌になって溢れる。」

千砂都先輩がふふっと笑ってから口を開く。

千砂都「そういえばLiella!って思えばずっとそうだったよね。」

かのん「それが私たちにとっての本当の歌なんじゃないのかな。」

恋先輩がはっとした様子でかのんさんの顔を見つめる。

恋「その言葉、マルガレーテさんの……!」

かのん「そう、本当の歌……」

僕たちの、本当の歌。

 

成生視点──────

マルガレーテ「ねぇ。」

作曲中に後ろから呼びかけられる。マルガレーテから俺を呼ぶことは少なくなにかあったのかと振り向く。

「ん?どうした、マルガレーテ。」

マルガレーテ「あんた、この前私の電話聞いてたでしょ。」

この前……ってあぁ、あのお父さんらしき人と話してたヤツか。聞いてたのバレちゃったかと少し後悔する。

「ちょっと出来心ですま」

俺の話を遮ってまで話し始めたマルガレーテの言葉は意外な言葉だった。

 

「俺もウィーンに連れてく!?」

マルガレーテ「えぇ、私がウィーンに戻る時一緒に入学させてもいいってね。」

マルガレーテは何事も無かったかのように話を進める。

「ちょっと待てなんで俺も行くことになってんだよ。」

マルガレーテ「なによ、才能を証明するには良い機会でしょ?」

それもそうだ、俺は自分の才能をあの家族に知らしめて、あの家を捨てるんだ。

なのに、何故こんなにも迷ってるんだ?

マルガレーテ「ま、時間はたっぷりあるから考えなさい。」

「あ、あぁ……」

それじゃ、とスタスタと俺の作曲部屋から立ち去っていくマルガレーテを唖然とした表情で見つめることしか出来なかった。

「俺は……どうしたいんだ……?」

作曲の道に進んで、俺の才能を世に証明して、居場所を作ってあの家を出ていく。それでいい。それでいいはずなんだ。

なら絶好の機会だろ、世界トップクラスの音楽学校だ。そこでしか学べないことなんて山ほどある。

なのに、なのに……

「なんで俺は、お前のことを考えちゃうんだよ……」

机の上に置かれた写真を見つめる。

そこにはまだ両膝が綺麗なままの俺と、白いお団子を2つ携えた特徴的な髪型の少女が並んで立っていた。




今回も読んでいただきありがとうございます。
遂に次回、Liella!とマルガレーテが対峙します。
お互い並々ならぬ思いを抱えた東京大会、どんな結末になるのか見届けてあげてください。
次回もよろしくお願いします。
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