ラブライブ!スーパースター!! Create the future 作:園枝こるだ
先日お気に入り登録を30人もの方から頂きました。いつもありがとうございます。初執筆初投稿で至らぬ点も多々あるとは思いますが楽しんでいただけるように頑張っていきますのでどうかこれからもよろしくお願い致します。
創視点──────
後日僕とかのんさんは留学の話が無くなったことをみんなに報告した。成生にも一応メッセージを飛ばしておいたのでいつか見るはずだろう。
すみれ「悩んでたなら……な!ん!で!相談しないのよ!」
ただ今かのんさんはメンバー、主にすみれ先輩に詰め寄られている最中だ。
かのん「ご、ごめんって〜!色々考えてたの!」
千砂都「かのんちゃんが残ってくれて何よりだよ。よかった。」
千砂都先輩の言葉にみんなが頷く。
……ちなみにマルガレーテの面倒を見ることについてはまだ話してない。この話にはまだ続きがあるのだ。
マルガレーテの父さんからの電話の後、僕とかのんさんは少しだけ話していた。
「あ、そうだ……かのんさん、マルガレーテ多分結ヶ丘に入学すると思います。成生が言ってたので。」
かのん「えっそうなの!?けど面倒見るって多分そういうことだよね……」
ただマルガレーテが素直にLiella!に入るとは思えない……
かのん「新しくスクールアイドル部作ったり、しそうだよね……」
「あぁ……確かに……」
かのん「…………」
少し考え込んだあとにかのんさんの口から驚きの言葉が飛び出した。
かのん「私、そっちに行く。」
「え!?り、Liella!はどうするんですか……?」
その場合実質的なリーダーであるかのんさんがいなくなってしまうことになる。というか成生含めても3人、ステージに立てるのは2人だ。
かのん「ずっと離れ離れなわけじゃない、いつかひとつになるためにふたつになるんだよ。」
「いつか、ひとつに……?」
うん、と頷くかのんさん。
かのん「まだ新しい部活をマルガレーテちゃんが作るかわからないけどね、けど私はそうなる気がするなぁ……」
「ま、まぁその時また考えましょう……」
というわけだ。まだ憶測の域を出ない話だし、決勝前にみんなの気を逸らすことはあまり言わないようにしようとかのんさんと2人で決めた。
きな子「創くん?」
「ん?どうしたの?」
名前を呼ばれていることに気づかず、それを不思議に思ったのかきな子ちゃんが顔を覗き込んできた。
きな子「なんかじっとしてたから……考え事っすか?」
「あ、うん……決勝のステージ、考えなきゃなって。」
慌ててなんとか誤魔化す。
可可「そうデス!遂に決勝デスよ!」
恋「去年はここまで来れませんでしたからね……」
恋先輩が目元を指で拭う。
かのん「とにかく今は決勝に集中!目指せ優勝!!」
そこからの日々はあっという間でかのんさん達は練習と作詞作曲、衣装作りに、僕は協力してくれる人達とステージ作りに励んでいた。
日々捲っていた決勝まであと何日のカウントダウンカレンダーも薄くなり、遂にあと1日になってしまった。
そんな時ステージ作業を終え帰ろうとしてる僕の前にとある人物が現れた。
「成生。」
成生「様子、見に来てやろうと思ってな。」
近くの公園に移動し、2人でベンチに腰掛ける。
成生「勝てそうか?」
「……うん、みんなならきっと勝てるよ。」
そりゃいいことだ、と近くの自販機で買った暖かい飲み物を1口飲む。
「マルガレーテはどうしてるの?」
成生「なんも変わらずだよ、練習漬けの日々だ。ちょっとは休めって言ってるんだけど聞かなくてな。」
1度成生のところを尋ねてから僕らは定期的に連絡を取り合ったり、会って話をしたりなどするようになった。活動についての話し合いがほとんどだが、たまにプライベートなことについても話したりする。
「マルガレーテの性格じゃ休まないでしょ、それは成生が1番わかってるんじゃない?」
成生「まぁな、自分の力でウィーンに戻るって意気込んでるよ。」
笑いながら嬉しそうに成生が話す。
「成生はさ、いつ千砂都先輩にほんとのこと話すの?」
成生「……さぁ、どうだろうな。」
耳が痛い話だと察した成生はふいっと目を逸らす。
「もう言うべきじゃない?」
「本当は成生が踊れること。」
数週間前──────
その頃から僕はもうアポなしで成生の所を尋ねるようになっていた。いちいち連絡されると大事な連絡が埋まると成生から少しウザがられてしまった。
「成生、いる……え?」
いつもいるスタジオの方ではなくレッスン室の方から物音が聞こえたため、気になってドアのガラス越しに中を眺めるとそこには成生が踊る姿があった。
「成生!足大丈夫なの!?」
勢いよくドアが開いて驚いたのか、成生はダンスをやめこちらを見る。
成生「あぁ創か……大丈夫だよ。」
成生「傷があるだけで何も後遺症はないからな。」
「えっ!?あ、足が悪くて作曲の方に転向したんじゃないの……?」
そばにあったタオルで汗を拭いながら成生は真相を語り始めた。
成生「違うよ、俺は逃げただけだ。別にダンス自体は問題なくできる。」
「じゃあなんで作曲に……?」
僕の方を一瞥してひとつため息をつく。
成生「お前は変なところで鋭いな、そこはそうなんだで納得してくれ。」
「自分で踊れるなら、作曲する理由なんてないでしょ……?」
成生「……少し長くなる、座って話そう。」
僕は黙って成生の後を追い、僕が綺麗に掃除した部屋へと場所を移した。
成生「俺が作曲の道に進んだのは千砂都のためだ。」
「千砂都先輩のため?」
意味がわからずオウム返しになってしまう。
成生「俺が怪我したのは千砂都のせいだって、創は聞いてるだろ?」
「……うん、けど事故だったんでしょ?」
成生「あぁ、正直ダンスの事故なんてほとんどが接触だ。誰かのせいだなんてわざわざ咎めたりなんかしない。」
ただな、と言葉を続ける。
成生「千砂都はその事故の後少し踊れなくなった。俺を怪我させたみたいに誰かをまた怪我させたら、って思ったんだろうな。」
僕は黙って成生の話を聞く。
成生「そこから俺は作曲の道へ進んだ。俺が曲を作れば、千砂都にずっと1人で踊らせられるってな。」
「ずっと、1人で……」
成生「けど実際は違った。千砂都はいつしかダンスから離れてスクールアイドルに、また誰かと一緒に踊る道を選んだ。」
グラスに入れられた1つの氷がパキッと音を立てて2つに別れる。
成生「なんとも言えない感情だった。」
成生「そこでマルガレーテに出会った。利用していたと言われれば、まぁ否定はできないな。」
申し訳なさそうに目線を下げる。
「それで、あの時千砂都先輩にあんなこと言ったの……?」
成生「……あぁ、創やLiella!にも迷惑かけた。すまなかった。」
成生「俺はただ、千砂都に傷ついて欲しくなかったんだ、俺の歌で千砂都を守れるならそれでいいと思ってた。」
ふっ、と成生は自分を嘲笑うかのように肩を震わせる。
成生「だが、今の千砂都に必要なのは俺じゃない、Liella!なんだよ。」
この話は終わりだ、と席を立とうとする成生の腕をがしっと掴む。
成生「創……?」
「成生が千砂都先輩を想っていたように千砂都先輩だって成生を想ってたはずだよ!」
「もう一度千砂都先輩と踊りたいって思うなら、全部言わなきゃ……!」
僕を唖然とした顔で見つめる成生。直後ぷっ、と吹き出す。
「な、なんで笑うのさ!」
成生「はは……いや、これが彼氏だと澁谷かのんも大変だと思ってな。」
……え?僕かのんさんと付き合ってるの成生に言ってないんだけど!?
成生「ちなみにバレてるぞ、話聞いてたら嫌でもわかる。」
「…………以後気をつけます……」
僕の知る限りではまだ成生は千砂都先輩には話していない。
「遅くなれば遅くなるほど言いづらいよ……」
じとっとした目で成生を見つめる。その視線を手でしっしっと跳ね除ける。
成生「わかってるよ……母親みたいなこと言いやがって……」
成生「ひとまず、Liella!が決勝を終えるまで言うつもりは無い。」
混乱させたくもないしな、と冷える手をは〜っと息を吐いて温めている。
成生「ひとまず大会に集中しろ、Liella!が優勝してくれたら優勝者のライバルっていう箔が付くからな。」
成生はケラケラと笑っている。
「勝つよ、Liella!は。」
成生「そうじゃなきゃこっちが困る。」
星が瞬く空の下、2人の拳がこつんとぶつかりあった。
遂に運命の決勝の日。この日も僕はステージ裏には入らず、結ヶ丘の生徒が集まる観客席にいた。
ナナミ「創くんほんとにこっちで良かったの?」
「はい、もちろんなんですけど舞台袖女の人ばっかりで少し怖くて……」
あはは、と頭を搔く。
「それに今日は知り合いも見に来てますから。」
ヤエ「知り合い?」
少し離れた方にいる成生と目が合う。傍にはマルガレーテの姿も見える。
「優勝するのはLiella!だって、約束しましたから。」
成生視点
「楽しみだな、Liella!のステージ。」
横にいる人物に話しかける。
マルガレーテ「何ちゃっかり楽しもうとしてんのよ。そんなものまで持って。」
マルガレーテは俺の手元に視線を落とし、握られたペンライトを見てはぁ……と大きなため息をつく。
「創がくれたんだよ、1本使うか?」
マルガレーテ「いらない!!」
ふん、と大きく俺の方から体ごと逸らす。
「……見せてもらうぞ、千砂都。」
かのん視点
LoveLive!決勝、去年は立つことのできなかったステージが今目の前にあると思うと足がすくむ。
千砂都「大丈夫。今年はみんながいるから。」
とん、とちぃちゃんが私の背中を押す。振り返ると1年生のみんなが並んでいる。
四季「私たちじゃまだ頼りないかもしれない。」
メイ「けど、アタシらだって勝つために精一杯努力してきたんだ。」
夏美「先輩たちに追いつけるように、必死に……!」
きな子「だから、信じてほしいっす……!」
私たちとの差を悲観していたみんながこんなにも頼もしくなって……目頭が熱くなる。
すみれ「泣くのは勝った後、決めたでしょ?」
恋「はい。必ず勝つと約束しましたから。」
可可「かのん!いつものしマスよ!!」
私の横に去年涙を飲んだ仲間が並ぶ。
「うん!やろう!!」
ばっ、と指を差し出し大きな星をつくる。少し離れた観客席にまで伸びる大きな星。
かのん「1!」
可可「2!」
すみれ「3!」
千砂都「4!」
恋「5!」
きな子「6!」
メイ「8!」
四季「9!」
夏美「10!」
かのん「結ヶ丘スクールアイドル部Liella!!たくさんの人に歌を届けよう!Song for me!Song for you!」
9人「Song for all!!」
創視点──────
可可「じゃ、じゃーん!!とぉ〜!!」
可可「Liella!、優勝しマシたー!!」
9人「いえーい!!!」
みんなで大きく手を上げる。僕たちはLoveLive!を無事勝ち抜き、優勝旗を手に入れた。
すみれ「ってこうやって喜ぶの何回目よ!恥ずかしい!!」
可可「恥ずかしいとはなんデスか!優勝デスよ!LoveLive!優勝デス!」
優勝したからといって何かが変わるわけでもなくいつもの夫婦漫才が繰り広げられる。
メイ「最高だな……!」
夏美「ま、私がいれば当然ですの。」
夏美「……初めての、1等賞……」
夏美が目尻に涙を溜めている。
すみれ「どうしたの?」
なんでもないですの、と急いで否定する。
恋「幸せです。お母様のつくった学校をみんなの力で大きく成長させることができました。」
ペンダントの中に入ったお母さんの写真と見つめ合う恋先輩をみんなが優しい目で見つめる。
きな子「かのん先輩、ほんとによかったんすか……?」
かのん「うん。どっちにしろ、留学出来なかったからね。」
あはは……と疲れたような顔で笑うかのんさん。
千砂都「マルガレーテちゃんもなるくんも結局結ヶ丘に来るのかな……?」
成生「その通り。これからよろしくね、先輩。」
部室のドアがいきなり開き、その向こうには結ヶ丘の制服に身を包んだ成生とマルガレーテが立っていた。
四季「カチコミ……」
「カチコミでは無いと思うけど……」
真面目な顔でぼそりと呟く四季の言葉を短く否定する。
成生「一足先に挨拶しておこうと思ってな。」
成生「俺とマルガレーテは新スクールアイドル部を発足する。理事長にももちろん許可済みでな。」
成生はひらりと1枚のチラシを机の上に放る。
マルガレーテ「澁谷かのん。」
成生の後ろにいたマルガレーテが真っ直ぐとかのんさんを見つめたまま口を開いた。
マルガレーテ「私は、あなたに勝ってウィーンに行く。それだけ。」
それだけを言い残しマルガレーテはすたすたと階段を降りていった。
成生「そういうことだ、同じ学校にライバルがいることを忘れないようにな。」
ぱたん、と部室のドアが閉じられ短い静寂に包まれる。
可可「折角の優勝お祝いムードが台無しデス〜!あの2人〜!!」
暴れるように旗をぶんぶんと振る可可先輩を横目にかのんさんが机の上に置かれた新スクールアイドル部と書かれたチラシを指さす。
かのん「……私……こっち、入ろうかな、って……」
8人「え?」
8人「えぇっ!?」
部室から過去聞いたことがないほどの大きさの驚きの声が響いた。
今回も読んでいただきありがとうございました。
テレビアニメ2期最終話にあたるストーリーでした、次回からは遂にテレビアニメ3期のストーリーになります。
マルガレーテ、成生、そして冬毬の入学によってLiella!がどう変わっていくのか、創と成生はどのように成長していくのか。引き続き楽しんでいただけると幸いです。
次回もよろしくお願いします。